中二病の黒魔術師   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第14話 天界

異世界スローライフ村にて、神について色々と聞いて回ったけど、最大の情報は「転移者は皆、最後は落下してこの世界に来た」ということだ。どうやら真下に黒い穴が空き、一瞬で意識を失って、気が付けば家の前に落ちていたとのこと。

 

そしてこうやって質問をしている時点で、私が神様に転移させられた存在じゃないとバレたので勝手に転移してた人になっとく。

 

(自分で黒魔術を行使して世界を渡りましたって、馬鹿正直に言うほど馬鹿じゃないよ)

『帰り方を把握せずに世界を渡るのは馬鹿のすることであろう?』

(ぐっはぁ)

『……まあよい。

神であれば世界を渡らせることが出来る、その神は恐らく天界にいるという2点の確認が取れたのだ。十分な収穫であろう』

(元から何となくわかっていたことではあるけどね。キルラルドは1回天界まで行ったことがあるんでしょ?)

『天使達が残した道を使って、だがな。しかもその後、何もできずに強制送還されたぞ』

 

キルラルドが声をかけてくるけど、このドラゴン暇なの?他の人は自身の領土の拡張だの配下を増やすだのやることやってるのに、このお爺ちゃんドラゴンはずっと私のことを監視しているような気が。隠居した皇龍って、みんなこうなのかな?

 

(……神を降せば、自由に世界を渡れそうだね)

『神が何体いるか分からんが、性格的に願いを聞いて貰えるとは思えんな』

(絶対苦労している異世界人を見てゲラゲラ笑っているタイプだよ。邪神か悪魔かな?)

『おそらく……闘争のない天界は暇なんじゃろ。暇潰しには最適ではないか。そういうの』

 

異世界スローライフ村は、異世界人達が集まって村になっている。最近はまともに収穫できる量も増えたようだし、売ってお金を稼ぐことも出来たらしい。村全体で、去年の収入は500万ぐらいだと言っていた。ということは、1人頭25万円ぐらい?1年働いてそれって、相当厳しいような。

 

「厳しいってものじゃないさ。税金で1人10万円を取られるからね」

「あ、この国そういう税金あったんだ」

「……ん?まだ国民登録をしてないの!?悪いこと言わないから、早く手続きは済ませた方が良いよ」

 

上川さんによると、この国は国民の登録に10万円のお金が必要らしく、更に職業により毎年10万円以上の税金を納めないといけない。そういえばリアマリアちゃんを買った時に、奴隷は1人20万円みたいなことが書いてあった。今年の分は払っていると書いてあったから、スルーしていたけど、来年以降は払わないといけないのかな。

 

というか毎年10万円を持って行かれるなら、1人頭15万円?それって、日常生活に必要なものを買ったらほとんど手元に残らなさそう。農家って世知辛いね。この世界、農業に従事している人が多そうだし、豊作貧乏の対策とかされてないと思う。

 

……蓄え0のこの人達は、不況が襲ったらどうするんだろう?まだ20歳~25歳の男の人が多いから何とかなりそうな感じだけど、十数年後は悲惨でしょ。それまでに、可愛いチートな女の子が嫁ぎに来れば良いね。私?私は可愛いチートな女の子を孕ませる側だが?嫁を複数人囲う気満々だが?

 

ぞろぞろと男の人が集まってきて、貞操の危機を感じたので異世界村を出る。尾行してきている人がいたので、空間を切り取って村の反対側に送ってあげた。たぶん今頃、ホラー体験をしたと大騒ぎしてるはず。……ボコってお金を巻き上げるのは、あの人達相手だと何か可哀想だよ。

 

帰りはダブちゃんを召喚して、ちょっと迂回気味に付近の街まで戻る。透明化してもなぎ倒される木々のせいで、何かヤバイ魔物が通ったって後日騒がれそうだね。リアマリアちゃんは、ダブちゃんを見た瞬間に気絶しました。まあムカデを元にした二つ口の巨大な蟲だから、女の子にはちょっと厳しいかも。

 

「ほらリアマリアちゃん、起きて」

「うーん……はっ!?なんかいま、凄い魔物が……」

「今、その凄い魔物の背中に乗ってるから落ちないようにね。ムカデの背中、思っていたよりも柔らかいでしょ?」

「……嫌あああああああぁァァァ!!」

 

一度起きたと思ったら、叫び声をあげてまた気絶するリアマリアちゃん。座ったまま気絶するって、器用なことするね。地味にダブちゃんが傷付いているし、リアマリアちゃんの蟲嫌いは何とかしなくちゃ。

 

……と言っても、蟲で囲んだらショック死があり得るレベルなのでアラクネのアーさんぐらいから慣れさせよう。あの人、ほぼ丸一日寝ているような人だから扱いが難しいけど、悪魔にしては優しいから初対面でも何とかなりそう。街に着いたら、リアマリアちゃんを背負って宿屋へと泊まる。この宿屋もお風呂があるから、相当お風呂文化は浸透しているね。お風呂好きの私からすると、本当にありがたいことだよ。

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