お姫ちゃんは引き篭もりたい ~TS系オタク転生者美少女の生存戦略?~   作:とんこつラーメン

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実は、前回の最後付近で既に『とあるキャラ』の死亡フラグが立っていました。

それを知った時、おっきーは何を思うのでしょうか?







フラグが立った! フラグが立った!

「今日も終わったぁ~……」

 

 本日の全ての授業が終わり、帰りのHRもたった今終了した。

 ここからは(わたし)だけの自由時間(フリーダムタイム)

 なんだけどなぁ~……。

 

(朝の時点ではすぐに帰るつもりだったけど、昼休みに色んな事を思い出して、結局は買い物とかに行かなくちゃいけなくなるし……)

 

 なんで姫ってば、こんなにも要領が悪いんだろ……。

 唯でさえ体力が無い上にどんくさいんだから、もう少しぐらい効率よく動けないかなぁ~……。

 

「はぁ~……」

 

 しかも、五時間目の体育の授業の前に着替えた時、結局あの三人組に着替えを覗かれてしまったし……。

 なんで少しは自重しようって思わないのかな?

 自分達がしていることが犯罪だって分かってないの?

 このままだと絶対にこれから先の人生が真っ暗確定なのに。

 もしかしなくてもマジで捕まるよ?

 約一名は悪魔になって逃れるかもしれないけど。

 アイツ等は一遍マジで本物の神様の天罰とか受けて痛い目に遭った方が良いと思う。

 

「……行こ」

 

 教室で愚痴ってても意味ないし、とっととやることやって家に帰ろう。

 どうせ、このまま学校に残ってても姫にはやる事なんて微塵もないし。

 部活にも入ってないし、重要な委員になってる訳でもないし。

 バイトなんてやろうと思わないし。

 姫にとっての青春は、全て二次元の中だけで保管されるのです。

 

「んんぅ~…!」

 

 体を思い切り伸ばしてから、私は鞄を持って立ち上がる。

 普通、こんな事をすれば目立ちそうなものだが、私は『黒子のバスケ』の単行本を全巻持っている上に、アニメの方も全話視聴して、黒子君の『ミスディレクション』を完璧にマスターしているから問題無いのだ!

 アニメって偉大だよね! いやマジで。

 

(刑部さん……マジで胸デカすぎだろ……)

(制服越しなのに揺れまくってたぞ……)

(巨乳で眼鏡っ子で黒髪清楚系美少女で…どれだけの属性を持ってるのよ!)

 

 なんか視線を感じるような気がするけど、気のせい気のせい!

 姫みたいな地味な女の子を見るような物好きな人間は、この学園に一人もいるわけないし!

 姫よりも目立って美人な女の子なんて、ここには沢山いるもんね!

 例えばメインヒロインの『リアス・グレモリー』とか『姫島朱乃』とか『支取蒼那』とか。

 あれだけのメンツがいるお蔭で、姫は更に目立たなくなる。

 ミスディレクションの効果が最大に活かされるね!

 

 そうだ。ここで前回、言い忘れた事を言っておくね。

 流石に『刑部姫』って名前じゃ学校には通えないから、名目上は『刑部姫子』って名乗ってます。

 姫の事を呼ぶときは『おっきー』か『お姫ちゃん』か『姫子ちゃん』でよろ。

 

 さて、では行きますか。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「取り敢えず、これで全部かな」

 

 新しいブラを筆頭に、ラノベやコミックを買って、ゲームの予約もしてきた。

 後はもう、マジでゴーホームするだけだ。

 

「随分と…遠くまで来たもんだ……」

 

 なんて、ちょっとニヒルな気分に浸ったりして。

 本当は大した距離じゃないんだけどね。

 でも、自宅からは完全な逆方向だから、私的には大した距離だったりする。

 

「後は、適当にそこら辺の裏路地に行って『折鶴』に乗って帰るだけだね」

 

 前回も言ったけど、姫は刑部姫(オリジナル)と同じように折り紙を自在に操ることが出来る。

 ぶっちゃけ、紙さえあれば大抵の事は出来ちゃうのが今の姫だったりする。

 今回は、折鶴に乗って他人に見られないように低空飛行をしながら帰宅するのです。

 争い事とか嫌いなので、今のところは移動手段として『折鶴』を使ってるだけだけどね。

 姫的にはそれだけでも十分なのです。

 自分でコントロールできるから、自動車とかとは違って気持ち悪くはならないし。

 

「どこがいいかな~…」

 

 適当に歩いていると、なんだかお腹が空いてきた。

 コンビニで何か買って行こうかな。

 姫にお料理なんて出来るわけないから、食事は基本的にコンビニ飯かインスタント食品オンリーだけどね。

 健康に悪いのは自覚してるよ? でも、出来ないものは出来ないんだから仕方がないじゃない。

 食材を無駄にするわけにはいかないしね。

 

「お願いしま~す」

「ん?」

 

 街中を歩いていると、バニー風の衣装を着たセクシーなお姉さんがチラシ配りをしていた。

 あれって、明らかに『ソッチ系』の店のやつでしょ……。

 どうして、こんな時間帯にチラシなんて配ってるんだろ?

 姫には関係ないか。近くさえ通らなきゃ問題無いだろうし。

 

 ……と思っていた時期が姫にもありました。

 

「よろしくお願いします」

 

 だよね。こっちから近づいてこなくても、向こうから近づいてくるよね。

 なんで、この可能性を少しも考えなかったのかしら……。

 しかも……。

 

「よろしくお願いします」

「あ……はい」

 

 なんか普通に受け取ってるし~!

 姫ってば昔から…っていうか、前世からいっつもこう!

 街中とかで配ってるチラシとかポケットティッシュとかを断れなくて、全部受け取っちゃうんだよ~!

 向こうも仕事だから、凄いグイグイ来るから、その押しに負けて最終的には貰っちゃうのです。

 素直に『いいえ』と言えないヘタレな自分なんて大嫌い……。

 言いたい事も言えないこんな世の中じゃポイズン。

 

「まぁ…紙一枚程度なら、荷物になんてならないから良いんだけどね……ん?」

 

 少し離れた場所で貰ったチラシを見てみると、そこには驚きの事が書かれてあった。

 

「この幾何学的な魔方陣に、ゴシックで『願いごと叶えます』……これってまさか……」

 

 原作でリアス・グレモリー率いる『オカルト研究会』が配ってるチラシじゃんか!

 詳しい事は忘れたけど、なんか契約がどうこう言って、こんな事をしてた記憶はあるけどさ!

 まさか、それを自分が受け取るなんて思わないじゃん!

 

(確か、兵藤一誠もこれを貰ったお蔭で、九死に一生を得たんだっけ……)

 

 って事は、彼もこの近くに来ていて、後で同じようにチラシを貰うのかな?

 

「だとしたら、早く家に帰った方が良いかな」

 

 街中で偶然にも会うとか普通に嫌だし、こっちだけ一方的に知ってるとか気持ち悪いだけだしね。

 そもそも、彼がここにいるかどうかも分からないんだし、ここは少しでも帰路につく方が吉と見た。

 一体どこで死亡フラグが立つか分からないし。

 

「このチラシ…どうしよう」

 

 流石に自分から、あの連中を呼び込むような真似だけは絶対にしたくない。

 かといって、このまま捨てるのも申し訳ないような気がするし……。

 

「鞄の中に入れておけばいいでしょ」

 

 要は使わなければいいだけだし。

 このまま鞄の肥やしにしてれば問題無いよね。

 んじゃ、マジで帰りますか。

 

 

 この時の姫は気が付いていませんでした。

 まさか、あのチラシを、あの場所で受け取った事で無自覚のまま原作を破壊してしまっていた事を。

 自分から穏やかな日常の崩壊を呼び込んでしまっていたなんて、想像もしていなかった。

 

 後悔先に立たず。

 この言葉の意味を痛い程に噛み締める羽目になるとは。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 家に到着して、折鶴から降りて鍵を開けようとした瞬間、姫は明らかに異質な気配を感じた。

 

「なに……今の……?」

 

 悪魔的なのとは違うし、かといって姫みたいな異能を持った人間でもない。

 まるで、光と闇が入り混じっているかのような歪な気配。

 

「もしかして……来ているの(・・・・・)?」

 

 今の今まで気が付かなかった?

 それとも、ついさっき来たばかり?

 

「……姫には関係ないか」

 

 彼女達がたった今来たとしても、今まで正体と気配を隠していただけなのかは知らないけど、どうせ原作通りに事は進んでどうにかなるに決まってるんだし、こっちから動く必要性は微塵も無いし、動きたくないでござる。

 

「あれ? そういや、兵藤一誠が変装したレイナーレに告白されたのっていつの話だっけ?」

 

 それっぽい噂が立てば、すぐに姫の耳にも入る筈。

 だけど、そんな話は全く聞かなかった。

 って事は、堕天使達はついさっき駒王町に侵入してきたって事になるのか。

 

「つーか、ここまで露骨に気配を感じるのに、どうしてあの無能姫さんは気が付かないんだろ……姫には理解出来ません」

 

 下級であるせいか、全く気配が隠しきれてない。

 だって、ここにいてもめっちゃ分かるぐらいだし。

 気配ダダ漏れじゃん。隠す気ないじゃん。

 

「……何を考えてるんだろ」

 

 さっき自分で言ったじゃん。動く気は無いって。

 それなのに色々と考えても意味はナッシング。

 

「早く入ろ」

 

 どっちにしても、明日になれば全て分かる事だ。

 そんな事よりも、今は早く休みたい。

 

「シャワーを浴びてから、録画したアニメを見つつご飯を食べて、それから……」

 

 夜の予定を考えながら、姫は自分の城に入るのでした。

 今は、この家こそが姫にとっての姫路城なのです。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 次の日。

 案の定と言うか、なんというか。

 兵藤一誠は放課後に校門の前にて見知らぬ女の子から告白をされていた。

 姫は、その光景を教室の窓から静かに眺めていた。

 

(なんて会話をしているかは聞こえないけど、どうせ人生初めての告白にデレデレして鼻の下なんて伸ばしてるんだろうな~)

 

 女の身になって初めて分かる。

 男が目の前でデレデレしていると、只管に不快感しかない。

 二次元だと多少は許容できるけど、リアルだと純粋にキモい。

 姫は永遠にリアルでの恋は出来そうにない。する気も無いけど。

 

「ねぇ、あの校門の前で女の子と一緒にいるのって、あの変態兵藤じゃない?」

「マジで? なんであんな奴と女の子が一緒にいるのよ? 天変地異の前触れ?」

「あの制服って隣町の高校のよね? それがわざわざここまで来るって事は…まさか告白とか?」

「まさか! 例え罰ゲームでも絶対にしないでしょ。あいつ等の悪行は向こうまで広まってるって聞いてるし」

「それじゃあ、なんなの?」

「そんなの、こっちが聞きたいわよ」

 

 あらら。随分とめちゃくちゃに言われてますな~。

 全て、彼らの自業自得なんだけど。

 けれど、あれが人間に化けているレイナーレか~。

 

(この距離だと、更に気配が丸分りじゃない。流石にこれにはリアス・グレモリーも気が付いてるでしょ。じゃないと、割とマジで『無能』って言われても仕方がないよ)

 

 彼女をデートに誘って、その後に刺されて、それが切っ掛けとなって悪魔に転生するんだっけ。

 同じ転生でも、姫とはえらい違いですな~。どうでもいいけど。

 

(姫もそろそろ帰ろうかな?)

 

 今日は昨日とは違って、別にこれといった用事もないから、本当に直帰できる。

 あいつらが校門からいなくなるのを見計らってから出るとしますか。

 

 

 

  

 

 

 

 

 




姫は英霊『刑部姫』としての能力を全て使えますが、完全に宝の持ち腐れになっています。

本人は戦う気なんて全くありませんから。

これからの展開に関する質問です。

  • 逆ハーレム!
  • 百合ハーレム!
  • どっちもありのドタバタ系ラブコメ
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