あなたの隣に居たくて   作:不思議ちゃん

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ごわめ

「それでなんだけど、宿題も早く終わりそうだし3人でどこか遊びに行かない?」

「どこかって……どこ行くのさ。曜も部活あるだろうし」

「次の休みは明後日にあるけど、泊まりで遊ぶならもう少し先になるよ?」

「泊まりじゃなくても3人でどこか遊びに行きたいの!」

 

 特に具体的な案があるわけでもないが、とにかく3人で遊びに行きたいと口にする千歌。

 優と曜は顔を見合わせ、片やため息をつき、片や苦笑いをする。

 

 何かをしたいと言い始めるのは殆ど千歌であるが、それを具体的に決めていくのは毎回優と曜であるため。

 今回も慣れたようにどうしたいのかを決めていく。

 

「で、体を動かしたいのか。何かを見て回りたいのか」

「曜ちゃんに疲れが残らないのがいいよね」

「私、体動かすの好きだから大丈夫だよ?」

「たまにはゆっくりするのもいいでしょ。僕、クラゲ見たい」

 

 優は千歌や曜の解説用に持ってきていた白紙を1枚取り、水族館と書き込む。

 

「優くん、ほんとクラゲ大好きだよね」

「1人で1日クラゲ見てたって聞いた時はビックリしたけど」

「見ていて飽きないじゃん」

「1日は私、無理かな? あ、カラオケ行きたい」

 

 曜の案を聞いた優は水族館の周りにクラゲの絵を描いていた手を止めてカラオケと書き、再びクラゲの絵を描いていく。

 

「絵、ほんとに上手いよね」

「他にも色々描けるのに、クラゲしか描いてない……」

「僕の絵よりも千歌が行きたいとこは?」

「え? うーん……行きたいところかぁ」

 

 経験上長くなるの感じた曜は紙の隅にミカンの絵を描き始め、それを横目に優はミカンを手に取り皮をむいていく。

 

 

 

 腕を組んであれこれ考えていた千歌だが、特に行きたいところも思い浮かばず。

 

「もう、水族館からのカラオケでいいんじゃないかな?」

 

 優と曜でミカンの皮を5つほどむいた頃、千歌の出した結論がそれである。

 2人はそうなるだろうと分かっていたので特に何かを言うこともなく、待ち合わせの時間や昼食をどうするのか話し合って決め、再び宿題を進めるのであった。

 

 

 

 

 

「優くんってさ」

「うん?」

「いつも千歌たちといるけど、他に友達とかっているの?」

 

 いい時間になり、帰り支度をしている2人をボーッと見ていた千歌だが。

 ふと思った事をそのまま優へと尋ねる。

 ピクリと反応した曜もどうやら気になっていたようで、片付けを進めながらも意識は優の返しに向いていた。

 

「そりゃいるよ。毎日千歌たちといるわけじゃないし、その時は遊び行ったりとかしてるよ」

「そうなんだ。優くんだからボッチなのかと少し思ってた」

「……残りの宿題、1人で頑張ってね」

「わっ、ウソウソ! ちょっとした冗談だよ!」

 

 余計な事を口にした千歌はなんとか残りも手伝ってもらえるようにと拝み倒す。

 その頭をハリセンでペチペチと叩きながら優は笑っているため、からかって遊んでいるのが見て分かる。

 

「それじゃ……告白、とか。されたりしたことある?」

「えっ、そうなの?! 優くん、告白された事あるの!? ──あうちっ」

 

 曜の告白という言葉に反応していきなり顔を上げた千歌はハリセンを顔で受け止めてしまい、それほど痛くなかったにせよ反射的に声を上げる。

 

 ごめんと優は軽く謝り、ハリセンをテーブルの上に置き。

 そしてそのままカバンを持って帰ろうとしたが、千歌に押さえつけられてそれは叶わず。

 2人からの視線に耐えきれなくなった優は特に隠すことでもないかと割り切り、ため息をついて口を開く。

 

「……あるよ」

「ってことは、優くん彼女いるの?!」

「いや、断ったけど。じゃなきゃここに居ないと思うし」

「なんだ。なら良かった」

「千歌にとって致命的だもんね。僕が居ないと」

「ま、まあ、それもあるんだけど……ね?」

 

 優はいまだテーブルの上に広げられている宿題へと目を向けながら口にするが、千歌は少し顔を赤らめながら暗に他にもあるぞと匂わせるが。

 

「それじゃ、帰るから。今度は1人でも進めてよ」

 

 それが伝わることはなく、肩を落とすのだった。

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