風が吹けばクズ男が儲かる〜犯罪を働くだけで感謝されるとか人生イージーモードだろ 作:或売奴千刺
主人公の活躍()をみたい方は2章、3章を読んでください。
公開】○序章 bad agent(始まり)
公開】○一章 陰謀うずまく鳴子海峡(五味秋人以外の行動)
一章 1-1〜五味秋人以外の視点 軽いキャラ紹介を兼ねています。
一章 2-1〜 谷口旭の葛藤(谷口旭目線)
一章 3-1〜 bad agentで救われたおっさん(エリック)のその後の行動です、
未公開】○二章 bad magishan (序章に続く勘違いの話)
公開】○三章 五味秋人の日常(五味秋人が如何にクズなのかわかる話)
1-1◇汝、欲望に誠実であれ
都内の人混みの中で、スナイパーがスパイを暗殺しようとする……などと言うとんでも事件に巻き込まれたというのに何ごともなかったかのように学校に向かう秋人。
さすが主人公枠である。
まあ、本人は本当に何が起こったのか知らないのだ。
彼としてはちょっとストレスを発散しようと絡んだ相手が超級のドMで面倒なことになったと勘違いをしていたのだが。
内心では、やれやれなどとどこぞの主人公様のように息づいている。
……だが、そもそも絡んだのは秋人の方だと言うことを忘れてはいけない。
群馬県出身の秋人は大学に進学する際に埼玉に移り住んだ。
群馬人だからといって半裸で屋根の上を飛び回ったり、槍を片手に踊っていたなんてことはない。
もしそう思っているならば、考えを改めて欲しい。ただの偏見だ。田舎者だからといって都会の人間と何も変わらないのだ。
もしかしたらグンマーと勘違いしていないだろうか?グンマーは埼玉と群馬の県境に存在する幻の大地の名前であり、そこには半裸で槍を持った民族が住むという伝説があるのは確かだ。幻の大陸アトランティス、謎の海域バミューダトライアングルに並び世界三大不可思議とされる"あの"グンマーである。
ただ読みが一緒だからと言って群馬を未開の地などと陰口を叩いたり、そうでなくとも田舎だと言って都会の方が優れていると誰が証明出来ようか。
田舎者だといって何も知らずに馬鹿にするのは良くない。都会人だとしても頭が悪いやつもいるし、田舎者でも頭のいいやつもいる。都会人が優れているのではなく都会と言う人々の努力と尸の上に作られたネームバリューと先進的な建築物による付加価値に過ぎない。
都会人が凄いのではなく、都市が凄いのだ。
本当にすべきことは田舎に生まれたことを嘆き都会を羨むことでもなく、都会に住み田舎を虚仮にすることでもない。
いい土地に住み、高い服に身を包み味もわからぬワインを飲み気取った言葉を噤むことではない。
人の価値は、自分で高めることが出来る。知識しかり人間性しかり。
学問を求めるわけでもなく、明確な理由もなくただ東京の大学に来た秋人には是非、東京という付加価値をつける前に人間性を磨いてほしい者だ。
そう……こんなことをいうのも彼が地元の大学に行かず、わざわざ東京の大学へ進学理由がくだらなかったからだ。
「東京……(の)……大学ってなんかカッコいいな。 」
わからなくもない。
田舎といわれ、何かしらのコンプレックスを感じている地方出身者にとって都市の学校に行く、籍を置いているというだけで、とてつもない価値になるのだ。
憧れで学問に励み大学へ入るのもおかしな話ではない。
高校時代、進路指導の先生になぜ東京の大学に進むのか聞かれ『東京の大学に行く俺カッコよくないスカ?モテますし』と謎理論を語った秋人。
東京の大学に通っただけでモテるのならばなぜ田舎よりもリア充爆発を望む人が多いのであろうか。
高校3年生の冬、受けてもない大学に既に合格した気になって頭も良くなり顔も"さらに"イケメンになり女子にモテモテな自分を想像して心をときめかせていた。
……前言撤回、馬鹿であった。
大学を整形外科だとか、未来の道具と勘違いしていないだろうか。勉強をせずとも、大学に入るだけで頭が良くなる……わけがない。大学は学問を学ぶところであり、入れば頭が良くなるわけではないと伝えたとすれば、さぞ動揺するだろう。そんな顔が頭に浮かんだ。
しかし、先生も先生だ。
"東京の大学に行く俺カッコよくないスカ?モテますし」"
などと言うそのアホな理由に対して
『そうか……。』の一言で済ませてしまったのも悪い。
担任ならそれでもいいかもしれないが、進路指導の先生だと言うのに、"そうか"はないだろう。いくらアホでも職務放棄は良くない。
まあ、気持ちはわからんでもないがな!
秋人は残念ながら良くも悪くも単純なのだ。
先生のその一言には違う意味が込められていたが、秋人的には先生も"応援"してくれたことになっている。
そうかという言葉自体、応援には繋がらないと思うが、彼は幻聴でも聞いているのだろうか。
『そうか (馬鹿じゃねーの、呆れました。私は責任をとりません。勝手にやれ)』
と先生はいいたかったのであろう。
……先生哀れ。
先生もいいと言っていた。ただ解釈違いの一言を盾に東京の大学に進学した秋人である。
まあ、テストの点数や面接態度が最悪だったことは考えるまでもなくわかることだろう。
しかし、その判断ミスによって知らず知らずのうちに救われた多くの命があるのだ。
秋人は欲望に従い事件を起こしてきた。
事件は運命に導かれるように、人の命を救い別の事件を解決に導き、凶悪な犯罪を食い止めて来た。
世界は理不尽だ。
誠実に生きるものが辛く厳しい不安定な運命を渡り歩き、こんなクズが、欲望のままにいい運命を引き当てるのだから。
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