ARIA The PIACERE 1 その輝かしい船出を祝して 作:neo venetiatti
マンホームからの賓客に対する歓迎式典は華々しく行われた。
姫屋のこれからを担う新プリマである藍華の紹介も行われ、姫屋の存在感と将来に対する期待が示された結果となった。
その後行われた歓迎レセプションでは、アテナの歌が披露され、会場は一気に華やいだムードとなった。
また、会場のあちこちで行われた挨拶や談笑する場面では、アリシアが引っ張りだことなり、まさに会場の華となっていた。
ドレスに身を包んで登場した晃と藍華も、その華やかな姿で注目の的となった。
「晃ちゃん、とってもきれい。藍華ちゃんも大人っぽくてとっても素敵だわ」
アリシアの言葉に晃は照れ臭そうに笑った。
藍華の方はと言えば、
「とんでもありません。アリシアさんこそとっても素敵です!」
と目がキラキラ輝いて、アリシアにうっとり状態だった。
「そう言えばアリシアさん、灯里は来てないんですか?」
「ちょっと無理だったみたいなの。このレセプションの日程がわかる前からお客様の予約が決まっていて。それに歓迎行事もあったから、観光案内のコースの変更もあったみたい」
「そうですか。ARIAカンパニーは灯里ひとりですもんね。こういう時は大変ですね」
「そうね。でも藍華ちゃんも大変だったわね。せっかくの支店開業一周年記念のイベントだったのに、残念だったわね」
「アリシアさんにそう言っていただけただけで、もう大丈夫です!」
藍華は嬉しさのあまり、デレデレが止まらなかった。
「そういえば、こないだ灯里にも少し話したんですけど、灯里っていつまでひとりでやるつもりなんですか?」
「私も少しずつ話はしてるんだけど、まだ気持ちがそこまでには至っていないみたいなの」
「でも灯里のことですから、もしかしたら、ずっとこのままってことになるんじゃないですか?」
「まさか、そんなことはないと思うけど・・・」
「あっ、アリシアちゃん!藍華ちゃん!」
アテナがふたりを見つけて駆け寄ってきた。
「アテナちゃん、ステージすばらしかったわ」
「ありがとう、アリシアちゃん」
「ううん、お礼を言うのはこちらの方よ。今日は本当にありがとう。急なスケジュールの変更で大変だったでしょう?」
「大丈夫よ。久し振りにアリシアちゃんに会うことができたから、とってもうれしいの」
「あらあら」
ふたりが手を取り合って話していると、周りでカメラのフラッシュが瞬き始めた。
「やっぱり違いますなぁ」
藍華から思わず声が漏れた。
「藍華ちゃん、きょうはとってもきれいね」
アテナの言葉に「ありがとうございます」と顔を赤らめながら、ぼそぼそと呟いた。
「そういえば晃ちゃんは?」
アテナの問いに藍華は、少し離れたところを指し示した。
そこには、女子たちに囲まれ、写真撮影に応じていた晃がいた。
「ちょっと藍華!な、なんとかしてくれ!」
「なんとかって言われても・・・」
するとカメラマンの中から声が上がった。
「水の三大妖精だ!」
「水の三大妖精が揃ったぞ!」
晃はカメラマンたちに促され、アリシアとアテナのところまで戻ってきた。
その瞬間、カメラのフラッシュが会場を被い尽くさんばかりに瞬いた。
藍華はそのまばゆい光の洪水を前にして、どうしようもなく三人の偉大さを実感せずにはいられなかった。
「一体どうしたんですか、この騒ぎは?」
その声に振り返るとアリスが立っていた。
「あんた、いままでどこにいたの?」
「会社の偉い方々と一緒にずっと挨拶して回ってました。わたしなんかをそんなに紹介して回ってどうするつもり・・・えっ、どうなってるんですか?この光景は?!」
「どうもこうもないわよ。水の三大妖精が揃った。その結果がこういうことなのよ」
三人が微笑んで立つ姿は、これ以上ないくらい美しい光景だった。
現役のウンディーネは晃だけになってしまったが、三人が揃ったその姿は会場の中で特に際立っていた。
「私たちって、あんなふうになれるのかしら・・・」
「想像つきません」
ふたりして目がテンの状態だった。
「ところで、灯里先輩の姿が見えませんが・・・」
「灯里は仕事よ。事前の予約があって来られないんだって」
「へぇ、そうだったんですか」
「後輩ちゃん、何か聞いてないの?」
「いえ、特には。なんか来る気まんまんだったはずなんですけど・・・」
「こればっかりは仕方がないわね」
「そうですねぇ」