異世界生活4日目になり、今日は冒険者ギルドで討伐依頼でも受けてみる。異世界人達が、大体Dランク辺りで挫折している理由も気になるし。
と、その前に国民登録をしなくちゃいけないんだった。冒険者カードは身分証明書ではあるけど、国民であることへの証明書では無いからね。国民じゃないと、例えば冒険者ギルドで素材を売る時とかに若干のマイナス査定が入る、家を買うことが出来ない、その他諸々の不利を受けるので、登録しておいた方が良い。
そして冒険者の毎年の税金は、税金を納めるタイミングのランクによって変わるらしい。Gランクは最低額の10万円だけど、Fランクは20万円だった。その後はどんどん10万円ずつ上がって行って、Bランクで60万円。Aランクは80万円でSランクは100万円とのこと。累進課税っぽい制度になっているけど、これ一番キツイのはBランクからCランク辺りかな?この世界、冒険者ギルドの報酬が大して高くない。
私の場合は、Fランクの冒険者だから20万円だね。奴隷は基本20万円だけど、冒険者登録をして冒険者のランクが高くなるとそちらの方で払わないといけない。
ちなみに冒険者ギルドの報酬の3割も国へ持って行かれます。国民登録をしていないと5割。もはやぼったくりというレベルじゃない。この掲示板に張り出されている依頼書に書いてある報酬、国民じゃないなら半分は持って行かれると考えると……生活が苦しい。
最悪の場合、金貨は叩けば増やせるけど、経済にどこまで影響があるか分からないから大人しく依頼を受けよう。Fランクで主流なのは一角ウサギを3匹、殺して丸々持ってくる依頼。3匹で1万円。3割引かれることを考えると7千円。日給7千円とか格安の宿にしか泊まれないんですけど。
しかし他の依頼も似たようなものばかりで、Fランクが受けられる依頼というのは報酬が少ない代わりに危険性の少ないものばかりらしい。仕方ないので、今日は一角ウサギを根絶やしにすることにした。
「範囲は、王都からこの街までで良いかな?」
『我が燃やしても良いか?』
「だめ。下級悪魔に捌かせるからキルラルドに出番はないよ」
「えっと、カスミ様は何をしようと……?」
「ああ、単純に王都からこの街までの範囲の魔法陣を描いて、その上にいる一角ウサギを全部亜空間に放り込むだけ。後処理はレッサーインプ達に任せる」
「……?…………???」
魔力を使い、魔法陣をどんどんと広げていく。当然不可視にしているけど、リアマリアちゃんには見えるようにしてあげよう。魔法陣の端が王都の城門に到達したら、魔法陣を起動して魔法陣上の一角ウサギを亜空間へ転移。うーん、直径72キロの魔法陣は久々だから疲れる。
そして亜空間にレッサーインプ達を呼び出して、解体作業を任せる。生きた一角ウサギの群れおよそ1万匹VSレッサーインプの大群10万匹の戦いが亜空間の中で行われるけど、外には漏れ出ない。
「ひめさまー。60匹を残して後は全部食べて良いんです?」
「いいよー。解体手伝ってくれたみんなで仲良く分けて食べてね?」
「ありがとうございます!えっと、集計が終わってあの兎は1万2492匹いた模様です。なので1万2432匹はいただきますね」
中級悪魔になりかけな、下級悪魔のイチが報告に来てくれたので60匹を残して全部食べて良いことは伝える。このイチは、最初に契約した悪魔なんだよね。何でまだ下級悪魔のままなんだろ。結構色々と食べ物を与えてはいるんだけどな。
リアマリアちゃんは相変わらず理解が追い付いていないみたいだけど、理解が追い付いた瞬間、周囲をキョロキョロとし始めた。そんなにキョロキョロしても、もうここから王都までの一角ウサギは全滅したから一角ウサギは見つからないよ。
「あの、カスミ様は今と同じことを人相手でもできますか?」
「むしろ、何でできないと思ったの?」
「……ひぇ」
さーっと顔色が悪くなっていく様は、何度見ても面白いというか、胸がキュンキュンとする。これが恋なのかな?人相手にも同じことが出来るから、いざとなれば周囲100キロ圏内の人間を一瞬で絶命させることも出来る。まあ強い人間だと亜空間内で下級悪魔を仕掛けても返り討ちだろうから、もう少し手間暇をかける必要は出て来るけど。
下級悪魔達の中で、今回の戦いで死んだ悪魔はいないみたい。逆に中級悪魔へと進化した悪魔が6匹いたみたいで、得るものは大きかったようだ。さてと。60匹の一角ウサギを確保したので、一角ウサギの討伐依頼を10件クリアということだね。FランクからEランクへ上がる昇級試験を受けるには、依頼達成10件が条件だったけど、それを2人分クリア。
とりあえず今日は、達成報告を20回してこの街の観光でもしておこう。街を出て、数十歩歩いた草原でクエストクリア。多分これが一番早いと思います。