MasqueradeRe:Lights ~この世界では本の力を持つ仮面の騎士がいる~ 作:ダグライダー
忙しい!?やることが…やることが多い!?
宣言解除からこっちやたらと客が多くて仕事が増えて中々筆が進みませんでした!!申し訳ございません!
しかもハロウィンイベント始まって、何と為しにゼノビアが来たのでちょっとモレーも欲しくなって、そっちにもかまけてました!
後、琴歌が安齋さんなので私としては大変喜ばしく思います!
これまでのMasqueradeRe:LiGHTsは!ラビラビの授業中の疑問から端を発した剣士とは、聖剣ては何か?と言う疑問。斗真どんや哉ちゃんは答えられず困窮、オッちゃんも三世も不在、アルマっちとナルミッチでは頼りない、ヘルっちは論外!そこで白羽の矢が立ったのがこの刻風勇魚と言うわけなんッスね~。そして自分の口より語られる暁の魔女と仮面の剣士の伝説!!あれやこれやを話して、ついでに秘密だった自分の界時の事もゲロって…さぁ次ぎはいよいよ何故剣士の伝承が国で違う事になったのか?!その原因!剣士達の裏切り者!不死身の剣士とその聖剣の話となったのです!どうなる!?多分第二十五話くらい!!」
「お前いい加減にしろよ!?」
「君は本当に何を言っているんだ!?」
「二十五話ってなに?」
「さぁ?」
(何か悪い物でも食べたのでござろうか」
「サイゾウお兄ちゃん、途中から声に出てます」
「気持ちは解るけどねぇ」
「良く解りませんが、きっとろっくな事だと思います!!」
「何でもロックと付ければ良いってもんじゃ無いだろう」
「そういうもん?」
「どうかしら……」
突如として始まった勇魚の奇っ怪な戯れ言に目頭をヒクつかせるエレン。
魔女達は教壇に立つ青年の発言の意図を理解出来ずに戸惑うばかり、哉慥ですら途中からオブラートを投げ棄てた。
(なんで私、こいつのアシスタントやらされてんだろ……)
アンジェリカの顔が死ぬ、主にハイライトが死ぬ。
「話が逸れています!!トキカゼ!真面目にやって下さい!!」
アルマが憤慨し勇魚へ怒声を飛ばす。
「あいや失敬、一回やってみたかったんッスよねぇベストでマッチしそうなあらすじ語り。で……確か無銘剣虚無とその剣士の名前まで講釈したんでしたっけか?」
「まぁ…うん。ルイ某が不死身の剣士って今さっき言ってたし」
ケラケラ笑う勇魚に戸惑いながら斗真が返す。
「そうそう、そうでした。つい悪ノリしたくなった衝動に駆られたッスけど…ルイ氏の説明いってみよー!」
「結局ノリ変わんねぇじゃねぇかぁ!!?!」
まるでメタフィクションで第四の壁を認識する様な登場人物のノリをした勇魚、気を取り直して教育番組のノリに戻るが結局はふざけてるのに変わりはないだろうとエレンが血管を切れんばかりに叫ぶ。
「叫んでるナルミッチは放っといて、アジハド・ルイ・イムハタール氏、この人はですね自分ら剣士の面子で確認されてる中でも唯一ハッキリしてる二代目で、元々は中東のやんごとなき血筋のお方だとか…」
「またフワッとした事情ですね。その辺り詳しく解ってないんですか?」
今までの絵を消してルイの話題に関するワードを黒板に書き込みながら説明する勇魚に対しカエデが胡乱な眼を向けて疑問を宣う。
「さぁ?そもそも虚無からして解ってる事が少ないんで…だからまぁワンモアですが無銘剣虚無の剣士は決して死なない不死身の剣士なんッス!!」
「そのフレーズ気に入ったワケ?」
改めて虚無の使い手は不死身の剣士だと宣言した勇魚にアンジェリカが呆れた顔で呟く。
「はい」
「あい、何ッスかロゼちゃん!?」
「不死身と言うのは文字通りの意味でしょうか?後、その無銘剣もですけど先程トキカゼさんが持ち出した時国剣もかなり重要な機密なのでは無いんですか?と言うか秘中の秘って言ってましたよね?!本当にこの話私達が聴いて大丈夫なんですよね?!後でトキカゼさんが粛正とかされませんよね?!」
今更ながらに機密含めベラベラ喋る壇上の男に対しロゼッタが真面目さ故に疑問を立て列べて問い掛ける。が、後半はもうツッコミながらの不安を吐き出す形になっているが……。
「オケオケ、優等生な質問ありがサンキューッス、元気があって実によろしい。特に後半自分の事心配してくれてるのがポイント高いッス!可愛い子の反応はなにしても面白いッスねぇ」
((質問に答えてやれよ))
(別に刻風だけ心配してる訳じゃないと思う)
エレンとアンジェリカの心境が重なる。
斗真が真顔のまま、しかし口にする事無く胸中にてツッコむ。
そんな2人からの視線に気付いてかペロリと舌を出してふざける。
「ん…まぁ結論から言っちゃいますとノープロッス。んで、はい。文字通り不死身ッス、色んな殺が……げふんごふん。色んな死に方が記録されてんでスがどれも復活したって書かれてましたね、流し読みッスけど。
どうもドライバーと聖剣とワンダーライドブックが揃ってる限りまるごと爆散しようがコンテニューしちゃうんッスねぇ。チートッスよ!チート!
で……界時についてはまぁ存在とか名前だけならさっきも言った通り、古参は知ってるんで。第一さぁ、分かりますか?この聖剣の能力?
予想や推測は立てられても確証は見なきゃ分からんちんでしょ?だから掟だの仕来たりだの因習だので縛られるのは自分的にはゴメンなんッスよ鬱陶しい。
どうせ五月蝿く言ってくんのは幹部の賢神のジッさ……老いぼれの爺共なんで、こっち能力を断定されない限りは多少姿形が知られた所で痛くもねーつーうの!」
最初は言葉を選んでいたが、下手に取り繕う質でも無いと開き直りやや口早に述べる勇魚。
最後の方になると僅に本音らしきものが見え隠れしている。
「むぅ…トキカゼの組織批判は如何な物かと思いますが…。組織付きでない僕らの様な剣士は国に身を捧げていますから、今のは聴かなかった事にします」
真面目なアルマが勇魚の批判に眉を潜めつつも見逃すとこの場へ集った面子を代表する形で喧伝する。
「別にオレぁ国に滅私奉公誓ったつもりは無いがな」
「同じく。ワタシなんぞ生まれた国も定かでは無いしな!」
アルマの言葉で一段落着けようとした所に敢えて割り込む
「わー、ちょっといい話風?になってた空気が台無しッス。いや、らしいっちゃらしいんでスけど…。えー取り敢えず…他に誰か何か訊きたい事あるッスかー?」
勇魚の不服気な発言も何のその、お前だって空気読まんだろうとゲーマーコンビの無言の圧に、鼻頭を掻く様な仕草をしながら、これまでの事で他に質問が無いかと訊き返す。
「はい」
「んんー!カエちゃんどうぞ!」
「結局の所、そのルイと言う人はどうなったんですか?さっきの話だと封印されたのは分かるんですけど……流れからすると初代さんと同じ形で封印されたんでしょうか?」
「うん、おっしゃる通りッス。初代虚無のえー…バ…ナントカさんはマトメて封印されて、その所為で組織再編のゴタゴタの時に封印した本から解放された時色々好き放題やられたんで、その教訓も踏まえ、ルイ氏の時はソードライバー組が頑張ってバラして封印したんッスよ」
最初に虚無を手にした剣士について詳細な資料が紛失しているのでナントカさん呼びしながらルイについて雑に語る。
「バラしたって……まさか!?五体をバラバラに?!」
想像力豊かなリネットが青ざめた顔で独り叫ぶ。
「ノンノン、バラしたのは聖剣、ドライバー、ワンダーライドブックッス。3つ揃った状態で当人が装着した状態で倒すと復活するワケっしょ?んだから当時の月闇の剣士が界時の剣士と協力してまず虚無を封印、次に激土、翠風、錫音、狼煙の剣士が死ぬ気で連携して出来た僅なスキにソードライバー組がこれまた決死でドライバーとライドブックを奪って封印。
んで最後にルイ氏本人を捕まえて無期限の禁固刑で永久封印ッス。
不死身じゃなくなったから、きっともう今頃はミイラッスね」
遥か昔の事であるからと予想出来る当然の結果を口にする勇魚に、それもそうかと納得し手を下げるカエデ。
「んじゃ次に行きましょう!今度はこっちから指名しちゃうッスよ~」
カミサマの言う通り等と嘯きながら指をフラフラ動かす。
やがてその指が止まった先に居たのは──
「デデデン!メアちゃん!どうぞ!」
「ふぁっ…?!あぅ…あぅ…『無茶ブリにもほどがあるぜ?!(;>_<;)』」
突然の指名に慌てふためく当人を余所にベリーボードは雄弁に反論する。
「無いッスか?なんか無いッスか?なんなら後回ししてあげるんで、考えといて下さいッス」
リスタート!と吠えて再び神頼み指差しを始めるちゃらんぽらん。
次にその指が止まった先に居たのはポーカーフェイスのサイドテールヘッド。
「へい!あるふぁちゃん!クエスチョンぷりーず!あ、アダ名は何が良いッスか?」
「謹んでお断り申し上げます。私めはしがないメイドの魔律人形ですので、その様な迷惑極まり無い不名誉でお遊びになられるのでしたらどうぞエミリアお嬢様にお願いします」
(おい、このメイド主人をナチュラルに売ったぞ)
(多分本人なりの茶目っ気なんだろうけど……)
(表情が何一つ変わらない所為か、洒落になりませんね色々と)
(えみりあ殿は不憫でござるな…)
「良いッスね~それ。んじゃアダ名は諦めるとして、質問ありまスん?」
「では二点程。まず1つ、メギドなる魔人についてもう少し詳細な情報を求めます」
人差し指と中指を立て、一度中指を折ってから問いを投げる。
「ヤハ~、そう来ましたか。う~ん」
「どうしたのよ?」
あるふぁの質問に頭を掻きながら返答に詰まる勇魚にアンジェリカが訝しげな視線で訊ねる。
「や、今までみたいに答えても芸が無いなぁって……おっ、そうッス!ここは折角だから斗真どんやナルミッチ、アルマっち、哉ちゃんに答えて貰いましょ♪」
「「えぇぇー…」」
「そんな遊び心はいらねぇ」
「に……拙者の様な未熟者にそのような大役が務まるでござざざざ」
いきなりの指名に斗真とアルマが声を揃えて唖然とし、エレンは不手腐れてそっぽ向く。
挙げ句、哉慥は緊張で言語がおかしくなっている。
「ほらほら、ハーリーハーリー♪」
未だ戸惑う斗真達にに対し早くと促す日焼けたニヤケ面、教壇まで降りて来いとは言われなかった事から取り敢えず斗真から起立しその場で講釈を始める。
「えー、じゃあ俺から…。メギドは勇魚が説明した様に、大いなる本の力に引き寄せられる本の魔人でアルターライドブックと呼ばれるワンダーライドブックの模造品から生まれる。
メギドはアルターライドブックが破壊されない限り、何度でも現れる。
種別はワンダーライドブックと同様三種、神獣、動物、物語がある……ここまではで良いかな?」
「では引き継ぎます。メギドにはシミーと呼ばれる下級の雑兵……戦闘員らしき存在が複数匹確認されています。
此方はアルターライドブックを用いずとも生まれ出で、放置すると際限無く増えます」
「まさしく本の紙魚ってな」
「またアルターライドブックは人工的に造られるモノですが、稀に極自然に発生する場合もあります」
「そうッスね、アルターのライドブックは上級メギドが生み出すのが常なんッスけど、連中が封印されてから大戦で確認されたメギドのアルターライドブックは上級とデザストを除いて全て破壊されましたが、それ以降もメギドが発生している例から何かしらの淀みが溜まってもメギドが生まれる可能性が示唆されてまス」
「ハァ…次はオレかぁ、メンドクセ…」
「なんて言いながら立つあたり律儀じゃん」
「ウッセッ」
ラトゥーラの茶々に悪態を吐きながら語り始めるエレン。
「大戦の頃は大いなる本の力を手にするっつー目的が奴ら全体にあった。
んで、そっから組織の再編期からまぁ…小説家がこっちの世界に来るまでは自然発生した個体が目的も無く暴れては秘密裏に処理されて来た訳だが……」
「此処の所、ま~むけすてるやその近辺に現れためぎどは何者かの意図により使役されているでござるな」
「ま、ここ最近現れたメギドは3タイプカテゴリー役満だった上に1つのカテゴリーのメギドの出現率が異様に高いしな、誰かが封印を解いたんだろ」
「一体どの様な下手人の仕業でござろう…」
「少なくても、あの獣畜生が現れた以上…他の上級ももうとっくに復活してんだろうよ。誰だか知らねぇが良い迷惑だっての」
(多分、今、月闇持ってる人でしょうね。その辺は要調査ッスねぇ……)
エレンと哉慥の言葉を聞きながら勇魚は口元を覆い隠しながら思案する。
(ふーん、あの男何か知っていて隠しているな。まぁワタシには関係無い事だ、藪をつつく必要も無い)
剣士達をつぶさに観察しながらルキフェルは一先ずの無関心を決め込む。
自分が口を挟まなくとも他の誰かが鋭ければ気付くだろうと踏んだからだ。
よしんば話題に上らずともそれならそれで良いかとも論付けている。
「なるほど、しかし上級メギドとやらがズオス某以来、直接侵攻に来ないのはやはり彼等も結界に弾かれるからでしょうか?」
「そうだと思いまスよ?そういう意味だと暁の魔女様々ッス。結界マジヤバい」
勇魚がフローラを讃える様におチャラける。その言葉に気を良くしたのはラヴィやサルサの2人、他の面々も多少の違いはあれど当然と言った顔をしていたり、うんうんと頷いたりしている。
「で?で?もう1つは何ッスか?」
「そうですね……我が国ドルトガルドに伝わる聖剣について──」
「うんうん闇黒剣月闇ッスね!よーし張り切って説め…「──訊ねようかとも思いましたが、特段すぐに知りたい事でも無かったので」──えぇ?」
あるふぁが月闇の話題を出した瞬間、待ってましたと言わんばかりに黒板に手を付けながら勇んでいた勇魚は、しかし次の彼女の言葉で出鼻を大きく挫かれる。
「何か?」
「いや…その…え?マジで気になんないの?折角準備してきたんッスよ?」
「はい、特には。ヘルマン氏も気にしていないようなので」
此処には居ないストーカーの名前を出して淡々と答えるあるふぁに、両の人差し指をツンツン付き合わせながら、3の様に口を窄める勇魚。
「ヘルっちかぁ…ならしょうがないにゃあ」
(((((しょうがないの?!)))))
「まぁアイツはな」
「ですね」
「にん?」
勇魚が納得した様に項垂れるが傍聴しているティアラやロゼッタ等マトモな常識をある程度持ち合わせている少女数名は心中にて叫ぶ。
対してエレン、アルマは彼の人間性を知るが故に納得し、哉慥はそもそもヘルマンから基本避けられているので良く分かっていない。
「ねぇねぇイサナン、そのヘルマンって誰?」
「あれ?ラビラビ見たこと無いッス?燕尾服着たドルトガルドの半亜人で、月闇を継承するハズだった人ッス」
「ふぇ~、そんな人いたんだ」
「知らなかったの」
「名前だけは哉慥お兄ちゃんからチラホラ聞いた事が……」
「存在は知っているが、見たことは無いな」
幾人かから驚きと関心を含めた声が挙がるが、この話題がこの場でこれ以上発展する事は無かった。
「んん…うん、さっきは出鼻をあらぬ方向に曲げられちゃったッスけど、改めて、2つ目の質問をどぞ~」
咳払いをして、盛り下がったテンションを建直す勇魚は平手を改めてあるふぁに向ける。
「ではお言葉に甘えて。以前より気になっていたのですが、皆様が聖剣を用いて変身される仮面の剣士の姿……其々固有の名称はあるようですが、何か総称の様なモノは無いのですか?」
「あー、何か分かる。正直仮面の剣士ほにゃららとか言いづらいし」
「確かにな、語呂がイマイチだ」
「うんうん、なんかカッコいい名前とかないの?」
「お前はそもそもマトモに名前を言わんだろう……」
あるふぁが述べた疑問に同調してルキフェル、ラヴィが続く。
そのラヴィの隣でアシュレイがそもそも彼女が剣士達の名を真面に憶えず、自身が名付けた愛称でしか呼んでいない事にツッコミを入れていたが。
「なにおう!ちゃんとした呼び方があるんなら憶えるぞ!!」
ムフンと意気込み胸を揺らすゴールデンラビット。
その様を眺めて眼福眼福と頭の中で喜びながら勇魚はやや意外そうに答える。
「おんやまぁ、斗真どんや哉ちゃんは兎も角、おっちゃんから聞いたことないでス?」
この質問に対し魔女達は揃って首を縦に振る。
「ルキちゃんが知らないのも意外ッス。てっきり三世が話してるもんだと……」
「おいおい、ヤツだぞ?それにワタシとヤツの関係からしてまずそういう話題は余程の時にしか出て来ない!」
「なーる~、アルマっちは…まぁ言わずもがなでスし」
「どういう意味ですか!!?」
言外に真面目が過ぎて総称を知らない或いは教えて貰っていない、ないし知っていても仮面の剣士と言う呼び名こそが至高等と言いそう、と、勇魚はアルマをそういうイメージで見ている。
「んまぁ、そういう事なら教えてあげましょ。
我らソード・オブ・ロゴスに属する聖剣を振るいし仮面の剣士のその総称!」
後ろの黒板に描かれたメギド達の絵を大きく消して、日本語とこの世界の言語両方で書き綴る。
その名は──
「「「「「仮面ライダー?」」」」」
幾人かの声が重なる。
「そう…仮面ライダーッス」
露骨に視線を斗真とエレンに向けながらドヤ顔で肯定する勇魚。
「仮面ライダーだって?!」
「むむっ?!知ってるのかせんせー!!」
(この金髪ウサギ素でやってんだろうなぁ…)
斗真の大仰な反応にラヴィがすかさず合いの手を返す。
エレンは某漫画を頭に浮かべながら、呆れた様に感心する。
「そうッスよ、
「そうか…いや…でも確かに言われてみれば……」
「何かご存知なのですか?!とてもろっくなお名前ですけれど…!」
「ナデシコ~、落ち着きましょうかー?」
仮面ライダーと言う響きに興奮するナデシコをツバキが
「あ…あぁ、うん。仮面ライダー…元居た世界で有名な都市伝説に出てくる超人の名前さ。
曰く、日夜悪の秘密結社の怪人と戦う仮面の戦士。
曰く、警察の秘密兵器。
曰く、夜を駆ける閃光。
曰く、とある学校を守る謎の助っ人。
曰く、風が吹く街に現れる二色のハンカチ。
曰く、何処かの実験都市で行われている試作兵器……。色々な噂が飛び交ってるくらい有名さ。
目撃証言も複数あって……」
「やれバッタだカブトムシだ、ハチだ、トカゲだ、クワガタだ、コウモリだ、桃だ、ロケットだ、宝石だとか一人なんだか大勢なんだか分かんねぇアレな」
斗真の列挙に続けてエレンが見た目の情報を例に出してゆく。
「ろっくです!とてもとてもろっくです!うぅ~~…ろっくんろー!!」
「お姉ちゃん!」
弾けるナデシコにカエデが苦言を呈する。
「実際の所は何かの撮影じゃないのか?とか色々憶測があるけど、共通しているのは奇妙なベルトを装着して全身が鎧もしくは特殊な装甲か衣服に包まれたフルフェイスの仮面を着けた人型の存在であるって事だけど……」
「イエース、その仮面ライダーッス。っつても自分らが居た世界で目撃されたらしいどのライダーとも聖剣の剣士が変身した姿が合致しない辺り、案外初代と聖剣は別の世界から迷い混んだのかもしれないッスけどね~、その辺は閲覧権限無いんで」
「でも言われてみれば似てるとも言える姿だ。と言うより……どうして思い至らなかったのか…」
「バイアスってヤツだろ」
斗真が目から鱗な状態になっている後ろでアシュレイがフムと顎に拳を添えて言葉を発する。
「と言う事は、教官が仮面ライダーセイバー、イーリアス卿が仮面ライダーブレイズ、ロサリオ卿が仮面ライダーエスパーダ──」
「ラウシェンさんが仮面ライダーバスターでサイゾウ君が仮面ライダーケンザン、マドワルド伯爵が仮面ライダースラッシュ…と言う事になるのかしら」
ロゼッタも後に続く様に剣士達の変身した姿に仮面ライダーの枕詞を付けて名を挙げ列ねる。
「そうッス。後ロゼちゃん、剣斬はこう漢字で書くのが正式ッス。んで、月闇の剣士がカリバー、虚無がファルシオンッス」
其所へ勇魚が補足を付け加える。
「あれ?イサ兄の変身した姿は?」
サルサが耳の様にハネた髪を動かしながらコテンと首を傾げる。
「んふ、内緒ッス。いつか機会があったら教えてあげまス」
唇に人差し指を当てながらニヤリと笑う。
「あの…ちょっといいですか?」
「何ッスかティアちゃん?」
そんな中でティアラがふと何かに気付いて挙手をして会話に入る。
「その…行方が分からなくなった剣ってまだありますよね?そっちの方も名前とかまだ教えて貰ってないです」
「そう言えば…、でも確かさっき虚無の説明の時に"狼煙"って…」
ティアラの疑問にリネットも深く考える様に同意する。
「あぁ、はいはい。紛失3の残り2の方ッスね。
一本は名前は分かんねッス。もう一本…リッちゃんが言う通り虚無の説明の時に出した狼煙ってのは、煙で合図を出す方じゃなくて聖剣の名前で合ってるッス。
まぁでも実際煙の聖剣なんであながち間違っても無いかなぁ」
今にも(笑)と付けそうな言い様で少女達に答える勇魚。
「詳しく説明したいとこッスけど、もうそろそろ良い時間なんでサッと語っちゃいましょ。
もし気になったなら次の機会に三世にでも訊いてみて下さいッス。
狼煙…正式な銘は【煙叡剣狼煙】。文字通り煙を操る聖剣で、歴代継承者が全て女性と言う変わり種の聖剣ッス。んで、狼煙を使って変身した姿、仮面の剣士としての名前は仮面ライダーサーベラ!
因みに前代所有者ことオルガ姐さんはご存命ッス」
「女性!?」
歴代継承者が女性と聞いてアシュレイが思わず立ち上がる。
過程に魔女を挟んでいるとは言え、彼女の最終目的は騎士になる事。然らば、聖剣の剣士と言う違いは在れど女性騎士と言う先達に羨望を向けるのも無理からぬ事だろう。
「ッス、その辺はまぁ抗議する程の事でも無いんで、気になったって子は後で個人的に訊きに来てくれて良いッスよ?その代わり自分とデートを──」
「やめい!」
勇魚が最後まで言い切る前にアンジェリカがハリセンを魔法で強化して思いっきり殴る。
結果、講師を務めていた自称いさなお兄さんは頭に大きなコブを作って床に沈んだ。
「はい!終わり!もう終わり!解散!」
アンジェリカの鶴の一声でその場で講義は終了の旨となったのである。
━暗黒大陸・???━
来訪者達から地球同様に暗黒大陸と称される開拓の地。
未だ前人未到の場所が多く点在する大陸の、人が踏み入れる限界ギリギリのその場所に暗闇が生まれる。
「見付けたぞ、正しく灯台もと暗しだな。彼の反逆の王が最期に投獄されたこの地に探し求めた虚無が在ろうとはな」
暗闇より出でるは漆黒のローブを纏った謎の剣士、闇黒剣月闇を振るいし邪剣士が光届かぬ渓谷に立つ。
彼の目的は無銘剣虚無。
渓谷の最奥に人工的に造られた遺跡らしき建造物、恐らくは慰霊の為の神殿へと足を向け進む。
手入れを怠った内部は風化しているものの材質は渓谷近辺で採掘された石である為か、存外にしっかりと
「慰霊の為に拵えたであろうに…。死人に口無し、所詮は悪逆の徒、歴史の敗者を貶める事など造作も無いか…それが世界に牙を剥いた男ならば尚更…フッ、最低限の面子を立てた形ばかりの墓碑と言う事か」
神殿の奥深くに位置する石櫃目指し歩みを進めながら皮肉を口走る。
或いは何れ己が被る末路と重ねた言葉なのかもしれない。
辿り着いた中央、石櫃の蓋を足蹴にして抉じ開けるローブの人物。
果たして石櫃の中に眠っていたモノは、誰もが予想する通りの木乃伊であった。
眼球は遠の昔に乾き渇れ果て、水分を失った肌は黒く変色し、筋肉と脂肪は痩せて皮膚は骨に貼り付いている。
髪もカサカサに乾き、着せられた服は虫食いの痕が見られ襤褸布同然。
櫃に容れる際に拘束の為に付けられた手枷足枷も、木乃伊となった事ですっかり隙間が出来ている。
だが、そんな事等よりも一層眼を惹くのは彼の木乃伊の胸に深く突き立てられた朽ちる事なき黒耀が如き刃を戴く橙のエンブレムが象られた剣。
「自らが望み奪い振るった聖剣によって最期を迎えた憐れな王、貴公の"虚無"確と頂いて行くぞ」
憐憫か嘲笑か、顔色が伺えぬローブの奥で木乃伊を見下ろしながら、その胸から"無"を司る聖剣を引き抜く。
ローブの人物は目的の物を回収し、帰還の為に月闇を振るう。
そして闇の中へと踏み出そうと足を動かしたその時──
≪さぬ…わた……わがふしは…けして…わたさぬ…ぅぅ≫
何処から途もなく聴こえて来る声。
怨嗟と呪詛を絡めた呂律整わぬ声。
「ほぅ…何と…!朽ちて尚聖剣に執着するか!妄執も其所まで来ると大したものだな。
未だその肉体に不死の効力が残留していたのか…或いは、魂までは虚無で滅する事叶わなかったか…何れにしても…まだその意識を残していたとはな…侮り難しは不死への渇望か」
声の主を探して視線を巡らせれば、何と木乃伊がカサカサと震えながら手を伸ばし、乾いた唇を必死に動かしている。しかし──
「が、悲しいかな…既に其所まで肉体が朽ちれば如何に不屈の魂を持とうとも、剣を握る事も…況してや再び立ち上がる事も出来まい」
ローブの人物が言う通り、木乃伊は動く度にその身を塵の様に崩してゆく。
≪のがさぬ…わたさぬ…よのきょむ…よのちから…≫
崩れ行く身で尚、聖剣に執着を見せる木乃伊。
その姿を見てローブの人物は1つとある提案を口にする。
「ふむ……そうまでして求めるか、ならば王よ、古の王よ、取り引きをしようではないか?」
木乃伊の震えが止まる。それを同意と見たローブの人物は木乃伊の言葉を待たずに話を続ける。
「汝に新たなる
それに新な肉体を得たならば戦力としても貴殿は申し分無い。
協力を約束してくれるのであれば、散り散りとなったドライバー、ワンダーライドブックも此方で探索、回収しようではないか…。悪い話では無かろう?
何より、貴殿を封じた者達…剣士達の組織への復習も叶う。さぁ…如何とする?」
悪魔が囁く様に言葉を紡ぐローブの人物、話を黙って聴いていた木乃伊が残る最期の力を振り絞って、声を絞り出す。
≪よは…のぞむ…えいえんのせいを…よはのぞむ…おろかなる…ぐしゃに…まじょに…じんみんに…せかいに…ふくしゅうを……。
よかろう……なんじが…かんげん…うけたまわろう……わがあらたなうつわ…さっきゅうに…よういせよ…それまでは…このたましい……あずけるぞ……≫
その言葉を最後に木乃伊が全て崩れ落ちる。
そして木乃伊が在った場所から薄ぼやけた塊が抜け出る。それはローブの人物に近付くと彼が懐に隠していた白いライドブック…ブランクライドブックへと吸い込まれていった。
と同時に墓碑が役目を終えたのだとばかりに風が吹きすさび、塵となった木乃伊を拐って行く。
風で煽られ素顔が顕となったローブの人物が不敵に嗤う。
「思わぬ収穫を得た、嗚呼…予想外の前進だ。フフ…フフフフ…、待っていてくれ…エリザ……」
フードを被り直し、闇の中に消える。
嘗て墓碑であった場所は最早その存在の意義を為さぬまま、この地でゆっくりと朽ち果てて逝くのである。
TO BE Continued……。
今回のどうでもTipは作中でも名前が登場した狼煙の前所有者ことオルガさん。
フルネームはオルガ・ヴァシュキロフ。
銀髪で肩掛け肩甲骨周りまでのセミロング、顔面左側やや上方からにかけて火傷に似た傷痕があり、それを前髪を延ばして片側目隠れにして、更に淵無し眼鏡を掛けた美女です。
見た目は威圧感ありますが、性格は穏和です。
外見の容姿は二十代後半です。
これで存命中の前代剣士は水、雷、風、音、煙が判明した訳ですね。
ではまた次回お会いしましょう。
タクトオーパスもやりたくなっちゃったなぁ…容量持つかなぁ…。