坂出「私たちの師匠そんなことしたんだ…」
武藤「やってることは間違ってないが…やり方がな…」
岩本「確かに
武藤「そうなってほしくないからって部外者が師匠連れ戻してもねえ」
ユーリア「あんたらあの野郎を連れ戻すつもり?」
レオナ「ユーリア女史、落ち着いてください。」
ここはジョニーズサルーン、ガドール評議会議員なのになぜかラハマにいるユーリア議員と駄弁っている。
自分達が師匠の肩を持つのが気に食わないらしく、師匠の話になるとTHE議員な姿はどこへやら…
武藤「てかさ、僕らは日本に帰れるの?」
岩本「帰れることはわかっている。ただ数ヶ月、下手すると数年かかる。」
武藤「ここに住んじゃおうとは考えないの?」
岩本「ふぁっ?」
武藤「俺この町で用心棒するのも悪くないって思ってる」
岩本「ほえ!?」
何を言い出すんだこいつは!確かにいいところだ、いいところだけども!家族とか源田さんとか戸籍とかの問題があるだろう!
ザラ「何をするにしても一旦帰らないと、ってことね」
岩本「ザラさん、心の中を読まないでいただけますか?」
女とは油断のならない生き物だ。直ぐに心の中を読む。
岩本「さっきから黙ってるが坂出はどうするんだ?」
坂出「私は向こうを本拠地にしてこっちで用心棒やりたい。で?友喜はどうしたいのよ?隊長だからって司会に徹するのは許さないわよ」
岩本「俺は…そうだな…」
武藤「友喜悩んでるな~てかやりたいことないの?彼女作るとかさ」
岩本「かっ彼女!?」ボフッ
キリエ「たこ焼きになっちゃったよ…」
岩本「俺は…俺は…んーんー」
レオナ「今結論を出さなくてもいいんじゃないか?」
ケイト「目標を持たずに行動するのは愚の骨頂である。」
岩本「まずはブユウ商事乗っとるか」
一同「はあ?」
ユーリア「どうして?」
岩本「なんとなく」
場が静まった
エンマ「なんとなくで会社乗っ取られる糞野郎がなんだか可哀想ですわ…」
ユーリア「こればかりはイサオに同情するわ…」
武藤「なあ友喜、暫くここに居るんだったら戦うこともあるだろ?」
岩本「しょっちゅうあるだろうな」
武藤「迎撃に上がって思ったんだけど、燃焼不良ちょっと多かったような気がしてな。」
岩本「ああ燃料か。確かに出力が低かった気がする。俺らの機体直噴だからノッキングはしないけど燃焼不良は問題だな。仕方ない。燃料調達に関してはコトブキとは別口でやるか。さすがにレギュラーガソリンにも劣る帝国陸軍82オクタン航空燃料を入れられたらたまらん。」
エンマ「燃料を別口で調達するならアレシマがおすすめですわ。燃料屋は私が知っているだけで個人商店五件、チェーン店が二件ありますもの。」
坂出(なにか隠していますわね。もっといい店があるのかしら)
そしてシルバーファイターズはアレシマへ向かった。アレンに文献探しを頼まれたケイトがついてきた。
そして全件燃料屋を回ったあと…
岩本「なんで!?なんでハイオクガソリンが!95オクタンの自動車用ガソリンがない!それどころか海軍87オクタン航空燃料もない!」
武藤「わかった!この世界精製技術が低いんだ!」
坂出「滅びそうな世界って地点で察してあげなさいよ」
岩本「ノッキングによるエンジン不調」
坂出「うっ!うううううううううう」泣
武藤「トラウマほじくるなよ…」
坂出はスピットファイアに乗っていた頃、アクロバットの大会でノッキング多発、気化器停止、吸気弁故障などの不具合によって油飛び散る中緊急脱出し、尾翼でお気に入りの靴のヒールをかかとの骨ごと折った苦い経験がある。ちなみにそのスピットファイアmark5はおじゃんになった。源田さんの機体の中で最も入手に苦労した機体であった。
ケイト「95オクタンのガソリンはないが、100オクタンのガソリンならある。」
武藤「マジか!どこにある!」
ケイト「ナンコー油田。産出する石油そのものが良質であることに加え、精製技術はイジツトップクラス。」
アドルフォ「どうだ、買ってかないか?うちのガソリン」
岩本「おっちゃん!」
フェルナンド「うちのガソリンは質が良いのが売りだ。ちょっと高いが、買っていかないか?」
武藤「友喜、これに乗らない手はないぜ。」
岩本「現状はな。飛ばしてみなきゃわからん。」
坂出「とりあえず1000リットル、ってところね」
アドルフォ「リットル?なんだそりゃあ」
岩本「体積の単位。一辺が10センチの立方体の体積が1リットル。」
フェルナンド「おいおい、10センチっていったらもっとでかいだろう。」
岩本「言い直す。10センチメートル」
アドルフォ「メートル?なんだそりゃあ?」
ケイト「初耳」
岩本「そっちではなんというんだ?」
ケイト「クーリル。このものさしのひと目盛りが1センチクーリル」
岩本「マジか。丸々1.5センチメートルじゃないか。」
ケイト「ちなみに15ミリクーリルで1センチクーリル。ケイトにはここだけ十五進数なのか理解不能。」
岩本「ミリだけはあってるんだな。」
武藤「早く買いにいかねーか?」
ぶろろろろろろろろろろろろろろ
岩本「仕事速えなあ」
キリエ「なんで私が模擬空戦の相手なの?」
岩本「僕が指定したからです。なにか不都合がございましたか?」
キリエ「いやーそんなことはないんだけどさー飛び方が破天荒過ぎるっていうかもう飛燕二型とかにのった方がいいんじゃないかなって」
岩本「陸軍機は防弾板標準装備だから増やせないしはずせない。あと液冷は彗星以外乗らない。」
キリエ「へー、なんで?」
岩本「メッサーシュミットは地上でロールするし、スピットファイアは気化器が扱いづらい。飛燕はすぐに加熱するし、マスタングは曲がらない、薬中系統は低空特化過ぎる。」
キリエ「九五式戦闘機は?」
岩本「遅い」
キリエ「じゃあなんで彗星なの?」
岩本「大戦中の液冷機のなかで性能が一番安定してるから。あと複座だったり爆弾倉があったりエアブレーキがあったり。」
キリエ「大戦中?大戦後の飛行機は?」
岩本「ジェットの時代になっちまったからレシプロの液冷機がほぼない。 よし! 後ろとった」
キリエ「げっ!これでどうだ!」
岩本「ドラグシューっと!」
烈風がパラシュートを少し展開した後、すぐに切り離す。そして一気に減速した烈風は同じくスナップロールで空戦エネルギーを消費した隼の後ろにつく。
キリエ「えっ?なんで?どうして!」
チカ『死んだー!キリエ今死んだー!』
キリエ『うっさいばかち!』
岩本「まあ翼面荷重の軽い機体同士で出力差が有ったらこうもなりますよね…」
キリエ「こんな風にオーバーシュートさせられたりとかね、高出力って言うのはこういう弱点もあるんだよ?」
岩本「いつの間に!でも!」
斜め上方向の横旋回を急旋回で行う。すると翼面積の異常に大きい烈風は一気に減速する。キリエはハイヨーヨーで後ろを維持しようとするが、エアブレーキでも展開したような烈風の減速についていけない。
キリエ「は??そんな人外機動ってアリ?」
岩本「アリアリです。五体満足でいられる機動ならなんでもアリです。」
キリエ「じゃあ次上昇勝負ね!」
岩本「雷電より登る機体に何を挑んどるんだか…」
結果。烈風の圧勝である。
キリエ「じゃあ次は降下勝負!」
岩本「飛んでるだけでヒビが入る機種で何を挑んでるんだか…」
キリエ「隼一型はそんな機体じゃないよ!」
岩本「隼一型を使ってた日本陸軍のエースパイロットが『飛んでるだけでヒビが入る機体。早く二型と変えてくれ』って愚痴こぼしてるのが79年前から伝わってるんだよなあ。」
キリエ「隼一型ってそんな機体だったの…」
岩本「機体自体の壊れやすさに関しては零戦一一型を大きく圧倒する機体だそうだ。ちなみに零戦一一型は零戦シリーズのなかで最も脆い。」
キリエ「やっぱり降下勝負はやめとく。じゃあロール勝負いこう!そのでっかい翼じゃあくるくる回れないでしょ!」
岩本「ファウラーフラップなめんなよ!」
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
キリエ「えっ!?なんで!隼のロールについてこれるの!?」
岩本「反トルクとラダーとフラップ。」
キリエ「反則!」
岩本「五体満足で戦闘継続できたらどんな機動も許されるのだ!僚機に迷惑かけない範囲で。」
レオナ「自由だなあ。」