光輪の侍は平穏を望む   作:レイ1020

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今回でやっと決着がつきます!


其ノ拾伍 激闘の行方

「カナエよ・・・・・・よくぞ持ちこたえてくれた。後は任せるが良い・・・・・・」

 

 

 

件の村に着くこと数分、目的であったカナエを見つけた私はすぐさまその場に駆けつけ、カナエを庇う様に上弦の弐らしき鬼の前に立った。何やら私たちの頭上から氷の柱の様なものがいくつも降り注いできているが・・・・・・。

 

 

 

「この程度の攻撃など・・・・・・”光の呼吸”【輝月蓮華】!」

 

 

 

私にとって、問題はさして無かった。これだけの量の氷の柱が降り注いでくるのであれば、一つ一つ壊すのではなく、一度にまとめて壊してしまえば良いだけの話だったからだ。そのような時にこそ、この広範囲を射程範囲とする【輝月蓮華】が生きてくるのだ。

 

 

予想通り、私が放った幾多の光輪の斬撃は眩い光を放ちながら、降り注ぐ全ての氷の柱を壊していった。全ての柱を壊した私は、目の前の上弦の鬼には目もくれず、カナエの方へ視線を向けた。

 

 

 

「無事であるか?見たところ、足を負傷しているようだが?」

 

 

 

「大丈夫です。少し斬られただけですから・・・・・・それにしても、相変わらず昌継さんは凄いですね?さっきの攻撃をこんな簡単に・・・・・・」

 

 

 

「何を言う・・・・・・私など・・・・・・縁壱兄上に比べればまだまだ未熟・・・・・・」

 

 

 

「過度な謙遜は嫌味になりますよ?・・・・・・全く、昌継さんはもっと自信を持ってください」

 

 

 

「・・・・・・?そうか・・・・・・わかった」

 

 

 

どこか呆れたように言うカナエに私は首を傾げながらも頷く。これだけ話せるほど元気であれば、とりあえず大丈夫であろう。それだけでもわかった私はカナエを退かせた後、ほっと息を吐く。そんな中、蚊帳の外であった目の前の上弦の鬼が口を開いた。

 

 

 

「ねー?急に来たけど・・・・・・キミ、誰かな?今、カナエちゃんを救ってあげようとしてるんだから邪魔しないで欲しいんだけど?」

 

 

 

「救う?・・・・・・ほう?其方がどのようにしてカナエを救うと言うのだ?」

 

 

 

「ん?決まってるでしょ?・・・・・・喰べるんだよ!それでその子は救われるんだ!」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

私の刀が赫みを帯びていく・・・・・・。私の鞘を握る手の力がどんどん強くなっているせいだ。

 

 

 

「人間は誰しもいつ来るかわからない死に怯えてる。だから俺が喰べてあげてるんだ!そうすれば、俺の中で一緒に生きていけるでしょ?だからみんな幸せなんだ。”万世極楽教”の教祖として、これほど嬉しいことは・・・・・・・・・・・・へっ?」

 

 

 

目の前の鬼が喋り終える前に、私は奴の懐に入り込み、奴の右腕を斬り落とした。

 

 

 

 

「・・・・・・もう話さずとも良い。貴様がどのような鬼か・・・・・・どのような愚物な鬼かわかったであるからな・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・随分と乱暴だね〜?でもね?こんなのすぐに・・・・・・・・・・・・え?なんで?治らな・・・・・・い?」

 

 

 

なぜ治らない?そう言いたかったのだろうが、私の赫刀の斬撃を受けた者は鬼であってもそう簡単には再生は出来ない。例えそれが・・・・・・上弦の鬼だったとしてもだ。

 

 

 

「冥府へ送る前に一つ聞こう。貴様は・・・・・・()()()はこの世の平穏を脅かして何が楽しい?人を・・・・・・命を・・・・・・この美しき世を脅かして何が面白い?」

 

 

 

「(何だ?・・・・・・似たような言葉をどこかで聞いたような・・・・・・!!違う!これは・・・・・・無惨様の細胞の記憶・・・・・・この男じゃないけど似たような男の言葉が浮かんでくる・・・・・・この男は一体?)」

 

 

 

「聞く耳も持たぬか・・・・・・ならば死ぬが良い・・・・・・」

 

 

 

「くっ・・・・・・血鬼術【霧氷・睡蓮菩薩】!!」

 

 

 

私が刀を振り上げると同時に、奴は何やら巨大な氷の仏像のようなものを生み出した。・・・・・・最後の足掻きといったところか?

 

 

 

「はは!キミって今まだ戦ってきた鬼狩りの中じゃ一番強かったけど、ここまでだね?俺がこの技を出して生きて帰った人間はいないんだ」

 

 

 

「・・・・・・ならば私がその始めの一人となろう。・・・・・・そして言っておくが、先ほどから出してる妙な氷の霧は私の赫刀の熱と私の体温で蒸発しているぞ?・・・・・・無駄なことは止すのだな?」

 

 

 

「っ!!(そうか・・・・・・だからこの男は呼吸を使っても問題なかったわけか・・・・・・)」

 

 

 

私の放った言葉に奴は心底驚いたようだ。話していなかったが、私は戦いの場となると体温が三十九を超える。それは縁壱兄上も同じであった。それが何故かはわからぬが、いずれにせよそれが原因で先ほどからある霧は私の目の前で蒸発するのだ。

 

 

 

「それでも、この子は倒せないでしょ?さっさと倒され・・・・・・」

 

 

 

「造作もないであるな。・・・・・・”光の呼吸”【幻光一閃】!」

 

 

 

音速を超える光速並みの速さで私は目の前の雪の仏像に接近すると、そのまま仏像の頸を撥ねた(何やら仏像が冷たい息を吹きかけてきたが結局効力は無かった)。目の前に仏像の頸が落ちてきた事実に奴は、動揺と恐怖が混ざり合ったかのような表情をして見せた。

 

 

 

「嘘でしょ?こんなあっさり・・・・・・」

 

 

 

「死ぬがいい・・・・・・愚物が・・・・・・」

 

 

 

遺言を聞くまでもなく、私は容赦なく奴の頸を撥ね飛ばした。飛ばされた頸は地面にころころと転がると、やがて・・・・・・塵となって消えていった。

 

 

 

「ふぅ・・・・・・少し休むとしよう・・・・・・」

 

 

 

奴が消えゆく様を見届けた私は、橋の近くにあった切り株に腰を下ろし、暫しの休息を入れるのだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

「昌継さーん!」

 

 

 

「・・・・・・む?」

 

 

 

しばらく休んでいると、村の方からカナエやその他の増援として来たと見える隊士達がこちらに向かってきていた。カナエは負傷のためか、他の隊士達に肩を貸してもらいながらゆっくりと歩いていた。

 

 

 

「あれ?あの鬼は・・・・・・まさか?」

 

 

 

「うむ。少し前に滅したところだ。あそこにあの鬼の残骸があるであろう?」

 

 

 

「え?・・・・・・あぁ、確かに・・・・・・でもまさか、本当に上弦の鬼を倒してしまうなんて・・・・・・」

 

 

 

私が上弦の鬼を滅した事実にどう反応して良いのかわからないのか、カナエも他の隊士達も訝しげな表情を私に見せていた。

 

 

 

「上弦の鬼であろうが、鬼は鬼であろう?滅して何か問題があったか?」

 

 

 

「問題はないですけど・・・・・・そう言えるのは昌継さんだけですからね?・・・・・・でも、この事実は鬼殺隊にとっては今までに類を見ないほどの功績です。胸を張って良いと思いますよ?」

 

 

 

「そんな大層なことは・・・・・・・・・・・・いや、ここはその言葉を素直に受け取っておくとしよう・・・・・・」

 

 

 

先ほどカナエに言われたことを思い出した私は、微笑を浮かべながらその言葉を受け取ることにした。そして、今回の件をお館様に伝えようと産屋敷邸に足を運ぼうとした時だった。村の外から誰かが勢いよくこちらに向かってくる様子が見て取れたのだ。

 

 

 

「姉さん!!姉さんはどこですか!?上弦の鬼と交戦と言う知らせを受けてきたんですけど・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・しのぶ?」

 

 

 

「っ!!姉さん!よかった・・・・・・無事だったのね・・・・・・」

 

 

 

「ちょっと危なかったけれどね?・・・・・・でも、昌継さんが駆けつけてきてくれたからこうして生きているわ」

 

 

 

「・・・・・・昌継さん?」

 

 

 

駆けつけてきたその女子は、私の名を呟きながら私の方へと視線を向けた。この女子は見る限り齢十半ばぐらいの年頃であろう。カナエと同じような蝶の簪を髪にこしらえ、どこかカナエに似たような顔つきをした女子に見えた。

 

 

 

「あなたが、昌継さんですか?」

 

 

 

「ふむ、私を知っているのか?」

 

 

 

「ええ。姉さんが良く、私に話してくれたので・・・・・・。『私に稽古をつけてくれる強くて頼もしい剣士がいる』と」

 

 

 

カナエはこの女子に私のことをそのように話していたのだな。悪くはないが、あまり言いふらされても私が困るだけなのだがな・・・・・・。

 

 

 

「そうか。・・・・・・して、其方の名はなんと言う?」

 

 

 

「ああ、ごめんなさい。私は胡蝶しのぶ。このカナエの妹です」

 

 

 

そうか、と私は納得をする。顔立ちも似ているのだが、尚且つ漂わせる雰囲気もまたカナエに瓜二つだったからだ。

 

 

 

「すまぬな。其方の姉に怪我を負わせてしまった・・・・・・」

 

 

 

「い、いいえ!謝らないでください!あなたのおかげで姉さんは助かったんですから!」

 

 

 

「そうですよ昌継さん?むしろ自分が稽古をつけていた花柱のことを叱ったって良いんですよ?『なんて情けない姿を!』と」

 

 

 

わたわたと慌てながら取り乱すしのぶと、どこか茶化すように喋るカナエに私は困惑するばかりだった。どうにも寿々以外の女子と喋るのは苦手だったからだ。

 

 

 

「叱りなどせぬ。むしろ謝りたいぐらいだ。もっと私が色々と教授出来れば、きっとカナエも・・・・・・」

 

 

 

「だからそう自分を卑下にしないで下さい。ただ私に力が足りなかった・・・・・・それだけですから!」

 

 

 

「・・・・・・それで良いのか?」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

カナエの瞳には一切の曇りが無く、どこか汚れものが落ちたかのような顔つきになり、以前よりもたくましく見えた。これを見るに私は今日のことで今後カナエは、さらなる進化を遂げるだろうと確信する。進化への道は厳しく長いものになることは間違いないが、カナエであれば必ず乗り越えられると信じるのだった・・・・・・。

 

 

 

私は、その道が少しでも緩やかになるよう、手を貸すことにしよう・・・・・・。

 




カナエ救済です!その代わり、童磨には早々と退場してもらいましたが・・・・・・。そこはどうかご容赦を!



【大正コソコソ噂話】


しのぶは初めて昌継に会う前までは、カナエから聞かされてた情報を頼りにどんな人物かを想像していたらしく、本人は随分とガタイが良く、騒がしい人だと想像していたが、実際に昌継と会って心底驚いたらしい。




”光の呼吸”【幻光一閃】


光の呼吸の中で最速を誇る型。低い姿勢のまま居合の姿勢に入りそのまま目の前の相手を仕留める、単純だが高威力の型。光速並みの速さで動くため下弦はおろか上弦の鬼ですら、目で捉えることはできない。”雷の呼吸”壱ノ型【霹靂一閃】と似ているが、速さと威力は【霹靂一閃・神速】のおよそ十倍。それに加え、昌継の手によって脚や体への負荷が極限にまで減らされているため、連発して放つことも可能。

炭治郎の家族は助ける?助けない?

  • 助けて!
  • 助けないで!
  • 禰 豆子以外助けて!
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