ドラゴンボールZ──宇宙の危機!極悪人統一決定戦──   作:SHV(元MHV)

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今回は思ったより時間が作れたので安心して予約投稿でけました。
感想で時系列やその他キャラクターの設定についてご指摘、お問い合わせいただきましたが、こちらは全てネタバレになりますのでお答えは控えさせていただきます。
感想や評価は全て拝見させていただき、ありがたく受け止めさせていただいております。読んでいただき感謝の念に堪えません。
それでは今回もお楽しみください。


その⑥ 戦士と反逆

「「「「「オオオオオオオ!!!!!」」」」」

 

突如として現れたパワーボール。それによって、大猿と化したサイヤ人の集団。

 

彼らの名を──バーダックチーム

 

この舞台においても、持ち前の生命力と高い戦闘力、さらには優れた連携によって戦いを有利に進めていた。

 

彼らが不運だったのは、早くも対峙した相手がよりによって超強化されたターレスだったことである。

 

だが戦闘力に圧倒的差があるにも拘わらず、それでもバーダックチームは戦いを互角に進めていた。ターレスが既に、フリーザに匹敵しないまでも、彼の第三形態に準ずるほどの強さを手にしていたにも拘わらずだ。

 

だからこそ、ターレスはそれだけの力を持っていて()()()()()()()()()()()ことに違和感を覚えいていた。

 

気を感じることは出来ずとも、肌で感じるれっきとした力の差は十分過ぎるほどである。本来であれば既に数人は始末できている筈が、ダメージは与えていても決定打すら与えられない。

 

気味の悪さを感じながら、さりとて目の前の相手だけに構っていられないと、少々の焦りと共に大技を放とうとしたターレスの頭上に突如として小型の月が現れた。

 

セルの放ったパワーボールである。

 

これによって、咄嗟に目を伏せたターレスはともかく、バーダックチームの面々は全員が大猿となってしまった。

 

焦ったのはターレスである。先ほどまで互角に戦っていた相手が突然10倍も強くなるのだ。当然、ターレスは一度直接的な交戦を避けるためその場を退いた。

 

だが、である。

 

大猿への変化を終え、目の前で暴れ始めた連中は、先ほどとは打って変わってむしろ弱体化してしまっていた。その様子を見て、ターレスはチャンスよりも不気味さを感じてしまっていた。

 

まだ、この舞台において知らされていないルールがある、と。

 

これはサイヤ人である彼からしてみれば、把握しておかねばならない異常事態である。

 

(大猿で弱体化とは笑えねえな……だが、遥か彼方から感じるバカみてえにデカい力の波動はサイヤ人の、それも大猿のモノだ。ヤツとコイツらで何が違う……?)

 

彼もまた、()()であるとはいえサイヤ人である。ましてや相手の一人であるバーダックとは、あながち他人とも言えない部分があるのだ。彼との共通項は少しでも把握しておかねばならない。

 

「グオオオオオオオッッッ!!!」

 

「ちっ、もう見つかったか!!」

 

ターレスは即座に気づかなかったが、彼を見つけたのはバーダックである。彼は気を感知したのではない。彼のみが有する“とある方法”で、無意識にターレスが行ったであろう場所を()()()()()のだ。

 

「ぐあっ! なにっ!?」

 

先ほど、明確に弱体化した筈のバーダックの戦闘力。それが、ここに来て突然の上昇を見せた。仲間を食ったのかとも思ったが、そうではない。

 

「どういうことだ……!?」

 

ターレスが見た先には、なぜか大猿化が解除されたにも拘わらず尻尾は健在なまま、倒れ伏す他のバーダックチームの姿があった。

 

「オオオオオオオオオオッッッ!!!!」

 

「クッ、速すぎる……!!」

 

大猿化において、その変化の代表格である肉体の肥大化は本来リスクである。巨大になるということは、それそのものが目標へ到達するまでの距離を伸ばしてしまうことになりかねないからだ。

 

──だが、こと一部の大猿化においてそれは当てはまらない。(ちから)のコントロールが未熟な子供ならまだしも、戦士として力の使い方を完全に覚えた上級戦士ならば、例え大猿化したところでスピードダウンは起こらない。

 

何故ならば、サイヤ人本来の力を解放した大猿化は常に全身からエネルギーの奔流が溢れだすこととなる。上級戦士ともなれば、この奔流をコントロールし、自らの動きに加えることが可能となるのだ。

 

まるで常時方向転換自在なジェット推進のように。

 

「ガハッ!!!」

 

地面へ水平にクロスし待ち構えたターレスの予測に反して、真逆の位置──すなわち真上から、巨大なハンマーパンチもとい破城槌がごとき一撃がターレスを襲う。

 

数度の攻防で、ターレスは大猿化したバーダックの戦闘力が自分と互角程度で落ち着いていることを見抜いていた。しかし、そうであれば小回りが利くはずの自身が有利である筈だというのに、大猿化したバーダックは予測を遥かに上回る速度で幾度となく迫りくる。どういう理由(ワケ)か、下級戦士である以上大猿化した際のコントロール訓練を受けていない筈のバーダックは、その巨体を暴走しながらも完全に制御下に置くことに成功していた。

 

「調子に……乗るんじゃねええええええ!!!!」

 

口腔にエネルギーを溜めている隙を突いて、ターレスが全身からエネルギーを放出してそのまま大猿化したバーダックへと発射する。避ける間もなく顔面へまともに受けたバーダックは衝撃によってその場でひっくり返るが──殆どダメージを受けた様子もなく口をモゴモゴと動かすに済ませた。

 

「クソッタレ……! 我ながらサイヤ人の頑丈さは頭にくるぜ!」

 

直撃であったにも拘わらず、バーダックは折れた歯をターレスへ吹き付けてくる。単なる歯とはいえ、大猿の歯は彼の頭ほどもある。高速で飛来するそれをどうにか避け、ターレスは今度こそ状況を覆さんとバーダックの尻尾を狙う。相手の強さの秘密がわからない以上は、まず大猿でなくしてしまえばいいのだから。

 

「ぐっ、さすがはバーダック!! 本当に理性がねえのかよこれで……!!」

 

思わず愚痴めいたことを呟いてしまうほど、状況は拮抗していた。バーダックは尻尾が狙われていることを理解しているのか、本能のまま暴れ狂うだけの大猿となっている筈にも拘わらず、尻尾を両断できるような威力の攻撃はきっちりと防ぎ、さらには時として尻尾そのものを武器として使い易々と狙わせない。

 

ターレスは焦っていた。これでは弱体化どころか、このままではいずれ圧倒され殺されかねない。

 

「……しまっ!」

 

咄嗟に岩場へ着地した瞬間、バーダックによる踏みつけの衝撃で足場が崩れ、ターレスは体勢を崩してしまう。

 

だが次の瞬間、予想外の方向からの円盤による斬撃が、バーダックの尻尾を切り裂き、ターレスを窮地から救った。

 

「おやおや。なんだか無駄にデカいだけのお猿さんが暴れているようだから、少々お灸を据えてあげようと思えば……どちらもお猿さんだったみたいですね」

 

尻尾を地面へと叩きつけ、ひときわ大きい岩山から自身らを睥睨する姿。血管が芯まで凍り付くような視線に、ターレスは我知らず唾を飲み込んだ。

 

「ここでフリーザ様かい……」

 

この舞台においてある意味もっとも相手したくなかった相手が、彼らの眼前に降臨していた。

 

 


 

 

一方ところ変わって、ここは黒を主張した空間に星々を散りばめたような景色を持つ四角い部屋。

 

その場所へと通されたガーリックJr.は、ただその背を追うしかないかつての師を見つめながら、これほどまでに力の差があったのかと改めて息を呑む。

 

かつての自分を例えるならば、太陽を間近で見たのに近かったのだろうかと、ガーリックJr.は内心で独りごちる。眩すぎるがゆえに、直視することを避け、認められないことを内心で自覚していたがゆえに、神になったつもりであのナメック星人に対抗心を燃やしていたのだろうかと。

 

「正直に言うならな、あの時お前を神にしないこと自体は最初から決まっていたのだ」

 

──だから、その言葉を聞いて、ガーリックJr.は意味が理解できず固まってしまった。

 

「お前が魔族であったことなど、そもそも知っていた上でお前を神の候補として選んだのだからな。魔が神となることなど、さして珍しくもない。まあ、そうであったところで結果は変わらんのだが」

 

激高と焦燥、不安と歓喜。認められていた喜びと、それでもなお自身を神にしなかったことに納得がいかないという怒り。

 

それらを言葉にすることが叶わず、戦慄くガーリックJr.へ、どこか優しさすら込めた視線でかつての地球の神ヂギリは言葉をかけた。

 

「お前を()()と等しく扱ったのはな、ひとえにあれに自らの魔を自覚させることにあったのだよ。そして、その内なる対抗心を餌にヤツには何としても作ってもらわねばならないものがあった。お前も、その()()に預かっただろう?」

 

「ば、馬鹿な……!! あれが作られたのは、今の私が転生するより前のこと──ま、まさか最初から……!!」

 

「だからそうだと言っているだろう。()()がナメック星より我が隠れ家とする星へと降り立った時より、否──それよりも遥か昔から私の企みは始まっていた」

 

「あ、あなたは……!! 一体何者なのですか……!?」

 

動揺を隠せぬまま、ガーリックJr.は師であるヂギリを問いただす。だがその質問に答える前に、ヂギリの視線は別の方角へと向いていた。

 

「……ふむ。ガーリック以外を招いたつもりはなかったのだが」

 

「そいつには私の生み出した超小型の()が付けてあってね。おかげで、すんなりこの空間に侵入することが出来た」

 

「解せんな。力の差が理解できないような頭ではなかろうに」

 

「なあに、ひとつ今の私の実力を試させてはくれまいかね? かつての地球の神とやら」

 

低く態勢を沈めたその構えは、奇しくもかつて悟空がベジータへと取ったもの。

 

全身から稲光する気を溢れさせ、侵入者セルは、目の前の神へと反逆を開始した。

 

 

 




1つだけお答えさせていただくなら、今作における時系列やその他設定は、目に出来るほぼ全ての設定を網羅した上でオリジナル設定とさせていただいております。
これはそもそも無数のコンテンツが存在するドラゴンボールにおいて、それこそ数多のゲームや他媒体、さらには原作に準拠した描写などを踏まえると設定がいくつも存在することになりかねませんので。
ですので、今作においては私が「こうだったら面白い」と思った設定とさせていただくことで紡ぐ新たな物語となっておりますので、()()()()()()()()()()()といった固定観念は一度なしにして考えてくださいまし。
よろしくお願いいたします。
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