スーパー戦隊このすばメガフォース VS 仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ the end of Cendrillon Warriors   作:伊勢村誠三

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彼はすぐには帰らない。


暗殺/護送

1

まずブレイドは図書館に向かった。

確か今日の曜日の司書は目もだいぶ悪くなって来た老人だった筈だ。

制服姿の自分がいても気にしないだろう。

取り敢えず文庫本の置いてある2階に行った。

確か先週サボった時に手に取った『青に捧げる悪夢』というアンソロジーが読みかけだった筈だ。

 

(あの歪な姫様の話まだ途中だったよな…ん?)

 

今日は短い茶髪の少女と縁がある。

背が足りなくて本が取れない彼女に本を取ってやった。

 

「あ、ありがどうございま、す?」

 

制服姿なのにこんな所にいる自分を怪訝そうな目で見る。

まあ、不良にしちゃキチンと制服を着ているが。

ブレイドは軽く手を振って目当ての本を見つけると読書スペースの一角を占拠した。

 

 

 

2

本を取ってもらった少女、柏崎栞は強風にさえ飛ばされそうな弱い身体を必死に動かして図書館を後にしたブレイドを追った。

 

(先輩じゃない……)

 

かつて自分が淡い恋心を抱いた人に彼はあまりにも似ていた。

けど、同時に違う部分は全く違うと言ってよかった。

学校をサボっている事もそうだが、もっと違う…悪い部分はどこか冷めた様な目を、良い部分ではそれにちゃんと苛立っている部分が違った。

 

(あなたは、誰?)

 

落ち着けない。追いかけられない。

気付けば息は上がってしまって、もう立ってるのも辛くなっていた。

膝をつき、目を閉じて息を整える。

 

(早く、早く追いつかないと!)

 

「案内ご苦労様。」

 

銃声が響き栞は血と脳漿を撒きながら前のめりに倒れた。

場所はいつの間にか森の中に移動している。

 

「それじゃあ、あとは彼らの君らの仕事だ。」

 

男、カイザに指示を出していた男は銀色のカーテンの様な幕状のエネルギーを展開して森から一瞬で先程栞が膝をついた場所に戻る。

そして手にした奇妙な銃、ディエンドライバーにカードをセットした。

 

<KAMEN-RIDE RAIA!

KAMEN-RIDE SKULL!>

 

エネルギーが解放されて仮面ライダーライアと仮面ライダースカルが召喚された。

 

「それじゃあ奪って来てくれたまえ。

坂井直人くんの命をね。」

 

 

 

3

「ここよね?」

 

紫色のバックパックを背負った小柄な少女が地図を頼りに歩いていた。

前髪の一部がストレスで白髪になっている彼女の名前は百地希留耶。

アストルムにおいて時に敵対しながらも最後はブレイドと共に巨悪を倒した仲間だ。

 

「やー、ここまで来るのに随分時間がかかっちゃったけどブレイドのやつ元気にしてるかしら?」

 

アストルムから目覚めた希留耶を待っていたのは美食殿と共に過ごした戦いの日々、とまではいかないが充分大変な日々だった。

 

まず両親がまたとち狂ったことを言い出して危うく変なオッサンと結婚させられそうになり叔父の家まで逃げて、警察まで巻き込んだ大騒ぎになり裁判沙汰にまでなって、最終的になんとか叔父夫婦に後見人になってもらい自立する事が出来たのだ。

 

(長い長い半年だったわ…愚痴言いたくても言える相手なんていないしアストルムであった奴らの連絡先なんか分からないし…。

けどそれも今日までよ!折角、その、、こ、恋人なんだから!久しぶりに話したい事も沢山あるのよ!)

 

よし!と前を見て希留耶はアパートに入る。

ドアの前に立ってドアベルを押そうとした時

 

「へ?」

 

銀色のカーテンの様な何かに包まれ、希留耶の周りの景色は見た事のない森に変わった。

 

「な、何よ!?一体なんなのよこれ!」

 

まさか自分はまだアストルムの中にいて今までの事は全て幻だったのか?と、最悪な想像が頭を過ぎるが、一度もアストルムをプレイした事のない筈の人間をあそこまで再現できるとは思えない。

 

「………。」

 

耳を澄ますとざっ、ざっ、ざっ、と誰かが歩いてくる音がする。

自分をここに連れて来た奴か?

そう思って近くの茂みに隠れた。

さっき叫んじゃったしもう遅いか?と思いながら祈っていると、来た。

それは異形だった。

黒いスーツの上に銀のベルト、マゼンタ色のアーマーに悪役チックなアラビアテイストと騎士風の混ざった仮面。

手にした鱏の様な形の小さな盾。

仮面ライダーライアだった。

 

(なんで仮面ライダーが?

やっぱここはアストルムなの!?

だったら、私が力を使えないのはおかしいじゃない!

逃げないと…なんとか逃げないと!)

 

何をしたか知らないが態々こんな人の来ない場所に呼び出すという事は何か良からぬ事をするつもりなのだろう。

 

そう思ってゆっくりと移動しようとしたが

パキッ、と運悪く小枝を踏んでしまった。

 

「!」

 

<SWING VENT>

 

マゼンタの仮面ライダー、ライアはカードを盾、エビルバイザーにセットしてエイの尾を模した鞭、エビルウィップを装備する。

 

(ま、まずい!)

 

希留耶はもうバレたならと立ち上がって走り出すがエビルウィップ一振りで足を絡め取られ投げられた。

 

「ーーーーっぁああああああ!!」

 

たった一振り。

しかしその一撃は希留耶の細い足首を簡単にねじ切り木に叩きつけられた。

 

「う、うぅ…ひっ!」

 

這ってでも逃げようとした希留耶だったが、簡単に追いついたライアは打撃武器にもなるエビルバイザーで希留耶の頭をかち割る。

脳漿があまりに飛び散るが特に気にした様子もなく遺体の首根っこを掴んでライアは森の奥に消えた。




ライダー解説
仮面ライダーライア
・ミラーワールドで戦う13人の仮面ライダーの1人。
・最初から裏切るつもりで龍騎、ベルデ、インペラーを騙していた。
・つまりライアを召喚した彼は最初から希留耶を狙っていた訳で…
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