光輪の侍は平穏を望む   作:レイ1020

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なかなかに話が進まない。


其ノ拾陸 帰参...そして新たなる戦いへ

 

 

 

「・・・・・・童磨が負けたというのか?」

 

 

 

誰に語る訳でもなく、無惨は青い彼岸花の調査の手を止め、一人ポツリとそう呟く。

 

 

 

「あの首飾りの鬼狩り・・・・・・あの者は確かに遠い昔に消した筈・・・・・・だが、なぜ今はこうして私たちの前に立ちはだかる?・・・・・・なぜ私たちを脅かすというのだ?これではあの化け物(縁壱)を相手にした時と変わらぬではないか・・・・・・」

 

 

 

以前にも増して身体の震えが治らない無惨はその場に膝をついていた。前回の黒死牟の時は、惨敗はしたものの生きて戻ってきていたため、自身の恐怖も今程ではなかったのだ。だが、今回は違う。童磨は上弦の鬼の中では一番の新顔ではあるが、それでも黒死牟の次に力があるとされている”上弦の弐”。その童磨が自分の元に帰ってくることなく滅されたとなれば、恐怖するのも至極当然のことだった。

 

 

 

「このままではいずれあの鬼狩りに・・・・・・・・・・・・いや、そんなことは絶対にさせぬ・・・・・・」

 

 

 

そう言い張る無惨だったが、その姿から普段のような威厳は全くと言っていいほど感じられなかった。とてもこの世を脅かす鬼の始祖とは思えぬほどに・・・・・・。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

上弦の弐の鬼を討伐した私たちは、その後お館様のもとへと帰参し今回の戦果を報告していた。何百年もの間、討伐出来ていなかった上弦の鬼を討伐したということもあってか、私たちの他にも柱達が全員集まっていた。

 

 

 

「そうか。・・・・・・ようやく上弦の鬼の一角を崩すことが出来たんだね。・・・・・・ありがとう、カナエ、昌継」

 

 

 

「いいえ・・・・・・私はほとんど何もやっていませんよ。昌継さんがきてくれなかったら私はおそらく今この場にはいないでしょうから・・・・・・」

 

 

 

「それでも、昌継がくるまでの間、必死でカナエは時間を稼いでくれたのだろう?それは立派に任務を果たしたと言えるよ。だから、そう言わないでくれ・・・・・・カナエ」

 

 

 

「・・・・・・はい」

 

 

 

これ以上否定するのは失礼と踏んだのか、カナエは静かに平伏する。

 

 

 

「それと昌継。君には本当に頭が上がらないね。まさかこうも簡単に上弦の鬼を討伐してしまうなんて・・・・・・。改めて君と共に歩める事が心強い事がわかったよ・・・・・・」

 

 

 

「お館様と日の本を生きる人々のためであれば当然のことでありまする・・・・・・。何かありましたらいつでも参上致しますゆえ、いつでもお申し付けを・・・・・・」

 

 

 

「ふふ・・・・・・昌継は謙虚だね。うん、わかったよ。今後ともよろしくね?」

 

 

 

「御意・・・・・・」

 

 

 

お館様の言葉に、私もカナエと同じように平伏をする。そして、その場は解散させられると、早速とばかりに柱の皆達が私とカナエの元に詰め寄ってきた。

 

 

 

「昌継!カナエ!すごいぞ!まさか上弦の鬼を倒すとはな!今の俺では絶対に無理だな!」

 

 

 

「嗚呼・・・・・・カナエもよくぞ生き延びた。お前も成長したのだな・・・・・・」

 

 

 

「昌継ゥ!せっかくきたんだから相手しろやァ!!」

 

 

 

「昌継さん、カナエさん、無事でよかったね」

 

 

 

「ははは!!こいつは派手に驚いたな!やっぱおめーはすげーやつだぜ!」

 

 

 

「昌継さん!上弦の鬼の倒し方を教えてください!」

 

 

 

「俺もよければご教授を・・・・・・」

 

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

このように、ひっきりなしで来る柱達に私もカナエもさすがに辟易しきっていた。だが、こんな慌ただしい状況もなんとなくであるが、賑やかで楽しいものだと考えている自分がいたのだ。

 

 

 

「はは、これは時間がかかりそうですね〜・・・・・・」

 

 

 

「ふっ・・・・・・だが、それもまた楽しいというものだ・・・・・・」

 

 

 

「そうですね〜・・・・・・」

 

 

 

二人で苦笑いを浮かべつつ、私たちはこの者たちの相手をするのだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

それから、さらに二年の月日が経った。あれ以来、私の名は鬼殺隊内に知れ渡ったようで、なぜかは分からぬが隊員達から崇拝されるようになったのだ。中には私の”光の呼吸”を教授してほしいと願い出てきた者もいたが、生半可な覚悟で会得できる程私の呼吸は安くはない為、私が課す条件を乗り越えた時のみ、教授しようと話したのだ。その結果、意外にも多くの隊士が残り、その者達に光の呼吸を教授することにしたのだ。現在は、その者らは私の屋敷の庭で鍛錬に励んでいる。

 

 

 

「教えるのもまた修行。・・・・・・これからどのようにしてあの者らに私の呼吸を教えていくべきか・・・・・・」

 

 

 

任務を終え、屋敷に戻ろうとしている中私は今後の指導の仕方を考えていた。というのも、言ってしまうとあの者達が私の呼吸の全ての型を習得するにはかなりの年月が必要と考えていたため、少し指導の方法を変えようということにしたのだ。【光閃】や【輝月蓮華】などは比較的近い未来に習得はできるやもしれぬが、問題は【光天の舞】だった。この型は以前にも話した通り、光の呼吸の型の中でも随一と言っても良いほどの体得の難しさを誇っている。柱達でさえ習得には一月を要した。それでも完全なる【光天の舞】とは言えぬものではあったが・・・・・・。

 

 

 

「そこもまた、何やら考えておかねばな・・・・・・むっ?」

 

 

 

そのような中、私は近くの山で妙な気配を感じとる。・・・・・・この感じはおそらく鬼なのだが、妙に気配が今までに感じたものよりもずっと鋭く感じたのだ。・・・・・・これはもしや?

 

 

 

「行ってみよう・・・・・・鬼であれば斬るのみだが・・・・・・」

 

 

 

辺り一面真っ白な雪景色で未だなお降り続ける雪の中、私はその妙な気配の正体を探るため、件の山へと足を踏み入れるのだった・・・・・・。




ようやく原作に入ります!


【大正コソコソ噂話】

昌継が課した条件という物を達成した隊士達は、次の日は刀どころか体を動かす事さえできぬほどの疲労感に襲われたらしく、もう二度とやりたくないとぼやいているらしい(どれだけの条件だったのかはご想像にお任せください)。

炭治郎の家族は助ける?助けない?

  • 助けて!
  • 助けないで!
  • 禰 豆子以外助けて!
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