お姫ちゃんは引き篭もりたい ~TS系オタク転生者美少女の生存戦略?~ 作:とんこつラーメン
本当なら、一つの話に収めるつもりだったのに……。
それと、今回はちょっとだけ飯テロかもです。
お腹が空いたら、自己責任で何か食べてください。
現在、
なんでかというと、それは目の前に広がっている光景が原因です。
「お…おぉ~…!」
「取り敢えずは、こんな所でしょうか……」
ふっくらと炊かれた白米に、美味しそうな焼き魚とふわふわの出し巻き卵。
さっきからいい匂いが漂ってくるきのこのお味噌汁に、きゅうりのお漬物と納豆。
なんだ!? この絵に描いたかのような最強の和食セットは!!
こんなにも美味しそうな食事、冗談抜きで超絶久し振りなんですけどっ!?
ぶっちゃけ、前世の就職後以降から碌な食事をしてなかったから、こんな風な食事は五年以上振りかもしれない。
「ほ…本当に姫が食べてもいいの?」
「勿論。その為に作ったんですもの」
おおおぉぉ……!
原作のイメージが先行し過ぎて、姫島朱乃ってキャラは情緒不安定なSM少女って感じしかしてなかったのに、まさか…ここまで家庭的な女の子だったとは…!
さっきから、姫のお口の中は涎が溢れて止まりません。
「い…いただきます!」
置かれている箸を手に取り、まずは炊き立てのご飯をぱくり。
「んんんぅぅ~♡♡」
これが…これがご飯の本来の味なのか~!?
姫が普段から食べているコンビニ弁当とは月とすっぽんだ……。
日本人って、こんなにも美味しい食べ物を昔から食ってたの?
「お次は、このお魚を……んっ!?」
こ…これはっ!?
中までしっかりと火が通っていて、口に入れた瞬間に身が解れていく…♡
骨もちゃんと丁寧に取られている上に、塩味が効いてて醤油なんて必要なし!!
「ここで納豆投入……!」
よ~くかき混ぜてから、少し減ったご飯にとろ~り……。
納豆って、こんなダイヤモンドみたいな輝きを放ってたっけ……?
「あむっ! んんんんん~♡♡♡」
納豆最強~!!
日本人に生まれてよかった~!!
「この出し巻き卵も超美味し~♡」
どれもこれもがご飯と相性が良すぎる……!
他のおかずを食べる合間に口に入れるきゅうりのお漬物も最強。
まるで、和食の奏でるオーケストラや~!
「はぁ~…♡ このお味噌汁…赤味噌だぁ~…♡」
姫は基本的に、そのお味噌も大好きではあるけれど、一番好きなのは赤味噌。
この、独特の濃い味が溜まらないんだよね~!
「お気に召したようでなによりですわ」
「最高だよ姫島さん! あぁ~…姫も、こんなお嫁さんが欲しいなぁ~…」
「えぇっ!?」
さっきからお箸が全く止まりません。
お腹が空いてたってのもあるけど、それ以上に料理の全てが美味しすぎて、姫の食欲を物凄く刺激してくるんだよ!
後で測る体重計の事なんて気にしてられるか!
生き物として、目の前にある美味しい食べ物をお腹いっぱい食べて何が悪い!
今夜の姫は、久し振りに食欲全開だぜぇ~!!
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「御馳走様でした!」
「お粗末さまでした」
その後、姫は当然のように全て完食。
ここまでして貰って残すなんて論外だし、それ以前に残すような部分が一つも無かった。
「ぷはぁ~……姫、こんなにもお腹一杯になったのって初めてかも……」
「普段の食事はどうしてるんですの?」
「基本的にコンビニ弁当か、カップ麺とかだよ。姫、お料理とか無理だし」
「なんですって……?」
あ…あれ? 姫、何か地雷踏んだかな?
一気に姫島さんの顔が怖くなってるんだけど……。
「幾ら独り暮らしとはいえ、年頃の女の子がそんな偏った食事をするなんていけません!!」
「ひゃ…ひゃい! ごめんにゃさい!!」
確かにその通りなんだけど! 姫が悪いのは明確だけど!
そこまで怒るような事なのッ!?
「全く…そんな事だと、いつか体を壊すわよ?」
「う…うん……」
今の所、そんな兆候は無いんだけどな~。
前は食事で体調崩す前に、仕事のし過ぎで体が壊れてたからね。
そもそも、食事の回数すらめっちゃ減ってた気がする。
前世で最後に食べたのってなんだっけ……?
カロリーメイト?
「はぁ……なんだか心配だわ」
「えへへ……」
心配されちった……。
誰かに心配されるとか、いつ振りだろ……。
「それはともかくとして、決まりとして何か『対価』を貰わないといけないのよね……」
「対価?」
「そうなの。契約の証として何かを貰う事で、本当の意味で仕事が完了するの。何かある? この際、なんでもいいのだけれど……」
「対価…か……」
姫にあげられる物って何かある?
そりゃ、こんなにも美味しいご飯を御馳走して貰ったんだから、姫としてもそれ相応のお礼をしたいけど……。
(姫が今持ってるのって言えば、大抵がゲームか漫画かドラマCDかパソゲーかフィギュアか同人誌ぐらいだし……)
やヴぁい。どれ一つとっても、この極上のご飯に釣り合わない……!
こんな時に限って、どうして姫は常識的な物を何一つとして持ってないのよぉ~!?
姫のバカバカバカァ~!!
「あの…本当になんでもいいのよ? 大事なのは『貰う事』だから」
「そう言われてもなぁ~……」
親切心からそう言ってくれてるんだろうけど、姫的にはそれでは気が済まない。
だって、買い物までしてきて料理してくれたんだから、ちゃんとそれに見合う物をお返ししないとダメでしょ!
「……そうだ!」
そういえば、確か『アレ』が押入れの中にあった筈!
アレならきっと対価として充分に釣り合うよ!
「え~っと…どこだったかな~……」
押入れの戸を開けてから中をゴソゴソ。
ちゃんと見つかるか不安だったけど、意外と簡単に目的のブツは発見出来た。
「あった!」
これだよこれ!
ボス、こんなところにありましたよ!
「はいこれ! 受け取って!」
「これは……カード?」
「うん! それはね、姫が一年生の時にとある大会に出場して優勝した時に賞品として貰ったカードなの!」
「えぇっ!? そんな大事な物、貰えないわっ!?」
「大丈夫! 持ってても、もう使わないし! 多分、今じゃかなりのプレミアがついてる筈だよ! なんせ、割と本気で世界に一枚しかないし!」
「それなら猶の事、貰えないからっ!?」
「でも、渡せる物って言えばそれぐらいしか思いつかないし……」
はぁ……本当は、もっとしっかりとした代物が良いんだろうけど……こんな形でしかお礼が出来ない自分が恥ずかしいなぁ~……。
これからは、もっとしっかりと生活しようかな……。
「もう……これでいいわ」
「ホントッ!?」
「えぇ。そんな悲しそうな顔をされたら、無理なんて言えないし」
「やった!」
超激レアではあるけど、失って惜しむような物じゃないしね!
カード一枚で姫島さんにご飯のお礼が出来るのなら安いもんだよ!
「最後に、私と携帯の番号交換とかをして貰える?」
「姫の携帯と? なんで?」
「純粋に刑部さんのことが心配だから。まさか、自分の同級生がこんな食生活をしていただなんて思いもしなかったし」
「面目ありません……」
これに関しては反論のしようがないので、姫は大人しく姫島さんとメルアドとかを交換しました。
「これでよし…と。それじゃあ、私はもう行きますわね?」
「う…うん。えっと…今日は本当にありがとう。とても美味しかったよ」
「……その笑顔は反則よ」
「ふぇ?」
反則って何が?
「お…おやすみなさい。また…明日ね」
「また明日」
女の姫でも見惚れるような笑顔を浮かべながら、姫島さんは部屋から出て行った。
去り際の顔が赤く見えたのは気のせいだったのかな?
今日は…良い気持ちで熟睡出来そうだ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「う…ん……?」
カーテンから差し込む日差しが瞼を刺激する。
姫は、目を擦りながらゆっくりとベッドから起き上がった。
「ふわぁ~……」
まだ完全に頭が覚醒しきっておらず、昨夜の出来事を一つずつ思い出す。
「昨日は……例のチラシが暴発して姫島さんが来て……それでご飯を御馳走になって……」
あのご飯は本当に美味しかったなぁ~♡
許されるなら、また食べたいなぁ~……。
「……ん?」
思わず頬に当てた左手に奇妙な違和感を感じた。
まるで人肌じゃないような、金属の塊のような物に覆われているような…そんな感覚。
妙にほっぺがチクチクするし……。
「え? 姫の手ってそんなにも肌荒れしてるの?」
まさか、適当な食生活のツケが今になって襲い掛かってきて……てぇっ!?
「……なに……これ……?」
姫の白魚の様な手(自称)が、どこかで超見た事のあるような真っ赤な手甲に覆われてるんですけど……。
『ようやく起きたか。かなりぐっすりと寝ていたな。相棒』
「姫の手からマダオの声が聞こえてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!?」
『マダオって言うなっ!! それを言われると何故か腹が立つ!!』
こ…これって間違いなく、兵藤一誠の『
え? なんで? なんでそれが姫の腕にくっついてるの?
「あ…そっか。これは夢だ。そうだよ。こんなの有り得るわけないじゃない。そうだそうだ。姫はまだ夢の中にいるんだ」
あははははは! な~んだ! 夢か~!
道理で変だと思ったよ~!
にしても、妙にリアルな夢だな~!
感触までちゃんと再現してるだなんてさ~!
『現実逃避をしているところ申し訳ないが、これは紛れもない現実だぞ』
「またまた~♡ そんなわけないじゃん! そもそも、これの本来の持ち主は兵藤一誠君っていう後輩の男の子であって……」
『それは、ツンツン頭に常日頃から胸の事ばかり考えている変態男の事か?』
「そうそう! でもね、ああ見えても意外とやる時はやる性格なわけで……」
『その男なら、昨夜に堕天使の女に刺されて死んだぞ?』
「知ってるよ~。で、その直後に赤い髪の女の子の手によって悪魔に転生したんでしょ?」
『いや、そのまま普通に出血多量でショック死したが?』
「………………ハイ?」
し…死んだ? 誰が? 兵藤一誠が? なんで?
「そ…そんなわけないじゃん。だって、あの子がいないとお話が成立しないっていうか……」
『お前が何を言っているのかは知らんが、俺は嘘は言ってないぞ』
「で…でも……」
籠手の中にいる龍…ドライグが極めて冷静な口調で姫に事実を告げてくる。
けれど、姫の頭はそれを受け入れる事を拒否していた。
「そ…そうだ! ニュース!!」
もしも本当に兵藤一誠が死んでいるのなら、絶対にニュースとかになってる筈!
普段から事件とかとは無縁の駒王町だから、殺人事件とかあれば絶対に朝一番からニュースが流れてるに決まってる!
ドライグの言っている事を確かめる為、姫は急いでリビングまで行ってテレビを着けた。
すると、ニュースキャスターのお姉さんが残酷な現実を告げた。
『こちら、駒王町の中央公園です。普段は町の人々で賑わうこの場所で、凄惨な殺人事件が起こりました』
公園……確か、原作でも彼が襲われたのは公園だったよね……。
『被害者の名前は【兵藤一誠】さん。16歳。駒王学園に通う二年生で……』
その名前が出た途端、姫は手からリモコンを落として、その場に崩れ落ちた。
「ほ…本当に…死んでる……?」
『あの堕天使共……自分達の正体が絶対にバレない自信があるのか、敢えて死体をそのままにして、人間達の記憶も残したままにしたな。自分達以外を見下す下級の堕天使達の典型的なミスだな』
ちょ…なんでよ? あの夜、リアス・グレモリーが現場に駆けつけて、彼の事を『
今頃は彼の自室のベッドの上で二人仲良く寝ているんじゃ……。
『あいつが死んだ後、俺は自分の意志とは関係なく何処かへと引っ張られるような感覚に襲われた。で、気が付いた時にはお前の中にいた』
姫が何も聞いてないのに、ドライグが勝手に姫の中にいる事情を話してきた。
けど、ショックで混乱している姫にはそれをちゃんと聞く気力は無く、半ば聞き流していた。
『普通ならば、そのまま俺は次世代の赤龍帝が誕生するまで眠りに付く筈なのだが、今回は奴が覚醒する前に死亡したせいか、例外扱いとなってしまったんだろう。それで……』
「姫の所に来た……?」
『多分な。人間でありながらも潤沢な魔力を持っているお前ならば、俺としても文句は無い。なにせ、あの男は魔力量も少なかった上に、どう考えてもこれから先、俺の能力を十全に使いこなせるようには見えなかった。寧ろ、これで良かったのかもしれん』
「いや…そんな事は無いよ……彼の方が姫なんかよりもずっと……」
そうだよ……そうじゃなきゃ……何も始まらないじゃない……何も解決しないじゃない……誰も救われないじゃない……。
「うっ……!」
『ど…どうしたっ!?』
急激なストレスで生理痛の様な激痛が……!
痛すぎて動けない……!
(今日は…学校休も……)
姫の事を心配してくれた姫島さんには悪いけど、こんな状態じゃ学校になんて行けないよ……。
まずは…状況の整理とかして…ドライグにも色々と話を聞かなきゃ……。
なんで…なんで死んじゃったのよぉ……。
君は……主人公でしょ……。
一誠、まさかの死亡。
でも、このままじゃ終わりませんよ?
ちゃんと救済処置は考えています。
ヒントはドラゴンボール方式。
別に生き返るわけじゃないですからね?
これからの展開に関する質問です。
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