風が吹けばクズ男が儲かる〜犯罪を働くだけで感謝されるとか人生イージーモードだろ   作:或売奴千刺

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1-2◇信奉者と疑心

そこまで話して黒いスーツを着た冴えないけれど人当たりが良さそうなおじさんは、となりに座った若い部下の女を見た。

五味秋人を信奉する上司のいう五味秋人の"武勇伝"を伝えながら、谷口旭はうんざりしていた。

 

どう見ても不良。

 

不良という存在を塗り固めたような不良。学生時代うんざりするほど見てきた不良という存在と瓜二つの秋人に疑惑の目を向けていた。

 

曰く、目を瞑りながら弾丸を避けた。

曰く、完全に変装した凶悪犯を捕まえた

曰く、情報工作を行い敵対組織同士を戦わせた。

曰く、…………と続くわけだ。

 

 

全く見る目がない。

堅実ではないが誠実な谷口にとって秋人は外見からして許せない存在であった。

上司は仕事もできるし、人付き合いも良い。尊敬に値する上司だとは思いながらも秋人凄い!と騒ぎ立てる姿に馬鹿馬鹿しさを感じていた。

 

上司から言い渡された五味秋人のサポートという任務。

絶対にやりたくないと思っていた仕事に宝くじのような確率でぶち当たったクズ運に嘆いた。

国内最強にして至宝のエージェントといわれる五味秋人には秘密が多い。

その存在は知られてもそれをサポートする組織を知る者はほとんどいない。

それは徹底した秘密主義により隠された組織であると言うことだ。

長いものには巻かれる、秋人を褒め称える上司に媚びへつらい"そうです"、"はい"と肯定している間にいつの間にか、秋人を信奉する派閥の一員として扱われていた谷口は上司の推薦もあり秘密結社ポルトンエヘクトルへ加入することになった。何を言っているかワカンねぇと思うが谷口自身もわからなかった。

ただ困惑し、お得意の肯定で"無事"結社員になった。

 

 

 

【挿絵表示】

 

(※谷口旭がイメージする空門剣城)

 

自身をソロモン王の生まれ変わりと言う盟主 空門剣城(そらかど つるぎ)や、姿を、見たことはないが籍だけがある72人の至高存在など怪しさ満点なことに突っ込む勇気はなかった。

クソ怪しいオカルト団体様から依頼されたのが今回の任務だ。

これがただのオカルト団体であれば鼻で笑っていただろうが、こんな組織が公安警察内部にあると言うことが全く笑えなかった。

 

任務を遂行するにあたり公安警察の情報課から派遣されてきたのがとなりに座る女だった。

 

見た目は若い。

外行きの私服か流行り服なのか知らないがクリーム色のドレスを着た若い女だ。

 

 

谷口と彼女の年齢差から一見、援助交際か父娘の関係、どちらかにしか見えないが実情はかなり闇が深い。

 

公安警察情報課。リクルートスーツに身を包み各地で様々な情報を収集している"だけ"と言われるかの組織であるが、彼らは国家安全保障なんとかという肩書きを持ち、独断で人間を裁くことが出来る司法を無視した存在なのだ。

裁判を無視して邪魔な人間を収監したり、収監されているだけで死刑囚でもない人間を死刑にするなど、戦時中の公安警察の体制を継ぐ組織の職員なのだ。

その実態はナチスドイツの親衛隊悪名高き秘密警察ゲシュタポと同じような構造とシステムを採用している。

イカレタオカルト団体ポルトンエヘクトルの盟主の私兵として作戦を実行し、時には組織内の反分子を粛清する。

公安警察がロクでもない組織だとは思っていたが秘密結社に所属してからは、機密情報をよく聞くようになった。

国家の為を謳いながら妙なオカルト団体の盟主様のために動くカルトだったことに軽く失望していた。

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