博士は静かにクラッキング   作:604技術開発隊

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ドクター・アサクラ #2

「フリート、打鉄を使え」

 

「いえ、それは必要ありませン」

 

月曜日、本日は代表決定戦当日なのだが……アサクラ・フリートは織斑千冬の試合に量産機を使用するという提案を断ると、口角を吊り上げた。

フリート本人の容姿も含め何とも不気味な雰囲気が漂い、流石の織斑千冬も少々冷や汗を流す。

 

「必要ないとは………どういう意味だ?」

 

織斑千冬含め、その場にいた生徒二名や教師一名が不思議そうな顔をする。

 

「それはですねェ……ちょっと待ってくださいねェ……」

 

まァ、焦らないで焦らないで と、フリートは軽く手をプラプラ振りつつ何処かと連絡をとっていた。

 

「おいアホ、専用機はまだか?」

 

『アホなんて言わないで下さいよぉ!!!ドラッツェならあと十秒もすれば届きますよ』

 

「そうかい……」

 

フリートは携帯電話(?)をしまうと、織斑千冬の制止に耳も傾けず何処かに歩いて行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が行われるアリーナでは、セシリア・オルコットが既に自身の専用機、ブルーティアーズを纏い、対戦相手のフリートを待っていた。

待ちつつも、対戦相手は自分に恐れをなして逃げたのだと、そう思っていたその時である、突如アリーナの上空のシールドを突き破り、巨大なコンテナが飛び込んできたのであった。

 

『やれやれ………もう少しマトモな突入はできないのかねェ……』

 

まるで小馬鹿にしているかのような口調……そんな声がスピーカーからアリーナ全体に響き渡り、コンテナの四面が倒れた。

 

『なっ……』

 

コンテナを見たセシリア・オルコットが驚いたのは無理もない。

そこには明らかにISとは違う兵器に乗ったフリートがいたのである。

 

『その兵器は……貴方、何故ISじゃないのですか!?』

 

フリートが乗っていたのは先日アイルランドで発表された新型兵器【ドラッツェ】、ISとは全く違う兵器だった。

 

『え~ェ?だってさ、戦うってイッテナイケド言ったけどさ、【IS】で戦うなんて一言も言ってないよン?』

 

考えてみればそうだ、フリートはアイルランド出身、アイルランドから来た二番目の男だ。

ドラッツェと呼ばれる兵器を所有していてもおかしくはない。

生徒達からしてみれば未知数の兵器………しかしセシリア・オルコットは強気だった。

 

『はっ、何かと思ってみればアイルランドのポンコツ兵器じゃないですか』

 

一般の生徒が知らないドラッツェについての情報……

 

『知ってますわよ?公開試験で空中分解した機体じゃないですか?』

 

『あらら~ァ知ってるんだァ……』

 

試験で空中分解………その事実は生徒達に次々と伝わり、女性が上だと慢心している生徒達は次々と冷やかし始めた。

しかし、諸君忘れるな………ISのシールドよりも強固なシールドを平然と突き破って侵入してきたコンテナの事を。

 

フリートには何かがある……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラッツェが動いたのはセシリアがドラッツェについての情報を暴露した直後であった。

至極簡単な高速接近の後のヒートダートによる近接攻撃。

 

『きゃぁぁ……』

 

勿論、そんな不意討ちに対応することもできず、セシリアはヒートダートの直撃を受けた。

 

『ひ、卑怯ですわ!!!』

 

観覧席からもブーイングが響く。

 

『おやおやァ?試合はもう始まってるんですよ?』

 

フリートの言う通り、既に試合開始のブザーは鳴っていた。

そう、セシリアがドラッツェを嘲笑っていたときに鳴っていたのである。

 

『貴方は常識がないのですか!!!』

 

『ドラッツェ、アンブッシュ、カスタム………アンブッシュの意味はご存知かな?』

 

セシリアが無駄口を叩いている中、フリートは既に次の行動に移っていた。

しかし、腐っても代表候補生であるセシリアは持ち直し、フリートに反撃に出た。

が、フリートはセシリアの反撃を嘲笑うかのように無駄な動きを含めて避け、挙げ句の果てには挑発までし始めた。

 

『ホラホラ~イギリスの代表候補生様はポンコツも落とせないのかなァ?』

 

セシリアも観覧している生徒がムカつくのも無理は無いだろうが、事実、セシリアは未だ一度もフリートに攻撃を与えられていなかった。

 

『ほらほらァ、ちゃんと避けてくださいよォ!!!』

 

逆に数回フリートに斬られる始末で、ブルーティアーズのシールドエネルギーはガリガリと削れる一方であった。

 

『興醒めした……茶番は終わりだ』

 

ブルーティアーズの最大の目玉であるビット兵器も特に見せ場もなくSマインに破壊され、フリートは本当に興味を無くしてしまったかのように無駄な動きを辞め、ブルーティアーズのシールドエネルギーを削っていった。

 

『結局、敵なんていないのさ………敵も、味方もね……』

 

そう言いつつも、フリートは攻撃の手を休めることはない。

 

『バカな奴等は相手にしなければ良い、人をあまり近づかせなければ良い………力が欲しいなら出直しな』

 

ブルーティアーズの真正面にドラッツェが滞空する。

 

『何を言っているのか理解できませんが………かかりましたわね』

 

ブルーティアーズの腰部からミサイルが発射される。

セシリアは爆煙を目の前に、してやったと言わんばかりにニタリと笑う。

 

『この無駄に大きいシールドだって飾りじゃないさ………で?今の攻撃は何だね?』

 

セシリアの眼前にドラッツェのモノアイが輝く

 

『なっ……そ、そんな筈………』

 

そんな筈ないとでも言おうとしたのだろうか?

しかしセシリアは最後まで言うことなく一度に八回ものヒートダートの攻撃を受け、撃沈してしまった。

 

結局フリートは、最後まで批難の嵐の中アリーナを後にしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[公開できるドラッツェ(アンブッシュカスタム)の今のところの兵装(独自設定込)]

【ヒートダート】

クナイ型の高熱を発するナイフ

ISよりも少々大きいドラッツェからしてみれば小さいが、それなりの大きさがある。

 

【トライブレード】

ブースターの付いた中距離ブレード

三枚の刃が高速回転し、相手を切りつける。

主に投げて使う。

 

【ヒートダートサブアーム】

ヒートダートを取り付けたサブアーム。

簡単に言うなら隠し腕。

六本ある。

強いて言うなら有線式のビット兵器

パイロットの技量次第ではマニュアルで動かすこともできる。

 

【ビームサーベル】

ISに搭載されているレーザー兵器よりも強力なビーム兵器を応用した兵器。

どのような原理でビームを固定しているのかは博士に聞こう。

尚、シールド無効化兵器であり、シールドを貫通する。

 

【Sマイン】

多対一用の手投げ弾

無論こちらが 一 で、相手が 多 である。

投げるとマイクロボムが全包囲に射出される。

これを投げたら素早くその場から離脱すること。

じゃないと自分までマイクロボムの餌食になってしまう。

 

【スゴいコンテナ】

アリーナのシールドを突き破ることができるスゴいコンテナ

どこがスゴいのかと言うと、アリーナのシールドを突き破ることができるとこ。

大事だから二回繰り返しました。

ボタンひとつで指定したポイントまで移動する。

発車台は不要、稼働音も少なく、振動も少ないので壊れやすい物でも安心して移動させることが可能。




主人公に焼け野原ヒロシが混ざってても気にしない!

ドラッツェの設定がヅダと被ってるけど気にしない!
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