中二病の黒魔術師   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第18話 合流

9回目のループ時、時間の巻き戻る流れに逆らって移動を開始。時間が巻き戻る時間を利用しての移動だから、実質転移みたいなものになるね。とりあえず巻き戻る時間の中でキルラルドの力を借りて半分ぐらい移動したので、次のループでは傍まで行ける。

 

でもこのループ中に、会うぐらいは良いと思うんだ。だから彼を襲っている盗賊団を、サクッと背中側から全員刺す。うーん、流石にCランク冒険者からはぎ取った短剣の切れ味は悪い。

 

「あ、あんたは誰だ!」

「私の名前はカスミで良いわよ。そして一発、殴らせなさい」

「はあ!?何でだよ!?ぐふっ」

「何度も人にループに巻き込んだ罰は、これぐらいにしておくわ。どうせあなたの意図しないループだろうし」

 

即座にループについて言うと、目を大きくして驚く彼。名前は夏川 渡(なつかわ わたる)と言うらしい。なんか主人公っぽい名前だねえ。同い年っぽいし、ワタル君で良いのかな。

 

「で、どうやってこの世界に来たの?」

「分からない。コンビニの自動ドアから出たら、もうここにいたんだ」

「ああ、だから買い物袋をぶら下げているのね。異世界語を話せているのは……そこが話せないと詰み不可避だからかな」

 

ワタル君は高校2年生と、同級生であり、クラスに友達は1人もいない所謂可哀想な子、らしい。こちらから話しかけたら受け答えは出来るけど、自分から話し始めるのは致命的に苦手な感じかな。まあ私達の世代って、そういう傾向の子が多いけど。

 

挨拶もそこそこに、時間が巻き戻る現象についての解析を始める。本人は説明出来ない様子なので、勝手にワタル君の背中に手を当て、解析を始めると……、

 

空から、極太のレーザーが降ってきて一瞬で身体が蒸発した。え、ナニコレ?めっちゃ痛いんですけど。

 

私が死ぬクラスの攻撃だったのか、私が私に仕掛けた魔法陣が起動し、時間が巻き戻る。うわあ、久しぶりにこれ起動したなあ。しかしまあ、あの熱量のレーザーが天から私を貫くとは思ってもなかった。どうやらワタル君に時間遡行の術を仕掛けた存在は、相当ヤバイ存在ね。

 

時間の逆行をストップさせ、また挨拶から始まる。この逆行は、私以外は知覚出来ないからワタル君も記憶が無いんじゃないかな。

 

「いや、俺の意図しないループというか……言えないんだけど、察して貰える?」

「察しているから大丈夫だよ。たぶんだけど、死に戻り系かな?セーブ&ロードではないよね?」

「そんな便利なものじゃないんだ。あ、俺の名前は夏川渡だ。……よろしく頼む」

 

先ほどと、全く同じ会話が為される。うん、これは向こうに記憶が残ってないパターンだね。まあ私の術式だから当たり前か。そしてこの後で解析しようとして、先ほどは極太レーザーに撃ち抜かれた。だから私は、もう一度ワタル君の解析をする。

 

先ほどまでと全く同じ、極太レーザーが降って来るけどそんなの関係ない。来ると分かっている攻撃であれば、防ぐことも空間を湾曲させて回避することも可能だ。今回は、せっかくだから反射にしてみた。こういう攻撃は、跳ね返すに限る。

 

大きな鏡を召喚して、レーザーを反射する私。直後、私の身に危険があったということでキルラルドやセバスやエレシオンが召喚されるけど、ちょっと遅いよ。

 

「な、なんだお前ら!?」

『契約者よ、大丈夫か?』

「大丈夫じゃなかった。一回死んだし」

 

ワタル君が驚いているけど、そっちの対応はリアマリアちゃんに任せる。一番の問題は、攻撃を仕掛けて来た存在がまだ生きているであろうということだ。あのレーザーを反射したからといって、それで向こうがくたばるような存在ではないと思うし、次の攻撃があってもおかしくない。

 

しかしいくら待っても攻撃が飛んでこないので、痺れを切らしたキルラルドが咆哮と共に極太ビームを発射する。例の光の奔流が、先ほどビームを撃たれた方向を襲い、次々と湧いて出るレッサーインプやインプ達が突撃を始める。うん。インプ達は先駆け頑張ってね。

 

この世の物とは思えない百鬼夜行を見てしまったワタル君は、1d20のSAN値チェックです。リアマリアちゃんの方はもう慣れた。大量に出て来る中級悪魔であるインプを見て「わーすごい」で済んでいる。英才教育の賜物ですよ。順応性の高い猫耳尻尾付きロリっ子は最高ね。

 

しばらくすると先駆けをしていたレッサーインプ達が凄い勢いで減っていくけど、100万匹までなら軽い出血程度だわ。どうせならと、出番の少ない外れ特性の上級悪魔達も召喚して突撃させる。またの名を在庫一掃セール。私と契約したんだから、突撃して情報を得て来てよ。

 

「な、なんだよお前……あんな悪魔達を、全員従えているのか……?」

「カスミ様は、あの悪魔達の上司を従えているようです。だから召喚され続けているあの悪魔達から見ると、カスミ様は上司の上司ですね。命令には背けません」

 

しばらくすると、遠方で光のビームが乱射されているのが目視出来た。居場所も割れたため、上級悪魔達が功を狙って一斉に襲い掛かっている。相手がどんな存在かは分からないけど、一撃ぐらいは入れてよね。

 

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