連載を再開したのは、作者を鬱に追い込んでくれやがったクソ上司との戦争が終結した事が最大の理由です。鬱の治療はまだ続いていますし、治療しながらの長い戦いでしたが、結果として作者の勝利に終わって一安心です。
まあ、作者も色々と策を講じてはいましたが、最終的な決まり手がクソ上司の糖尿と通風が悪化し、眼球の毛細血管がイカれてしまって仕事をする事が出来ない体になった結果、退職せざる得ない状態になった事なんで、作者の勝利かと言われれば微妙な感じがあります。
作者「酒の味とはこれほど化けるモノだったか……なるほど、これが『勝利の美酒』か。良いモノだな」
まあ、その戦争中に原作ヒロアカが終了してしまいましたがね……。読者の皆さんも生活習慣病には気をつけましょう。具体的には、酒やタバコ、暴飲暴食以外のストレス解消法や、感情をコントロール出来る術を覚えましょう。
今回のタイトルの元ネタは、『ゼロワン』の「ソコに悪意がある限り」。尚、折角の連載再開にも関わらず、怪人主人公の出番は無い。
4/5 誤字報告より誤字を修正しました。報告ありがとうございます。
分倍河原仁。ヴィラン名:トゥワイス。
生物・非生物を問わず対象を増やす『二倍』と言う、シンプル且つ厄介な“個性”を持つ男であり、『敵連合』の中でもトガヒミコの『変身』と同等かそれ以上の危険性から、ある意味では首魁である死柄木弔以上にその行方を追われている彼であるが……。
「フゥーー……」
意外にもその日常は指名手配中のヴィランとは思えぬ程、静かで平穏なモノだったりする。
○○○
コイツは俺の持論だが……“大事なのは自分が誰なのかよく知ること”だ。
朝が来ると、何時もこの汚い部屋の窓から下の道路を眺めている。目に映るのは何時もの光景。目的を持って何処かへ向かう……そんな普通の人間達だ。満ち足りた顔で勤めやがって……ありゃあ、駄目だ。――ステキだと思うぜ――。
どいつもこいつもまともな人間ばっかりだ! 何をしてるって? 何時もの日課さ。――特別な事さ――。俺の一日は、一本のアメスピと観察から始まる。――そして終わってる――。
神奈川県神野区の戦いが変態仮面の勝利で終わり、オールマイトが引退して半月が経った。テレビもネットも、連日不安を煽るだけの井戸端会議を垂れ流す。
「しかし、現状我々の生活に大きな変化は無い訳じゃ無いですか? 今後どう変化していくか具体性を持って追求し、対策を考案していくべきと考えます」
……お前は違うな。認めてやるよ、宮城キャスター。――認めねぇ――
「一重にオールマイトと言う存在が大きくなりすぎた。大き過ぎて見えなくなっていましたよね」
「あーーー」
一般人にとって大きな変化と言えば、専らコイツだろう。繰り上がりで№1の座についたヒーロー……『エンデヴァー』。不安の大部分は今、彼にのし掛かっている。そりゃそうさ。万人に受けるキャラじゃねぇ。
「エンデヴァーも別に駄目って訳じゃ無いと思うんですけどぉ……どうしてもオールマイトと比べちゃいますよね。いや、変態仮面よりはずっと良いと思いますけどぉ……」
彼は一言で表すと荒い。俺から見りゃ凡人が超人のフリしてる。――超人さ――。
不可抗力で不相応の地位を得たんだ。しかも、あの変態よりも弱いけど、変態が№1ヒーローになるよりはマシって理由でだ。彼にとっても不幸な話さ。ヒーロー弱体化の象徴となるなんて、俺なら真っ平ゴメンだ。……まあ、今ではそれとはまた別の意味でも可哀想な事になってやがるが。
「エンデヴァーは事件解決件数こそ多いものの、激情家で行き過ぎる事も少なくありません。また、支持層は20~40代の男性と、オールマイトと比べて大きく偏っているんです。我々としてもこれからは受け身でただ守られるのではなく、彼を盛り上げていかなければならないんじゃないですかね。マイナス面を煽るのではなく、どうプラスに運んでいけるかが――」
弱体化ってのはパワーの話じゃない。宮城はよく分かってる。心の話だ。――パワーの話さ――。
「グッ……! うるさい……! 黙ってろ……!」
少し身なりを整え、ぶらりと街に出ながら考える。――『私が来た』。そう言ってあの男は助けに来る。普通に生きてりゃ心強い。だが、そうじゃねえ連中には呪いだった。
「あはははは! ムリ! ムリ! やっちゃったから! もうやっちゃったから!!」
つまりはヴィラン――自己に誠実な連中。呪いが解けりゃ当然こうなる。とは言っても……「“個性”を持てあました人間に魔が差す」。ヴィランがコンビニから飛び出てくるなんて、今の世の中じゃ特に珍しくも無い。言っちゃあ何だが、こんなのは何時もの光景だ。
「ったく勘弁してくれよォ!! ヒーロー! こっちこっち!」
「おのれ! 昼間っからよくも堂々と!」
――だが、ここからが少し違う。
「隙有りぃいいいッ!!」
赤信号、皆で渡れば怖くない――徒党を組み、計画的に行動するヴィランが目立ち始めたんだが……。
「危なぁあああいッ!!」
「ウガァアアアアアアアアアアアアア!?」
――それ以上に訳の分からん連中が、徒党を組んで計画的に行動し始めやがった。それもかなり堂々と、大々的に。
「ヤベェ! イエローがやられた!」
「てか、アイツ馬に撥ねられたぞ!? アレ、ホントにヒーローか!?」
「早く出せ! おい! 聞いてんの――」
「ぐわぁああああああ……」
「うわぁああああああああああ!?」
「フォッフォッフォ……フォウッ!!」
「オブワァアアア!?」
具体的には馬に乗った仮面ライダー(?)がヴィランを撥ね飛ばし、軽トラの運転手を乗っ取ったキノコの怪人が、運転席の窓を破りながら運転席をのぞき込んだヴィランを殴り飛ばした。残りの連中も怪人共によって瞬く間にボコボコにされている。
「ヌワッハッハッハ! 残念だったな、ヴィランの諸君! この街の……否! 日本の自由と平和を守るのは、最早ヒーローだけでは無いのだよ!」
「グワッハッハッハッハ! 喜ぶが良いヴィランどもよ! 貴様等の悪行の全ては、我らヒーロー事務所『暗黒組織ゴルショッカー』の名を世に知らしめる肥やしとなったのだ!」
「………」
ヒーロー事務所『暗黒組織ゴルショッカー』……大事な拠点の名前をこんなんに決めたヤツの頭の中身は、ヴィランの俺が心配しちまう位にイカレてる。
だが、そのイカレ具合も半端なくヤベェレベルにまでなっちまうと、それは一周回って世の為人の為ってヤツになるらしい。
最近出来た公式サイトを見てみれば、ヒーロー事務所って言うよりは、完全に悪の秘密結社だ。特にネットに投稿された動画がありとあらゆる意味でおかしい。
●●●
ブウウウウンン!
(バイクに乗って颯爽と現れる謎のヒーロー)
テッテーン! テッテテテッテ!
(昭和レトロな音楽と共に、アップで写るバッタの鉄仮面と、「仮面ライダー」の白い大文字)
「『仮面ライダー』こと呉島新は、『秘密結社ショッカー』の大首領にして、『暗黒結社ゴルゴム』の創世王である!」
(『強化服・三式』を着込んだ『仮面ライダー』を中心に、左右には全身銀色のバッタ怪人と黄金マントのバッタ怪人が玉座に座っている)
「彼の手によって合併されたヒーロー事務所『暗黒組織ゴルショッカー』は、暫定的№1ヒーローのエンデヴァーと手を組んだ、恐るべき怪人軍団である!」
(鷹のエンブレムとヘビのエンブレムが合体し、後ろに無数の怪人達のシルエットが映る)
「『暗黒組織ゴルショッカー』は、今を生きたいと願う命の自由と平和を守る為、今日も戦うのだッ!!」
(渋い表情を隠そうともしないエンデヴァーを中心に、笑顔でポーズを決めるエンデヴァーヒーロー事務所の面々とゴルショッカー怪人軍団)
テッテ、テレテレテーン♪
●●●
……な? これ以外にも幾つか投稿された動画があるんだが、雄英高校が乗っ取られたとしか見えねぇのもあるし、改めて観ても全然訳分かんねぇ――よく分かるぜ――。
秘密結社と暗黒結社の併合とかもそうだが、「大首領」やら「創世王」やら、正体を隠す気があんのかって位にバレバレだ。そりゃそうだ。無数の怪人を率いてこんな事をするヤツなんて、日本処か世界中を探したって一人の怪人以外に心当たりが全くねぇ。
しかも、仮免試験に潜入していたトガちゃんを、仮免に合格してすぐに取っ捕まえたって事で、この怪人軍団の知名度と人気は急上昇中と来たモンだ。ムカつく事この上ねぇ――スッキリするぜ――。
まあ、中途半端にやる位なら、いっそ思い切っちまおうって考えは理解出来なくもないが……おっと、電話だ。
「何だよ義爛。元気でやってるか?」
『久し振りだな! そっちはどうなんだ?』
「分からん。俺には俺が元気なのか分からない」
『そうか。難儀だな』
「おい、俺の質問に答えろ。お前は元気なのか?」
『ああ、元気だよ。忙しすぎて嬉しい悲鳴さ。ここ1・2週の間でスーツ・アイテムの闇市場が一気に活性化してる。需要が倍増してね。敵連合! 今じゃ馬鹿共のカリスマだぜ』
「そりゃ良かった。良くねぇ!! 黙ってろ……クソ……! で!? 何の様だ? 俺は忙しいんだ。暇だよ」
『荼毘と連絡がつかない。お前知らないか? 死柄木が一旦集まりたいらしい。改めて連絡行くと思うが』
「知ってるぜ。知らねぇ! 勝手に喋るな!!」
『……オーケー。大分キてるな。無理はするなよ』
「クソ……! 俺は……俺だ……」
『敵連合』は今、各地に分散している。捜査の目を眩ます為、そして同士を集める為、組織の更なる拡大の為だ。
「ハァ……ハァ……駄目だ……。包まなきゃ……裂ける……分裂する……! 分裂する……“包めば”……“一つだ”……」
人目に付かないように路地裏に隠れ、ポケットに忍ばせたマスクを被ると、バラバラになりそうな心は何時も落ち着く。落ち着いたところで少し語ろう。俺も昔は楽しく悪さをしたモンだ。
俺の“個性”は『二倍』。一つを二つに増やすシンプルな力だ。
自分を分身させ、分身にまた分身させ……あっという間に自分だけのチームの完成だ。分身達に何でもやらせて……俺は俺達の王だった。
だが、俺が王である事に、俺は不満を持ってしまった。俺は俺に殺されかけた。増やしたものはある程度ダメージを受けない限り消えない。
その内、俺達が「自分こそが王だ」と主張を始め、言い争った。想像出来るか? そんなイカレた状況が一週間と二日続いたんだ。
結果として、俺達は殺し合い、消えた。以来、俺は俺が本物なのか確信が持てない。分からなくなっちまった。
イカレちまった人間に居場所はねぇ。居場所を求めて彷徨うイカレ野郎……それが俺だ。ヒーローが助けるのは善良な人間だけ。だから俺は俺を受け入れてくれた『敵連合』の役に立つことで、「俺は俺で良いんだ」と思いたいのさ。
「ブワッハッハッハ! それではゴルショッカーの諸君! 後の事はそこのヒーローに任せて撤退だ!」
「「「WIIIIEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」」」
「………」
――そして今、イカレ野郎共が自分達で居場所を作り始めたように、怪人共は自分達の世界を創り始めた。
今、ヒーローサイドもヴィランサイドもドロドロに変容し始めている。大事なのは、自分が誰なのかよく知る事だ。自分がどうなりたいのか、どうしたいのか……それが一番大事なんだ。
「さて……どうしよっかな?」
大事なんだが……マジな話、俺は割と本気でこれからどうすればいいのか悩んでいる。
『運命に翻弄されし、異形なる者達よ! 無意味な暴力と、理不尽な屈辱に耐えてきた同胞達よ! 私は君達があるがままの姿で生きる事が出来る世界を実現する為、ヒーロー事務所「暗黒組織ゴルショッカー」を結成した! それは君達がいずれ訪れる事を望んだ「自由と平和」をもたらす為であり、それは何も大それた……特別な願いでは無い筈だ!』
ネットに投稿されたヒーロー事務所『暗黒組織ゴルショッカー』の動画の一つ……その中で語られた大首領の言葉。
『この言葉に心を動かされた諸君! 君達にお見せしよう! 道半ばで諦めた夢の続きを! 世界の残酷さに屈服し、破らざるを得なかった約束の続きを! 産まれてきた意味を呪った、悲しい歴史を終わらせる為に……!』
それがずっと頭の中で反芻していた。あの、イカれた連中の王に君臨する、俺達の怨敵たる男の言葉が……。
○○○
同時刻。対“個性”最高警備特殊拘置所。通称『タルタロス』にて、一人の囚人と一人の怪人が面会を行っていた。
「今の雄英はまるで監獄だぞ、オール・フォー・ワン」
開口一番、とんでもない事を宣うのは、バッタを模した金色の全身装甲を身に纏い、黒マントを羽織ったイナゴ怪人1号。
これは現在開発中の『強化服・拾式』のガワだけを再現した紛い物であり、設定上ではヒーロー事務所『秘密結社ショッカー』の大首領として呉島新の姿であるのだが、不思議とその装いが醸し出す雰囲気は、この監獄とマッチしている。
「例えば、学校内のそこかしこに監視カメラが設置されている。それも、死角など絶対に作らないと言わんばかりの膨大な数だ。セキュリティも一新され、自由な校風を売りにしていた雄英が、今やその自由を制限する檻と化し、生徒に不自由を強いている訳だ。下着泥棒なぞしようものなら即座に警報が作動し、下手人には物理的にも社会的にも制裁が加えられる。主に女子から」
「まあ、それは当然だろうね。むしろ退学や停学にならないのが不思議だよ」
「貴様の所為で下手にそうした処分を下す事が出来ぬらしい。全く以て忌々しい限りだ。まあ、結果的に我が王の人望がより強固になったから良しとしよう」
「人望と言うのは厄介だよ。ビルなんかと同じさ。高ければ高いほど、崩れ落ちた時に大変な事になる。相手が思春期の多感な女子となると尚更だ」
「確かに厄介だ。時に貴様は発目明と言う女を知っているか?」
「ああ、体育祭で君達と戦って勝った子だろう? その子がどうかしたのかい?」
「どうもこうもない! 今では勝手に呉島明と名乗っているあの女に、我が王の実情を説明し、『我が王は最早人を愛する事が出来ぬ体になったから諦めろ』と言ったら、あの女は何と言ったと思う? 『どう足掻いても超人が滅びると言うのなら、自分が良いと思う滅び方を選ぶべきじゃないですかね!?』と宣いおった! 我が王の番となる事をまるで諦めていない!」
「ほほう……実に大胆な発想と決断力だ。とても16歳かそこらの学生とは思えないね」
「感心している場合では無い! これでは我が王が普通の人間の様に心を苛む孤独と、その若さ故の有り余る性欲に負け、人類滅亡のカウントダウンが加速するのは時間の問題だと言わざるを得ない!
尤も我が王がこうなってしまった以上、I・アイランドであの女の口車に乗り、あの女を孕ませていれば良かったかも知れんとも思っている! むしろ、夏の魔物の仕業と言う体で、ついでにA組の雌を全員孕ませるべきだったッ!!」
「ヒーローを目指す彼の忠実な僕とは到底思えない言動だ。君は誰の味方なんだい?」
「当然、我が王こと呉島新の味方に決まっておろう! 現にメリッサ・シールドは対象外としておる! 我が王に幼馴染みの番となりそうな雌を寝取る趣味は無いのでな! しかし、それもこれからどうなるか分かったモノでは無い!」
「と言うと?」
「しらばっくれるな! コレを見るが良い!」
イナゴ怪人1号は怒りの赴くままに何かの紙を取り出すと、勢いよくテーブルに叩きつけた。割と博識なオール・フォー・ワンは、一目でそれが血液の成分表であると気がついた。これまでの話の流れから、その血液の持ち主が誰なのかも察しが付いている。
「これは我が王の血液成分を分析したモノだ! 注目すべきは測定不能の数値を叩き出しているテストステロン! 即ち、男性ホルモンの分泌量だ! これは人類どころか哺乳類のソレですら無い! この1000%を超えた圧倒的な超高純度の雄性を備えた我が王を通して雌共が世界を見たならば、『“彼”以外皆雌也』と言う結論に至る事は明白だ!」
「“カレ”イガイ、ミナメスナリ……? なんだいソレは?」
「つまりはシャレオツなイケメンアイドルであろうとも、筋肉ムキムキマッチョマンのナイスガイであろうとも、ダンディで渋い魅力に溢れたジェントルマンであろうとも、我が王と比べれば全てが同性! 全てが雌ッ!! 繁殖するに値しない存在に成り下がってしまうと言う結論だ!!」
「良いじゃないか。選り取り見取りで」
「しかし、それ以上に問題なのは我が王だ! 今は我が君に対する圧倒的な父性がその内なる野獣を押さえ込んでいるが、一度その暴力的なまでの衝動が解放されたなら、『我以外皆雌也』と言わんばかりに、雌はおろか変態ブドウの様な度し難い雄ですら孕ませかねん! そして、それこそが貴様等が我が王を改造した際に仕込んだ最大の爆弾であると我々は結論したッ!!」
「僕は今、とんでもない濡れ衣を着せられている気がするよ」
「我々の計算によれば、数ヶ月後に宇宙の全ての惑星が直列したその時ッ!! 我が王に全宇宙のエネルギーが集約されることで、我が王の股間のシャドーセイバーの力が解放され、激しいシャドークラッシュの連打によって雄英の雌共は我が君を除き一夜にして一人残らず我が王の子を孕み、雄共は自分の中の雌を自覚させられることで我が王と一人残らず懇ろになり、翌年の十月には我が王の子孫による一大勢力が築かれると言う恐るべき計画……仮称『
「これから始まる裁判でも、きっとここまで誰かに弁護して欲しいと思わないだろうね」
一体、何を食ったらそんな結論に至るんだ。その理屈で言うと呉島君はリカバリーガールすら孕ませる事になるのか。いや、男も例外じゃ無い可能性があるのか。あのオールマイトが孕むってどんな地獄だ。この僕だってそんなこと考えた事すらないんだが? つーかコイツ等、我が王の忠実な僕とか言っておいて、自分達の王を何だと思っているんだ。
そんな事を思ったが、ツッコんだらツッコんだで余計に面倒臭くなる気配がしたものだから、オール・フォー・ワンは「もうどうでもいいや」と思って弁解も訂正もしなかった。
とは言え……である、とてもまっ昼間から話すような事では無いにしろ、タルタロスにおいて娯楽らしい娯楽は皆無であるし、中々興味深い部分もあった。正直、振り回された心労はあるが、それも刺激的と言えば刺激的である。
そこで、オール・フォー・ワンとしては珍しく「少しサービスしても良いかな」と言う気分になった。要は「ちょっといい人」になった。
「そこで、我々は『
「何がどうそこに繋がって阻止されるのか全然分からないが……君達はどう考えてもアイドルってガラじゃないだろう」
「問題ない。アイドルとは偶像を示す言葉であり、その由来は『Insect(昆虫)』『Dominator(支配者)』『Over(超える)』『 Legend(伝説)』の頭文字を取ったモノ。即ち、オールマイトが築き上げた伝説を超え、我らイナゴ怪人を筆頭とした怪人達の支配者たる我が王の事に他ならない」
「清々しいまでにとってつけた様なこじつけだね」
「いずれ、我が王は“個性”と言う運命に翻弄された者達にとっては、金輪際現れない自由と希望を司る南十字星に。“個性”と言う力に呑まれ悪事を働く者達にとっては、恐怖と絶望を司る死兆星の生まれ変わりと呼ばれるようになるであろう」
「世紀末かな? まあ、この世界はとっくの昔に世も末な状態を経験しているから、今更と言えば今更か」
「超常黎明期の事だな。漸く本題に入れそうだ」
「別に良いだろう? 此処では面会位しか他人と話す機会は無いんだよ。尤も面会の手土産にコンビニスイーツを持って来た時点で、手ぶらで会いに来たオールマイトより君の方がずっと好印象だけどね。
だから君達には色々と秘密を話しても良いかなとは思うんだが……それには今の社会がどうなっているか知る必要がある。尤も、オールマイトの引退で大変な事になっているとは思うケドね」
『あの……今更ですが、外の情報は遮断しています。いい加減にその……軽率な発言はお控え願います』
「確かに今更だな。しかし、無意味だと思うぞ。この男は恐らく先程言った雄英の状況も、今の社会情勢も大凡予想して此処にいる。あと、妙に機嫌が良さそうだから話の邪魔をしてやるな」
「フフフ……まあね。僕の予想が正しければ……今のメディアはオールマイトが引退した不安と、新たな№1ヒーローになったエンデヴァーへの懸念。変態仮面と言う度し難い変態に頼らざるを得ないと言う実情が重なり、ヒーロー社会全体の団結を訴えている。
一方で不安定になりつつある空気を察知し、ヒーローを支持しない……所謂日陰者が行動を起こし始める。自分達も社会を動かせるんじゃないかと、組織立って行動し始める。弔達は暫く潜伏を続けるんじゃないかな? 台頭する組織を見極める為にね。今はどの闇組織も勢力を広げたいだろうから、ヴィラン同士の争いも頻発するだろう」
「それをヒーローが漁夫の利でかっ攫うと言う訳だ。悪党が勝手に潰し合ってくれるなら我々としても好都合だが……そう簡単な話では無いだろうな」
「そうだね。我々ヴィランが勢力を拡大する方法の一つとして、『敗北した軍勢を吸収する』と言うのがある。欲しい軍団を手に入るために、一度自分の手でその軍団を潰すんだ。ヴィランと言うのは誰も彼も我が強いから、そうしないと言う事を聞かせられないんだ」
オール・フォー・ワンの話には異様な説得力があった。まず、間違いなくオール・フォー・ワンの実体験に基づいているからだろう。実際にその方法で、一体どれだけの数の闇組織を破壊し、支配してきたのだろうか。
「それと同時に、君達の王……呉島新君は彼にしか出来ない方法で戦力を蓄える筈だ。正直言って今の彼はヒーローサイドを……正確には公安委員会を筆頭とした上層部の人間を信用していない。だからエリを、父親を、仲間を、つまりは自分が愛する者達を守る為の私兵を量産し、それらをこの混乱に乗じて社会に溶け込ませようとしている。いずれ来るであろう、決戦の時を想定して」
「………」
そう遠くない未来、呉島新に訪れる「いずれ来たる決戦」。その相手とは一体誰なのであろうか? 『敵連合』か? 『異能解放軍』か? 『個性特異点』か? それとも……。
「……と言うのが、僕が想定していたシナリオが正しく機能していた場合の社会の現状な訳だが……その中で君達の王は、彼の胸に秘めた願いを口にしている筈だ。ソレは裏側の社会の人間……特に『異能解放軍』にとって、非常に厄介な劇薬として作用する。今頃『異能解放軍』は内輪揉めの真っ最中だろう」
「何故我が王の発言で『異能解放軍』が混乱する?」
「自分でこんな事を言うのも何だが、僕は裏社会におけるオールマイトの様な存在でね。僕が生きていると言うだけで、大人しくするヴィランがそれなりに居るんだよ。つまりは僕もまた“平和の抑止力”になっていた訳だ」
「目を付けられて“個性”を奪われては元も子もないと言う訳か」
「まぁね。そして、表側の支配者と裏側の支配者が同時に消失した事により、『これで怖い物は何もない』と言わんばかりに、僕が座っていた空の玉座を求め、裏組織や闇組織同士での抗争は激化する。そうなるとやはり何処の組織も、その前に規模を拡大させたいと思う筈だ。勿論、『異能解放軍』も例外では無い」
「それは分かるが、それと我が王の発言がどう繋がる?」
「人を束ねるのに必要なモノは幾つかあるが、最も重要なモノはズバリ『カリスマ』だ。そして、この超人社会でソレを得る方法は至極単純だ。唯ひたすらに、誰よりも強くなれば良い。これに関しては雄英体育祭と言う大舞台で、君達は既に全世界に見せつけている」
「フッ……」
「次に必要なのは『人望』……ひいては人の心を掌握する術だが、これは相手の心の傷につけ込むのが一番手っ取り早い。特に怨み辛みと言うモノは死ぬまで消えない。決して忘れない。それは弔もよく知っている。だからこそあの子は伊口君を信じた。『日の下を歩いていただけで殺虫剤を撒かれた』と言った伊口君の声色には、心からの屈辱と怒りがあったからだ」
「………」
「しかし、彼は最初から弔を裏切るつもりで入団していた。何故か? 他ならぬ君達の王の為だ。人間の一生と言うモノは、多感な青春時代の経験によりに決定される。闇夜の様な暗い人生を歩んでいた彼にとって、呉島新と言う異形の王の活躍は、自分の行くべき道を照らす月の光の様に見えた事だろう」
「つまり、大怪人アギトの様な人間を仲間に引き込む上で、裏社会の組織にとって我が王は邪魔になる」
「そうだね。“個性”カウンセリングや“個性”教育は、確かに“個性”に対する偏見を捨てた理解者を一定の数は獲得した。しかし、それは人口の多い都市部が主な話で、過疎化が進む地方では未だに根強い“個性”の差別が……特に異形系の“個性”を持つ者達への差別が今でも続いている。伊口君はそんな地方の出身者だ」
「………」
「『六・六事件』。『ジェダの大虐殺』。人ならざる姿をした人々への虐殺に加担した男の言い分は、『気味が悪かった』の一言だった。流石に超常黎明期に比べれば数は少ないが、今でも『この“個性”でなければ』と思う人間は存外に多い。特に人の形で産まれる事が出来なかった異形系の“個性”の者達はそうだ。そうした人々の心の傷は深く、その傷口が大きければ大きいほど、その傷を癒やし、塞ぐことが出来たなら、簡単には裏切らない忠実な兵隊となる」
「………」
否定する事は出来ない。雄英体育祭を切っ掛けに、呉島新と言う異形の王に対して、藤見や伊口を筆頭とした熱狂的、或いは狂信的と言えるファンが付いているのは、誤魔化し様の無い事実である。
「しかし、他に理想を体現する者が現れれば話は変わる。諦めた夢を現実に変えた者が居れば、その体現者の理想は憧れと言う形で人々に伝播していく。今や呉島新と言う“運命に抗う者”は、“運命に翻弄されてきた者達”から救世主の様に崇められていたとしても、何ら可笑しくは無い。『異能解放軍』からすれば、君達の行動は一種のネガティブキャンペーンと言える訳だ」
「結構な事だ。つまりはヴィランになる者が減ると言う訳だ」
「一方でこの流れを逆に利用しようとする考えの者も『異能解放軍』の中には居る筈だ。つまりは君達を『異能解放軍』に迎え入れ、勢力拡大に利用しようとする者達だ。まあ、『異能解放軍』の成り立ちを知る僕からすれば、酷く滑稽な話なんだけどね」
「と言うと?」
「君も知っているだろうが、『異能解放軍』は“個性”の自由行使――『法律に縛られる事無く、各々が自由に“個性”を使用する事が出来る世の中にする』と言う目的の為に生まれた組織だ。つまり、彼等は総じて資格が無ければ“個性”を使う事が許されない事に不満を持っている。人間として当然の権利を剥奪されるのはおかしいとね」
「そこだ。逆に言えば現代の超人社会は、資格さえ取れば“個性”の使用はある程度まで認められている。単に“個性”を今よりも自由に使用したいと言うのなら、普通に資格を取れば良いだけの話だ。わざわざ革命を起こす必要は無い」
「フム……まあ、確かに現代を生きる君達ならそう考えるのも自然だろう。しかし、『異能解放軍』が主に活動していたのは、超常黎明期から続いた人間と超人による、種の存亡を賭けた戦争の転換期であり、超常の正体が『人類が進化して獲得した身体機能である』と科学的に解明され、単純な個体数で超人が人間を上回り始めていた頃の事だ。
学校の教科書では当時を『人々が平和を望み、超常との共存を図り始めた』なんて書いているが、実際は『超常を巡る戦争の趨勢を変える事は出来ない』と判断した切れ者が居て、そうなるように働きかけていたんだよ。身も蓋も無い言い方をするなら、『人間が負けると分かっている戦争なら、負け方を選べる内に負けた方が良いと判断した』って事さ」
「………」
本当に身も蓋もない話だが、確かに一口に「負ける」と言っても、やはり「負け方」と言うモノはある。完膚なきまでに叩きのめされた場合と、再起の余地が残っている場合とでは、同じ敗北でも天と地ほどの差がある。
無論、そこから這い上がれるかどうかは本人の努力や才覚次第だろうが、再起の余地が残る状況を狙って作り出し、「平和と共存を負け方として選ぶ」など、間違いなく只者ではない。ある意味ではヴィランよりも遙かに狡猾で強かと言える。
「いずれにせよ、世界は超人を病気だ化物だと、存在諸共否定するようなやり方が出来ない状態になりつつあり、超人に対する理解も少しずつだが得られるようになった事で、“個性”に関連する法の整備を急いでいた。無論、この国も例外では無い。
その結果、曖昧だったヒーローとヴィランに明確な境界線を引くべく、『資格制による“個性”の使用制限』と、『ヒーロー』言う役職が生まれた。そのお陰で少なからず人を救ってきた僕は、正式にヴィランに認定されてしまったと言う訳だ」
「……当時の段階で超人の数は徐々に人間の数を上回り始めていたと言ったな? なら、デストロはいずれ社会から“無個性”が消滅する事を予想し、誰もが“個性”を持って生まれる事が前提となる、より良い法律を作るべきだと考えて国と対立したと言う事か?」
「それは違う。デストロが“個性”に関する法の整備を進めていた当時の国と対立した理由の一つは、資格制による“個性”の使用制限が法で定められた場合、それによって苦しむ存在が発生する事にある。具体的には、何らかのエネルギーや物質を貯めこんでしまうタイプの“個性”を持つ者だ。例えばそう……エリのようにね」
「ふむ……確かにその手の事件は偶に耳にするな」
「確かに法が施行されれば、大部分の人間と超人は平和を享受できるだろう。だが、それによって苦しむ少数の超人が確実に発生する。特に貯め込むモノが有害物質の類いだった場合、“個性”の使用を制限すると言う事は、爆弾の内圧を高める事に等しい。そうなれば当然、限界を迎えた時に発生する破壊力は絶大なモノとなる」
「……つまり、デストロは少数の超人を救う為に、国と対立したと言うのか?」
「理由の一つと言ったろう? デストロが国と対立した理由は他にもあるが、最たる理由は別にある。君は『“個性”の母』を知っているかい?」
「『“異能”とはその人の個性の範疇である』……と言う、現代に於ける“個性”教育の元となった女だろう?」
「ではその『“個性”の母』がデストロの母親であると言う事は知っているかな?」
「……何だと?」
「母が身を挺して幼いデストロを守りながら、血を吐くように絞り出した“個性”と言う言葉は、嘲笑と共にその命を奪うと言う形で否定された。その光景を目の当りにしていたデストロにとって、母の“個性”と言う単語を利用した当時の政府の方針はどう写ったか……想像するに難くはないだろう?」
「つまり、デストロの行動原理は復讐だったと?」
「確かに復讐心が無いとは言えないだろうが……デストロの母の望みは『全ての超人が人間として生きる事の出来る社会』だった。だからこそ『少数を切り捨てて多数を救う法律』が施行される事をデストロは受け入れる事が出来なかったんじゃないかな。
『持てる能力を自由に行使するのは人間として当然の権利であり、“異能”と言う身体機能の一部を封印して生きる事を強いる政府の方針は間違っている』と言う異能解放主義も、『“異能”を本当の意味で“個性”と呼べる社会にしたい』と言う、デストロの願いから生まれたものだろう」
「………」
「要するに、国がもっとちゃんと“個性”に関連する法律を作ろうと努力し、推敲を重ねていたのなら、デストロと言う犯罪者も、『異能解放軍』と言う犯罪組織も生まれなかったかも知れなかったって事さ。しかし、国としては一刻も早く平和を取り戻したかった。それこそ、それによって生まれるだろう矛盾や闇を全て無視し、それによって発生する問題の解決を未来に丸投げした仮初めのモノだとしてもね。
最終的に『異能解放軍』は国との対立に敗北し、デストロと『異能解放軍』の幹部クラスが軒並み逮捕された事で、『異能解放軍』は解体された。いや、この場合は解体された筈だったと言うべきだが……」
「珍しく歯切れが悪い言い方だな。今でも『異能解放軍』は生きているのだろう? なら解体された筈だったで良いではないか」
「現在の『異能解放軍』の主目的は『現行制度の破壊』であり、その点に関してはデストロと同じではあるのだが、その先のヴィジョンがまるで違う。
彼等はヒーロー社会を破壊した後に、『“個性”の強さが社会的地位に直結する社会』を作り出そうとしている。つまりは、“個性”の強さが全てと言う世界だ。『自分達だけの天国』と言い換えても良い」
「………」
「つまり、リ・デストロが率いる今の『異能解放軍』は、デストロの主張の中で自分達の衝動に都合の良い部分だけをピックアップし、自分達が振るう暴力を正当化しようとしているに過ぎない愚連隊って事さ。それは好き勝手に暴れたいが為に、酒の力を借りて悪酔いするチンピラと何も変わらない。
今の『異能解放軍』には『“異能”を本当の意味で“個性”と呼べる社会にしたい』と言う願いも、その原動力となった『全ての超人が人間として生きる事の出来る社会を』と言う人類愛も、これっぽっちも残っていないのさ」
「………」
信念故に罪をも犯す人間――それこそあのステインがそうだった様に、確信犯や思想犯と言った存在は、決して自分の犯行動機を他人やモノに預けるような真似はしない。自分で決めた自分の言葉は、死ぬまでずっと真っ直ぐに守り抜く。
オール・フォー・ワンの何処か懐かしむ様な独白が正しければ、デストロと彼が率いた『異能解放軍』とはそう言った人間達の集まりであり、その方法が間違っていただけで、その思いや願いは決して間違ってなどいなかったのだろう。
そして、それを知っているからこそ、オール・フォー・ワンに言わせれば、今の『異能解放軍』は『異能解放軍』を語る紛い物過ぎない。そう断言出来る程の存在に成り下がってしまったと言う訳だ。
「……まあ、要はアレか。『酒は飲んでも呑まれるな』って事よな」
「中々上手い返しだ。この国はたった一つの法で一気に問題を解決しようと横着し、地道に受け手の節度を向上させる事をしなかった。そのツケが今になって回ってきた。それがたまたま『異能解放軍』を名乗る愚連隊だと言うだけの話だよ。コレは」
しかしである。逆に言えば、そんな悪酔いしたチンピラが11万人もこの国に潜伏しているのだ。明確な思想や信念を持って行動する犯罪者の厄介さはステインの一件で理解しているが、素面で悪酔いする11万人のチンピラだって充分厄介である。
『時間です。イナゴ怪人1号、退出を』
「まあ、頃合いか。次の面会を楽しみにしているよ」
「フン……」
マントを翻してオール・フォー・ワンに背を向け、イナゴ怪人1号は面会室を去った。一方、看守達が詰めている司令室では……
『これは示威である。就学時より責務と矜恃を涵養する我々と、粗野で徒者のまま英雄を志す諸君との水準差』
「おお……我が息子よ……私は、何を間違えて……」
「先輩、良い加減に立ち直って下さいよ」
『祝え! 人間の自由と平和を守る異形なる戦士にして、時空を超え願いと希望を継承した創世の王者! その名も“変身ヒーロー”『仮面ライダー』!! 正に、時代が望んだ英雄が再誕した瞬間である!!』
『たっ……はッ……。か、「仮面ライダー」……! 俺に出来る事なら何でもしよう……!』
「(な、泣いてる……)」
イナゴ怪人1号から提供された映像により、それぞれ別の理由から泣き崩れる先輩の看守の姿とステインの映像を見て、同僚の看守は混沌としたこの状況の収集の付け方が分からず困惑していた。
キャラクタァ~紹介&解説
トゥワイス/分倍河原仁
この世界線では既に死穢八斎會が壊滅しているので、ヤクザ編が無くなって色々と割を食ってる人。まあ、マグ姐が死んでない分マシか。それに今の作者がヤクザ編をやるとすると、『忍者と極道』ネタが満載になるからボツで。
ヤクザA「ガキモツ、トバしてええのか!?」
ヤクザB「トバして善しッ!!」
シンさん「善い訳ねぇだろッ!! このゲス外道がぁあああああああッ!!」
チーム・レザボアドッグス
原作通りにコンビニ強盗に勤しみ、原作と違って怪人軍団に成敗された悲しきヴィラン達。雄英体育祭以来の出番となるローカスト・ホースに撥ね飛ばされるわ、マタンゴの苗床にされるわ、リウマチや虫歯は治らないわで、原作以上に散々な目に遭っている。
イナゴ怪人(1号・2号)
ショッカーライダーとしてヴィランと戦う奴もいれば、大首領の代理で監獄に赴く奴もいたり色々忙しい怪人。オール・フォー・ワンの相手をイナゴ怪人ZXにしなかった理由は「オール・フォー・ワンの相手が何かしっくりこなかった」から。
オール・フォー・ワン
身に覚えの無いとんでもない罪状が追加され、内心困惑している闇の帝王。しかも、方法や過程が大問題と言うだけで、狙っている事は大体合っている為、完全に否定しきれないと言うジレンマ。思わず孕んだオールマイトを想像して吐きそうになった。
デストロ/四ツ橋主税
故人であり、『異能解放軍』の主導者だった男。今作では作者の独自解釈から、ある意味、怪人主人公のシンさんと何処か似通った人物として描写する事に。作者としては「時代と愛に翻弄され、手段を間違えて歴史に名を残してしまったヴィラン」と言った感じ。
ヒーロー事務所『暗黒組織ゴルショッカー』のCM
現在、複数のバージョンが公開されており、いずれも「正義の味方には見えない」と大好評(?)。エンデヴァーは泣いていい。尚、協力者の地下アイドルには、大首領から『九冠怪人アーモンドアイ』と言うウマの怪人に変身する能力が与えられるかも知れない。
エンデヴァーヒーロー事務所
職場体験の時のツテと、焦凍成分に飢えたエンデヴァーとの薄ら暗い取引により、『暗黒組織ゴルショッカー』と手を組んだヒーロー事務所。多少、振り回される感はあるものの、割とノリが良いサイドキック達は怪人軍団と結構良好な関係を築けている。
イカれ野郎共の動向
この世界でも原作通りに徒党を組む連中が出てきたが、それ以上の化物が世に解き放たれてしまった。当初は『デスインカ帝国編』を始める予定だったが、『ゴルショッカー』のイカれ具合に匹敵する様な組織では無かった為、しっくりこなくてボツに。
異能解放軍について
この世界では作者の独自解釈により、「手段は間違っているものの、かつては信念や愛を以て理想を突き進んでいた連中だったが、今では腐敗していて名前を借りただけの別物」と言う組織に。オール・フォー・ワンの愚連隊呼ばわりは彼なりのギャグだったりする。
10月計画(オクトーバー・プロジェクト)
元ネタは萬画版『仮面ライダー』に登場する、ショッカーが考案した日本人ロボット化計画。テレビや腕時計を使っての洗脳作戦なのだが、この世界ではイナゴ怪人によって創世王による世紀王量産計画になってしまった。内容的には総性王って感じだけど。
我以外皆異性也
元ネタは『バキ道』において明かされた、範馬勇次郎から見たこの世界の有様。そして、ありとあらゆる意味で凄い設定でもある。作中で語られた通り、怪人主人公はエリちゃんに対して「守護らねば」状態にある為、普通に理性を保っているのだが……。
ミルコ「(大首領で)犯しまくるぞ、キサマらッッ!!!」
A組女子「「「「「「ファッ!?」」」」」」
Mt.レディ「そ、それは流石に……」
ミルコ「他にも呼ぼう。多い方が愉悦しい」
……なんかこうして書くと、ミルコの方がよっぽど雄度が高く見える。尚、現状で最も危険なのはヒーロー科A組女子勢ではなく、今はストッパーとして機能しているが純度1000%超えの雄フェロモンを至近距離で受け続けているエリだったりする。
16歳エリ「兄以外皆雌也」
シンさん「(絶句)」
尚、これはシンさんの「内なる雄」の仕業である為、シンさんの場合はどこぞの地上最強生物に襲われたおっさんの様になったとしてえも、「内なる雄」を探す冒険の旅に出るという逃げ道も用意されていなかったりする。
後書き
かくして、一年以上の時間を空けての投稿となりました。つーか、主人公の出番が後書きの部分しかないし、ミルコの初登場が素晴らしい提案をする範馬勇次郎になるし、作者としても「これで良いのか?」と思わないでもない。まあ、思うだけで「何か別に違和感無いから良いか」と結論して投稿したんですけどね。