怪人バッタ男 THE NEXT   作:トライアルドーパント

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大変お待たせしました。YouTubeで『ビーロボ カブタック』を面白おかしく見ながら本編をチマチマと執筆。『すまっしゅ!!』のハロウィン回を元ネタにした番外編も同時に執筆。よって今回は本編と番外編の二本立てとなります。
そして『ビーロボ スパイドン』はチョット見てみたいし、ロボコンみたいに令和版のカブタックやロボタックが出てきて欲しいと思うのは作者だけなんですかねぇ?

今回のタイトルの元ネタは『新 仮面ライダーSPIRITS』の「皮肉という名の肖像」。それにしても最近の原作ヒロアカの世紀末感はヤバいですね。


第11話 ヴィランという名の肖像

――対“個性”最高警備特殊拘置所。通称『タルタロス』。

 

A組が仮免試験に挑んでいる頃、「“個性”社会の闇」とも称される危険な個性犯罪者を多数収監しているこの場所で、二人の“無個性”人がガラス越しに対面していた。

 

「此処は窮屈だよ、オールマイト。例えば、背中が痒くなり背もたれに身体を擦る。すると途端にそこかしこの銃口が此方を向く。バイタルサインに加え、脳波まで常にチェックされているんだ。今の僕には関係無いが、『“個性”を発動しよう』と考えた時点で、ソイツは既に命を握られているって訳だ。

地下深くに収監され、幾層ものセキュリティに覆われ、徹底的にイレギュラーを排除する。世間はギリシャ神話になぞられ、此処を“タルタロス”と呼ぶ。“奈落”を表す神の名だよ。かつて魔王だった頃の僕なら兎も角、只の人間に成り下がった今の僕では、流石に神への叛逆は難しいと言わざるを得ない」

 

「いいや。出られないんだよ」

 

「そうだね。神殺しを成すのは何時だって英雄で、神殺しを成した英雄は総じて碌な死に方をしない。そんなの僕は真っ平ゴメンだ。それで? 何を求めて此処に来た?」

 

「………」

 

確かに闇の帝王は無力になった。何の力も持っていない“無個性”になった。しかし、それでも尚、奈落を住処とする怪物の様な雰囲気は全く衰えていなかった。それこそオールマイトが『タルタロス』に収監されているのが最も相応しいと思える程に。

 

「死柄木は今どこに居る?」

 

「知らない。君のと違い、彼はもう僕の手を離れている」

 

「……………貴様は何がしたい? いや、何がしたかった? 人の理を超え、その身を保ち、生き永らえながら……その全てを、搾取、支配。人を弄ぶことに費やして……何を成そうとした?」

 

「生産性の無い話題だな。聞いても納得など出来やしない癖に。分かり合えない人間ってのは必ずいるんだから。……同じさ。君と同じだよ。君が正義のヒーローに憧れた様に、僕は悪の魔王に憧れた。シンプルな話だろう? そんな理想を抱き、ソレを体現できる力を持っていた。永遠に理想の中を生きられるなら、その為の努力は惜しまない」

 

「その努力の結果が『ガイボーグ』か……」

 

「まあね。とは言え、その切っ掛けになったのは他ならぬ君だ。君の登場によって、無限に思えた僕の理想は有限に堕ちた。かつて失ったモノを取り戻すばかりか、更なる高みを目指す事が出来る方法があると知れば、誰だってソレに飛びつく。皆が心の中でやりたいと思っている事を、僕は実際にやっているだけさ」

 

「………」

 

事もなげに目的を語るオール・フォー・ワンを前に、オールマイトは沈黙した。この男はそうやって何人もの心の隙間に入り込み、これまで超人社会の闇を生き抜いてきたのだろう。それは“平和の象徴”と言う光でも照らす事が出来ない、人の心に潜む深く暗い闇でもある。

 

「それで? 他に僕に聞きたい事は無いのかな?」

 

「……呉島少年を改造した『ガイボーグ:SEVEN』。SEVENの由来については聞いたが、それとは別のコードネーム『シャドームーン』。この名前の由来は何だ?」

 

「ああ、それか。これは今更君に説明する様な事じゃあないんだが……人間社会では一度でも太陽に背を向け、夜を歩き始めた者に日の光は二度と振り向きなどしない。本人の望む、望まないに関わらず、日の光の下を歩く者達は、日陰から出る事の出来ない夜の住人を忌み嫌う。時には『ヴィラン』と言う不名誉な名前で呼んでね」

 

「………」

 

「だからこそ、彼等には必要なんだ。幾ら渇望しようとも、その身を蝕む日の光などではなく、優しく夜道を照らし、行く末を示す道標となる月の光が。故に僕は彼に『シャドームーン』と名付けた」

 

「………」

 

「悪には悪の救世主が要るんだよ、オールマイト。そして彼はその境遇故に、悪の救世主たる素質がある。例え僕が彼に手を加えなかったとしても、彼は君達には絶対に真似する事が出来ない方法で、世間から悪とされる者達を救うだろう」

 

このオール・フォー・ワンの予言が、わずか数時間後に現実のものとなる事を、オールマイトはまだ知らない。

 

 

●●●

 

 

世間で『神野の悪夢』と呼ばれる事件以降、その行方を眩ませている『敵連合』のメンバーの中で、警察やヒーロー公安委員会が最も危険視しているヴィランは誰かと言えば、それは勿論オール・フォー・ワンの後継者である死柄木弔だ。

 

では、『敵連合』のメンバーの中で、警察やヒーロー公安委員会が最も危険視している“個性”とは何だろうか? 

問答無用で万物を破壊できる死柄木の『崩壊』か? 極めて高い殺傷力を持つ荼毘の『蒼炎』か? 生物・非生物を問わず瞬時に小さな玉にする事が出来るMr.コンプレスの『圧縮』か?

 

どれも恐るべき“個性”ではあるがそうではない。それはありとあらゆるものを二つに増やす事が出来る、トゥワイスの『二倍』である。

 

元『敵連合』のスピナーこと、現雄英高校の用務員である秀一(名前で呼んで欲しいと本人から言われた)よりもたらされた情報によると、『二倍』を用いて対象を二つに増やすには「明確なイメージを必要とする」らしく、明確なイメージが出来ていなければ不完全なゴミが生成されるのだと言う。

人間を増やす場合は身長・胸囲・足のサイズなど多くの詳細なデータを必要とし、実際にメンバーの目の前でサポートアイテムである左手首のメジャーで荼毘の体を隅々まで測り、荼毘のコピー体を作って見せたらしい。

 

ただ、『二倍』で増やしたモノはトゥワイスの意志で消す事が出来ず、ある程度ダメージを与えない限り絶対に消えない。更に『二倍』で増やせるのは一度に二つまでと言った具合に、シンプルで強い代わりに弱点や制限も多い“個性”だと判断する事が出来る。

 

そして、此処が最も肝心な部分なのだが、「二つに増やす」と言ってもそれは「触れた相手や物が分裂する」と言った増え方ではなく、「トゥワイスの体からコピー体が出現する」と言う増え方をする。

つまり、その場にオリジナルが無かったとしても、詳細なデータさえ知っていればトゥワイスは幾らでもコピー体を量産する事が出来るのである。

 

「この“個性”の恐るべき所は、トゥワイスを抑えない限り『敵連合』を完全に壊滅させる事が出来ないって事だ。その特性上、“個性”で増やした相手が自分の言う事を聞く保障はないらしいが、闇組織に所属するヴィランが持つ能力としてこれほど厄介なモノは無い。

幾ら『敵連合』の他のメンバーを捕まえても、実質的には戦力の低下が起こらない訳だからな。だからこそ、トゥワイスがトガヒミコを増やせない今が、トガヒミコを捕まえる最大のチャンスだ」

 

「どうしてトゥワイスはトガヒミコを増やす事が出来ないのですか?」

 

「人間を『二倍』で増やすにはトゥワイスが対象人物の体を隅々まで計測し、多くの詳細なデータを手に入れる必要がある。しかし、伊口によるとトガヒミコは、それを嫌だと言って拒否したらしい」

 

「あー……なるほどね」

 

「まあ、ヴィランと雖も女の子ですものね……」

 

……とまあ、流石に外で話していては誰が聞き耳を立てているか分からんと言うことで、雄英に帰るバスの中で相澤先生が『敵連合』やトガヒミコ捕獲作戦についての説明をしている訳だが、『二倍』に負けず劣らず危険視されている“個性”が何を隠そう、トガヒミコの“個性”『変身』である。

 

此方についても秀一のお陰で割と分かっている事が多く、発動条件が「変身したい相手の血液を経口摂取する」事で、「摂取した血液の量に比例して変身時間が長くなる」と言う特性を持っている。

そして「複数の人間の血を摂取した場合、複数の人間の姿に変身する事が出来る」が、変身した相手の“個性”を使う事は出来ず、あくまでもガワだけの変身であると言った事が分かっている。

 

「伊口が言うには、トガヒミコが『変身』で伊口の姿になった時、顔よりも指を見た時の方がゾッとしたらしい」

 

「指?」

 

「指ってのは顔よりも普段からよく見てるモノだからな。変身したトガヒミコの指を見た時、伊口は『自分の指紋までコピーしている』と分かってゾッとしたんだそうだ」

 

問題となるのは『変身』の精度だが、顔や声は勿論の事、指紋まで完璧にコピーする事が出来、文字通り「他人そのものになる事が出来る」のだと言う。

トガヒミコが連続失血死事件の犯人とされながらも、今まで警察の捜査から逃げおおせてきたのはこの“個性”の恩恵が大きいだろう。何せガワだけとは言え「他人そのものになれる」のだから。

 

「そして、トガヒミコは林間合宿で麗日の血液を採取している。雄英高校は学生証や通行許可ID等を持っていない者が侵入した場合、各種センサーが反応して独自の防衛システムが働くが、トガヒミコが麗日そのものになれるなら、雄英に侵入する為のハードルは一気に下がる。詳しい説明は省くが、下手をすると生徒を個別に認識する高度なセキュリティが逆に仇となり、本人だと判定される可能性すらある」

 

「しかし、トガヒミコはどうして仮免試験に潜り込んだのでしょうか? 多くのプロヒーローも同席する仮免試験に潜入するリスクを考えれば、何を目的にしてそんな大胆な事をしたのか、まるで分からないのですが……」

 

「うむ。トガヒミコは林間合宿で俺達が麗日と蛙吹の二人と合流した際、即座に撤退して姿を眩ましている。ヴィラン相手にこんな事を言うのもなんだが、その時は引き際を心得ている奴だと俺は思った。そんな相手が捕まるリスクを背負ってまで仮免試験に潜入していたと言うのは少々信じ難い」

 

「麗日に成り代わるのが目的だとしても……仮免試験よりヒーローインターンなんかの校外活動の方がそのチャンスは多そうだしな」

 

「ヴィランの目的を考察する姿勢は悪くないが、トガヒミコの様なタイプのヴィランの場合、その理由が合理的なモノだとは限らん。それこそ『遊び』や『趣味』と言った理由である可能性も否定出来ん」

 

飯田の尤もな意見に、林間合宿で実際にトガヒミコを見ている障子と轟がそれぞれ意見を出すが、3人に共通しているのはトガヒミコの行動が理解不能であると言う事。すると相澤先生は、ヴィランは時として理解不能な理由で行動を起こす場合もあると忠告した。

 

「遊びや趣味……? つまり、利益や損得ではなく、単なる好き嫌いで動いていると言うのですか?」

 

「まあ、好き嫌いと言うか、衝動と言った方が良いのかも知れんがな。いずれにせよ、トガヒミコの“個性”で暗殺の様に24時間付け狙われたら麗日は勿論、これからインターンに参加するお前達や、既にインターンに取り組んでいる2・3年生の安全を100%保障する事は出来ない。トガヒミコは何としてでも此処で捕まえる必要がある」

 

「それにしても、どうしてトガヒミコが潜伏していると分かったのですか? その……呉島さんはトガヒミコを知っていたのですか?」

 

「いや、一次試験でゲンゴロウ怪人が士傑高校の現見ケミィなる先輩に化けて攪乱しようと血を吸ったら、現見ケミィではなくトガヒミコの姿になった事から判明したそうだ」

 

「やってる事がヴィランがやってる事と同じじゃね!?」

 

「何を言うかリビドー・スパーキング。騙し撃ちなぞ貴様等ヒーローがヴィランに対して常日頃からやっている事であり、人々から称賛される行為ではないか。ほら、良く言うだろう? 目的は手段を正当化させると」

 

「いや、ヒーローがそんな事言ったら駄目でしょーが!」

 

「しかし、実際に貴様はUSJの事件で、人質になったリビドー・スパーキングを助ける為、ヴィランに騙し撃ちをかまそうとしたと聞いたが?」

 

「う゛……」

 

イナゴ怪人の容赦ないツッコミに、耳郎がぐうの音も出ない状況に追い込まれる中、俺は怪人軍団へテレパシーで指示を出しつつ、仮免試験の前に塚内さん達と行った『敵連合』対策会議の事を思い出していた。

 

 

●●●

 

 

雄英高校の一角に『ヒーロー事務所 暗黒組織ゴルショッカー 雄英高校支部』と書かれたプレートが掛けられ、集った男達が異様な雰囲気を醸し出す部屋の中で、俺は塚内さんから渡された小さな男の子が写った写真見つめていた。

 

「これが志村転弧だった頃の死柄木弔ですか。確かに何処か面影がある感じですね」

 

「志村転弧。志村弧太朗の息子で、志村奈々の孫。当時は両親と母方の祖父母、それに姉の6人家族で生活していて、ペットに犬を一匹飼っている。個性届は提出されていないが、これは“個性”がまだ発現していなかった為で、存命であれば今年の4月4日で20歳になる。保険証の記録から当時通院していた病院の供述によると、原因不明のアレルギーを患っていた様で、頻繁に皮膚の痒みを訴えていたそうだ」

 

「「………」」

 

「「………」」

 

「志村転弧が死柄木弔になった転機と思われるのは5歳の時だ。近所の住民からの通報により駆けつけたヒーローと警察が志村邸を訪れると、家屋と庭が著しく破壊された上に、志村転弧を除いた5人と一匹の体がバラバラの状態になっているのを発見。

当初は凶悪なヴィランによる犯行だと思われたが、第三者が志村邸に侵入した形跡がない事や、志村邸から立ち去った一人分の子供の足跡。それに高枝切りバサミに付着していた志村弧太郎の指紋や志村転弧のモノと思われる血痕と言った様々な物証から、警察は志村転弧が発現させた“個性”による個性事故である可能性が高いと判断した」

 

「……チョット待って下さい。高枝切りバサミって、幾ら緊急時だって言っても親がそんなモノで子供を殴ったりします? むしろ錯乱状態の子供を前にしたら、子供を心配して落ち着かせようとか、抱きしめようとか考えるのが、普通の親の反応ってヤツだと思うんですが?」

 

「そうだね。当時の聞き込みによると、近所の人が『家の中からよく子供の泣く声が聞こえていた』と証言している。もしかしたら……そう言う事だったのかも知れないね」

 

「「………」」

 

「「………」」

 

しかし、『敵連合』について6人で会議していると言うのに、俺と塚内さんの2人しか喋っていない。尤も、オールマイトとグラントリノは終始黙っている上に、そんな二人に気を遣っているのかサー・ナイトアイとデヴィッド・シールド博士も何も言わない為、俺と塚内さんの二人で話を進めるしかなかったとも言える。

 

「その後、警察は志村転弧を保護するべく動いたが発見する事が出来ず、時効により書類上は死亡したとして扱われたのだが……実際には事件後オール・フォー・ワンによって拾われ、死柄木弔に生まれ変わっていたと言う事なんだろうね」

 

「……『敵連合』のメンバーの中では、黒霧や荼毘もその正体が掴めていないんですよね? 死柄木弔と同じように」

 

「我々も彼等の正体が分からなかった理由はそれなのではないかと考えているが、そうだとしても両者の正体を特定するのはかなり難しい。“個性”に関してはオール・フォー・ワンから貰ったモノかも知れんと考えれば尚更だ。ただ……荼毘に関しては突破口が無い訳では無い」

 

そして、俺が死柄木弔から現在も正体が不明な黒霧と荼毘の事に話を移すと、サー・ナイトアイが俺と塚内さんの話に入ってきた。それもかなり興味深い内容を口にして。

 

「と、仰いますと?」

 

「『動機』だ。“個性”を用いたヴィラン犯罪は星の数ほどあるが、その動機に関しては人類に“個性”が発現する前とそう大して変わっていない。むしろ、“個性”と言う特殊な力を持っている分、犯行の動機に関してはより純粋になったとも言える。

スピナーとして『敵連合』に潜入していた伊口秀一の話によると、荼毘はステインの意志を継ぎ、偽りのヒーロー社会を破壊する事を目的として『敵連合』に与したらしいのだが……林間合宿で荼毘と会敵した者達の証言の中で、一つ気がかりなモノがあった」

 

「それは?」

 

「『哀しいなあ。轟焦凍』……林間合宿で爆豪勝己を攫った際、爆豪勝己を取り戻すのに失敗した轟焦凍に対し、荼毘はこう発言したそうだ」

 

「………」

 

確かに奇妙な発言だ。失敗したヒーローの卵に対し、『ざまあ見ろ』とか『口先だけのクズ』と言った、相手を見下した感じの暴言を吐くのは分かるが、『哀しいなあ』は相手を見下すような意図があったにせよ、少々違和感があるニュアンスの台詞だ。

 

「何と言うか……『強いのになぁ』とか『頑張ったのになぁ』とか、『お前の事はよく知っているぞ』と言っている様にも聞こえますね」

 

「そうだな。そして、轟焦凍に関連する20代から30代位の男性で、炎熱系の“個性”を持つ者を調査した所、10年前に轟家の長男である轟燈矢が、エンデヴァーの所有する山で自身の“個性”の暴走によって引き起こされたと思われる山火事で死亡している事が分かった。

その時の山火事の温度は2000℃を超えており、それによって発生した上昇気流によって轟燈矢の遺灰は巻き上げられたのか、鎮火した跡地からは下顎の骨の一部だけが見つかったそうだ」

 

「……つまり、完全な死体は見つかっていない」

 

「そうだ。轟燈矢は事件当時13歳。仮に存命していたとすれば今年で23歳となり、条件に合致する。尤も、事故の状況が状況だけに生き延びていたとは考えづらく、更にかつて同じ家で暮らしていた兄に弟が気付かないと言うのもおかしい。よって、荼毘の正体は轟燈矢に縁のある誰かなのではないかと私は睨んでいる」

 

「………?」

 

確かに辻褄は合う。しかし、どうしても俺はサー・ナイトアイの推理を素直に肯定する事が出来ないでいる。

 

轟の家庭環境については、雄英体育祭で轟自身の口から語られた事以上の事は知らない。俺が知っているのは「母親が精神を病んで病院に入院している」事と、「兄が2人と姉が1人居る」事。そして「エンデヴァーが“個性婚”で造った最高傑作が轟だ」と言う事だけだ。轟の兄の一人が亡くなっている事は勿論、轟の兄と姉がどんな生活を轟家で送っていたなど知る由も無い。

 

だが、「轟燈矢がエンデヴァーの所有する山で“個性”を暴走させた」と言う点がどうしても納得出来ない。

これが一般家庭の話ならまだ理解出来る。例えば死柄木弔こと志村転弧の場合、始めて発動させたから“個性”の制御方法が分からずに起こった悲劇と捉える事も出来る。

 

――しかし、№2ヒーローと言う“個性”の危険性を熟知している男が、「自分の子供に“個性”の制御方法を教えていない」なんて事が有り得るのだろうか?

 

また、こう言ってはなんだが轟を深く知る人物などそうそう居るとも思えない為、この轟燈矢が何らかの方法で山火事から生還し、その後で荼毘に変貌したと考えた方が俺としてはしっくりする。

 

だが、荼毘の正体が轟燈矢だとしたら、ナイトアイが言う様に轟が荼毘に反応を示さないと言う点がおかしい。やはり、荼毘が轟燈矢だと考えるのは無理があるか……?

 

「荼毘の正体についてはおいおい調査していくとして……『敵連合』のメンバーの中で呉島君が特に注意して欲しいのはトガヒミコだ」

 

「トガヒミコ……林間合宿で麗日と梅雨ちゃんを襲った女子高校生風のヴィランでしたっけ?」

 

「そうだ。トガヒミコについては未成年と言う事もあって名前も顔もメディアが守っているが、集められた情報量は『敵連合』のメンバーの中でもかなり多い方だ。これは本人が社交的でお喋りだったと言う部分もあるがね」

 

「社交的でお喋り……ですか」

 

――トガヒミコ。本名は渡我被身子であり、ヴィラン名と本名が一緒と言う、割と珍しい部類のヴィランである。そして『敵連合』への入団動機だが、これがなんと「怪人になりたい」と「怪人を殺したい」と言う、最悪な事に俺が関与しているモノだった。

 

秀一の証言によると、トガヒミコは今年の雄英体育祭を観戦していたらしく、そこで俺が騎馬戦で行ったイナゴ怪人虐殺や、本戦において八百万が用いたトラロックガスで全身の皮膚が溶けて血塗れになった俺の姿に物凄い興奮を覚えたのが、俺に対する興味の始まりなのだと言う。

 

また、トガヒミコは「ボロボロで血の香りがする人」が大好きだそうで、そう言う意味ではステイン何かも好みとしてはドストライクだったとの事。

ただ、その所為で最後は好みの相手を何時も切り刻んでしまうとの事で、そこで幾ら殺しても死ななさそうな高い生命力を持つ俺を狙っていたのだと言う。

 

そんなかなり特殊な性癖……もとい、趣味趣向を持つ彼女の“個性”は『変身』。「他者の血を摂取する事で、他者に変身出来る」と言う“個性”である。

 

「……資料を見る限り、俺にはどうにも“個性”の影響を受けているのではないかと思われる部分があるのですが、博士としてはどう思いますか?」

 

「そうだね……世間では多くの人が“個性”を『本人が生まれ持った才能』だと認識しているが、“個性”とは本来『その人が生まれ持った特異体質』だ。つまり暑がりや寒がり、アルコールに強い弱いと言ったモノと何ら変わらない。

そして、通常と異なる体質を持つが故に、その体質に基づいた独特の好き嫌いが形成されると言うのはよくある話だ。特に生物型の“個性”を持つ者はその傾向が強い」

 

確かに。身近な分かりやすい例を挙げるなら、梅雨ちゃんがそれに該当するだろう。『蛙』の“個性”を持つが故に、雨が降るとケロケロと機嫌や調子が良くなったり、寒いのが苦手だったりするなど正にソレだ。

 

「では、やはりトガヒミコもそう言うタイプなのでしょうか?」

 

「それもあるだろうが、トガヒミコの場合は他にも問題があったと私は推察する。トガヒミコは個性登録がされていて、小学時の『一斉“個性”カウンセリング』も受けている。2年前に中学校の卒業式で最初の傷害事件を起こすまで、彼女はごく普通の中学生だった。だが、その普通こそが問題だったのだと私は思う」

 

当時、トガヒミコが起こした事件は大々的に報道され、彼女が障害事件を起こした事に対するインタビューで同級生は「信じられない」とか「そんな事をする様な人じゃない」と言った意見が多かったが、家族の証言はそれとは全く異なるものだった。

 

『もう償い切れないです……頑張ったけど駄目だったんです……。あの子は……悪魔の子なんです』

 

余りにも正反対な意見だ。これだけ聞けばトガヒミコが極端な二面性を持っていて、「学校では大人しくしていたが、家庭では凶暴だった」と言った印象を受けるが、母親の「悪魔の子」と言う台詞にはそれとは別の意図を感じる。

 

――娘が異常であると知っていた? 何時か犯罪者になると思っていた?

 

どちらも違う。当時報道されたニュース映像から聞いたトガヒミコの母親の声色からは、絶対に相容れないモノを前にした様な、とても強い拒絶の意志を感じる。

 

「『普通に生きて欲しい』……それがトガヒミコに対する両親の願いであり、彼等はその為に努力していた。それはとても一般的なもので、普通のやり方と言う意味では間違ったものではない。だが、それらの行為には『両親は娘の“個性”を受け入れる事が出来なかった』と言う事を示している」

 

「………」

 

「『皆に自分を受け入れて貰うには、普通のフリをするしかない』。トガヒミコもきっとそれが分かっていたのだろう。だがそうした行為はむしろ、自分と他人の違いをより強く意識する事になる。『皆は親に自分の“個性”を認められているが、自分はそうじゃない』と言った具合にね。

私がこんな事を言うのも何だが、嘘と言う行為に信頼と言うモノは無い。普通のフリと言う、他人はおろか自分自身にさえ嘘をついていた彼女は、傍目から見た人付き合いと異なり、常に孤独だった筈だ。『自分の“個性”を、本当の自分を受け入れない者と、真に心が通い合える訳が無い』とね」

 

「………」

 

「勿論、両親にとって娘の“個性”と、その特殊な好き嫌いを受け入れる事は大変な負担になる事は間違いない。最悪の未来を想像し、それを避けようと努力していた事も否定はしない。ただ……それでも彼等は、娘が生まれ持った“個性”と好き嫌いを、『これが娘の個性なのだ』と受け入れるべきだったと、私は思う」

 

「………」

 

博士のトガヒミコに対する分析は、“個性”研究の第一人者としての視点と、“無個性”と言うある意味では特殊な娘を持った父親として視点によるものだろう。

確かに、親から“個性”を認められると言う当たり前は、子供にとってとても大切な事だ。子供にとって親は神に等しい存在なのだから。

 

そんな風に考えさせられる博士の分析に続き、今度はサー・ナイトアイがトガヒミコに関する独自の分析を語り始めた。

 

「一説によると『個人』とは、『歴史の縦軸と社会の横軸が交差する場所に形成される』と言われている。親や子供と言った祖先や子孫による『歴史』の縦軸と、家族や学校などの共同体による『社会』の横軸。この二つの軸に対する帰属意識によって、人は自分の立ち位置を見い出すと言う話だ」

 

「別段、特別な話ではない様な気もしますが……」

 

「そうだな。だが帰属意識とは言い換えるなら『人の縁』だ。両親や学校への帰属意識を持たないと言う事は、自分に関わる人々との縁が切れていると言う事に他ならない。普通のフリと言う嘘によって形成されたトガヒミコの人間関係において、そうした帰属意識を持つ様な相手は誰一人として居なかったのだろう」

 

「………」

 

思えば、俺はかなり運が良かった方なんだろう。父さんは自分の“個性”を受け継いだ俺を愛してくれたし、俺の“個性”を受け入れてくれた幼馴染みもいた。

 

トガヒミコにはソレが無い。勿論、両親は娘が犯罪者になる事を望んでいた訳ではないし、同級生だってそうだろう。

 

ただ、『普通』である事が幸福であるとは限らない。

 

家族が彼女に向けた「普通に生きて欲しい」と言うありきたりな願いは、むしろ彼女を普通とは相容れない存在にしてしまった。度し難い。全くもって度し難いな。この超人社会は。

 

「私がこれらの情報を貴様に開示したのは他でも無い。貴様を試す為だ。超人社会において、死柄木弔やトガヒミコの様な背景を持つヴィランは少なくない。それでも我々は、彼等にヒーローとして対処しなければならない。

相手が何者であろうとも、例えソレが肉親や瀕死に陥った者であろうとも、ヴィランであるならばヒーローは鬼の一撃を与えなければならない。それが出来ないヒーローは、“象徴”と言う安心を与える存在になる事は出来ない」

 

「………」

 

ヴィランに対する鬼の一撃。サー・ナイトアイが俺に与えた課題は、中々どうしてヘビーなものだった。

 

 

●●●

 

 

仮免試験の最中、トガヒミコへの対処は全て相澤先生の指示によって行われていた。トガヒミコの“個性”はあくまでも「他人に変身する」ものなので、元が人間ではない怪人達に変身する事は出来ない。

そこで、怪人軍団と言う変身出来ない相手でトガヒミコを包囲し、その“個性”を封殺する形で捕らえると言う、非常に合理的な作戦が立案・実行された。

 

『グッ……ヴェエエ……!』

 

「………」

 

そして現場に向かわせたイナゴ怪人とのテレパシーによる視覚の共有で見える光景は、相澤先生の作戦が正解である事を示しており、確かにトガヒミコを追い詰めていた。

その姿は満身創痍としか良い様がないほどにボロボロで、指でちょっと突いただけでトガヒミコは力尽きそうな感じだ。

 

このまま押し切ればトガヒミコは捕らえられる。リスクゼロで、最大の戦果を挙げる事が出来る。だが――。

 

「どうだ?」

 

「作戦通りです。もう間もなく決着が付きます。トガヒミコの捕獲と言う形で」

 

「そうか。なら、近隣のプロヒーロー達に連絡を入れておく。トガヒミコを捕獲出来たら俺に知らせろ」

 

「ええ。しかし、手負いのヴィランほど恐ろしいモノはありません。そしてトガヒミコの始末は此処で確実にやっておきたい。そこで――」

 

「……おい、チョット待て。まさかお前……!」

 

「私自らが出るッ!!」

 

――それでは余りにも救いがない。

 

相澤先生の声を振り切り、俺はシャドームーンとしての姿に変身すると、緑色の電気を纏って現場へ瞬間移動した。

 

 

○○○

 

 

皆の言う『普通』を捨てたあの日から、私は私の思うままに生きてきた。

 

ヒーローや警察に追われる毎日は、自ずと自分の感覚を鋭くした。捕まらないように、捕まらないように、捕まらないように――。

女子高生の格好をすれば世間はチョッピリ優しくなったし、『普通』のやり方も分かっていたから、これまで誰も私を見つける事は出来なかった。

 

「ギャウッ!!」

 

「ヒヒヒヒヒィーー! 観念するが良い、トガヒミコよ! 此処が貴様の墓場となるのだぁ~~!!」

 

でも、それは相手が人間だったから。今私を捕まえようとしているのは、人間じゃない怪人達。だから血を飲んでも変身する事が出来なくて、人間とは違う方法で私を見ているものだから、今まで通用した方法が全然通用しない。

 

「う゛う゛~~~~~、いやッ!!」

 

怪人達の攻撃で体中がボロボロ。まるで体育祭の時の新君みたいだと思いながら、ストックしていたお茶子ちゃんの血を飲みながら兎に角逃げる。

 

お茶子ちゃんも好き。新君も好き。だから今日の仮免試験を利用して新君に近づきたかったケド、お茶子ちゃんがずっと誰かと一緒に居たから、お茶子ちゃんになって近づく事が出来なかったの。

 

「ハァ……ハァ……しつこい、ですね……」

 

「そうだな。だから、そろそろお終いにしよう」

 

私が逃げた先に待ち構えていた銀色のバッタの怪人は、お茶子ちゃんに変身した私の前で怪人から人間の姿に変身した。

 

私がボロボロだから油断してるんですか? 何にしても好都合です。銀色の鎧はナイフが通らなそうだったケド、生身ならどうとでもなります。

 

「初めましてだな。トガヒミコ」

 

予期せぬチャンスに力を振り絞り、呑気に挨拶する新君に近づくと、右足をナイフで斬り付ける。私の動きに反応した右手の爪が私のほっぺを引っ掻いて血が出たケド、そんな事はもう気にならない。ナイフに着いた新君の血を舐め取り、待ち焦がれた瞬間に心が躍る。

 

これで私も貴方みたいになれる……!!

 

「ウプっ……」

 

――でも、そんな私の期待は、他ならない私自身によって裏切られた。

 

「うえええええええええ……!!」

 

「……やはりな。禄でも無い外法で超生物にしたモンだから、俺の血液を摂取しても『変身』が機能しない。他の怪人共と同じ様に、俺も既に人間ではないと言う訳だ。しかも元が人間だった所為か、バグって拒絶反応みたいなのが出ているっぽいな。そして血を吐き出してしまった以上、最早その麗日の姿も保ってはいられない」

 

吐き気が止まらない。足が動かない。手が上がらない。体から力が抜けていく。でも、耳に届く新君の声だけが、やけによく聞こえた。

 

そして吐き気を無理矢理抑えて何とか顔を上げると、私の目に映ったのは……。

 

「な……何なんですか。それは……」

 

「俺にとって人間の姿とは擬態に過ぎない。人間社会を生きる上で、トラブルを避ける為の手段でしかない。まあ、“個性”を抜かれたらこんな感じになるのかも知れないが……兎に角、その擬態の性能を高める為に、オール・フォー・ワンはお前の『変身』の複製“個性”を俺に投与した」

 

「え……?」

 

「お前達は『敵連合』に入団してから、色々と検査を受けているだろう? その時に入手した細胞を元に、お抱えの改造技術者が“個性”を複製したんだと。投与した理由はズバリ、警察やヒーローの追跡をかわす為だ。何せ至極一般的な生活を送っていた女子中学生が、2年間も警察とヒーローから逃げおおせていたんだ。どれだけ有用な“個性”なのかはお前自身が証明している」

 

「………」

 

「お前が起こした事件を知れば、世間の連中はサイコパスだのクレイジーだのとレッテルを貼るんだろうが、俺に言わせればお前のソレはそんな理解不能なものじゃあない。『自分と真に心が通い合う相手が欲しい』。ただそれだけだ。その為にお前は嘘で積み上げた自分の何もかもを叩き売った。お前はたった一つの本当が欲しくて、その為だけに歩き続け、此処までやって来た」

 

「………」

 

「だから俺はお前になった。お前の旅を此処で終わらせる為に。お前が俺になる事が出来ないなら、俺がお前になればいいと」

 

新君の言葉にとても強い決意を感じます。絶対に逃がさないと言う必死さを感じます。きっと新君は微塵の躊躇もなく、一片の後悔も無く、此処で私を捕まえるんでしょう。

 

でも、私を見るその目には、私に『普通』を押しつけたお父さんやお母さんの様な“嫌悪”が無かったのです。

 

私が好きになって、最後には血塗れのボロボロにしてしまった人達が向けた様な“恐怖”が無かったのです。

 

私を捕まえようと躍起になって追いかけてきた、ヒーローや警察の人達の様な“拒絶”が無かったのです。

 

「さあ、決着を付けようか……トガヒミコ!!」

 

新君の血を飲んで新君になれない私の為に、私の血を飲んで私になった新君。

 

固く拳を握ったその姿は私そのものなのに、何よりも強くて、大きくて、深くて、綺麗だと感じたんです。

 

――ああ、そうです。そうなんです。

 

私はきっと、この人に出会う為に、この瞬間の為だけに、ずっと歩き続けていたんです――。




キャラクタァ~紹介&解説

呉島新
 ラスボス化が止まらなくなった結果、遂に女体化まで経験した怪人主人公。ちなみに作者はトガちゃんの姿のシンさんに、「おいで、雌餓鬼!!」と呼ばせるかどうかに結構悩んでいた。まあ、ある意味では分からせる事に成功しているが。

オール・フォー・ワン
 相変わらず“無個性”状態でもラスボスオーラがプンプンしている闇の帝王。正直、オールマイトよりもシンさんの方が話していて面白いので、原作と比べれば余り煽ろうと言う気持ちが起こらない。一発で曇る様な爆弾は平気な顔して落とすケド。

サー・ナイトアイ
 シンさんへ超人社会における“象徴”となる為の試練を課す等、ある意味ではオールマイトよりも師匠をしているリーマンヒーロー。発言がオールマイトにクリティカルヒットしているが、彼としては「だからこそ」の発言だったりする。

デヴィッド・シールド
 娘がいる“個性”研究の第一人者と言う、トガちゃんを語らせるのにかなり便利な設定を持つ科学者。冷静に考えるとヒロアカに登場する子育てしているキャラクターって、一般人以外は大抵ドエライ事になっている気がする。

トガヒミコ
 幼少期から続く長い旅を終えた『敵連合』の紅一点。この後シンさんの手により捕まったが、終始報われたと言わんばかりの穏やかな顔をしていた。原作における麗日とのやり取りを見る限り、単純に理解者や共感者が欲しかっただけの様にも見える。



荼毘=轟燈矢説
 原作を見れば正解だと分かるのだが、様々な矛盾点から違うと判断されつつある仮説。ちなみに『荼毘の正体は轟燈矢に縁のある人物説』は、「轟燈矢の“個性”をオール・フォー・ワンから移植して貰っている」と言うのが前提になっている。
 実際、原作のダビダンスまで作者は、荼毘の「身体と“個性”が合っていない」描写や、「轟燈矢が死亡している」と言う情報から、『蒼炎』が『ワン・フォー・オール』とは別の「他人から受け継がれた“個性”」と言う、展開的にも関係性としてもオイシイポジにあるのではないかと考えていた。

『敵連合』のその後
 トガヒミコの逮捕に伴い、警察とヒーローは他のメンバーの芋づるを狙ったが、トガヒミコは怪人軍団に追い詰められている最中に緊急事態を告げるメールをMr.コンプレスのスマホに送信していた為、トガヒミコ以外のメンバーを捕らえる事は出来なかった。
 警察の捜査を眩ますのと、勢力拡大の為に各地に分散しているのは原作通りだが、生き残っているメンバーはこれで死柄木、黒霧、荼毘、トゥワイス、Mr.コンプレスの5人。この中で仲間を見つけて来そうなのは作者的にトゥワイスしかいないのだが……。
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