スーパー戦隊このすばメガフォース VS 仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ the end of Cendrillon Warriors   作:伊勢村誠三

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彼は全く人と関わってない訳ではない。


提案/決定

外に出るのも億劫になるようなザーザー降りの雨。

今日もサボってしまおうかと考えたが結局惰性と習慣で学校に足を運ぶ。

流石に今日はギリギリで着こうとかそんな考えは欠片も浮かばず雨脚が弱いうちに学校まで水たまりだけ避けて向かった。

 

「ちっ、まあまあ濡れちゃったな。」

 

ブレイドはバックの中にいれていた替えの靴下を足を拭いてから履くと中履きに履き替えた。

 

「おはようございます先輩。」

 

「………。」

 

ブレイドが来るのを見計らっていたように一人の少女が現れた。

椿ヶ丘高校の制服(まあ当然っちゃ当然だが)に身を包んだ黒いロングヘアーの女子。

学年はブレイドより下だ。

 

「何の用だ霧原?」

 

霧原かすみ。ブレイドとは現実世界で初対面だが、

坂井直人とはユイやマコトを介してそれなりに交流があったらしい。

ブレイドにとって彼女は最大限警戒すべき対象であり、それと同時にもしかしたら最後に縋るかもしれない相手だった。

彼女は探偵を自称できるほどに鋭い。

もしこいつに坂井直人と同じ部分を指摘されれば自分は坂井直人と断じられるのではないか?という不安と…もし、もし彼女なら極めてロジカルに覆せないほど確かにブレイドという自分を肯定してくれるのではないかという期待。

いわば諸刃の剣である。

故に彼女との会話は常にストレスに晒されることとなる。

 

「お時間はとらせません。いつもの場所に来てくれますか?」

 

いつもの場所とは彼女が坂井直人から教わったというお気に入りのカフェの事である。

そこで聞かされる話は大抵日常の小さな謎と言った感じのよく言えば他愛のない、悪く言えばどうでもいい些細な事なのだが、彼女は坂井直人と言う人間を時に振り回し振り回されながら観察してきた人間だ。

自分や坂井直人についてどんな言葉がどう飛び出てくるか恐ろしいものがある。

 

「ああ。終わったらすぐ行く。」

 

だからこそ手短に終わらせる必要がある。

今から彼女に怯えながら、けど同時にどうしようもなく期待しながら俺は教室に急いだ。

 

 

 

ところ変わってアストルムともブレイドたちが暮らす世界とも隔絶された世界。

魔王と呼ばれる存在を倒すためにブレイドたちが住むのとはまた別な日本から若き魂に特別な力を与えて送り込まれている世界にて。

 

その世界に送られた日本人の中で今最も魔王討伐に近い者のうち一人を紹介しよう。

黒いブーツに灰色のズボン。

白いシャツの上に黒いベストと真っ赤な上着。

彼の名前は七海(ななみ)総一(そういち)

今魔王軍が最高金額の賞金を懸けている冒険者パーティー連合、『赤き海賊団』の団長である。

彼はその日の買い出しを終えて拠点の宇宙ガレオン船、ゴーカイガレオンに戻った所だった。

 

「ただいまー!………あれ?」

 

全員がその場を留守にしていた。

おかしい。総一のパーティーに所属する三人は出かけると言っていたがもう一つのパーティー、佐藤和真(かずま)と愉快な三人娘たちの姿が見当たらない。

 

「不用心だな。一人ぐらい残っててくれよ。」

 

そうぼやきながら総一は荷物を台所に運ぼうとする。

 

「確かに。どいつもこいつも危機意識ゴミなお陰で楽に上がらせてもらったぜ。」

 

思わず遠距離装備のゴーカイガンを構えながら大げさに飛びのいた。

いつも食事で使ってるテーブルに見覚えのない子供が座っていた。

白と黒半々の髪に赤い目。奇妙なフードを被っている。

 

「おー怖い怖い。けどいきなりそんな武器向けるなんてビビりの臆病者って馬鹿にされても文句言えないぞ?」

 

「……ある意味否定しないさ。

危険に憶病になれない奴は海賊なんてやれないよ。」

 

あっそ。と興味なさげに呟くと少年は筆で書かれた円の様なタトゥーの掘られた左手の甲を見せる。

 

「俺はスーパータイムジャッカーのカリザ。

お前の力を利用させてもらうぜ、ゴーカイレッド!」

 

今まで数多くの魔王軍行動隊長と戦って来た総一だったが、この手のパターンは初めてだ。

 

「利用、ねぇ?俺の事多少なりとも知ってるならいくら金積まれたって俺が裏切らない事ぐらい知ってそうだけど?」

 

「ああ。だからこうするのさ。」

 

カリザが手をかざすと周囲の流れが完全に停止した。

 

(身体が!…視線さえも動かせない!?)

 

「さーて、それじゃあお人形さんになっちゃいましょうねー。」

 

そう言ってカリザはゴーカイガンを奪うと手のタトゥーを視界の前に掲げる。

それが怪しく光ると総一は自分の意識が無理矢理引き込まれるのを感じた。

 

(やばいやばいやばい!これ、抵抗しないと本当に!)

 

時間停止が解除された瞬間総一は倒れ込んでもがき始めた。

しかしやがて何事もなかった様に立ち上がる。

その顔はどこか険しく見る者が敵意を感じそうな雰囲気を纏っている。

 

「まずは俺に仮面ライダーオーズのレンジャーキーを寄越せ。」

 

総一は一切何も言わずただ無言で7本のレンジャーキーを渡した。

カリザはそれに黒い懐中時計の様なアイテム、ブランクライドウォッチを掲げてスイッチを押す。

 

<オーズ!>

 

全てのキーが吸収されブランクライドウォッチはオーズライドウォッチに変わった。

 

「次に目的の予行演習だ。

ドラゴンレンジャー、キバレンジャー、キングレンジャー、メガシルバー、タイムファイヤー、ガオシルバー、シュリケンジャー、アバレキラー、デカブレイク、マジシャイン、ボウケンシルバー、ゴーオンウイング、シンケンゴールド、ゴセイナイトのレンジャーキーを出せ。」

 

言われた通りに15本のキーを差し出す。

カリザはそれに力を使って1つの金色のアンカー型のキーを作り出した。

 

「さあて、これで戦力は十分。

さあ!邪魔な他のゴーカイジャーやお前の仲間を殺しに行くぞ!」




用語解説
スーパータイムジャッカー
・タイムジャッカーという集団の一種
・通常のタイムジャッカーにも可能な時間停止のほか、多彩な能力を持つ。
・今回登場したカリザはゴーカイレッド=七海総一を利用すると宣言したが……?
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