この物語内では主人公のハーツアンロックがついに来ました。
というより、彼の化身アームド的なものが見たくて、この小説を書き始めたようなものですが、一年半年の月日で、やっと目的を実行できました。
これからも、この小説を宜しくお願い致します。
「君が……俺の前世!?」
目の前の狼の告げることに、明日人は驚いた。前世とか、来世とか、そういうのは占いとか漫画とかだけの話かと思っていたのに、どうやら全然違っていたみたいだ。表情からして、(狼だからわかりづらいが)暁月の言っていることに嘘偽りはないみたいだし。
『うん、驚くのも無理はないよね……君の前世だった僕は、こことは違う別の場所、別の時間で、瀕死状態になっていた。僕には世界を理想郷にするという使命があったんだけど、その使命すら叶えられないほど、傷がついてて、地面に突っ伏せていたんだ。そしたら、そこに天使のエレンがやってきて、僕は思わず頼んだんだよ。この世界を、お願いって』
「…………えっと、あまり話が飲み込めないな……」
別の時間、別の場所と言われても、いまいち明日人にはピンと来なかった。別の時間ということは、こことは別の時代なのだろうか? とも考えたが、野坂のように今の話と過去の話を混ぜ合わせて答えを見つけることはできないため、ただこうやって頭を悩ませることしかできなかった。
『ごめん、結論から言うとね……エレンを見守って欲しい』
「え、でもさっきは止めてって……」
『うん。僕も最初はそう思っていた。エレンは今もあの頃のままで、世界を壊して新たに再構築しようとしているんじゃないかって。でも、君の目を通じた思い出の中を見て理解したよ。君と話している時のエレンの目は、とても優しそうにしていたからね。それにね、君はエレンのことが大好きで、本当に大事に思っているんだってこともね』
すると暁月は、後ろ足を折りたたんで、地面に伏せた。ごめんという仕草のつもりなのだろう。犬を飼ったことはないが。
『……君なら、きっとエレンをあの時のようにさせないことが出来る』
あの時と、暁月は言う。それは、世界を再構築しようするエレンの姿なのだろう。と明日人は解釈する。
「そうだったんだ……なんだか、複雑な気持ちだな。前世でもエレンに会えていたことは嬉しいけど、そのせいで世界が再構築されそうになっていたもんな。嬉しいのか悲しいのか、わかんないや。正直、暁月の話を聞いて、出来れば嘘であって欲しいなって思った。エレンは優しいから、そんなことしないと思っていた」
しかし、自分の前世である暁月__そしてその話を聞いて、これは嘘ではないと明日人は実感した。
彼女が世界を再構築する。
それは、人々への救済のよう。
しかし、その先にあるものはわからない。世界を再構築する理由は、なんなのだろうか?
それを、明日人は知りたかった。
「でも、違うんだよな。エレンはそんなことしないって言いきれるなら、必ずそこにエレンが世界を再構築しようと思えるほどの理由が必ずあるはずだよ。それが、暁月の願いを叶えるためなのか、それとも別の何かがあって、俺に何も言えないでいたのかもしれない。だから、俺はエレンのことを理解したい。それで、エレンが間違った道へ行こうとしているのなら、止めたい。それが、君の来世である俺ができることだから」
立ち上がり、胸に手を当てて意気込む明日人を見て、暁月は口を緩める。
『……凄いね、明日人は。僕だったら、そんなこと考えられない。君は、誰かが何をしようとしていたとしても、絶対に信じ、人を正しい方向に進めることが出来る素敵な心を持っているんだね。綺麗事かもしれないけど、愛の力って本当に、いい意味でも悪い意味でも、自分に大きな力を与えてくれるよ』
愛の力と暁月が言うと、明日人は少し顔を赤らめた。
しかし、本当のことだ。もしも、あの世界に愛という言葉があれば、エレンはあの時のようにはならなかったかもしれないのだから。
『……明日人、今からタイの王城に向かおう。そこに仲間もいるけど、今はとても危険な状態だ。仲間を救うためにも、君に、僕の力をあげる。君なら、この力をちゃんと扱えるはずだよ。さぁ……』
暁月の体は、光の粒となって明日人の体内に入り込む。すると、ズボンのポケットが光り出した。その光の元である刀のキーホルダーを取り出した明日人は、そのキーホルダーが白い刃と赤い柄の刀になっていることに気がついた。
***
黒服たちは、自分達をこの国の王様の部下であることを告げた。そして、この国の王が円堂達に用があるようで、円堂達をリムジンに乗せた。円堂達は、この国の王に会えるということで、どんな王なのかと好奇心をくすぐられ、わくわくしている者もいれば、なんで呼びつけたんだろう、まさか何かしてしまったのだろうか? と緊張感に襲われている者もいた。だが、それでもリムジンは走り続け、彼らを王城へと送る。
「にしても……なんで俺たちを呼んだんだろうな」
「……もしかしたら、明日人のことで話があるのかもな。ほら、ユースティティアの天使に捕まっただろ?」
剛陣は、王がなぜ自分たちを呼んだのかということに疑問を持つ。それに、氷浦が明日人への心配をしつつ答える。
「王ってことは、この国の王様なんだよね。私達に何か大事な話があるって部下の人は言っていたみたいだけど、なんだろう……」
「話がどんな内容であれ、王様の所に向かうんだから、ちゃんとしていないとね」
野坂と夜舞は、明日人がいないからか、少し美味しくないお茶を飲みつつ、現状をまとめていた。
「……茜」
「どうしたの? 凌兵」
「この国の王……なんか胡散臭いぜ。危険な匂いがしやがる」
「うーん、確かに急に呼び出されたから、少しびっくりするけど……」
自分の隣に座る灰崎を見ながら、茜は考える。すると、首元に赤い何かが巻かれた。
「これはお守りだ……巻いておけ」
灰崎の首が見える。どうやらマフラーを巻いてくれたようだ。しかし、茜からしたら、灰崎の方が心配だ。何か、灰崎が灰崎ではない感じがして、少し違和感を抱く。
リムジンはしばらく道を進んだ。そして、タイの王城への門を通り、その入口でリムジンは停められた。日本でいえば、国会のようなものに、円堂たちはこれから踏み入れるということに、円堂たちは心張り詰める。
黒服の男たちに案内されて、円堂たちは王室に通された。タイの王が座る王座の横には、色んな国の王が集まっており、彼らに緊迫感を与えてくる。
「王様、連れてまいりました」
先ほどの黒服の男達が下がり、いよいよ王室には、円堂達とそれぞれの国の王たちだけになってしまった。
とりあえずと、野坂がファンタジー小説のように王たちの前に膝をつくと、円堂たちも野坂の姿勢を真似て、王に頭を下げる。
「……君たちが、あのラストプロテクター・アースか?」
「え、えっと……」
すると、タイ全体を統べる王が、重い口を開いた。それに坂野上が、どう反応すればいいのかと悩んでいる。気さくに反応するのはアウトだろうし、だからって敬語で話しても、もしかしたら失礼な言葉になってしまうのではないか? と考えていると。
「はい、その通りでございます」
にっこりと王に微笑んだ野坂が、王に返答する。
「よ、よかった……」
野坂がフォローしてくれたおかげで、とりあえずは安心した坂野上。
「昇くん、いつも通りでいいと思うけど」
「だ、駄目だよ! もし失礼なことを言ったら、その、死刑にされるかもしれないし!」
坂野上と咲は、小声で話したと思っていたようだが、どうやら会話内容は聞かれていたようで、王たちがドっと笑った。
「ハッハッハ、死刑にはしないよ。君たちはユースティティアの天使と戦ってくれてるからね。そう簡単には殺さないよ」
死刑にはしない。そのことに、とりあえずは命の危険はないなと、坂野上は心の底から安心する。
「大臣、この者たちにココアを」
「はい」
大臣と呼ばれた男は、別の部屋に向かった後、人数分のココアを持って円堂達のところにやってくる。
「まぁそうかしこまらず、ゆっくりと話をしようじゃないか」
「あ、ありがとうございます」
大臣からココアを受け取った円堂達は、ありがたくそれを飲むことにした。
「さて、本題に入ろう。ハーツアンロックの真実__君たちは知っているかな?」
ココアを飲みつつ、円堂たちは王からの話を聞いていた。すると、王は円堂たちにハーツアンロックについてのことを話してきた。
「……はい」
それに、円堂は覚悟を決めて、頷いた。
「あれは、この世界では秘匿されてきたものだとしても?」
「はい、知りました。それでも、僕達はこのハーツアンロックを使って、ユースティティアの天使に勝ちたいと思う処分です」
「…………」
ハーツアンロックの真実を知ろうとも、自分たちはハーツアンロックを兵器としてではなく、大切なものを守るために使うと、野坂は王に言う。
「……そろそろ潮時か」
野坂の意見に王が考えている__かに見えたそれは、ただの思い込みだったのだろう。王はさも計画を実行すると言いたげに口を開いた。
「野坂さん!?」
その後に、野坂が突然床に倒れた。普通なら参謀である西蔭も、一星と同様に反応しそうなものだが、実際には西蔭も倒れており、声が出たのは一星だけだった。
「タツヤ! 砂木沼!」
「みんな!」
その間にも、周りの仲間たちは次々に倒れていく。その状況に、残された一星たちはあっけにとられるしかなかった。
「どういうことだこれはっ!」
ヒロトは倒れているタツヤの元に行き、必死に体を揺さぶって起こそうとしているが、全く起きる気配がない。腕を動かす度に、ヒロトの不安は高まっていく。
「どういうことも……君たちは知りすぎたんだよ」
その懸命な行動を嘲笑うかのように、王たちはただ円堂達を見つめている。まるで、そんなことをしても無駄だと言いたげに。
「何をですかっ!」
「ハーツアンロック……昔、その力を使って、大いなる幸福を手に入れたとされる能力……その真実は、知られてはいけないものだ。現に、我々もハーツアンロックの解放のため、多くの実験をしてきたが、全て失敗に終わった。そして今、その真実が世界中に暴かれてしまった」
世界中に暴かれた? その言葉に一星は疑問を感じた。あの時奏多が話した真実は、自分たちにだけ教えてくれたものだ。あの状況で世界中に話す理由がない。
「そのため、我々の地位が地に落ちることになりかねないのだ。悪いが、ハーツアンロックを持つもの、そして後に解放が予定されるような人物には、ここで死んでもらわなければならないのだ」
「ふざけんじゃねぇ!」
さっきまで死刑にはしないと言っていたはずなのに、死んでくれなんてあまりに理不尽な行動に、ヒロトは怒りによってハーツアンロックをする。
「いや、死んでもらうは違うな。利用させてもらうが正しいかな? まぁどちらにしても、ハーツアンロックは戦争の道具ではないと主張する君たちの考えは、とても理解できないな」
「だとしてもだ! 確かにハーツアンロックを巡って、人は間違いを犯したかもしれない! だけど、その間違いを直していくのが王様たちの役目だろ!」
円堂は拳を握りしめると、倒れた彼らの前に立った。
「しかし、現にここに集まっている王たちは、早くお前たちを殺して欲しいと言っているが……」
「そんな勝手……うっ……!」
フロイが王に向かって前に出たその時だった。フロイの頭と瞼が重くなり、重力にしたがってフロイの体は前に倒れる。
「フロイ!?」
「実は、お前たちの飲んだココアには、ハーツアンロックを持つ者でも必ず睡魔に落ちる睡眠薬を使った。しばらくは起きられまい……この世界の王になるのは、お前たちでなければユースティティアの天使でもない。この私たちだ」
王が円堂たちに話している間にも、ヒロト、一星と次々に王室に倒れていく。それでも、円堂は決して眠ってはいけないと踏ん張っていたが____。
「____明日人」
本能には勝てず、円堂は今いないキャプテンの名前を言いながら、目を瞑った。
***
王城に来ていたのは、円堂たちだけではなかった。ユースティティアの天使の中で最上位の存在、熾天使のエレンは、日傘を槍に変え、警備員を蹴散らしながら城の奥へと歩みを進める。
円堂達がここに来ているのはわかっていた。だが、まさか国ほとんどの王が皆グルだとは思わなかった。ハーツアンロックが、あんな形で生み出されていた。そしてその被害者にして、最凶のハーツアンロックを持つ者が、夜舞奏多。統率者としての目でみれば、奏多はハーツアンロックを使うことはないため、最強のハーツアンロックのせいでユースティティアの天使が全滅するなんてことはないだろう。とエレンは考えていた。
だが、こんなの酷すぎるだろう。
しかし、今は彼らのことを考えている猶予はない。一刻も早く指定された場所に向かわなくては。
「…………」
薄暗い廊下の奥にある、大きな扉をエレンは開ける。重いそれは、まさに秘匿というに相応しく、重苦しい雰囲気を漂わせていた。
「さぁ来たわよ? 私を呼び出してなんのつもりかは分からないけれど、メリーを返してくれるかしら?」
中は暗闇だったが、エレンはそれでもおもむろに両手を広げ、敵の遭遇を待つ。
エレンは敵___政府に攫われたメリーを助けるために、単身で王城に乗り込んでいたのだ。メリーは一人で地上を観察していたところを政府によって捕まっており、それを聞いてエレンは単身で乗り込んできたのだ。
だが、いつまで経っても、敵らしき人物は見当たらない。
「……メリー?」
それどころか、暗闇の向こうでメリーの特徴の一つとも言える、赤い髪が目立っていた。
「あ、エレンお姉さま!」
メリーはエレンの存在に気がついたのか、こちらを振り向き、胸元に抱きついてくる。
「怖かった! すごく怖かったよぉ!」
メリーは涙をエレンの胸元に濡らしているが、それに対し、エレンの目は冷たいままだった。
「……貴方、メリーではないわね」
「エレンお姉さま? そんなわけないよ、私メリーだよ?」
それどころか目の前のメリーを本物ではないと言い、それにメリーは困惑する。
「正体を見せなさい。今なら殺さないで済ませてあげるから」
槍が剣に変わったその時だ。
目の前のメリーはスライム状に溶けていき、床に染み込んでいく。
その直後、エレンは謎の衝撃によって吹き飛ばされた。その拍子に剣を落としてしまい、エレンの両手は謎の枷によって拘束された。
「___!?」
「おやおや、私の作ったサイボーグに気づくとは、流石はフォルセティの一人娘にして熾天使だ」
何者かが拍手をしながら近づいてくる。その存在に気がついた後、部屋に明かりが灯る。この部屋は研究室のようで、白衣を纏った人々とそのリーダー、様々な機械がある中で、檻の中に囚われ眠っているメリー。
そして、己を捕らえている円状の機械。
「……レンから聞いたわ。貴方たち、メリーを捕らえてどうするつもりなのかしら」
拘束されるとは思わなかったが、それでもエレンは余裕そうに目の前のリーダー格の研究員と話す。
「それは言えないね。何せ王からの命令だから。さて、今度はこっちだよ。ユースティティアの天使、そして世界を救おうとする理由と、サッカーを禁止にした理由が聞きたいんだよ」
機械の枷によって四肢を囚われたエレンは、今も尚自分たちの過ちに気づかぬ人間に向けて、ため息をついた。
「……世界を救うという意志に、理由はいらないわ。それに、サッカーのことは貴方たちも知っているでしょう? 貴方たちがサッカーだけでなく、多くのスポーツで金を動かして、戦争を起こしているから、お父さまはサッカーを禁止にしたのよ」
「それは困るよ。戦争があるからこそ、平和がより輝いて見えるし、何より今のサッカーは、巨大なビジネスだよ。今更昔のサッカーには戻せない」
「……それもそうね。争いがあるからこそ、人は理想郷を望み、更なる高みへと人は歩み出す。争いがなかったら、人はそこで歩みを止めてしまう。それでも、私たちは人を救う使命があるのよ。だから、サッカーを渡すわけにはいかないわ」
「わかっているじゃないか。でもね、」
研究員が部下に命令し、その部下が機械を操作したその時だ。
「……___!?」
天使の体に電流が走る。それは闇を含んだ電気であり、聖なる天使の体には通常の電気拷問以上の苦痛となっており、拘束されたエレンはただ喘ぐことしか出来なかった。
「ッ……!!」
それでもなお声を噛み殺し、長い髪を揺らして痛みを逃がそうとする。
「この世界はもう神様のものじゃないんだよ。今更、天使と人が共存なんてできるわけが無いの、わかるだろう?」
確かに、今の地上はもう神のものではなくなった。今では神が創った人間が地上を牛耳っており、皆政府という国の代表の元に、それぞれが平和に暮らしている。だが、今の世界は闇に呑まれ、嘘だらけの世界とかしている。だからこそ、ユースティティアの天使は世界を救おうと、この世界に降りているのだ。
だが___だが、いつからそんな風に、この世界は自分達の者だと威張り散らしているのか。
それがムカついた。といえば言い訳になるかもしれないが、本当にムカついたのだ。
「……ここまでくると、さすがに擁護できないわ……ハーツアンロックの真実を貴方達は知っているかしら? 貴方達の実験のせいで、多くの人が死んでいったのよ? それを無かったことにして、罪から逃れようとするのは流石にちょっとおイタが過ぎるわよ。本当に人を導く人なら、過ちから学んでほしいものね」
ここまで人に怒ったのはおそらく初めてだ。しかし、殺すわけではない。
そこの理性はちゃんとしている。
「それがなんだと……」
「う、うわっ!」
その時だ。研究員の部下が持っていたアンシャルの剣が震えだし、それは勢いよくエレンの右手へと渡り、力を込める。すると、エレンを貼り付けていたはずの機械は、枷から壊れ始め、最終的には瓦礫とかしてしまった。
『さぁ、嵐に震えて眠れ。貴方たちの命は、こちらが握っている!』
『フィーネ・デュオヴェント!』
エレンが剣を天に掲げると、剣は風を纏い、さらにこの研究室に暴風を吹かせる。
「うわあああっ!」
ありえない出来事に、研究員は震えだし、悲鳴をあげる。しかし、嵐は止むことなく、研究室の物資を滅茶苦茶にしてしまうの風を吹かせる。
『エレン!』
その時だ。研究室のドアが勢いよく開かれ、中から明日人を含めたレンとミラがやってくる。
「明日人……?」
「エレン、ここは私に任せろ」
エレンは明日人の存在に驚いていたようだが、レンは構わず前に出て、札を研究員たちに投げる。札は一枚から複数枚に分かれ、それは縄のように研究員たちに巻きついた。
「レンさんが捕まえたみたいですわね。エレン、一旦落ち着きましょう」
エレンは、ミラに落ち着くよう促される。本当ならあの研究員たちにおしおきをしたかったが、明日人の前だ。そんな大人気ないことは出来ないなと、エレンは剣を降ろした。
「わかったわ。ところでメリーは無事かしら?」
「メリーなら、私が助け出した」
すると、レンがエレンに、助け出されたメリーの存在を見せる。メリーはレンの腕の中にあり、眠っている。
その存在を認知したエレンは、明日人に向き直った。
「そう……明日人、すぐに広場に向かいなさい。そろそろ、貴方の仲間たちが処刑されてしまう頃よ」
「……わかった」
そろそろこの時が来たのだ。
自分が、ハーツアンロックを使うこの日が。
「レン、ミラ、エレン。メリーをお願い。あとは俺がやる」
すると、明日人は右手を前に出す。すると、手のひらには赤い柄、その左には白い刃の刀が現れ、レンたちを圧倒させる。
「走れ光……灯れ焔……太陽の輝きをここに……」
『ハーツアンロック、リライズ!』
明日人が刀に向けて力を込めると、剣から光が溢れ出し、明日人の体を包む。その光が弾けると、明日人の体は一変した。
頭には白狼の耳。
髪は銀色に伸び、それをひとつに纏めている。
神々しさを感じさせる袴。
そして、炎を纏う刀は、神様にも感じた。
「皆、今助けに行くよ」
誰かを思い、誰かを助けたいというその心こそ、
まさに太陽。
この小説の中でどのコンビが好きですか?
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明日人とエレン
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不知火と月夜
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エレンとレン
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エレンとメリー
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エレンとミラ
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不知火とベルナルド
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明日人と月夜