スーパー戦隊このすばメガフォース VS 仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ the end of Cendrillon Warriors 作:伊勢村誠三
1
ヒヨリの家の前に一人の男が、ディエンドライバーの男が立っていた。
ドアに手を掛け鍵が勝っているのを確認すると、躊躇なくドアノブを撃ちぬいた。
そして土足のまま家に上がりリビングに入り固定電話も破壊する。
「さて、ここまでして降りてこないという事は隠れることを選んだわけか。」
なら場所は限られている。
そう思いディエンドライバーの男は二階にあがり、明らかにバスルームと思われる部屋の鍵を破壊して中に入る。
想像通りヒヨリはシェフィをかばう様に抱きしめ震えていた。
「動かないでくれたまえ。
坂井直人君が帰ってくるまで人質になってもらう。」
「あ、あなたは…」
気丈にも男を睨みながらヒヨリが問う。
男はニヒルに笑うと
一枚の金色の背景にシアンと黒の仮面の騎士の姿が描かれたカードを見せる。
「海東大樹。通りすがりの仮面ライダーさ。
覚えておきたまえ。」
2
洗濯を終えてブレイドは真っ直ぐヒヨリの家に向かった。
いつもは重々しい足取りで歩いていた道を今は軽快に早足で歩いている。
(なんでだろ?昨日まではあんなにも居心地悪かったのに。)
まるでアストルムでペコリーヌに連れて行かれて変な魔物を狩りに行った時の様な気分になる。
(早く、早く帰んないと。)
信号さえまるで子供みたいに足踏みしながら待つ有様だ。
そして青になれば走り出すぐらいの勢いで飛び出した。
そして寄り道どころかわき目も降らずヒヨリの家に直行する。
「ただいま。」
そう言ってドアを開けようとするが、おかしなことに気付く。
ドアノブの辺りがまるで銃か何かで撃ち抜かれた様に破壊されている。
(まさか、強盗?ヒヨリ!シェフィ!)
ブレイドはその場に荷物を置いて中に入ると階段を駆け上がった。
土足とかどうとか気にする余裕もなく1番奥のドアが開けっ放しのバスルームに飛び込んだ。
「ヒヨリ!シェフィ!」
奥にはシェフィを庇う様に抱くヒヨリが。
その前に奇妙な銃を持った若い男がいた。
「やあ、待っていたよもう1人の仮面ライダーブレイド。」
そう言って男は2人に銃を向けてるのとは反対の手をかざした。
ブレイドの背後に銀色のカーテン状のエネルギーを展開。
それを移動させて4人を透過させる。
4人はどこか森の中に移動させられた。
「な!コゴハドゴダァ!」
「死後の世界への中継点さ。」
<KAMEN-RIDE BLADE!>
男、海東大樹はディエンドライバーにカードをセットして引き金を引き、仮面ライダーを召喚した。
赤い複眼の銀色の仮面と♠︎をあしらった鎧。
青い革のスーツは間違いなく
「嘘…」
「馬鹿な…ブレイドが、ブレイドが召喚されるなんて!ウソダドンドコドーン!」
しかし喚いたところで現実は変わらない。
召喚された仮面ライダーブレイドは3人に斬りかかった。
なんとか避けて2人の元に走るブレイドだが、仮面ライダーの脚力に敵うはずもなく、その身体を袈裟斬りに切り裂かれた。
3
「
ようこそ死後の世界へ。
あなたはつい先ほど、不幸にも亡くなりました。
短い人生でしたが、
あなたのせいは終わってしまったのです。」
「………え?」
星あかりの様なものが浮かぶ奥行きとも壁ともつかぬ空間の中央。
ブレイドは座らされていた。
反対側には天使の様な格好をした女性が座っていた。
先に紹介した七海総一や佐藤和真の冒険を知る者ならもう察しただろう。
ここまでは本当に長い長いプロローグだったのだ。
彼らの物語は、本当にようやくここから始まる。
4
死んだ?自分が?
確かにあの時身体を斬られた感覚は本物だ。
夢だとしたら生々し過ぎる。
けど今身体に傷一つないのは何故だ?
「アンタが、治してくれたのか?」
「いいえ。今あなたは魂だけの存在ですが、あなたの選択次第ではそうする事も可能です。」
「本当か!?だったら今すぐ!」
立ち上がって詰め寄るブレイド。
もし今更出来ないと言われたら殴りかかりそうな雰囲気だ。
「ただし、元の世界に送ることは出来ません。
あなたは一度死んだ人間なので。」
それを聞いてブレイドは掴みかかろうとするが
「春咲ひよりさんとあなたがシェフィと名付けた彼女はそれを承知で生き返りました。あなたなら必ず戦う方を選ぶと言って。」
それを聞いたブレイドは一気にクールダウンして席に戻った。
「……見苦しいところ見せたな。」
「いえ、一度死んだなど知れば誰でも動揺します。」
ブレイドは一呼吸置いてから天使を真っ直ぐ見つめる。
「生き返る先って、どんな世界なんだ?」
「魔王のいる世界、簡単に言えばソルの塔攻略が魔王討伐に変わったレジェンド・オブ・アストルムと思って下さい。」
ブレイドには極めて分かりやすい説明だった。
ブレイバックルやラウズカードが無い今、あの頃よりうんと大変な目に遭うだろうが、ヒヨリやシェフィがいるなら怖くなかった。
「では生き返る先に持って行く武器を選んでください。」
「ゲームで言う初期装備の選択?」
「いいえ。初回限定版に付属するた特典コードでゲット可能な装備といったところです。」
そう言ってカタログを渡される。
パラパラとめくってみると何個かの武器や能力に赤いスタンプでSOLD OUTと押されている。
(けどあえて選ぶので魔剣グラムは分かるけどマジカルリボンやマジカルアローを選ぶ人もいるんだ……ん?んん!?)
SOLD OUTとなっている武器に見覚えのある物が何個かあった。
見違えるはずも無い美食殿として共に戦った仲間たちの武器だ。
「…なあ、このプリンセスソードにアビスザッパーって…」
「数日前に転生した方が特典として持って行きました。
残念ながらあなたがその2つ選ぶことは出来ません。」
「どんな子が持って行ったんだ?」
「プリンセスソードの方は忘れましたが、アビスザッパーの方は白いメッシュの少女が持っていきましたね。」
「そっか分かった。なあ、このカタログにある以外でも持っていけるものってあるか?」
「はい。余程チート過ぎなければ。」
ならば選ぶ物は1つだった。
「プリンセスナイトの力を。
俺がアストルムで使っていたあの力をくれ!」
「かしこまりました。」
ブレイドの周りが光に包まれ、手にずしりと重い、懐かしい感触がある。
見るとやはりアストルムで使っていた西洋大剣が握られていた。
「ありがとうな。」
「礼には及びません。
さあ、転生者よ!願わくば、数多の勇者候補の中から、
あなたが魔王を打ち倒す事を祈っています。
…………さあ、旅立ちなさい!」