カードに恋した決闘者   作:島夢

5 / 7
5話 はぁ~この人は苦手だ

「ふぁ~…今日はパーティーの日か…今は6時だから…パーティー開始は夜8時…めっちゃ時間あるな…取り合えず、デッキの調整でもしようかなぁ…」

 

 

俺は基本早起きだからいつも6時くらいに起きる

いや、普通に昼まで寝るときもあるけどさ

デッキを弄っていると…

 

 

「久しぶりだな、ダルク」

 

 

ダルクが実体化して後ろに立っていた

なんで実体化したんだ?

 

 

「ああ、久しぶり遊夢、昨日は大変だったぜ…変なのが絡んでくるしよ…」

 

 

ああ、やっぱり絡まれたのか…

そして愚痴るために実体化したのかこいつ

 

 

「俺が追っ払ってる間にあいつら…次の店行ってるし…はぁ…」

 

「お前も大変だな…まあ、めんどくさい役まかせてすまん、今度からは俺がその役するから大丈夫だ」

 

 

ダルク…まあ、良い奴だけどさ…

取り合えず…友達かな

ちなみにこいつはなぜかいつも缶コーヒーB○SSのブラックを常備している

俺が嫁と話しているのを見ると飲みだす

なぜだろう

 

 

「んで、愚痴るために出てきたのかよ」

 

「ああ、愚痴るためにでてきた、ちなみに他の奴らは夜のパーティーの準備してるよ」

 

 

ん?準備?

あいつらが?必要か?

俺の準備してくれてるのか?

 

 

「ん?ちょっと待て、なんであいつらが準備してるんだ?」

 

「そりゃぁ…参加するつもりなんじゃないの?実体化して」

 

 

え!?それはダメだろ!

ちょっと待て、前にもあったぞこの展開

あの時はエリアが変な金持ちにめぇつけられて…めんどくさかった!

まあ、決闘(デュエル)で黙らせたけど

 

 

「ダルク、お前はどうするつもりだ?」

 

「あいつらが参加するなら遊夢一人じゃきついだろうし、参加するつもりだけど?」

 

「ありがとう!」

 

 

マジ人間ができてる!

あの社長にも見習わせたいね!

なんで人間より人間してるんだこの精霊!

 

 

「っと…電話か」

 

「んじゃ、俺は戻るよ」

 

「ああ、またな」

 

 

ダルクは手を挙げて答えた

そしてそのまま消えた

まあ、カードに戻ったんだろう

んで、電話の相手は

『海野さん』か

とある財閥の一番上の人ですね、はい

社長みたいな?まあ、その辺は俺にはわからんが…

この海野さんの財閥はうちの会社と色々共同でやってるから

 

あとこの海野さんとは一年前くらいにとあるパーティーで知り合って仲良くなった

デッキは…名前の通り海のデッキだった

まあいいや

 

 

「はい、柊です」

 

『やあ、久しぶりだね、柊くん』

 

「ええ、お久しぶりですね」

 

 

海野さん、すごく良い人だ

上に立つ人のカリスマもあるし

いや、うちの社長はカリスマありすぎて困ってるけどさ

 

 

『今度のパーティーうちの娘が出席するんだ、だから』

 

「海野さん、その話は断ったでしょう?というか、俺はもうすでに相手がいますよ、何人か」

 

『一人くらい増えても良いじゃないか』

 

 

とんでもないこと言うなこの人

というか、この人も精霊見えてる人だしなぁ

 

ん?なんの話かわからない?

なんか知らんが、この海野さん…俺に自分の娘と許婚になって欲しいらしい

いや、俺もう好きな人結構たくさんいるし、本人の意思もないだろうからって断ったんだけど…

 

 

「海野さん、俺と許婚にしても意味ないでしょう?経済的な面から見て」

 

『海馬コーポレーションとのつながりが深くなるよ?』

 

「なら社長かモクバでしょう、普通」

 

 

なんで俺なんだよ

というか、俺の周りのお偉いさんたちは不思議な行動とる人ばっかりじゃねぇか!

 

 

『はっはっはっまあ、単に私が君の事を気に入ってるからだね、どれだけ経済的な面で見て有利になったとしてもどこの馬の骨ともしれんやつに娘を任せる気にはならないからね』

 

 

随分と気に入られたもんだ…

だがもう既に好きな人が5人ほどいる俺からすれば、まあ、増えても大丈夫かも知れんけど…

いやいや、本人の意見が無いからダメだな

 

 

「過大評価ですよ」

 

『周りの評価が同じならそれは過大評価とは言わないよ?』

 

「本人が過大評価といえば過大評価でしょう?」

 

『評価というのは自分で決めるものではなく、周りが決めることなんだよ?評価の意味はある事物や人物について、その意義・価値を認めることなんだからね』

 

 

勝てねぇ…こういうタイプの人と論争しても勝てない

社長と論争したらもう論争にもならないけどさ

この人の場合は真っ向から論破してくるから勝てない…

 

 

「…はぁ…まあ、許婚の件は本人の意思が無いですから、それが無い限りは絶対に受けません」

 

『ああ、わかっているよ、だから娘に今日自分の目で見定めてきなさいって言っておいたんだからね、ああ、あと君が複数の子に好意を寄せていることも「話したんですか!?」…うん、だってそういうことは先に言っておかなきゃね』

 

 

これはつまり…俺の意図しないところで勝手に俺の評価が下がっちゃったんじゃ…

なんてことしてくれるんだこの人…!

 

 

「えぇと…それで?俺はどうすれば?」

 

『いや、いつもどおりにしてくれてOKだよ?娘が何か失礼なことをすれば怒ってもらって良いし、今回の電話は娘が行くよってことを伝えたかっただけだよ?では、帰ってきた後の娘の話を楽しみに待ってるよ、また会おうね』

 

 

電話が切れる

なにがしたかったんだこの人

まあいいや、デッキの調節に戻ろう…

 

まだ昼の12時…って飯食わなきゃな

 

パーティーの参加者がえらいことになってるが…どうすればいいんだろうか

というか、社長はこのこと知ってるんだろうか…?いや知ってるな間違いなく

 

はぁ…まあ、なんにせよ、めんどくさくなりそうだ


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。