新世紀の魔導剣士02
作者より
作者のクズハです。
読者の皆様、大変お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
これから少しずつではありますが、掲載していけるよう努力していきますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは――本編、始まるよー!
⸻
シンジから預かった手紙を読んでみると、そこに書かれていたのは、たった二文字。
『来い』
確かに、「来い」の二文字しか書かれていない。
どこからどう見ても、手紙というより電報である。
――これが組織の司令から送られてきたものなのだろうか?
ミサトは思わず、
「……こんなので大丈夫なの?」
と、心の中で呟いてしまった。
そして、ふと我に返ると、シンジの方へ視線を向ける。
するとシンジは、何とも言えない苦笑いを浮かべていた。
ミサトは手紙をシンジへ返しながら、呆れたように言う。
「さすがに、これはないわねー……」
「……ですよね」
シンジも苦笑しながら手紙を受け取る。
そして、それを持っていた鞄の中へ丁寧にしまった。
「それで、これからどうするんですか?」
シンジがそう尋ねた、その時だった。
ゴウン――。
二人を乗せていたエレベーターが、ゆっくりと停止する。
どうやら最下層へ到着したようだ。
扉が開くと、ミサトが先にエレベーターを降りる。
シンジもその後を追い、しばらくミサトの後ろを歩いていた。
しかし――。
「……あれ?」
シンジは、ふと周囲を見回した。
見覚えのある景色。
先ほど通った場所と、まったく同じように見える。
しばらく歩いたところで、シンジはミサトに声を掛けた。
「あの、ミサトさん」
「ん? なに?」
「さっきから同じところを通っているような気がするんですが……」
「…………」
「もしかして……迷いました?」
その瞬間、ミサトの足がピタリと止まった。
「…………」
どうやら図星だったらしい。
ミサトは少しだけ顔を逸らしながら、言い訳するように口を開く。
「しょうがないじゃない。またここに来て、そんなに経ってないんだから!」
「いや……でも……」
「それに、ここ広すぎるのよ!」
「……はぁ」
シンジは苦笑する。
するとミサトは、
「あ!」
何かを思い出したように声を上げると、上着のポケットから携帯端末を取り出した。
「文明の力は、こういう時に使えばいいのよ!」
そう言いながら、ミサトは端末を操作する。
そして相手が出ると、すぐに話し始めた。
「もしもし、リツコ?」
すると、端末の向こうから呆れたような女性の声が返ってきた。
『葛城三尉。あなた、今どこにいるの? 時間がないって分かってるんでしょうね!』
「ごめーん。ちょっと道に迷っちゃって」
『……はぁ?』
「悪いんだけど、迎えに来てくれない?」
『あなたねぇ……!』
電話の向こうから、明らかに怒っている声が聞こえてくる。
それを隣で聞いていたシンジは、呆れたような表情を浮かべた。
そして、小さくため息を吐く。
「はぁ……」
(リツコさんも苦労してるなぁ……)
シンジは、そんなことを考えながら、二人のやり取りを見守っていた。
しばらく待っていると――。
遠くから、一人の女性がこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。
金色の髪。
白衣を身にまとった、知的な雰囲気の女性。
その女性はミサトの姿を確認すると、足早に近づいてくる。
そして、開口一番――。
「葛城三尉!」
「リ、リツコ……」
「いったい何をしているのよ、あなたは!」
どうやら、かなりお怒りのようだ。
ミサトは苦笑いを浮かべながら、頭を掻く。
「いやー……だから、その……ちょっと迷っちゃって」
「『ちょっと』じゃないでしょう!」
「まあまあ、リツコ。そんなに怒らなくても――」
「ミサト!」
「はいっ!」
リツコの一喝に、ミサトが思わず背筋を伸ばす。
その光景を見ていたシンジは、思わず苦笑してしまった。
(……まあ、忙しい時に『迷子になったから迎えに来て』なんて連絡が本人から来たら、そりゃ怒りたくもなるよな……)
シンジは心の中で、リツコにそっと同情するのだった。