光輪の侍は平穏を望む   作:レイ1020

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随分空いてしまい申し訳ありません。


原作編
其ノ拾漆 激闘 継国昌継 対 鬼舞辻無惨


私がその山に足を踏み入れる事数分、足がすっぽり埋まりそうなほどの雪をザクザクと踏みしめながら、私は山の中を散策していた。先ほど感じた妙な気配は、未だに感じられるのだが場所までは分からぬため、こうして目を凝らしながら異常がないか調べているのだ。

 

 

 

「気配は感じられる・・・・・・だが、どこから・・・・・・?・・・・・・むっ?あの家は・・・・・・」

 

 

 

そのような中、私の眼に一つの家が映った。少し離れた位置にあり、雪が降っていることもありかなりまばらだが、確かに家がある事がわかる。私は、この山のことと、何かこの辺りで異変が無かったかを聞こうとその家に向かおうとしたのだが、その家に近づくにつれて徐々に・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・気配が強くなった。そうか、あそこに・・・・・・」

 

 

 

鞘に手を掛けながら、私はそう呟く。あの家にはその鬼の気配の他に”数名”の人間の気配が感じ取られた。どうやら鬼に喰われているという状況で無いとわかり少しホッとする。だが、その鬼の気配的には・・・・・・鬼であるのは間違い無いのだが、どうにも今までの鬼とはどこか違う気配が感じ取れた。今まで感じた気配とはずっと・・・・・・濃い気配だったのだ。

 

 

 

「あの家の住人が心配であるな・・・・・・。無事であれば良いのだが・・・・・・」

 

 

 

鬼がいる以上、そこの家の住人の命があるという保証は一切ない事は私も重々承知。だが、僅かでも生き残りがいるという可能性もあるため、私は駆け足でその民家へと赴いた。

 

 

 

「もし、誰かおらぬか・・・・・・・・・・・・っ!」

 

 

 

扉が開いていたため、顔を覗かせる形で私は中にいる者に声をかけたのだが、中の”その光景”を見た途端・・・・・・・・・・・・刀を抜いた。

 

 

 

「貴様・・・・・・その女子に何をしているのだ?」

 

 

 

「む?・・・・・・ほう?ここら辺りに人の影は見当たらぬと思っていたのだがな?で、何をしている・・・・・・であったな?みてわからないか?この娘に”私の血”を与えているところだ。私は今、鬼を増やすことに尽力していてね?こうしていろいろなところで人間どもを鬼に変えているところなのだ・・・・・・まぁ、半分以上は私の血に耐え切れずに死に伏したがな?」

 

 

 

「鬼を・・・・・・増やすだと?・・・・・・・・・・・・っ!!まさか、貴様は!!」

 

 

 

「ふふふっ・・・・・・そうだ、鬼狩りよ。私こそ、鬼の始祖、鬼舞辻むざ・・・・・・」

 

 

 

「貴様を成敗する!!覚悟せよ!!!」

 

 

 

私は目の前の鬼が・・・・・・鬼の始祖、鬼舞辻無惨だということに確信を持つと、奴が話していることも厭わず、すぐさま斬りかかった。縁壱兄上でさえ、仕留めきれなかったこの男に私がどれだけのことをできるかは知らぬが、ここで会ったが以上対峙する他なかった。

 

 

 

「っ!随分と荒い鬼狩りだ。・・・・・・面白い!」

 

 

 

「・・・・・・むっ?躱されたか・・・・・・っ!(此奴・・・・・・心臓が7つも・・・・・・)」

 

 

 

私の攻撃をすんでのところで躱した無惨は、そのまま家の外へと出る。その際に、私は無惨の体を観察すると、驚くべきことに無惨には心臓が7つもあるということに気付く。つまり、一つの心臓を潰したところで、奴は死なずに活動を続けるということになるのだ。それに加え、鬼特有の再生能力もある故に、時間が経ってしまうと潰した心臓も元に戻ってしまう。おそらく、頸を斬り落としたところで此奴は死にはしないだろう。・・・・・・なるほど、縁壱兄上が仕留め損なうのもわかるというものだ。

 

 

 

「フハハ!どうした?来ぬのか?ならばこちらから行くぞ!!」

 

 

 

「ふっ・・・・・・ならば、再生する暇すら与えずに仕留めるだけのこと!光の呼吸【光天の舞】!」

 

 

 

無惨が自身の爪を私に向かって振り回してくるが、私はその攻撃を【光天の舞】でいとも容易くいなしながら、一瞬の隙をついて無惨の右腕を斬り落とした。

 

 

 

「むっ・・・・・・ほう?幾分かやるようだな貴様は・・・・・・。貴様、名を何というのだ?」

 

 

 

「鬼に語る名などありはせんが・・・・・・冥府へ送るついでに聞かせておくのも悪くは無いであろうな。・・・・・・私の名は継国昌継。大昔に貴様を追い詰めた継国縁壱の弟である」

 

 

 

私が、名乗りを上げると同時に、無惨は何故か元々青白かった顔をさらに青くし、妙に震え上がった。・・・・・・?私が何かしたのか?

 

 

 

「き、貴様・・・・・・が?貴様があの首飾りの男だと言う・・・・・・のか?」

 

 

 

「首飾り?・・・・・・もしやこれのことか?」

 

 

 

そう言いながら私は服の中に隠すようにして首から下げていた勾玉を無惨の前に差し出す。それを見た無惨は、ますます震えを大きくしながら私のことを見据えていた。

 

 

 

「やはり貴様・・・・・・が・・・・・・」

 

 

 

「もはや口にすることは何も無い。鬼舞辻無惨!貴様はここで私が仕留める!」

 

 

 

「くっ・・・・・・」

 

 

 

何やらまだ何か口にしそうな雰囲気をしていたが、もはや鬼と語ることなど何もなかった私は、すぐさま此奴を討伐するべく行動を移した。

 

 

 

「参る・・・・・・。”光の呼吸”【幻光一閃】!」

 

 

 

「なっ・・・・・・この素早さは・・・・・・あの耳飾りの男以上だと!?ば、馬鹿な・・・・・・」

 

 

 

「頸を落とされても口を開けるとは流石であるな。流石鬼の始祖というだけではあるな。だが、その口もすぐに聞けなくさせてくれよう・・・・・・ふっ!」

 

 

 

呼吸で無惨の頸を落とし、その際に心臓を三つほど潰した私は、残りの心臓も全て潰すべく追い討ちをかけに向かった。

 

 

 

「”光の呼吸”【光閃】!【円光遮断】!【照魂刺突】!」

 

 

 

「ぐっ・・・・・・ぐわっ!!・・・・・・ば、化物め・・・・・・」

 

 

 

「鬼である貴様に言われたくは無い。さて・・・・・・四肢や頭部に存在していた心臓は全て潰させてもらった。・・・・・・残るはその貴様の胸にある心臓で最後だ。・・・・・・覚悟は良いか?」

 

 

 

私の度重なる追撃により、無惨はまさに見るも無惨に、両手両足を切断され、頸も雪が積もる地面に転がったまま放置状態に陥っていた。7つあった心臓も残りは後一つというところまで追い詰め、後はとどめを刺すというだけなのだが、私はそこで『ようやくこの日のもとに平穏が訪れる』と一瞬であるが不覚ながら気を緩めてしまったのだ。その一瞬が、無惨にとっては”十分すぎる時間”だということを知らずに・・・・・・。

 

 

 

「私はまだ死ぬわけにはいかないのだ!貴様らに()()も邪魔されてなるものか!!」

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

無惨がそう叫ぶと、その直後に何やら”食い絞められた奥歯が軋むような音”が聞こえてくる。すると、その途端に無惨の身体が一斉に弾け飛び、肉片が彼方此方へと四散して行った。

 

 

 

「させてなるものかっ!!」

 

 

 

逃げられるっ!そう悟った私は、二千近くにバラけながら飛び散ってくる無惨の肉片をその場で無我夢中で斬り伏せていった。だが、肉片には私にも斬れぬほどの小さな肉片なども多数存在していたためか、肉片全てを斬り伏せることは残念ながら叶わなかった・・・・・・。おおよそではあるが、千八百程の肉片を斬り伏せることは出来たが、残りの約二百の肉片は何処かへと飛び散って行ってしまったため、もう斬ることは出来なさそうであった。・・・・・・無惨の濃い鬼の気配はここら辺りから消え失せたが、奴があの程度で死ぬほどやわな存在でないことは先程の戦闘で理解できた。・・・・・・つまり。

 

 

 

「逃げられた・・・・・・か。ふむ・・・・・・そうか、おそらくであるが縁壱兄上も同じような手法で無惨を取り逃したのであろうな。・・・・・・私もまだまだ未熟であるな」

 

 

 

無惨を取り逃したことに酷い罪悪感を覚えながら、私は今まで放置していた先程の家まで戻ることにしたのだった。




すいません、次回で本当に炭治郎がでます。


【大正コソコソ噂話】

無惨が最初、昌継に気が付かなかったのは昌継が勾玉を隠していたこともあるが、真冬の寒さを凌ぐために鼻元から下を布で隠していたことも気が付かなかった原因となっているようだ。
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