風が吹けばクズ男が儲かる〜犯罪を働くだけで感謝されるとか人生イージーモードだろ   作:或売奴千刺

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1-2◇世間知らずの五味軍団

しんと静まり返る講堂。

 

先生は講義を中断し、何かやることがあるかのようにパソコンに向かいながら目の前の出来事から目をそらす。

 

多くの学生たちは関わりたくないと言わんばかりスマホをポケットから取り出しいじり始める。

それでも気になるのか、耳はむけたままだが。

一部の……秋人側に属する人間たちはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。

 

そして当の秋人は、にちゃりと憎悪を抱く気持ちの悪い笑みを浮かべ、やらなきゃいいのに小さな声で罵る。

 

……追い詰めすぎて死に物狂いで反抗されたらどうするつもりなのだろうか。

 

 

「あぁ"ー!!ダイジョブデスよか?」

 

突然かけられた下手くそな日本語に五味軍団のお得意の手口かと、若干呆れ顔の周りに対して泣き腫らして顔を赤くしたガリ勉くんーー高木拓郎は声のする方へ振り返った。

 

役者は揃ったと言わんばかりのドヤ顔の秋人と高木。両者は異なっていたが後ろの席にいた少女を見ていたということには代わりはなかった。

 

どうにも違和感しかないイントネーションでしかも語尾を思いっきり間違えている下手くそな日本語を発したのは少女で間違いないらしい。

違和感というのも、日本語が下手という話ではない。日本語をペラペラ話せる癖にワザと片言しか話せない風にしているビジネス外国人に見られる話し方だ。

都会に出たことがある人ならご存知のことかも知れないが、秋葉原や上野にいるケバブ屋と同じである。

 

オニサン、オイシッイケバヴイカガデスカ?

 

アニキドウデスカ、イチバンオイシッイデスヨ

 

コンニチハ、ケバァヴタベマスカ?

 

こんな話し方をする癖に奴ら、バックヤードで流暢な日本語を話しているのだ。

つまり違和感というのは、無添加カタコト日本語ではなく、カタコト風の日本語という違和感なのだろう。

 

それを踏まえて聞いてみれば確かに、違和感たっぷりだ。

彼女は龍洋蓮。龍が苗字で洋蓮が名前だろう。

そういえば、龍……龍か。

何処でまたことのあるような気がする苗字を持つ中国人留学生である。

 

いや龍なんていう人は沢山いる筈だまさかそんなわけがない。

 

ま、その何処かで見たことのある名前の人に対しては秋人は認知しておらず向こうが勝手に知っているだけなのだが。

 

親は"輸入業"。

中国からやってきた典型的な富裕層の留学生だ。

中国に限らず日本にやってくる留学生は大きく二つに、ヨーロッパ圏に限ってみても三つに分けられる。

まず多くの外国人は経済成長を遂げる日本に出稼ぎにくる人間だ。

彼らは家はなく食べるのもやっとで、生活費を切り崩し故郷の家族へお金を送る。

そういう人達は毎日労働三昧でとても学問を学んでいる暇はない。

 

次に富裕層だ。

彼らは趣味で来ている。

趣味で来ているのだから学問をまじめに学ぶ気は無いし、ふざけていて落第しても金に余裕があるのだから問題はない。

学問を学ぶのにわざわざ日本にくる意味はないとも言える。

何故ならアメリカやヨーロッパに行けばより良い学校があるのだ。

金と時間に余裕があって知識を身につける環境も整っている富裕層が何故、旧時代の政治体制を引き継ぎ、日本人とそれ以外の外国人と人種を区別しているような国に行かなければならないのか。

 

そして三つ目だが、まあこれは多くの場合ヨーロッパ圏の話になる。

18世紀あたりに流行ったジャポニズムの影響もあり、日本文化や日本の風習に興味を持つ地盤があるヨーロッパ圏では富裕層でもなく、出稼ぎでもなく、日本で働きたいと思っているわけではないが日本に来たいという層がいる。

これは日本語でいうところのオタクである。

ヨーロッパのオタク達は日本文化に精通し、妙に古い時代の日本の服装を好み、何かにつけて修行やら禅やら忍法やら妙な訓練で身を鍛える。富裕層でもないので金に余裕はないが日本に行くために働きお金を貯めて日本へやってくる。

そうして日本にやって来た外国人旅行者はお客様対応でやけに優しい日本人や自分達の国の汚さを棚に上げて日本が綺麗だと言う情報を集めて帰国し、日本の素晴らしさを布教するのだ。

 

時折海外の掲示板でweboooなどと言う謎の綴りを見るが、これは日本に理想を求め間違った日本の姿を布教する狂信者どものことを言う。

 

さて、台湾からやってきた龍であるが、彼女は富裕層の留学だ。

何不自由なく育ち、相当わがままに振る舞い事件を起こしても金の力で解決して来た彼女にとって、周りの人間とは全て下等な存在であった。

親の金、親の力、全て親が築いたものであり一切、面倒ごと以外は何もしてこなかったにもかかわらず自らの力だと勘違いしている龍には自らに媚びへつらう大人や友達が同じ人間とは思えなかった。

将来は親の仕事を継ぐ。

それは決まったことであり、別に何も学ぶ必要はないと思っていた龍は使用人の勧めで日本の大学へ進学した。

全く乗り気ではなかったが、良い機会であるし旅行感覚で言って来なさいと尊敬する父にも言われたのだから、仕方なく来たわけであるか、ついに運命の出会いをすることになる。

 

まあ、ここまでの話の内容から賢明な皆様はわかるだろうが、五味秋人との出会いだ。

 

優れた容姿、家の権力、親の金、使用人もいて誰もが自らに媚を売る。

そんな人生を送って来た彼女にとって金もないのに自らに媚を売らず、それどころか危害を加えようする。

 

一般的にみてただのキチガイではあったが、今までて合わなかったタイプの人間に惚れてしまったのだ。

 

誰も思いつかない暴力的な悪戯。

誰もやらない悪魔的な手口。

類を見ない凶悪さ。

 

どれもが新鮮で彼女の退屈な日常を豊かにした。

 

龍は世間知らず過ぎた。

一般人であれば思いついても口に出さないとかやらないだけで新鮮な手口ではない。

五味秋人のやることはいささか悪戯という範疇を超えていることを龍は気づいていない。




2000文字しかありませんがとりあえず投稿しました。

雑談
日本に来た外国人がちょっと気に入らないことがあると自国のノリで、自分の意見を強引に通しているのを見て、「あ……強引にやれば通るんか。なるほど」と思って自分の絵柄を横取りしてきたクソッタレな奴に対して明らかにアイデアを丸パクリしてるから発表時には名前を共同にしてほしいとごねた結果……白い目で見られ名前も共同にならず手柄を横取りされ慰めの言葉すら無いという恐ろしい真実に直面してしまいましたwww

はぁ……。もう小説の中に登場させて主人公に殺させるかというのがこないだの出来事です。

以上!雑談終わり

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