MasqueradeRe:Lights ~この世界では本の力を持つ仮面の騎士がいる~   作:ダグライダー

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 こんばんは、やっとこさ書き上がりました。
 仕事がどうにも忙しいし書き上げるプロットも多い所為か、どうにもモチベーションが上がらず思いの外時間が掛かってしまいました。

 それにイベントのティアラもイベガチャのツバキもメアも手に入れられなかったので惨敗です。
 ウマの方はバレンタインフラッシュ来てくれたんですけどねぇ。
 アリスギアも4周年星4無料ガチャはお目当てのハサミンないしアオイさん来なかったし、儘ならないですね。




28頁 激突!三剣士VSカリバー

 

 ━マームケステル近郊・街道━

 

 青く生い茂る草原を進むおどろしい行軍。

 襤褸を纏った骨の様な意匠を顔に携えたシミーの軍勢。

 中央にはそれを指揮する3体の魔人メギド。

 更に離れて、後方にはそれら全ての糸を手繰る黒幕、闇の剣士──仮面ライダーカリバーが控える。

 

 「来たか……

 

 カリバーが何かに勘付いた様に呟く。

 

 

 

『Wo~Wo~Wo~Wo~♪ブレェイブドラッゴォォォン!!』

 

 

 正面のシミー達が炎に薙ぎ払われる。

 現れた影は赤き龍を携えし炎の聖剣火炎剣烈火の剣士、仮面ライダーセイバー。

 

 「炎の剣士…セイバー

 

 

 更に左翼側のシミーが怒涛に押し流される。

 

 

 

『ライオンッ戦記ィ!』

 

 

 激流より現れるは獅子を胸に抱く水の聖剣水淒剣流水の剣士、仮面ライダーブレイズ。

 

 「水の剣士ブレイズ……そして…フッ、変わらず直前まで他人任せかエルヴィレアノ

 街を守る剣士達を彼等の視界に写らぬ距離から眺めながらまるで懐かしむ様に溢す。

 

 

 

 

 「エレン!何をしてるんですか!!?」

 

 右翼のシミー達が健在なのを見て、ブレイズが視線を巡らせればなんとエレンは右翼側に居らず、セイバーとブレイズの間の空間やや後方の道草の上を匍匐前進しているではないか。

 

 「チッ、バレたか」

 

 「バレたか…じゃないよ!?お前なんで変身してないの!!?」

 

 「ウルセェ、オレの体力舐めんな!この状況、この戦力で変身したらすぐにガス欠するわ!思ったより多いんだよ!楽してぇんだよ!安心しろメギドはちゃんと倒すから」

 

 地面に腹這いとなった姿勢のまま顔だけ上げて叫ぶエレン。

 迫真の叫びである。

 

 「くっ……エレンの自堕落ぶりを見くびっていました…!」

 

 「兎に角!残ったシミーを片付けて、メギドを倒そう!」

 

 「はい、街は結界があるとは言え油断は出来ませんからね!」

 

 会話を切り上げ脇に抱えたシミーを離し斬り落とす。

 

 

 

 

 (さて……おおよそ事前に"視た"通りの展開ではあるな。大方この割振りを決めたのは陳劉玄辺りか、ザ・サード。恐らくは前者であろう…まぁどちらであろうともワタシが"視た"未来では然したる支障はない。結果的にこの三人がワタシの前に立ちはだかる事は決定付けられているのだからな)

 傍観に徹するカリバーが自らが合間視た筋書きに悦を洩らす。

 「行け魔人共…、存分に遊び暴れるが良い

 目に見えてシミーが減った事を境に、配下として引き連れているメギドへ指示を出す。

 

 物語のカテゴリーから造り出されたチェロを抱いた幽霊の様なメギド【セロ弾きゴースト】、神獣・幻獣カテゴリーから生み出されたした蝶の様な羽根が生えた黒づくめのメギド【影の王モスマン】、動物カテゴリーから誕生した羽付きチロリアンハットにロングブーツを履いたメギド【長靴を履いたジャイアントパンダ】が指示に従いセイバー、ブレイズへ向かって行く。

 

 「メギド…!エレン!メギドが動き出しましたよ!早く変身してください!!」

 

 「面倒クセぇなあっ!!」

 その言葉と同時に稲妻が駆け巡り、向かって来た魔人を1体弾き飛ばす。

 

 

『ランプドッアランジィィィナァァ!!』

 

 音が止めば其所に立つのは黄金のランプから棚引くマントをはためかせる白き衣、雷の聖剣雷鳴剣黄雷の剣士、仮面ライダーエスパーダが聖剣を突き出していた。

 

 「こいつで文句はねぇな?とっとと片付けちまうぞ」

 

 そう言って聖剣を肩に担ぐ様に叩く仕草をすると弾き飛んだパンダメギドへとトドメを刺さんと走る。

 

 「全く!こんな時ばかり!」

 後から変身して音頭を仕切るエレンに憤慨しながらモスマンメギドを迎え撃つブレイズ。

 必然、残ったゴーストメギドをセイバーが相手取る。

 

 ゴーストメギドは手にした弓を剣の様に振りセイバーの烈火と打ち合う。

 刃と弦がぶつかり火花を散らす。

 鍔迫り合いとなるのを避けるべくセイバーが魔人の足元を蹴り払う。しかし魔人は霊体となって蹴りを躱す。

 

 「?!…文字通り幽霊と言う訳かっ!」

 

 「Fuuuuuu……!

 

 実態の掴めぬ敵にセイバーは苦戦を強いられる。

 

 

 

 

 晴天の下にあって尚色濃く黒い影。

 モスマンメギドは光に照され延びる影となって駆ける。現れた黒い蝶に剣を振り下ろせばまるで水の中に潜る様に影に沈み消えるモスマンメギド。魔人のトリッキーな奇襲にブレイズは受け身になる。

 

 「厄介ですね……」

 

 「ケケケケケッ!

 

 黒い蝶が若獅子を嘲笑う。

 

 

 

 

 

 

 「アイツら苦戦してんのかよ…」

 

 「Bofyuu!他人の心配とは余裕じゃあないか!」

 

 「そりゃ、他と違ってお前にゃあ攻撃が通るしな!」

 

 言うが早く光速の突きを繰り出すエスパーダ。

 パンダメギドは刃が竹槍となった細剣を駆使して致命傷を捌くもその身に多くの傷を作る。

 

 「Buhooon?!なる程…貴様強いな!!」

 

 「馬鹿言え、オレはそこまで強くねぇ」

 

 パンダメギドをその実力で押し込みながら自虐的に溢す。

 

 「BofBoff……ほざきよる。ならば我が力を存分に味わえ!Boofyooonn!!」

 エスパーダから跳び退き竹槍細剣を大地に突き立てる。

 するとエスパーダの周囲の地面より無数の鋭利な竹が剣山の如く生い茂る。

 

 「チッ…(オッサンの技の下位互換かよ?!)っとに面倒クセェ」

 固有能力の光速移動によって足下から襲い来る魔の力持つ竹を躱す。

 

 「Bafuu、どうだ?幾ら貴様が速くとも…こうも矢継ぎ早に道を絶たれれば思うように動けまい」

 

 「ウゼェ…お前だけ喋り過ぎだろ、少しは仲間を見倣えよ。それとな、確かに面倒とは言ったが厄介だとは言ってねぇよ」

 その言葉を裏付ける様に右腰のブックホルダーから取り出したのは、濃黄色(ダンデライオンイエロー)のワンダーライドブック───

 

 『トライケルベロス!』

 

 「小説家ァ!真面目ちゃん!今回ばかりは手っ取り早くギアを上げてくぜ!

 

 そうして、同じ様にメギドの能力に四苦八苦するセイバー、ブレイズへと大声で語り掛ける。

 

 「ギアを上げる…?それはどういう…」

 「そう言う事か…。アルマ、二冊目だ!!」

 エスパーダの言い回しに困惑するブレイズ、しかしセイバーは彼がトライケルベロスを手にしたのを見て即座に理解し、ブレイズにもその意図を伝える。

 

 

 「成る程!そう言う事でしたら!」

 

 『ピーターファンタジスタ!』

 

 「やるぞ!」

 

 『ストームイーグル!』

 

 エスパーダに倣い、2人の剣士も己に力を与える2冊目のワンダーライドブックをホルダーから引き抜き起動させる。

 メギドと戦いつつも取り出したる2冊目を其々のシェルフに挿入し聖剣を納刀、3人が同時に聖剣を引き抜く。

 

烈火/流水/黄雷

 

 

『『『抜刀!!!』』』

 

 

『竜・巻!ドラゴンッイーグルゥゥ!』

 

 

『輝くっ!ライオン!ファンタジスタァァア!!』

 

 ドラゴンイーグル、ライオンファンタジスタと変わるセイバー、ブレイズ。

 そしてここに来て初めて同色のワンダーライドブックを使用したエスパーダ、彼の雷鳴の力が新たな姿を描き出す。

 

 

『三ぃつぅ(まぁた)ランプドッケルベロッスゥゥウ!』

 

 右肩から右腕に掛けてソードローブは白から黄金へと変質、仮面ライダーエスパーダランプドケルベロスが再誕せしめた。

 

 

『黄雷二冊!!』

 

『魔神と番犬が織りなす、地獄の電撃が狂い咲く!!』

 

 「Fuu…カワッタ、カワッタ…Fuu~

 

 「Bfafu!?たった一冊加えただけでこの圧力……恐ろしい…やはり剣士は殺さなくてはっ!!」

 

 「ケケッ?

 

 ゴーストメギドは生気の無い平坦な声で剣士達の変化を口にし、パンダメギドは聖剣の剣士の存在により一層危機感を懐き殺意を募らせ、モスマンメギドは状況を理解しているのかしていないのか不気味に笑うばかり。

 

 「者共続け、剣士達を血祭りに上げるぞ!Bafyooooo!!」

 ある種芝居染みた動きで竹槍細剣を構え仲間のメギドへ指示を飛ばす。

 

 「Fu!

 

 「ケケッケェーッ!

 応える様にゴーストメギドが胸のチェロを弓で弾けば、奏でられた音の衝撃は無数の矢となって剣士達に襲い掛かり、同時に影に潜ったモスマンメギドがものすごい速さでパンダメギドと共に接近する。

 

 

 「向こうから来るってんなら楽だな」

 

 「全く!貴方はどんな時も自堕落が過ぎる!」

 

 「まぁまぁ……とにかく、向こうも決める気だ。こっちもやるぞ!」

 

 「はい!」 「おうよ」

 

 セイバーがワンダーライドブックを烈火にリードし、ブレイズがソードライバーに聖剣を納刀、エスパーダが左腰の必殺ホルダーに黄雷をすべらせる。

 

 

『ドラゴン!フムフム…』

 

『イーグル!フムフム…』

 

『習得二閃!!』

 

 

『必殺読破!!』

 

『ライオン!ピーターファン!二冊斬り!ウォ・ウォ・ウォーター!!』

 

 

『黄雷居合!』

 

『読後一閃!』

 

 迸る3種の閃光と斬撃、炎の竜巻が邪悪な矢をセロ弾きの亡霊ごと呑み込み幽体で居続ける事を許さぬまま滅する。

 妖精の加護を得た激流が黒い蝶を影に潜らせる事を不可避とし拘束、斬撃がその悪しき影を真っ二つに伏した。

 そして雷鳴が音を置き去りにして竹槍細剣を引き裂き、そのまま気取った大熊猫の肉体に大穴を空けた。

 

 「F……

 「ケェッ……

 「Bぁカなァ?!」

 それが3体の魔人の断末魔となった。

 

 

 

 

 

 「……ワンダーライドブックから抽出した力で生み出したアルターライドブックのメギドだと言うのに…二冊の力を使用した剣士に手も足も出ずに倒されたか。侮っていたつもりはないが、フフ…これは面白い

 

 3人から気付かれぬ位置取りで剣士と魔人の戦いを眺めていたカリバーが動きを見せる。

 自らが持つ闇黒剣月闇へ自身が持つ3つのワンダーライドブックをリードさせる。

 

 

『ジャアクリード・ジャアク西遊ジャー・ジャアクペガサス・ジャアクヘッジホッグ

 闇に包まれた炎、水、雷の力が刀身を渦巻く。

 

 「さぁ…本番はここからだ

 

 そのまま月闇を乱雑に横へ振るう。

 

 

 

 

 「アァ?」 「攻撃!?何処から?!」 「まだ敵が居るのか!!」

 

 突如意識の外側から現れた攻撃に咄嗟に防御姿勢を取って聖剣で受け止め、或いは受け流す三剣士。

 

 「何者ですかっ!!」

 晴れた爆煙の中から一歩踏み出し、ブレイズが何処に居るとも知れぬ敵へ問う。

 すると彼等の視線の先、なだらか丘の向こうから余裕の足取りで歩み来るのは暗黒を纏いし黒紫の衣と銀の仮面。

 

 「あれは……剣士、なのか……?」

 「そんな!?あれは闇黒剣月闇!?」

 「マジかぁ……行方不明の聖剣が剣士共々敵になったってのか」

 

 「初めまして剣士諸君、ワタシの名は……語るまでも無かろう?

 

 「闇の剣士カリバー…!」

 

 「あれがカリバー…」

 

 「ハンッ、初めましてねぇ……(なぁんか気に喰わねぇんだよなぁ)」

 

 カリバーを前に三者三様反応を示す三剣士。中でもエレンは初対面の如く振る舞うカリバーに奇妙な違和感を憶え、仮面の下で疑惑の視線を向ける。

 

 「ああ、厳密にはキミとは初対面ではなかったね。今代の雷の剣士

 

 「つーことは、テメェの正体はオレが知ってる奴って事か?どうにも釈然としねぇ…」

 

 「知りたければ、ワタシを倒す事だ。出来ればの話だが

 そこで言葉を切るとカリバーはまずエスパーダへと月闇の切っ先を向け襲い掛かる。

 

 「チッ…」

 

 黄雷と月闇の刃が交わり火花を散らす。

 鍔迫り合う剣に添える手は共に両手、全力のぶつかり合いに見える……当人達以外には───

 

 

 「クッ…ソがっ!無駄に手強くてやんなるぜ…!」

 

 実際には月闇を黄雷の腹に滑り込ませる様に合わせ、エスパーダが手に力を込められぬように競り合っているのだ。

 そしてそんな鍔迫り合いも数秒の事、エスパーダの腕を上方に跳ね上げ大きな隙を作る。

 

 「ヤベッ…」

 危機感にエスパーダは光速移動を使用しようと意識をそちらの方に余分に割いた為に、カリバーの純粋な剣技の踏込みにソードローブを斬り払われダメージを受ける。

 

 「ッア゛がぁっ!?」

 短い痛声を挙げ草原に転がる。

 

 「エレン!!?」

 

 「そんな…エレンは確かに力より速度を重視する剣技の使い手ですが、力負けだけじゃなく一瞬の踏込みまで負けるなんて!?」

 

 エレンの人間性は兎も角、剣士としての腕の冴えを信用しているブレイズが驚愕に目を見張る。

 

 「エルヴィレアノ…確かに三人の中では生え抜きの腕前だが、キミは聖剣を継承した頃より何も変わっていない。錆び付いてこそ無いが、上達してもいない。メギドには通用したようだが…一冊増えた程度ではワタシの足下には及ばない

 

 「テ…メェ…ホントにゾンビトカゲ(不滅のジークハルト)だってのか?」

 

 「そんな馬鹿な!?ウェルナー候は死んだ筈では…?!」

 

 「言った筈だ、倒して確めろと。とは言え…一人の力などたかが知れている、纏めて掛かって来るといい

 

 3人の剣士を前に余裕を崩す事無くカリバーを語る。

 

 「後悔すんなよ!」

 「相手は手強い、フォーメーションを密にして行こう!」

 「任せて下さい!」

 

 今までの相手とは全く違うカリバーに三剣士はチームワークによる攻撃を仕掛けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━フローラ女学院・学院裏の森北東━

 

 

「大断断!!」

 

 一方、森の北東右翼側より進行するシミーの軍勢をたった独りで押し留め奮迅するのは守りに於いて他に比類を許さぬ男。現役の剣士最強と呼び声高き堅陣騎士、陳劉玄こと仮面ライダーバスターその人である。

 

 バスターはたった今必殺の太刀にて撃滅せしめた敵軍勢を見下ろしながら思考する。

 

 (おかしいね、歯応えが無い…無さすぎる。さっきから斬った先から雑魚ばかり補充されて、指揮してるだろうメギドが見当たら無い……まさかとは思うが、オジさんが相手にしてる連中は囮か?

 だとしたら本命は…………斗真ちゃん達か?何の為に…?どうにも嫌な予感するねぇ…、とっととシミーの発生源を叩いて斗真ちゃん達の元に向かおうか!)

 頭の中で幾つかの予測を立て結論付け不動を止め、敵陣奥へと切り込もうとしたバスター。

 しかしそこへ漆黒の閃刃が襲い来る。

 

 「…!甘いよ!!」

 

 エスパーダの動きに勝るとも劣らない影を相手に、玄武神話由来の頑強なソードローブを以て防ぎいなす。

 

 「やれやれ…何者だ?」

 

 「ハハッ、噂に違わず堅い上に巧い…なるほどなァ最強ってのもあながち嘘じゃない訳だ

 

 バスターを強襲した影の正体は黒い躰に紅いマフラー、同色の仮面の様な意匠を象った猫背気味の複数のモチーフが入り乱れた魔人。

 

 「ふむ……お前さんが例のデザストとやらか」

 

 メギドデザストが己の武器たる愛刀【グラッジデント】を構え再びバスターへ迫る。

 対してバスターは土豪剣激土の峰を左腕の装甲に滑らせる様に構え迎え撃つ。

 大剣と片手直剣、リーチに差があるにも関わらずデザストは恐れる事無く直進し、バスターもまた敵の攻撃など効かぬとばかりにその頑強な装甲で受け止め攻撃のみに終始する。

 

 「ハッハァッ♪強い、強いなァ!楽しいぜ…最高だ!これだから戦いって奴は堪らない

 

 「勝手に一人で盛り上がってな!オジさんはお前に構ってる余裕は無いんだよ!!」

 

 グラッジデントの刃を激土の刀身ゲキドソウルの空部位で巧みに絡めとり、デザストの手から弾き跳ばす。

 

 「見たとこお前さんがシミーをバラ撒いてたってとこか?ならここで倒してついでに後顧の憂いを断つ!」

 

 「やってみせろよ、オレは不死身だ

 

 「そうかい!だったら簡単には復活出来ないよう倒してやろうじゃないか!」

 左腕でデザストの首元を郭締めし数度の膝打ちを放ち、魔人が鑪を踏みよろけた所に激土を振り下ろし、返す刀で袈裟上げに斬り上げる。

 

 

『玄武神話!ドゴドゴーン!!』

 

 玄武神話をシンガンリーダーに素早く読み込ませ、激土を手前に掲げ、大地に突き刺す。

 

 

「豪覇斬地走り!」

 

 突き刺された大地が鳴動し激土を起点に隆起、鋭く尖った岩が無差別に生えてデザストを八方串刺しにする。

 

 「ォあ゛ア゛ア゛?!

 響き渡る魔人の絶叫、哀れ無数の岩針にて身体中を穴だらけにされ絡み合った岩に拘束される。

 残ったシミー達も同じ様に隆起し生えてきた岩針に穿たれ消滅するのであった。

 

 「これなら暫くは動けないだろ、そこで晒し死にしてな!」

 言ってガトライクフォンを取り出しライドガトライカーへと変化させ飛び乗るとデザストを置いて去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━マームケステル・オルケストラステージ━

 

 「あぁ!何だかじれったいなぁ~、ジッとしてるなんて勿体無いよ!」

 街での定期オルケストラを終えたsupernova、メンバーのフィオナが堪え切れぬ様に叫ぶ。

 

 「ダメよ~、クロちゃんから大人しく待機してるようにって言われたでしょ~?」

 今にも飛び出しそうな彼女を窘めるのはメンバー最年長ミルフィーユ。

 

 そしてそんな2人からやや離れて控室の窓から外を見つめるsupernovaのリーダーにしてセンター、東国リュウトの姫君ユエ。

 

 「……おじ様…!?」

 

 「ユエちん?」

 「どうかしたの?」

 

 「ごめん、ちょっと出てく」

 

 「ユエちん!?」

 「駄目よ!今街の外に出たら…」

 窓の外から見えた灰褐色の影が屋根から屋根に翔び駆ける姿、その姿から何やら鬼気迫るモノを感じて、2人が制する声も無視して駆け出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ━街道近郊━

 

 「「「うぁぁあ゛?!」」」

 

 轟は爆音と悲鳴。セイバー、ブレイズ、エスパーダの3人が声を挙げて吹き飛ぶ。

 それとは真逆に悠々と歩み来るカリバー、三剣士達は終始不利な勝負を繰り広げる。

 

 「クソッタレ!!少しはこっちの攻撃を喰らえよ!?」

 

 「くっ……攻撃が全て防がれてしまう…どうしたら」

 

 「それでも!やるんだ!こいつを街に入れちゃいけない!!」

 セイバーの鼓舞にブレイズ、エスパーダ共に痛む身体に鞭打ち立ち上がる。

 

 「で、何か手ェあんのか?」

 

 「ある。二冊で駄目なら三冊だ!」

 エスパーダからの問いにセイバーはホルダーに収納していたもう一冊…見覚えのあるバイオレットカラー。

 

 「それはセドリックさんの?!」

 

 「例のキャラ崩壊ブックか……使えんのか?」

 

 「分からない、けどやるしかない」

 

 ブレーメンを握る手に力が籠る。

 

 「ハッ、じゃあ取りあえずはオレと真面目ちゃんで推定ゾンビトカゲ野郎の攻撃を捌く、お前は奴を倒す事だけに集中しろ」

 

 ゆっくりと歩を進めるカリバーを見据えながらエスパーダはセイバーに全てを託す。

 

 「作戦会議は済んだかね?ならば来たまえ、キミ達の底力をもっと振り絞って見せてくれ

 舞台芝居の如く両腕を大きく広げ煽るカリバーにエスパーダは忌々しくもしかし余裕があるような振る舞いで返す。

 

 「ほざいてろよ、クソ野郎。余裕こきやがった事今から後悔させてやるぜ!」

 

『トライケルベロスランプドアランジーナ』

 

 

 「闇黒剣月闇は返して貰います!」

 

『ライオン戦記ピーターファンタジスタ』

 

 雷と水の剣士がドライバーのブックを叩く。

 ライドブックの技を用いてカリバーへの牽制とする心算だ。

 そしてその隙にセイバーが自身のソードライバーの空のレフトシェルフにブレーメンのロックバンドを挿入、聖剣を納刀する。

 

 

『烈火抜刀!』

 

『竜・巻!ドラゴンッイーグルゥゥ!』

 

『増冊!ブレーメン!』

 

『烈火二冊!』

 

『荒ぶる空の翼竜が獄炎をまとい、あらゆるものを焼き尽くす!』

 左肩から腕に掛けて音楽の力を宿した装甲がセイバードラゴンイーグルに加わり、レフトマスクには【ブレーメンマスク】が装着され新たにドラゴンイーグルブレーメンと化す。

 

 (ほう……炎の剣士の三冊か、これは"視えて"いなかった。それもブレーメン…相性としてはワタシが持つ西遊ジャーニーに及ばぬまでも悪くは無い組合せ…その分、身体に掛る負荷は亜種三冊以上ではあるが……フッ半端に"視える"のも考え物か)

 ブレイズとエスパーダを捌きながら、今し方姿を変えたセイバーを胸中で見定めるカリバー、仮面の下で口元を僅に緩める。

 「見せてみよ、新たなる若きセイバー!

 

 

 「おぉぉぉおおっ!!

 

 セイバーが吼える。烈火を振るいながら駆け抜けてカリバーにその一撃を見舞わんとする。

 セイバーの攻撃に合わせる様にブレイズ、エスパーダ共にカリバーの迎撃を阻まんと先制を期す。

 

 「僕達を忘れて貰っては困ります!」

 

 「テメェは無防備で受けやがれ!」

 

 ブレイズがカリバーの月闇に流水をかち合わせて押さえ、エスパーダが空き手側に斬り込む。

 

 「手段を選ばずか…嫌いでは無いが、その程度予想していないとでも?

 振り下ろされた黄雷を躊躇う事無く左手で受け止める。

 

 「だがこれでテメェの正面はガラ空きだ!」

 

 「認識が甘いな

 カリバーが冷淡に告げる。と同時に月闇から吹き出た闇がブレイズを包む。

 

 「うわぁぁぁあ?!!?」

 絶叫に近い悲鳴を挙げて倒れるブレイズ、ソードローブが本のオーラと化しパラパラ捲れる様に霧散する。

 

 「次は貴様だ

 

 「っ…!なろっ!」

 

 自由になった月闇をエスパーダへ向け突き抜く、その動作に咄嗟に黄雷を手放し闇纏う刃を躱す。

 突きを躱した後、回し蹴りで黄雷を掴むカリバーの左手を蹴り上げる。

 当然手放された黄雷をエスパーダは右マントカーテナクロークを使用し器用に回収する。

 そして倒れ伏したアルマもを左脇に抱え光速移動にてカリバーから離れる。

 

 「(こうなりゃ小説家の潜在能力が頼りか……)行け!」

 

 エスパーダの声を受けセイバーが更に加速する。

 

 「三冊だろうとっ!

 

 音と炎纏う烈火と闇渦巻く月闇が激突する。膨大な力の奔流、そして激突した衝撃が生み出した余波が突風となって草木を揺らす。

 最初は拮抗していた剣を介した力比べ。しかし受けた月闇が徐々に押し込まれてゆく状況に仮面の奥の瞳が見開かれる。

 

 「……!?ワタシを押し込むかっ!!

 押され気味となった月闇を寝かせ、峰の腹を左手で支える。

 

 「うぉわぁぁぁあ!!」

 

 遂に力比べに決着が付く、遮二無二叫ぶセイバーの気迫と共にカリバーに一太刀浴びせる。

 

 「ぬぐぅぅう……

 カリバーのソードローブに走る縦一閃の軌跡、脚に力を込め立つ事叶わず膝を付く。

 

 「しっ!今だ小説家ぁ!躊躇わず決めろ!!」

 

 「ふっ…!」

 

 

『必殺読破!!』

 

『ドラゴン!イーグル!ブレーメン!三冊斬り!!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!!!』

 業火残響の斬撃が無防備なカリバーへ直撃し大地と共に派手に吹き飛ぶカリバー、と同時に彼の元から零れ落ち何処へと飛び行く3つの小さな本。

 大きな音を立てカリバーが落下する。

 

 

 「あんま言いたかねぇが……ヤったか?」

 後方から趨勢を観ていたエスパーダが呟く、しかし土砂が濃い土煙となって視界を塞ぐ為、カリバーらしき影が見えない。

 

 「はぁ…はぁ……」

 セイバーも肩で息をする程疲労している。

 

 「──……いや、驚いた」

 

 「「?!」」

 

 土煙の奥から声が木霊す、声色こそ入り雑じったノイズが無いが恐らくはカリバーの変身者だろう者の声。

 

 「まさか…同色のワンダーライドブックを揃えたワンダーコンボでも無いに関わらずこれ程の力とは…おっと、今代のセイバー、キミの評価を見直す必要がある様だ

 途中声がくぐもったモノとなる、フードか何かを被ったのだろう。

 「出来る事ならばもう少しキミと遊んでみたいが……ワタシとしても、予想外の痛手を受けた。何より…時間切れの様だ

 姿見せぬ声が差すセイバーの後方、エスパーダよりも更に後ろの街の外壁。

 其処に立つ雄々しき堅牢。

 

 「流石のワタシも手負いであの侠の相手をするのは厳しいのでね

 

 ふらつく足で立ち上がり、走り来るバスターを一瞥し指笛を吹く。

 すると何処から途もなく土煙とは別に蒸気の様な煙が現れ僅に覗いていたフードを被ったローブの影を覆う。

 

 「っ…!待て!!」

 

 「近い内にまた(まみ)える事もあるだろう。その時を楽しみにすると良い……

 

 白煙に消える仮面ライダーカリバーであったローブの人物、煙が晴れる頃には小さなクレーターとなった大地が残るのみとなった。

 

 

 

 

 

 「斗真ちゃん!」

 

 「あぁ…陳さん……」

 

 敵が消え、バスターと言う頼れる存在が駆け付けた事により安全が確約され気が抜けたセイバーが変身が解けると同時に倒れる。

 

 「小説家ぁ!?!」

 「斗真ちゃん!!」

 

 近くで見守っていたエスパーダ、駆け付けていたバスター共に変身が解けながら倒れた斗真の名を叫ぶ。

 

 強敵を退ける事には成功した、しかし被った被害もまた無視出来る物では無い決着となったのであった。

 

 

 TO BE Continued……

 

 





 私の別の作品の後書きでも書いた事なんですが、どうも掲示板形式は私のスタイルとは合わないのか、自分で書く分には書き途中の読み切りが限度かなぁと。
 やはり掲示板形式の作品は読み専が性に合っているみたいです。

 後…冬コミの同人誌買いすぎて金欠なのでセイバーのVシネクスト観に行けないかもしれない……。

 では次回
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