スーパー戦隊このすばメガフォース VS 仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ the end of Cendrillon Warriors 作:伊勢村誠三
1
「悪いな。服まで貸してもらって。」
さっとシャワーを浴びて貸してもらったヒヨリの父の服に袖を通したブレイドはひよりの手も借りて連れて来た少女の身体を拭いて着替えさせた。
今はベッドの上で寝息を立てている。
「いいよ。お父さん出張で、お母さんは叔父さん、私から見たら大叔父さんが入院したとかで実家帰ってていないから。」
そっか。と返してブレイドは眠る少女のそばに戻った。
見れば見るほど珍しい髪色。
そして美しい顔立ちの少女だ。
(なんであんなボロ布みたいな格好で外にいたんだ?)
だからこそ噛み合わない。
こんな年端も行かない自分より子供…いや厳密に言えばアストルムでペコリーヌと出会ったあの日に生まれた自分よりかは年上だろうが、それは言い出したらキリがないのでやめよう…が、間違いなく誰か大人の庇護下にいなきゃいけない子がなんでこんな事に?
「考えても、仕方ないか。」
そう呟いた時、少女が薄らと目を開けた。
ブレイドは屈んで出来るだけ優しい声で話しかけた。
「おはよう。」
「………。」
「君の名前は?」
「しぇ…、ふ…」
喋るのも辛いのか、それとも言いたく無いのかモゴモゴと口籠る。
しかし限りなく坂井直人の特性を受け継いでるブレイドは
「シェフィ?」
と聞き違えた様だ。
「!!」
少女は驚いた様だが、こくりと頷いた。
「シェフィ…いい名前だな。俺はブレイド。」
頭を撫でてやるというシェフィは少し微笑んで眠りについた。
「……おやすみ」
呟く様に言ってブレイドは部屋を後にした。
下の階に行くとヒヨリが暖かい飲み物を淹れてくれていた。
「ブレイド君、これどうぞ。」
「ありがとう。」
「あの子はどう?」
「寝ちゃった。疲れてたんだろうね。」
そう言って向かいあって飲み物を飲んだ時点で気付いた。
「なんか僕達…パパとママみたいだったね…」
「う、うん……」
急に恥ずかしいという気持ちが出て来た。
なんとか話題を変えようとブレイドは口を開いた。
「この前は…急に殴ったりしてごめん!
大丈夫だった?」
「だ、大丈夫!……私の方こそごめんね。
ブレイド君の気持ちも考えないで、酷い事言って…」
お互いに気不味い空気が流れる。
ヒヨリはこういう時にどうしたらいいか分からないし、ブレイドはキャルに告っておきながら浮気してる様な罪悪感に駆られていた。
「……きょ、今日泊まってく?」
「え?」
「外、ザーザー降りだし、明日休みだし、もう遅い時間だしさ!」
「あ、ああ。じゃあ、お言葉に甘えて。」
本当にこうゆう時どう反応したらいいんだろう?
なんとも言えない感覚を覚えたまま2人はただただ時間を消費した。
2
翌朝、まだ寝床から起きれないシェフィに粥を食べさせてやってからブレイドとヒヨリは朝食を済ませた。
「今日はどうする?」
「僕は一回家に帰るつもり。
服は今日洗えば明日にでも返せるし。」
ただ問題はシェフィである。
ブレイドも拾った以上は最後まで面倒見るつもりであるが、彼の身分は学生。
今住んでるアパートに一緒に住むにしたってバイトもしてない彼には限界がある。
「兎に角ずっとヒヨリの家には置いとけないし明日見て動かして大丈夫そうだったら連れて帰るよ。」
「…わかった。なんかあったら直ぐに相談してね。
助けに行くから。」
「ああ、ありがとうヒヨリ。」
そう言ったブレイドの顔は最近の彼にはとても珍しく笑っていた。
3
人なんて殆ど通らない路地に1人の男が立っていた。
黒い鋼の様なスーツに一際目立つ赤い奇妙な右側だけ飛び出たデザインのバックル。
その銀色の骸骨仮面のせいか使い古しの包帯の様にも見える白いマフラー。
そして先述の仮面の目元を鍔の切れたソフト帽で隠した異様な出立ち。
ディエンドライバーの男に召喚された仮面ライダースカルだ。
スカル…死体ゆえに気配を持たない彼は通りの人々に気付かれる事なく獲物を待ち続けていた。
「……!」
休日だが学校に用でもあるのか制服姿。
黒いロングヘアーの少女、霧原かすみを引き摺り込んだ。
放る様に転がし、その先に展開していたカーテン状のエネルギーを通して森に移動させる。
「な、何が!?」
尻餅をついたまま混乱するカスミの眉間にスカルは専用武器のスカルマグナムを1発だけ放つ。
寸分狂わず命を撃ち抜いたスカルは仰向けに倒れたカスミの側により、開いたままの目を閉じさせると光と共に消滅した。
4
「………。」
ヒヨリの家を出てすぐ空を仰ぐ。
焼かれるような程の陽光に目を細めるがいつもの様に空気に不快感を感じることはなかった。
(アストルムの時もこんなんだっけ?)
一度家、アパートに帰り敷地内をぐるりと回る。
どこかにキャルの痕跡がないかと思ったからだ。
「……ない、か。」
霧原ならなにか見つけたかもしれないが生憎ブレイドに有るのは実戦で磨かれた剣の腕と、坂井直人ゆずりのゲームの腕位だ。
「ただいま。」
誰もいない家にそう言って入り、これからシェフィを済ませてやるには手狭だな、とか思いながらブレイドは着替えると財布に金を補充して来ていた服をもってコインランドリーに向かった。
天日干しでもよかったがなるべく早く返したい。
そう思って急いだ。
徒歩五分ほどで着いたそこで小銭をいれてスイッチを押す。
待ち時間はどうしようか?
坂井直人なら携帯ゲームでもしていただろうが、自分はあまり興味はない。
(あ、小物屋ある…寄って行こうかな?)
反対の通りに小物屋があった一応通学路として毎日通っていたはずだが気付かなかった。
(いつもゆっくり行くことばっか考えてたからかな。)
或いはこの世や自分んを連れて行ってくれなかったハジメへの恨み言。
心の衛生上あまりよろしいとは言えない。
思えばここまで自分が落ち着いているのもここ最近は無かったかもしれない。
(あ…あのブレスレット…シェフィの髪と同じ色だ。)
水色と白の意思が交互に連なったブレスレットに目が留まる。
買おうか?そう思って手に取った時、彼は久しく自分以外の為に何かすることに気付いた。
(アストルムに居た頃は、いつもって訳じゃ無いけどまあまあお人よしだったかな?)
最終的に成り行きとは言え世界まで救ったんだから大したもんだと思うが彼はそれを幸か不幸か英雄的偉業とかそんなふうには全く思っていない。
「これください。」
「まいどあり!」
妹の誕生日プレゼントだと言ったら丁寧意に包んでくれた。
嘘は良くないがこれぐらい許されるだろう。
「喜んで、くれるかな?」
今更ながら注意
このssはプリンセスコネクト!Re:DIVEにおいて『シェフィ』のキャラストーリーが完全に開放されるより前にプロット作成を始めていたため公式とシェフィのバックホーンが異なります。
ご了承ください。