MasqueradeRe:Lights ~この世界では本の力を持つ仮面の騎士がいる~ 作:ダグライダー
お久しぶりのこんばんは。
構成諸々悩んでいたら時間がかかりました…。
それはそれとしてバレンタインガーネット、リネットをゲット。
更に伝説を回してクロちゃんもゲット、次はエリザをゲットしたいですね。
バレララちゃん出ないもんだからシュガポケ1人もUR居ない……。
━マームケステル・外壁近辺━
闇の剣士カリバーの襲撃を退けた炎の剣士仮面ライダーセイバーこと剱守斗真であったが、激戦の痛みと大き過ぎる力を行使した代償か倒れてしまう。
「斗真ちゃん!しっかりしろ!」
戦場に急ぎ足て辿り着いたバスターこと陳劉玄は眼前で倒れ、変身の解けた後輩剣士に駆け寄りながらも自身もまた変身を解き、斗真の上体を抱き起こして声を掛ける。
(脈は……ある。傷は多少血が出ちゃいるが、今すぐ命に関わる致命的なモンは無い。って、おいおい!?まさか三冊コンボを使ったのか?いくらここ最近鍛えてはいるっても…斗真ちゃんは剣士としちゃまだ素人に毛が生えた程度……。
アルマだって意識こそあれ倒れた程の力を使っちまったってのかい)
声を掛けつつも脈拍を計り、俯瞰して身体中の傷を確認する劉玄。
そうして彼は斗真の腰に装着されたドライバーのシェルフスロットが全て埋まっている事に気付き、変身が解ける直前に見えたセイバーの姿と照らし併せ斗真が倒れた原因に行き当たる。
「(斗真ちゃんが相対していた相手……遠目な上、霧らしきモノでハッキリとは判らなかったが…メギドじゃあ無かった)……エレン、取り敢えずオジさんはクロエちゃんに連絡して斗真ちゃんを学院に運ぶ。
お前さんはアルマの方を、ついでにセドリックにもこの事を伝えといてくれ…頼む。それと……何があったのか、後でたっぷり聴かせて貰おうか?」
「ああ、嫌って程聞かせてやるよ」
エスパーダの変身を解いたエレンが覚束ないながらもアルマの右半身を肩に担ぐ。
空いた右手でガトライクフォンを取り出しワンフリックで目的の人物にコールを掛ける。
「クッソ、細いクセして重いなコイツ……細マッチョかよ…。はよ出ろムッツリグラサン!」
━フローラ女学院裏手の樹海━
「残敵無し。しみー1匹残っておりませぬ」
「当然。小生達二人掛かりで片付けたのだ、万が一にでも残党など残すものか」
北西側を任された2人の剣士、風の剣士仮面ライダー剣斬こと祭風哉慥と音の剣士仮面ライダースラッシュことセドリック・マドワルドが劉玄が戦場としていた北東側へと進路を向けながら会話を交わす。
「劉玄殿の方はどうなっているのでしょうか?」
「愚問、激土は小生達の中で最も歴戦の古兵。敗陣を期す事など在るまい」
「それもそうでござりますね……やや?」
「問、どうした?」
劉玄との合流目指し進んでいた所、樹の上を跳び駆っていた剣斬が動きを止め、手で庇を作り何かに注目している。
「いえ…あちら……少し先の…おおよそ七里程でしょうか、拓けた場所に鋭い岩石の柱が複数…地面から空へ内よりに生えているのでござる」
眼にした光景を下で己を見上げるスラッシュに伝える。
「思案…回顧、ふむ……激土の技に該当するモノがあったな……うん?」
伝え聞いた状況に記憶を探っていると自身のガトライクフォンが震えている事に気付く。
「……黄雷?あちらも敵を殲滅せしめたか」
『グラサン、忍者と一緒だな?どっちかで良いからすぐ来い。助けろ、理由は来れば分かる』
通話を選択した途端、聴こえるエレンの声。普段の何かにつけて文句を垂れる様な女々しい物言いではなく、端的で業務的な口調…何より"助けろ"と宣った電話の向こうの声にスラッシュも疑問を懐きつつ、しかし只事ではないと理解してこちらを見下ろす剣斬に手招きのジェスチャーを示し、エレンに返事を返す。
「了承。翠風をそちらに向かわせる、詳しくは合流してからだ」
『おう…』
短い返事。そのまま通話が途切れ、一連の会話を知らぬ剣斬が小首を傾げスラッシュへ問う。
「先の声、えれん殿でしたが……」
「珍事、奴にしては珍しく慌てていた。何かあったのは確かだ。質疑、それで…そちらはどうだ?激土は見当たったか?」
「いえ。ですが足跡を見付けました。恐らくは敵を討ち果たした後、斗真殿達の元へ向かったのだと思われます」
腐っても…もとい未熟を自称すれども忍、周辺の痕跡から相手を追跡する技術はお手の物である。
「時間は?」
「拙者達が戦闘中の頃には既に劉玄殿は粗方の敵を滅していた様です。あの岩柱の塊も
それらの事から推察するに、拙者達の戦闘を終えた時分には既に森を後にしたものと」
「納得。現役最強は伊達ではないな…、得心がいった。豪覇斬地走りを喰らった手合い……十中八九メギドだろうが…(縛り付けたというのが気にはなるが)消滅したと見て間違い無いだろう。
方針伝達、翠風、手前は黄雷の元へ向かえ。言い様こそ短くしていたが声が震えていた、あの震え方は体力が限界に近くなった時の黄雷だ、早めに手助けに行ってやれ、さもなくば奴は途中で力尽き倒れるぞ」
「にん!それはいけませぬ!!えれん殿は倒れた時は気力が無い為、その場では何事も無く済みますが、後から皆様へ怨嗟にも似た愚痴を捲し立てる様になりまする…、拙者は兎も角…魔女の方々にまで飛び火しては申し訳が立ちません。然らばお先に御免!」
断りを入れ剣斬が目の前から消える。樹から樹へと跳び移り遠ざかる僅な音がスラッシュの耳に届く、風の様に身軽な少年はそのまま街の家屋の屋根上を軽々と跳びエレンの元へ辿り着くだろう。
残されたスラッシュは魔獣に警戒を配りながら、樹海から立ち去り、学院へと合流を急ぐ。
━マームケステル正門近辺━
場面は戻って、街道の正面通用門前。
フローラ女学院在学生にして理事長クロエ肝入りの選抜クラスユニットsupernovaのセンターにしてリーダー、東の大陸リュウトの姫であるユエが、遥か先の草原での出来事を只々眺めていた。
「あれって……特別クラスの…それにあっちの二人はマルルセイユの自由騎士に、フィレンツァの雷迅?」
劉玄が背中に背負った斗真と、少し離れた場所でアルマを担ぎ上げて脚が笑っているエレンを目撃し、思わず溢す。
そんな彼女が立つ門の元へと劉玄が焦れた顔で近付いて来る。
「おじ様……」
「御姫さん、悪いが急いでる。話なら後にしてくれ」
ユエが恐る恐る訊ねようとして、だが劉玄の一言で二の句を告げなくなる。
ユエが見つめ続ける中、劉玄は背負った斗真を気遣いながらその巨体に見合わぬ速度で学院へと駆ける。
道中の行き交う人々に速度を落とされる事を嫌った劉玄は拓けたダウヒッチストリートから路横に入り、壁面を蹴って屋根へと登り、来た時と同様屋根上を駆ける。
奇しくも剣斬とは別の場所を移動していた事から互いが顔を合わせる事は無かった。
「何が…あったの……」
鬼気迫るといった空気を纏っていた敬愛すべき自国の守護者の様相にユエは只々唖然と狼狽える。
「あー…重い…真面目ちゃん起きねえかなァ、引き摺るのキッツいんだよ……忍者のヤツ早く来いよ…」
エレンがアルマを四苦八苦しながら担いでいるが、どんどんアルマの方に身体が傾き、担がれているアルマは斗真程では無いが意識が明瞭としない為、されるがまま両足を引き摺る事となる。
「あー…キツイ…………おおん?お前…確か………スパノバの」
セドリックの評価など露知らず、通話中の時にあった意気込みも終わればグチグチと女々しく愚痴を垂れ流すエレンは、そこで門の陰に立ち尽くすユエを見付ける。
「……教えて、あそこで何があったの?」
「ぁア?メンドクセェなぁ、お姫様よぉちったぁ空気読んでくれや、オレもこう見えていっぱいいっぱいなんだよ。まぁでも忍者来るまでオレ一人で真面目ちゃん運ぶのもキツいし、ちょっとした休憩がてら独り言を言ってよぉ、それをどっかの誰かが聞いてもまぁオレにゃ責任はねぇよな……多分」
ユエの懇願にとても面倒な顔をしてしかめた後、僅かに考え直し、態とらしくそっぽを向きながら建前をしれと述べるエレン、最後に余計な一言があったがユエにとっては重大な事ではないので無視した。
「っとによ……メギドだの魔獣だの相手にする分には良かったのによォ。実際、今回もメギドとシミーだけだと思って腹ぁ括ったらまさかの闇の聖剣と剣士が敵でご登場だわ、ソイツ滅茶苦茶につえーわ、真面目ちゃんが真っ先にやられるわ、オレも躱すので精一杯だわ大変だったぜ。
オッサンも、もうちょい早く駆け付けてくれりゃ小説家が無茶する事も無かったのによぉ、ホント…ガラじゃねぇよ命掛けるなんざ。
ワンダーライドブック三冊だぜ?そりゃあソードライバーにはスロットが三つあるが、だからってついこの間まで素人同然だったヤツがいきなり三冊コンボの力を使えばそりゃああもなる。敵さんが退いてくれたから良かったもんを…もし野郎が無傷だったらと思うとゾッとするね。………おっと、今のは口が滑っただけだからな?オッサンやクロエのヤツにゃあチクんなよ?」
言いたい事は言ったとして、壁に預けていた背を離し、再びアルマを担ぎ直して歩き始めるエレン。
劉玄と違い、ノロノロと歩いているので先の戦闘の轟音を気にして野次馬目的の民衆等に見付かり、視線を集めている。
そんな状況で元々大多数の他人からの視線に晒される事を嫌う彼はとても嫌そうな顔をして、ただでさえ死んだ魚の眼がマイナスへと振り切ってゆく。
そうして門から約100メートル程離れた所でようやく、剣斬もとい変身を解除し家屋の屋根から跳び降りて来た哉慥が合流。
何やら遅いだのさっさと手伝えだのと哉慥にだけ聴こえる様に言っているのか、言われている忍者少年の方は大仰に「申し訳ございませぬぅぅぅううううう!!」等と泣き叫んでいる。
(敵が来ていた……それも魔人だけじゃなくて、聖剣の剣士が?
闇の聖剣……確かドルトガルドに伝わったって言う…けどそれがどうして敵に?)
一般的にドルトガルドから月闇が持ち出された事は知られていない、知っているのは国の重鎮の1部と組織に属する剣士達、そしてその
それ故彼女は答えの出ぬ疑問に苛まれながらも、一先ずは抜け出したステージの元へ戻ろうとして、草原にて陽の光を照り返し光る
(これ……先生やおじ様達が使っている……)
近付き視線を落とせば、落ちていたのは小さな紅色の本。
剣士を間近で見てきたユエはソレがどういった物なのか理解し手に取る。
(取り敢えず…まずはみんなの所に戻ろう。コレはおじ様から詳しく話を聞いた後に渡そう)
そう決断して、彼女は身を翻して仲間が待つステージへと踵を取って返す。
その手に
━フローラ女学院・医務室━
劉玄の身体能力を十全に用いたショートカットによって斗真は素早く治療を受ける事が出来た。
「どうですか、彼の具合は?」
「どうもこうも…傷よりも極度の緊張と疲労つう精神的なもんが原因なんだから、先生の眼が醒めるまでは私にもどうしようもないっての」
医務室のカーテンに遮られたベッドから覗く斗真を眼鏡越しに伺いながら治療を施したアンジェリカへクロエが訊ねる。
対しアンジェリカは斗真の傷を完全に治した後、自分にはもう出来る事は無いと突っぱねる。
「傷を治してくれただけでも有り難いよ」
斗真を背負った事で所々に血汚れの付いた劉玄が少女を労う。
「称賛。相変わらず治癒の腕前は見事に他ならない」
先に学院にてクロエと合流したセドリックもアンジェリカの治癒魔法の腕前には感嘆の意を示す。
そんな医務室に遅れて到着した哉慥とエレンとアルマが現れる。
「ぉぅ、ならその調子でオレと真面目ちゃんも治してくれや」
「はぁ?ふざけんなつーの……ってなんであんたサイゾーに背負われてんの?」
そう現れた3人は3人ではなく6人であった。
アンジェリカが言う通りエレンは哉慥の背に背負われ、アルマは
「あんた……自分より年下で背が小さい子に背負われ恥ずかしくないの?」
「オレぁ変身したんだ、その上で頑張って街の方まで真面目ちゃん担いで来たんだぜ?」
要約すると変身によって消耗する上、二冊のワンダーライドブック使用でサラに体力を奪われ、肉体的疲労凄まじい所に斗真やアルマと比べれば軽症なれどダメージもあり、しかしそれを圧しても気を失ったアルマを街の門前まで運べたのだから誉められこそすれ、謗られる謂れは無いと言外に述べているのだ。
「サイゾーもさぁ、ちょっとは断るとかしなさいよ?あんた何でもかんでも素直に聞きすぎなのよ。もうちょっと我ってもんを──」
「しかしえれん殿もあるま殿同様に消耗しているのは事実でござりますから。何より、実体を伴う幻影分身の鍛練にも良いかと思い、拙者の方から進んで引き受けた次第に御座います」
「くっ…なんてピュアな輝き…!そこのニート恥ずかしくないわけ?」
キラキラした曇りの一切無い瞳を受けたじろぐアンジェリカ、そしてピュアな瞳の向こうにいる濁った方の瞳へ言葉を投げる。
「ニートじゃねぇし!だいたい恥もクソも動けねェのは本当なんだから仕方ねぇだろうがッ!」
哉慥(本体)から近くの椅子に下ろされながらアンジェリカに食って掛かるエレン。この男、御歳23歳である。
「まぁまぁ、オジさんは見てないけど今回はエレンも頑張ってたと思うよ…多分。だからうん、大目に見て…は無理でも、ちょっと…ほんのちょっとはお目こぼししてあげ……やっぱ無理かなぁ」
「諦めんなよ!そこで諦めんなよオッサン!!」
「そんだけ元気なら私が治療しなくても平気ね。んじゃアルマの怪我治すから」
実際、カリバーと対面し剣を交えた中でエレンだけが目立った傷も致命的な傷も無く元気なので間違ってはいない。
「喧々騒々。病人がいるのだから静かにしろ……む?また騒がしくなりそうだ」
「どした?」
尚も喚こうとしたエレンにセドリックが右手で頬を挟み口を塞ぐ。と同時に彼の耳には大勢の足音が部屋の外から聴こえて来た。
「嘆息…そら、姦しいのが来たぞ」
セドリックの溜め息と同時に哉慥が開きっぱなしにした扉から雪崩れ込む様に数人の少女達が現れる。
「「「「先生!」」」」 「教官!」 「センセ!」 「お兄ちゃん!」 「『せんせい(*>д<)』」 「にーさま!」
特別クラス──ティアラ、ロゼッタ、ラヴィ、リネット、ナデシコ、アシュレイ、ラトゥーラ、カエデ、メアリーベリー、シャンペが次々と斗真を呼びながら部屋に入り込もうとする。
「あらあら、そんなにいっぺんに入ったら先生くんが潰れちゃうわよ?」
「せんせー!!」
半ば押しくら饅頭状態のクラスメイトや妹達を後ろに控えていたツバキが窘めんと言葉を掛けた所に、遅れて駆け付けたIV KLOREから突出したサルサが扉に寿司詰めしていた集団に突っ込む。
「「「「「「「「「きゃぁぁぁあああ?!」」」」」」」」」
そして挙がる悲鳴。ドミノ倒しよろしく数人が床へ倒れその上に他がのし掛かるという光景。
無事だったのは後方で傍観していたツバキとサルサの声にいち速く反応し咄嗟に下がったカエデ、そしてサルサの後から到着したエミリアとあるふぁ。
因みにエミリアに気付かれぬ様にヘルマンが廊下の柱に身を隠している。
「ちょっとー!余計な怪我人増やさないでくれる?!」
「おやおや、大丈夫かいお嬢ちゃん達」
アンジェリカが額に青筋を立て抗議する横で、劉玄が動き上の方の少女達を優しく持ち上げながら下敷きになった少女に声を掛ける。
「あいたた……だ、大丈夫です」
倒れる瞬間ロゼッタに庇われる様にして倒れ込んだ為、他より多少余裕のあったティアラが下から這い出て答える。
「なァにやってんだラトゥーラ」
「うっさいし、見てないで助けなさいよ」
護衛対象の醜態に呆れるエレン、しかしラトゥーラも野次を飛ばして傍観するだけのエレンを非難する。
やがて山が崩れ、少女達は其々に立ち上り落ち着きを取り戻す。幸い…と言って良いかは判らないが、下敷きとなった側はリネット、ナデシコを除いて受け身が取れていたし、ティアラは庇われていたので言わずもがな、前述した2人もリネットは身体の極一部がクッションとなっていたし、ナデシコは位置が良かったのかこれと言った怪我はしていなかった。
「何やってるのよ…って言うか何があったのよ!?何でアイツが倒れたの?!アンタ達何か知ってるんじゃないでしょうね!?」
そして1人事情を呑み込めていないエミリアが困惑混じりに叫ぶ。
「あー、オジョウサマも一緒かよ。まぁそうだよな…念の為っつってクロエが号令掛けて校内の生徒は街の外と森に出ないようにって徹底して言い含めた上に、オッサンが背負ったズタボロの小説家や忍者が担いでた真面目ちゃんを目撃した生徒連中が騒ぎゃ、そりゃ風紀委員サマの耳には入るわな」
「はわわわ?!!如何するでござるか?!如何するでござるか?!」
「
烈火の状態を此方側でも詳細に把握すべく人材を呼んだ……む?ルキフェルはどうした?」
「はにゃ?ルキさま?ルキさまならさっきまで一緒に……あれ?」
エミリアの反応を見て『まぁそうなる』と得心するエレンと逆に慌てふためく哉慥。
その哉慥に落ち着く様言い含めたセドリックはどうやら先程までガトライクフォンで何処かへ連絡をしていた様だ。
そうして彼は自らが後見人を務めている少女の姿が見当たらない事を訊ねる。
それをシャンペが答え、しかしその姿を認める事が出来ず首を傾げた。
━マームケステル・ダウヒッチストリート━
「ふん…やっと待機指示が解けたんだ。先生には悪いが、どうにも気になる…まぁついでだ、帰りに見舞いの品として何かゲームでも買っていってやるか」
話題のルキフェルは1人、街の中央通りを歩いていた。彼女が向かう先は3剣士が戦っていた戦場、やがてsupernovaがオルケストラを行う筈だったステージに通り掛かる。
「ふぅん、supernovaめオルケストラを再開するのか。殊勝な事だ」
ルキフェルが言う通り、ステージは賑わっており、どうやら壇上ではフィオナがMCの主導を回している様だ。
が、ルキフェルの位置からでは観客の歓声しか聴こえない為、早々に見切りを付け先へ進む。
やがて門へと辿り着いたルキフェルは街道側を軽く警戒した後、足取り軽く戦場となった場所を彷徨き始める。
「ふむ……メギド、シミー以外にも居たなこれは」
おおよその場所を見回して草原に落ちていた物を見付け確信したように呟く。
「何故戦場が気になったのか……ハンッ!本に呼ばれる──か、まさかワタシにも起こりえるなんてな」
足下に落ちていたソレを拾い、誰に言うでもなく嘲る。
「土産が増えたな、これで少しはアンジェリカもセドリックもワタシを五月蝿く言えんだろう」
━フローラ女学院・医務室━
「気付いたら居なくなってたとか、あいっかわらず地味ねルキのヤツ」
「チビルキの事は今はいいだろ、重要なのはムッツリグラサンが誰を呼んだのかだ。聖剣の事ならグラサン自身でどうにも出来るから、オカマは除外するとして後の候補もクソペテン師は無い…となると、東洋の神秘妖怪シジイか医者だったつー姐御か?」
ルキフェルが聞いたら憤慨しそうな事を口にするアンジェリカと、同じくぞんざいに扱うエレン。
そのまま斗真の容態を鑑みて呼び出したとされる人物の予想を立て始める。
セドリックの兄エリウッドを除外し、自身が知る中で他に可能性がある人物としてヤマトにある忍の里の長【
「妖怪だなんて……せめて妖精と言ってあげるべきじゃない?」
「そうです。いくら何年間も見た目が変わらないからと言って妖怪は言い過ぎだと思います」
「アダンおじいちゃんに聞かれたら里の人達をけしかけられちゃいますよ?」
憚らず妖怪と謗るエレンに、阿檀を知るヤマト三姉妹が苦言を呈する。
「否定。呼び出したのは前黄雷…要するに手前の師匠だ──」
瞬間、エレンが椅子から立ち上り脱兎の逃亡を図る。
痛みはどうしたとか、疲れて動けなかったんじゃないのか?とかそう言う諸々を無視して火事場の馬鹿力を発揮して駆け出した瞬間、眼前に現れるブックゲート。開かれた本の門から競り出したヒールの踵がエレンの腹に突き刺さり、哀れ怠惰な元漫画家は吹き飛ばされた。
「此処は病室なのですが……」
クロエが何とも言えぬ顔で溢す。
「悪いわね、クロエちゃん。後で弁償するから今は見逃してくんない?」
やがて聴こえて来た声はクロエよりは歳上であろう女性の声。
「さぁ、
──突如として現れたその
彼女が先生を助けてくれる。セドリックさんはその為に呼んだのでしょうけど、先にエレンさんが死んでしまうのではないのでしょうか……と、その時の私は思っていたのです──
TO BE Continued
哉慥くんの里の人達は哉慥くん以外は大体花か草木、獣か蟲の名前を名乗っています。
例えとしては、紫苑や藜、薊、蜈蚣、虱、海驢、豪猪、日雀、鶸などですね。
久々のTip、鳳蝶は実はちょっとした洗脳を受けてます。
ではまた次回