石油王転生~もう石油なんていらないんだが?~   作:多寡過多

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石油王と四人のオタク

 昔々あるところに、自意識を共有した四人のオタクがいました。

オタクたちは毎日まいにち夜遅くまでゲームをし、アニメを見てマンガを読んで楽しく慎ましく暮らしていました。

 

 そんなある日のことです。オタクたちはいつものように昨日見たアニメの感想を言い合いながら、学校から帰宅していました。

 

「昨日のプリキュア最高でしたな」

オタクのうち一人が汗ばんだ顔で笑いながら言います。

「そうですな~。作画もさることながらあの緻密な心理描写…。拙者、まだまだプリキュアから卒業できる気がしませんぞ!ウヒヒ」

オタクの言葉にほかのオタクもうんうんと頷き、続けます。

 

「プリキュアの歴史はわれらの歴史。一生をかけて推し続けましょうぞ!」

 

 オタクたちがワイワイと歓談していたその時、はるか上空からけたたましい音を立てて飛行機が落ちてきました。

 

 

ブゥゥゥゥゥンバキッ、ドガァーーーーン!

ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ。

 

 

 落ちてきた飛行機は石油王のプライベートジェットでした。大きな機体はオタクたちを巻き込みペシャンコに潰してしまいます。

 痛みを感じる暇もなかったのは幸運だったのでしょう。

 

 

 次の日この事故はトップニュースとなり世界中に駆け巡りました、長者番付にのるような石油王が死んだのだから当たり前です。ちなみにオタクたち4人の名前は遺族の意向で伏せられ、報道されませんでした。

 

 オタクたちはひっそりと人生を終えたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴホッ、寝落ちてしまったでござるか?」

 

 そう言って眼鏡を曇らせながらオタクは目を覚ましました。

くもりが晴れるとそこは見覚えのない場所でした、オタクは咳き込みながら周りを見渡します。

 

 ブワァ、と風で砂ぼこりがまい、肌にチクチクと刺さります。どうやらここは砂漠のようです。

一緒にいたオタクたちも落ちてきた飛行機もどこにもありません。オタクはただ一人になっていました。

 

「えっ?ど、どういうことでござる?」

 

 オタクは不思議に思い考えを巡らせます。すると、心の奥から聞き覚えのない言語が聞こえてきました。

 

『أين هذا المكان؟ لماذا أنا في مكان كهذا؟』

(こ、ここはどこなんだ。なぜ石油王の俺がこんな所に…)

『إنه مظلم ولا أستطيع رؤية أي شيءاللعنة، لا يوجد أحد هنا!』

(暗くて何も見えない…くそっ誰かいないのか!)

 

 

 そう、彼の中の石油王が助けを求めていたのです。しかし、オタクはアラビア語を知らなかったため彼の言っていることを理解できませんでした。ですが、

 

「なるほどですな。」

 

 オタクは妙に早くなった頭の回転と豊富なオタク知識からすべてを察しました。自分たちは死に、知らない誰か(石油王)と共に統合され、異世界にきたのだと。

 

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