「れ……斎賀さん? いつもバグ……挙動不振で面白い性質してるよなーって思ってる」
ため息……? なぜだ。お前らが玲さんへの印象聞いてきたから正直に答えただけじゃねぇか。わざわざ答えてやったのになんだその反応は。
「これ、わざとだと思うか?」
「いや、陽務の事だしなにもわかってないに500円」
「ここにいる陽務以外全員そう思ってるからその賭けは無効だな」
「このゲーム馬鹿がっ」
「うるせぇポエマー。七の段は言えるようになったんでちゅかぁ?」
え、なんでなにも分かってない癖に反論できるの?? との言葉は黙殺する。
どうして俺いきなり罵られたの? あの玲さんに『挙動不振』だの『面白い性質』だの言ったのがよくなかったか?
でもなー、玲さん正直そんな感じだよなぁ。バグとか言わなかっただけマシだろ。
「あー、そうだ。ゲーム友達なんだろ? ゲームでは?」
「まあ、頼りにしてる、かな」
廃人だってことは流石に言えねぇ。俺はプライバシーの守護者なので。
こいつらの中にあのオルケストラ戦を見てるやつがいる可能性もあるし、なるべくそういう不安要素も排除しておきたい。学校にあの動画を拡散でもされたら、死……!
「陽務~、他には?」
「え、まだやんの? もうよくない?」
「他は?」
恋愛要素とか一切ないゲーム友達だぞ? そういう評価にもなるし、俺への風当たりが強くなるのおかしいだろ。
正直言えば言うほど視線が刺さりまくるからもう止めた……はいはい言います言います。だから言えって圧力かけてくるの止めろ。
「他かー。あー、強い。頭がいい。身体能力が高い。よくフリーズする。時々おっかない。まぁ、だけど良い人。信頼も尊敬もしてる。いつ見ても大体完璧なのさすが玲さん。所作が綺麗。育ちの良さがうかがえる。意外とノリがいい。あとは……」
「陽務、ストップ」
「あ? 何?」
お前らが言えっつったんだろうが。と軽く非難の目を向けると、ん、と顎で示された先に玲さんがいた。うぉ、本人に聞かれるのはちょっと恥ずかしい……あれ?
「玲さん?」
「…………」
ギギギギギ、と音が聞こえそうな挙動で玲さんは俺の方へ視線を向ける。
「らく、ろう、君?」
「ん、どうしたの?」
「……っ、~~~~~~~~っっ!!」
あ、バグった。やっぱ俺の認識間違ってないんだよな。こういう性質の人なんだよ、玲さん。
「しぇぁっ、しつれいしますたっっ!!」
「あれ?」
なんか用事があったとかそういう訳じゃねぇのか。どうしたんだろ。
ぽん、と肩に手を置かれ振り向く。
「陽務」
「なに? ……フレに呼ばれたので部屋抜けますね!」
俺ただ話してただけじゃねーか!! お前ら本当になんなんだよ!!
二人とも自分が名前呼びミスしてる事に気づいてない