お姫ちゃんは引き篭もりたい ~TS系オタク転生者美少女の生存戦略?~   作:とんこつラーメン

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まだ二話しかないのに、まさかここまで高評価されるとは……。

これ、完全に思い付き&見切り発車ですよ?

冗談抜きでどーゆーこと?











『ポケットの中の戦争』はマジで神作

 今日も今日とて(わたし)は教室でのんびりとしている訳で。

 昼休み、ベストプレイスでお昼を食べ終えた姫は、教室で静かにラノベを読んでいた。

 二回目の高校生活で学んだ数少ない事の一つ。

 こうして何かを読んでいれば、大概の人は話しかけてこようとはしない。

 姫が出しているATフィールドを破ってこようとする猛者はそうはいない。

 

「ねぇ聞いた? あの変態兵藤が、今度の日曜日に例の彼女とデートをするんだって」

「マジで? っていうか、なんでそんな事を知ってるの?」

「本人が堂々と吹聴しまくってた」

「どんだけ嬉しいのよ。ま、浮かれるのも無理ないけどね。だって、これから先の人生で、アイツが女の子とデートをするなんてビッグバンが起きても有り得ないだろうし」

「それは言い過ぎ……でもないか。うん」

 

 なんつーか……本日もJKの口撃力は半端じゃないな……。

 こんなの、もしも自分に向けられていたら、その日の内に絶対に自殺するわ。

 自業自得とはいえ、なんとも哀れな少年だ。

 

「そもそもさ、本当に付き合ってる訳?」

「みたいよ?」

「いや、割とマジな話さ。兵藤の奴さ、完全に騙されてない? だって、普通に考えておかしいでしょ。いきなり隣町の子が告白してくるとか」

「そうだね~。もしかして美人局だったり?」

「高校生相手に、そんな事をするのかな?」

 

 す…鋭い…!

 最近の女子高生は勘が鋭いんだな……。

 さては、名探偵コナンを愛読しているな?

 

「美人局ならまだマシでしょ。もしかしたら、兵藤の奴に恨みを持つ誰かが、その子に依頼をして復讐代行を企んでるとか……」

「それは流石に漫画の見過ぎ」

「そうかも……。でも実際さ、マジで刺されても不思議じゃない事は沢山してる訳だし、恨みは確実に買ってるでしょ」

「それには同感。これ、本気でヤバい事とかにならないよね? どこかに連れ込まれて、そのまま包丁でお腹を刺されたりとか……。あのエロ兵藤なら、少し誘惑すれば簡単に引っかかりそうだし……」

 

 ちょっとっ!? ここにニュータイプがいますよ~!

 地球育ちのティファ・アディールみたいなニュータイプがいますよ~!

 幾らなんでも鋭過ぎでしょ! 完全に未来予知してるでしょ!

 

「ちょ…やめてよ! 冗談キツすぎだって!」

「ははは……ごめんごめん。でもさ、もしもあいつが死んでいなくなったら……」

「最高。この学園に平和が訪れる。ついでに、取り巻きの二人も死んでくれないかな~」

「そっちだって冗談キツイって!」

「まぁ…流石に死ぬは言い過ぎかもだけど、普通に逮捕とかされると嬉しい」

「そのまま退学になれば文句なしだね」

 

 ……どんな世界でも、女子高生って怖いんだな……。

 冗談でも言っていい事と悪い事があるでしょうに……。

 彼女達の気持ちは分からなくはないけど、ちゃんと反省して更生してくれるのなら、それに越した事は無いと思ってるよ?

 姫だって、幾ら世間からの評価が酷くても、無暗矢鱈にアンチなんてしたくはないしね。

 

(今度の日曜にデート…か)

 

 ってことは、来週の今頃には、もう彼は人間としての生を終えて悪魔に生まれ変わっているって事なのか。

 トラウマは残るかもしれないけど、もう少しで君のハーレムライフが始まるんだから、それまでの辛抱だよ。原作主人公君。

 そして、姫のいない所で精々、エロ&バトルな日々を送ってくれたまえ。

 

(今日も刑部さんが可愛くて辛い……)

(もう三年だぞ! いい加減に勇気を出して告白すべきだろ俺!!)

(他の男共には絶対に渡さないわ! 私から告白して、そのまま美しき百合の世界に……)

 

 ……またなんか変な視線を感じる。

 誰かが姫の変な話でもしてるのかな……?

 

 

 

 

 

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・・

 

 

 

 

 そして、運命の日曜日。

 お外はとってもいい天気。デートをするには打って付けの日だね。

 ……姫には少しも関係ないけど。

 今までも、これからも、姫には永遠に縁のない単語だからね。

 

「さて…と。原作主人公君たちがリア充(偽)をしている時に、姫は姫で世界中の仲間達と頑張りますかね…っと」

 

 自分の部屋にある机に座り、その上にあるデスクトップ型のパソコンに向き合う。

 スイッチを入れ、すぐにネットに繋いでから目的のネトゲにログインしロビーに入る。

 

「あ。もう皆来てる。まだ朝の9時ぐらいなのに。やっぱ、日曜日は皆して暇してるんだな~。まぁ、姫もだけど」

 

 因みに、姫の部屋着は基本的にジャージと初期姿の時に被っていたピンク色のフードです。

 これで姫がデフォルメ化すれば、完全にうまるちゃんだね。

 『干妹! ひめこちゃん!』で誰か連載とかしてくれないかしら。

 

「誰かが話しかけてきた。これは…『ナイスミドル堕天使』さん? この人も来てたのか。なになに……『もうすぐ大物のレイドバトルが始まるから、レベル高い連中を誘ってから一緒に行こうぜ』…ね。この人もいきなり凄い事を言いだすなぁ~……」

 

 初っ端からいきなりレイドバトルとか……まずは慣らし運転をする為に、其処ら辺の雑魚的でも狩るもんじゃないの?

 今の姫たちにとっての雑魚って、他のプレイヤーからすれば最上級クラスのモンスターだけどね。

 だって、姫を含めた今いるギルドの皆のレベル&装備が激強すぎて、それぐらいでもしないと歯応えすらないんだもん。

 

「だから気に入った」

 

 当然、姫は行ってくる。

 すると、他の皆もそれに賛同し始め、一気にメンバーが集まってきた。

 

「お? 『レッドフェニックス』さんに『ドラゴンボール』さん。それに『中華万歳』さんと『ハーフバロール』さん。錚々たるメンバーが集まってきたね……」

 

 現在、我がギルド『超絶縦長魔城チェイテピラミッド姫路城』における最高戦力達じゃないか。

 これは、今度のレイドバトルも楽勝間違いなしじゃん。

 

「にゅっふっふっ……! これは面白い日曜日になりそうな予感……!」

 

 姫は姫でネットの中で頑張るから、君も君で頑張りたまえ!

 幸運を祈る! 兵藤一誠くん!

 

 

 

 

 

 

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・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「あ~…うぁ~…」

 

 あれから殆どぶっ続けでネトゲをやっていた結果、いつの間にかお外は真っ暗になっていました。

 夢中になりすぎて、マジで気が付きませんでした……。

 

「そういや、まだ碌にご飯も食べてなかったなぁ~……」

 

 椅子から立ったのはトイレの時だけで、それ以外の時はずっと座ってたからね~。

 流石に女子高生の身でペットボトルにおしっこは出来ないからね。

 そこら辺はちゃんと弁えてるよ?

 

「今頃……原作主人公君はレイナーレにぶっ刺されて、そこにリアス・グレモリーが例のチラシを介してやって来て、そのまま悪魔になってるんだろうなぁ~…」

 

 時間的に考えて、もう彼の家に行っている頃かな?

 そして、明日の朝には全裸でベッドの中にいる彼女の姿にビックリ仰天するんだよね。

 そこから本当の意味で物語が始まるわけだ。

 

「お腹空いたぁ~……」

 

 流石に無茶し過ぎたかな~…。

 疲れてしまったのか、皆も解散してロビーには誰もいなくなってるし。

 そろそろ姫も止めるとしようかしらね。

 

「ぽちっとな」

 

 ログアウトしてからパソコンの電源を切る。

 そこから、ゾンビの如き動きで冷蔵庫まで歩いていく。

 今の姫の姿を見られたら、クリスやレオンにヘッドショットされるかも。

 

「……何も無い」

 

 そういや、今日は買い物になんて行ってないんだった。

 買い溜めとかもしてなかったし……どうしよう……。

 

「買い物に行かなくちゃ……けど…超絶だるいしな~……」

 

 めっちゃ疲れてるから、このまま家から一歩も出たくない……。

 けど、お腹空いてるからどうにかしないとだし……。

 

「取り敢えず…シャワーでも浴びてスッキリしようかな……」

 

 そうしよう。そうした方が良い。

 まずは体を流してリフレッシュだ。

 ご飯の事はそれから考えよう。

 

「はぁ……誰でもいいから、姫にご飯を作ってくれないかな~……」

 

 この時、姫は気が付いていなかった。

 鞄の中に入れっぱなしになっていたチラシが光っていた事を。

 姫の迂闊な発言が、自分の日常を壊す羽目になる事を。

 

 

 

 

 

・・・・・

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・・・

・・

 

 

 

 

「ふぅ~…♡」

 

 シャワーを浴びて身も心もスッキリした姫は、髪をタオルで拭きながらバスタオルで体を覆った姿で部屋に戻る。

 なんかもう色々と面倒くさくなってきたので、このまま裸で寝てやろうと思う。

 

「…………え?」

「へ?」

 

 えっと……なにこれ? どうなってるの?

 この家にいるのは姫一人だけの筈で、誰かが訪問してきた気配はない。

 玄関の扉だって開いてない…よね? 多分。

 さっきまで、部屋には姫以外には誰もいなくて、ちゃんと鍵も掛けていたから、誰も入ってこれない筈なのに……なのに……どうして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの『姫島朱乃』が姫の部屋にいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…貴女は確か……別のクラスの刑部さん……?」

「な…なんで……?」

 

 姫、別に何もしてないよね? よね?

 原作キャラとは全く接点とか無かったし、作ろうともしなかった。

 けど、それなら、この状況はどゆこと?

 やばい、混乱しまくって頭が上手く働かない。

 もうちょっとだけ頑張れよ! 姫の脳野郎(ブレイン)!!

 

「ひ…姫島さん…だよね? どうして姫の部屋に……」

「それは、『召喚チラシ』に呼ばれて…って、それよりもまずは着替えて!」

「あ…ひゃい!」

 

 この状況で噛むとか、本当に姫ってばカッコ悪い……。

 

「私は廊下に出てるから。着替え終わったら教えて頂戴ね」

「う…うん」

 

 彼女の迫力に負けて、姫は渋々と服を着ることに。

 適当にクローゼットから出した『働いたら負けTシャツ』と下着をつけただけだけど。

 シャツのサイズが大きいからショーツは見えてない。

 これなら大丈夫でしょ……恐らく。

 

「あの…着替えました」

 

 ドアをそっと開けてから、本当に廊下で待っていてくれた姫島さんを改めて部屋に入れた。

 

「お邪魔します」

「ど…どうぞ」

 

 まさか、原作キャラとの初邂逅が、こんなにも唐突な事になるとは……。

 未だに意味不明すぎて頭の中がパッパラパ~です。

 

「こうして貴女と話すのは初めてですわね。隣のクラスの姫島朱乃ですわ」

「えっと…刑部姫子…です」

 

 今更過ぎる自己紹介。

 こっちはそっちの事をめっちゃ知ってるんだけどね。

 

「それで…どうして姫島さんは姫の部屋に……」

「刑部さんは、こんなチラシをどこかで貰わなかった?」

 

 そういって彼女がスカートのポケットから取り出したのは、姫が前に街かどで貰った例のチラシだった。

 

「う…うん。前に街で買い物をした時に……」

「私は、そのチラシによって、ここに来たんですわ」

「え…っと……?」

 

 ど…どゆこと?

 いや、そのチラシの事も、その効力の事も姫はよ~く知ってるけど、別に姫はそれを使ってなんかいませんよ?

 

「もしかして…無意識の内に使ったの?」

「た…多分……紙は鞄の中に入れっぱなしだし……」

「やっぱり……。道理で、召喚された時に部屋にいなかった筈だわ」

 

 仕方ないじゃん! まさか、触りもしてないのに効果が出るだなんて想像もしてなかったし!

 いや待てよ? 原作でも兵藤一誠は無意識のままチラシを使ってたよね?

 ってことは、あのチラシってハンドフリー機能付き? 嘘でしょ?

 

「しかも、その様子だと、私達の事も全く知らない感じだし……」

 

 いや、本当は超知ってるけどね。

 そんな事を言えば絶対に目を付けられるから、ここは黙っているけど。

 

「まぁ…いいわ。知らないのなら知らないに越した事は無いんだし」

「はぁ……」

 

 およ? 思ったよりも話が分かる?

 

「とにかく、私は貴女の願いを叶えにやって来た。今はそういう事にしておいてくださいな」

「わ…分かりました」

 

 同級生だと頭では理解してるけど、どうしても恐縮してしまう。

 同じ女子高生でもオーラが違うんだもん!

 ここまでの『大和撫子オーラ』は姫には絶対に出せません! 無理! 不可能!

 

「それで? 刑部さんは何が御望みなのかしら?」

「えっと……」

 

 姫の望み? そんなのあったっけ?

 来月発売の新作ゲームを確実にゲットしたい?

 それとも、今度の夏コミに確実に受かりたい?

 もしくは……。

 

 ぐぅ~……。

 

「「あ」」

 

 ……思い出した。姫、お腹が空いてるんだった。

 はっ!? もしかして……。

 

「まさか…シャワーに行く前に呟いたことが原因で……?」

「何を言ったの?」

「『誰かがご飯を作ってくれないかな~』って……」

「ご飯……刑部さん。ご両親は?」

「いないよ。姫が小さい頃に病気で死んじゃった」

 

 って事にしてあるらしい。本当は最初からいなかったけど。

 それだと怪しすぎるから、神様のジジイが姫の両親を偽造しておいた…みたい。

 

「ご…ごめんなさい。知らなかったとはいえ…私……」

 

 そういや、彼女も母親を幼い頃に亡くしてるんだっけ。

 似たような立場の姫に同情でもしちゃった?

 されたらされたで、逆にこっちが気まずいんだけど……。

 

「刑部さん」

「は…はいっ!?」

「先程のお詫びも兼ねて、私が貴女に美味しいご飯を作ります! 少しだけ待っててくださいな!」

「い…いや、別に姫は気にしてないし……」

「この時間だと、まだあそこのスーパーが開いてる筈……」

 

 聞いてないし。

 もう適当にカップ麺とかで済ませるから、とっとと帰っていいよ?

 そんな風に言えれば、どれだけいい事か……。

 

「では、ちょっとそこまで買い出しに行ってきますわ」

「あ……」

 

 有無を言わさず、姫島さんは部屋から出て行ってしまった。

 姫……これからどうなっちゃうの?

 兵藤一誠くんや…君は今頃、リアス・グレモリーと一緒に寝てるのかな……。

 姫はまだまだ寝れそうにありません……。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一誠がどうなったかは次回辺りに明らかになるかも。

それと、ここで一応の忠告ですが、この作品は決して『一誠アンチ』ではありません。

確かに嫌いではあるし、痛い目には遭わせたいけど。




これからの展開に関する質問です。

  • 逆ハーレム!
  • 百合ハーレム!
  • どっちもありのドタバタ系ラブコメ
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