スーパー戦隊このすばメガフォース VS 仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ the end of Cendrillon Warriors 作:伊勢村誠三
1
そこは暗い森の奥。
獣や荷馬車の往来があるおかげで辛うじて残ってる道を一人の少女が歩いている。
「ったく。どこもかしこも下品なこった。
魔王なんかのさばらせとくからか?
お前ぇらみたいな子悪党退治が後回しにされてんのは。」
少女は立ち止まってややハスキーだが幼い声とは不似合いな男性口調でつぶやく。
未知の脇から次々と武器を持った男たちが出て来た。
「へぇ、こりゃあ勘のいいお嬢ちゃんだ。」
「けどこんな所を一人で歩いちゃいけないってパパやママに教わらなかったのかぁ~?」
「嬢ちゃんみてぇな分かりやすく耳の尖ったエルフちゃんは変態の旦那方に高く売れるんだぜぇ?」
少女は美しいエルフだ。
白とライトグリーンのワンピースの上にグレーのロングコートを羽織り、黒いサングラスをかけている。
「出来ると思ってんの?この俺を売り物扱い何て。」
「随分余裕だなぁ?怖くねえのか?
嬢ちゃんこれからその奇麗な脚の健斬られて男どもの肉便器にされちまうんだぜ?」
「お前らこそ余裕だな?」
少女はサングラスを外して自分を囲む六人を順番にその真っ赤な瞳で見回して不敵な笑みを浮かべる。
「喧嘩売る相手間違えてんのに。」
赤い瞳が一瞬、毒々しい黄緑色に光る。
それと同時に異様に伸びた彼女の影から無数のゴキブリが他の怪人が現れ男たちに襲い掛かった。
「な、なんだこいつら!」
「まずい!逃げろ!逃げるんだ!」
しかし飛行能力を持つ怪人、ダークローチたちに回り込まれ捕食されていく。
「はぁ…もう7回目だぞ。
ガリガリと後頭部を搔きながらエルフの少女は先を急いだ。
2
「ひよりおねーたーん!」
「シェフィちゃん!」
明朝、合流したガレオン組と足止め組は次なるレンジャーキーの反応を感知した街にて合流を果たしていた。
「お疲れ二人とも。体とか大丈夫か?」
「ええ。ただまだ今日は爆裂魔法を撃ってません。
カズマ、当然後で付き合ってくださいね?」
「はいはい。まずは腹ごしらえな。ガレオンに戻ろう。」
恐らく何時も通りなのだろう和真たちの様子を見ながらブレイドは少し羨ましさを感じた。
「主様、いかがなさいました?」
「またみんなと、あんな風に出来たらいいなって。」
「……はい。そうですね。」
ガレオンに戻る一同に続こうとした時にコッコロが占拠するのと反対の袖が捕まれる。
「? 君は、確か弓矢の魔法少女の…」
「柏崎栞です。あの、はじめまして、ですよね?」
「そう、だと思うけど。」
「……ですよね。よろしくお願いします。」
「ああ。こちらこそ。」
ブレイドは差し出された彼女の手を握った。
(やっぱり、そうですよね。
先輩はもういないんだ。
だって先輩は、もう死んじゃってるんだもの。
きっと同じ顔の人、この世に三人もいるって言うし…)
うつむいていたし、もうみんながレオンのほうに歩いていた。
だから彼女が泣いていたのは誰もみなかった。
怪人解説
ダークローチ
・ダークローチは不死生命体アンデッドの眷属の一種。
・武器は爪とそこから発する麻痺毒。
・食欲旺盛で顎の力も強い。
・ジョーカーか統率者、破壊者のいずれかによって際限なく生み出される。
・つまりあのエルフの少女の正体は…。