イナズマイレブン テミスの正義   作:暁月の太陽

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第六話 月光の魔女

「国の管理から外れた、幻想の村ね…」

 白き翼を鳥のように羽ばたかせながら、天使は青い晴天の空を飛んでいた。空を飛ぶという感覚は、私達にはまだよくわかっていないものなのだが、天使はただ空を飛んでいるというよりも、何かを探しているようにも見えた。

「かつて人間達が作っていったものが、時間が経つにつれ『幻想』となってその村に辿りついていると神は言っていたけれど…本当にあるのかしら」

 天使が下を見つめるも、天使の瞳には金属や鋼鉄などで作られた無機質な四角形や三角形や、土に這いつくばって生きている人間達しか見えなかった。

 だが、届かぬ空へと手を伸ばすように高く伸びている緑の木々、森の中に、一つの村を見つけた。

 あまりに異様な光景に、天使は目を疑った。

 その村は、先ほど天使が見た汚らしい四角形も三角も存在しておらず、まるで残された生き物や幻想が、天国のようにその村に集まっているようにも見えた。

「……なんて綺麗なの…」

 

 ***

 

『おぉー!!』

 バス内から出てきたのは、私服姿からイナズマジャパン_正式にはチョウキンウンズのジャージに着替えたフロイ。フロイの銀髪とロシアでの恵まれた美白が合わさって、青いジャージがフロイの容姿を引き締めている。

「やっぱり、イケメンは何を着ても似合うんだね、風丸くん」

「ある意味羨ましいな」

 吹雪と風丸が、フロイの容姿を見て思わず賞賛の口をこぼす。

「着替えさせたかいがあったな」

「着替えさせた…というよりも、半ば強引だったような…」

 やはりジャージの方が引き締まるなという鬼道に、フロイは今に至るまでの光景を思い出しながら苦笑いをする。

 それは、チョウキンウンズを乗せたバス内での出来事…

「監督、急にバスをコンビニに止めて、どうしたんですか?」

 次の目的地へとバスを進めていた筈だったのだが、急にバスを高速道路へ続くゲート前のコンビニに止めた為、それを疑問に思った坂野上が、趙金雲に話しかけた。

「それはですねぇ…皆さんに今後の事を話したいと思ったからですよ。坂野上くん」

 運転しながらだと話の内容が入らないでしょうしと付け加えながら、趙金雲は理由を話す。

「今後の話し…というのは、メンバー集めのことですか?」

「その通りです。メンバー集めの事を皆さんに話してなかったので、今話すと同時に、私達がチョウキンウンズとして活動するにあたって、守るべきルールのことを話します」

 ルールのことはともかくとして、メンバー集めのことは趙金雲から断片的なことしか教えて貰ってなかった為、ここに居る全員がそのメンバー集めのことを気になっていた。今のままでも、十分ユースティティアと試合するのには事足りる筈だ。

「おっと、まさか今のままでもユースティティアと戦えるじゃないかと思いましたか? 勿論今のままでも戦えます。しかし、いくら自分のことは自分しか知らないといっても、結局は第三者の目が必要なんですよ」

 趙金雲の第三者という言葉に、明日人たちが首をかしげる。

 第三者というのは、特定の関係について当事者ではないその他の人間のことを言うが、もしかして、その第三者を見つける為にメンバー集めという形でやろうとしたのか?

「監督は、その第三者を見つける為にわざわざ、メンバー集めという形で見つけようとしたんですか?」

「いいえ吹雪くん。第三者を見つけるなら、そこらへんの選手でも入れとけばいいです。しかしその第三者は、いかに強く、いかに鋭く、いかに美しく、そして優しいかが重要になってくるんですよ」

 いかに強いか鋭いかは確かに選手集めに必要不可欠だけど、美しく優しいかは監督の趣向なんじゃないかと、一同は感じた。

「その最強で最高の第三者兼選手が居るのは、高貴な『月光の魔女』が居るとされる、花伽羅(かがら)村です!!」

 

『かッ、花伽羅むらああぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁ!!!???』

 

 隣の席に座っていた筈の灰崎の頭の上を支えにしながら立ち上がり、危うく外まで聞こえるんじゃないかくらいに叫んだ明日人の大声に、一同は耳を塞いだ。

「うるせぇ明日人。あといつまで俺の頭抑えてんだ」

「あ、ごめん灰崎! 悪気は無くて…」

 思わず踏み台のように扱ってしまった灰崎に謝りながら、明日人は座席に座り直す。

「明日人くん、その花伽羅村とはなんだい?」

「えっと、俺達伊那国島と練習試合で戦う筈だった、花伽羅中という中学校がある村のことで、勿論月光の魔女の異名を持った…『[[rb:夜舞月夜 > やまいつくよ]]』っていう選手が居るって、野坂」

「聞いたこともないね…西蔭は知っているかい?」

「いえ、何も…」

 その瞬間、バス内は花伽羅村の話題で賑わった。

 名も知らぬ村に、初めて踏みに入るのだから。

「村…っていうくらいだから、田舎町なのか?」

「村という名がつくからといって、そこが必ず田舎町とは限らないぞ、円堂」

「同じ田舎町でも、人によって田舎町の基準は変わるからな」

 村の事を話し出す円堂達。

「さすがに漫画に出てくるような村八分が激しい村じゃないといいですけど…」

「それなら、月光の魔女は一体何者なんだ。坂野上」

「風丸くん、さすがに拳法や日本刀などで村の住民たちと戦う魔女は居ないよ」

「吹雪さん、拳法と日本刀で戦う魔女って…そんなのアニメにしか見ませんよ…」

「一応、サッカー選手…なんだよな」

 月光の魔女の存在が、どんどんバトル漫画に出てきそうな雰囲気の会話になっている坂野上と風丸と吹雪。

「月光の魔女…監督の言う第三者になれんのかねぇ…」

「なんだ不動、お前も月光の魔女のことが気になるのか? わかるぞその気持ち!」

「いや、あんたには関係ねぇよ」

 チーム全体を見渡し、花伽羅村に居るとされる月光の魔女を、監督のいう第三者と推測する不動…だったが、砂木沼に考え事を邪魔され、何を考えたのかを忘れてしまう不動。

「わざわざ無名の中学校でメンバーを集めんのかよ」

「でも、月光の魔女のことも気になるし、行ってみる価値はあると思うよ。ヒロト」

「そうですよヒロトくん。私自身月光の魔女についてはよく知りませんし、なんならその花伽羅村も、今朝私が見つけたものですからね~」

 まるで自分の手柄の様に話す趙金雲。

 一応、フロイはメンバー集めに貢献していたんだよな…と、ヒロトはフロイの頑張りを

骨折り損のくたびれ儲けのようにしてしまった監督を見ながら、フロイに同情する。

「はい皆さんお静かに。その月光の魔女の異名を持つ、『夜舞月夜』さんのことですが、リベロだったりキャプテンだったりとの情報がありますが、容姿や経歴などの詳しい事はわからないので、それは後々私たちで探すとして、最後にルールのことを話しますよ?」

 とその時、チームの雰囲気が一気に暗くなった。

 チョウキンウンズに入ったばかりのフロイにはわからないと思うが、趙金雲は監督としての義務は果たすものの、毎回選手たちにとって変なことをやらかすが故に、今回もどんなルールになるのか見当もついてないのだ。

「それでは、まず一つ目。稲森くんは今後一切の外出、または単独行動を禁止します」

「えぇ~俺、確かに狙われてますけど、気を引き締めれば別にだいじょ…」

『大丈夫じゃない(です)』

「えぇ…」

 一つ目のルールに、明日人は一人でも大丈夫だと抗議するも、明日人のことを知っている全員が、駄目だとツッコミを入れる。

「まぁこれに関しては完全に禁止するのもあれなので、もし出かけたい場合は私に外出許可をもらうか、最低二人以上の付添人と一緒に外出をしてくださいね?」

 明日人の抗議が受け入れられるわけもなく、ルールはルールとして決定された。

「二つ目…このチョウキンウンズに入ったからには…フロイくんは私服姿からジャージ姿に着替えさせてもらいま~す!!」

「え!? ちょ」

「さぁフロイくん! ジャージは用意してますので、着替えましょう!」

 突然趙金雲に指摘され、フロイは困惑するも、そんなフロイなど目もくれず、大谷と神門はフロイに近づく。

「い、いや僕一人で着替えられ」

「じゃあフロイ…俺達は先に行くね…」

「ちょ、ちょっと待ってアスト!! ヒカル!!」

 こうして、フロイは監督と女の子たちに半ば強制される形で、チョウキンウンズのジャージを、着せられたとのこと。

「別に僕一人だけでも着替えられるんだけどなぁ…」

「いえ、フロイさんがロシアに居た頃のジャージと日本のジャージは違いますから、私達が教える形で着替えさせました」

「確かに日本のジャージは特徴的だけど…」

 フロイが、イナズマジャパンのジャージを触りながら話す。

 首まで届く金属のファスナーと布地で、微妙に首が絞められる為、ジャージに慣れていない人は、こう感じるだろう。

「それにしてもフロイくんって案外痩せているんですね!」

「え」

 大谷の言葉により、先ほどまでコンビニで昼ごはんの買い出しを済ませた明日人たちが耳を傾ける。

「あのくびれは男の子とは思えませんよ!」

「脂肪もあまり付いていませんでしたし、何より肌がすべすべでしたね」

「ちょ、ちょっとツクシ、アンナ」

 確かに自分で言ってなんだが、自分の肌は毛も少ないし、すべすべだ。だけど、そこを皆の前で言うのはちょっと…と、フロイは口が動く大谷と神門を止めようとするも、時すでに遅し。

「え。本当なんですかフロイさん!?」

「まさか、女の子なわけ…ないよな」

「風丸くんだって、女の子みたいじゃないか」

 フロイを女の子だと疑う風丸に対し、君も女の子みたいだよとツッコミを入れる吹雪。

「お、俺はどんなフロイでもいいと思うよ!?」と、フロイのフォローをする明日人。

 ここに氷浦が居たら、すぐに探偵になりきってフロイの体を調べるだろう。

 大谷と神門によるフロイの体形暴露により、フロイの顔はいつもの美白から日本の国旗の様に赤く染まり、のぼせる。

「おい監督、フロイがのぼせたぞ」

「う~む、では座席に横にしておきましょう」

 

 ***

 

「…フロイ…」

 一星が、隣の席で眠っているフロイを見ながら、心配そうにその顔を眺めた。

「…正直、俺はまだオリオン財団があの事故のことを意図的にやっていたというの、信じられてないんだ…」

 小声で呟きながら、一星はスマホを開く。そこに、オリオン財団の報告書が写る。念の為という言い訳をしながら、報告書の文章、写真を撮っていたのだ。そして、そこに写るのは、まぎれもない自分の報告書。

 オリオン財団が、自分の事故が必ず起きるように意図的に操っていたというのは、この報告書を見ても同じだった。

 だけど、自分はオリオン財団に復讐するつもりはない。復讐したって、兄は戻ってこない。兄は、もう死んでいて、この世には戻ってこない。

 そう考えたその瞬間、体中が疼く感じがした。

「___!?」

 体中が痺れて、自分の意志で体を動かすことが出来なくなっており、勝手に両手がフロイの方へと動くのである。

 何を、する気なんだ。と、体に届きもしない心の中で呟きながら、一星はテレビ越しにその光景を観察するかのように、自分の動く両手を見るだけしか出来なかった。

 そしてその両手は、フロイの細い首に回り、円形を両手で持つように包み始めたかと思えば、フロイの首を絞め始めたのである。

「(何をしているんだ!!)」

 そう心の中で言い放った瞬間、両手は一星の自由を聞くようになりその手はフロイの首から離れる。

「(…誰も…見てないよね…)」

 今自分がしようとしていたことを、他の人に見られたらどうしよう。特に野坂さんに見られたらまずいと、一星は周りを見渡した。全員、持ってきたお菓子やトランプなどのパーティゲームで楽しんだり、世間話をしたりとしていた為、一星の行動に気づく者は誰一人としていなかった。

「ん…ヒカル?」

「っ! あ、あぁフロイ。起きたんだ」

「いや、首に何か違和感があって…どうしたの? 具合でも悪いの? ヒカル」

 フロイが首に関する違和感のことを話した途端、一星の顔が青ざめた。一星が何をしていたのかも知らないフロイは、青ざめているわけを具合が悪いからなのかと解釈してしまった。

 一星は、自分が親友にしてしまったことに関して、絶望しているからというのに。

 

 ***

 

 花伽羅村に続く森近くの道の駅にバスを置いた明日人たちは、バス内で昼食をとることにした。趙金雲曰く、「腹が減っては戦は出来ぬ」ということらしい。

 道の駅の店舗で弁当を買う者、先ほどコンビニで買ってきた弁当を食べる者、家族に作って貰った弁当を食べる者と、それぞれの昼食を楽しんでいる中、明日人は自分で作った弁当を食べようとしていた。

「いただきまーす!!」

 バランスよく並べられた食材をパクパクを食べる明日人であったが、隣の灰崎の弁当を横目で見て、明日人は一つ気になったことを口にすることにした。

「灰崎は、道の駅で弁当を買わないんだな」

 明日人からすれば灰崎は、だいたいの場合道の駅の弁当を買う派かと思っていたため、灰崎が弁当箱を持っているという光景は、明日人にとって珍しいことなのだ。

「……これは、茜が俺の為に作ってくれたものだ…」

 どこか悲しげな表情で、尚且ついつもトゲトゲしたような声もいつもより迫力がなく、水色の弁当箱を灰崎は見つめていた。

「そ、そっか…ごめん」

「いや、いい」

 からかったことに罪悪感を感じている明日人が謝るも、灰崎は別にいいと返すだけ。

 君がそんな悲しい顔をしていると、こっちまで元気が無くなっちゃうよ。というように、いつも楽しそうに会話する明日人と灰崎との今日の会話は、いつも短命に終わってしまう。

 茜のことで、長続きしなくなってしまっているのだ。

 昼食の時間も終わり、明日人たちは自分達の荷物を持って花伽羅村へ続く森へと出向いた。

 三角の形を作り、中が暗いその森は、どこからどうみても見ても深い森のように思えた。

 監督がそのまま森の中に入ろうとしたその時、タツヤが監督を止め、入り口近くに刺された看板に指を指したのである。

「待ってください監督、準備もなしに入るのは危険です。それに、花伽羅村の人が建てた看板もありますし…」

 板と角材で作られたその看板は、汚れや傷一つ付いていない。村の人が最近新しく立てたものだろうか。

『この先の森は、未だに解明されていない森です。花伽羅村に行きたい方は、村人直属の案内人をお待ちください。村長より』

「案内人?」

 案内人の存在に首をかしげるヒロト。

「ガイド、ナビゲータの事を、漢語にしたものだ。森や山が今だに解明されてないとなると、当然プロの専門員や案内人の存在が必要不可欠となるからな」

 看板を見ながら、鬼道はヒロトに案内人のことを説明しながら、案内人は花伽羅村の村民だろうなと推測した。

「大谷と神門も居ることだ、安全に行くには案内人の到着を…」

「大変です大変です~!!」

 豪炎寺が大谷たちの体力を考えながら、大人しく案内人を待とうと鬼道に言おうとしたその時、大谷からの大声が聞こえた。

「監督が森の中に入っていく綺麗なお姉さんの跡を追って森の中に!!」

 大谷の声で一斉に集まった明日人たち。円堂が大谷に何があったのかと尋ねると、趙金雲が綺麗な女の人を追いかけて行ってしまったとのこと。

「それに、杏奈ちゃんが監督を追って一人で森の中に!」

 それを聞いて、チョウキンウンズの三年生たちは青ざめる。

「まずいぞ…解明されてないとなると、道に迷っているのかもしれない…」

「どんな動物が居るのかわからないんだぞ…」

「それに、この森は相当深いみたいだよ。迷ってしまったらまず出られないし、あのまま夜になったら間違いなく夜行性の動物とかが活動を開始してしまうよ…」

 吹雪の言葉で、嫌な想像が後を絶たない。

 神門は女の子で、尚且つ力もない。

 そして、解明されてるされてないに限らず、森の中は危険がいっぱいだ。

 どんなことがあるのかわからない。

「大谷、神門の電話番号は…」

 円堂が神門に連絡を入れようと、大谷に電話番号を聞くも。

「杏奈ちゃん、ついさっき携帯を買い替えたみたいで、まだ電話番号を聞いてないんです!」

「なっ…!!」

 そうなると、状況は絶望的になる。

 だがそれでも、円堂達は神門のことを諦めなかった。

「円堂、神門と監督を探そう。花伽羅村に行くためにはまず二人を見つけて、ここに戻ることだ」

「それに大勢で行ってしまえば、全員この森に迷ってしまうことになる。俺たち少数で行こう」

「ああ。皆はここで待ってて…」

 外から見ても、この森は明らかに深い。それなのに大人数で行ってしまえば、確実にどこかではぐれてしまうか、全員がこの森に迷ってしまう可能性だって考えられない。そのため、円堂と豪炎寺と鬼道という少人数で行こうとしたのだが…。

「俺たちも行きます!」

「明日人…?」

「円堂さんたちが頑張っているのに、自分だけ待っているなんて出来ません!」

 という明日人の後ろには、同じような意見を持った一同が居た。中には明日人が言うならと承諾した人も居そうだが。

 しかし、当然明日人たちの意見に反対する人も出てくる。

「…円堂くん達はいいとして、大人数で探す必要はないんじゃないかな。何かを探すときは大人数で…っていうけどね。それに、全員戻れなくなったらどうするの?」

 吹雪の言うことには、確かに一理ある。

 もしここが自分達の知っている街ならまだしも、神門が迷ってしまったのは誰も入ったことのない深淵の森だ。全員がここで迷ってもおかしくはないだろう。

「…その時は、僕に任せて」

 と、何か策があるかのように発言をしたのは、フロイだった。

「発信機を付ければいいんだよ」

「発信機というと…探偵小説や、スパイ物に出てくるあの発信機ですか?」

「そう。アスト、ちょっとこれどこかにつけてくれないかな?」

 フロイは、明日人に発信機を私、これをどこかにつけてくれないかと願った。

 一見すると。ただ太陽の紋章をこしらえたブローチにしか見えないが、明日人はとりあえずこれをカバンにつける。

「オリオン財団の技術力は凄くてね。発信機さえつけていれば、あとはオリオン財団の作った人工衛星を通じて探知機に移される。こんな風にね」

 と、フロイがタブレットを見せると、そこにはそれぞれの色が付いた点の横に、名前が書かれている画面が表示された。

『おおー!』

 フロイには驚かされることばかりだ。

「じゃあ、フロイくんは僕達が森の中で迷った時の為の布石として、ここで待つということかな?」

「人工衛星でも森の中に入ってしまったら繋がらなくなっちゃうからね。そのつもりだよ、野坂」

 野坂のいうように、フロイは万が一自分達が迷った時の為の布石として、ここに残るということらしい。村に着いた、神門が見つかったということがあれば、連絡をしてほしいとのこと。

 フロイから全員分の発信機(しかもそれぞれ星だったり月だったりのモチーフで飾られたブローチだったりペンダントだったりブレスレットだったりと豪華)を貰い、明日人たちは森の中に入る。

 

 ***

 

 森の中を走りながら、必死に趙金雲と神門の名を呼ぶ明日人たち。当然のことながら、森は広く、そう簡単に見つかりはしなかった。

 だが、走っている途中で少し道が広めの場所で、神門は見つかった。

 ______が。

「杏奈ちゃん!!」

 そこには、目の前に覆いかぶさる大きな熊を見て腰が抜けてしまい、じりじりと後ろに下がることしか出来ない神門が居た。

「杏奈ちゃん! 今助けに…」

「待て」

 大谷が神門の所に駆けだそうとするも、それを豪炎寺が止める。

「大谷はここで待っていろ」

「安心しろ! 俺達が神門を助け出す!」

「行くぞ円堂! 豪炎寺!」

 勇敢に、熊へと立ち向かっていく円堂達。

 それに気づいた熊が、自分の餌を取られまいと神門の前に立ち塞がる。

「円堂! ここは___」

「任せろっ!!」

 豪炎寺と鬼道が、それぞれ双方にバックステップし、双方の太い木の幹を足場にしたと思えば、その幹を地面でジャンプするように蹴り、熊の頭の上辺に飛ぶ。その瞬間に体を丸め、空中で一回転したかと思えば、二人同時に熊の頭に向けて踵落としを決める。

「今だ!」

 頭に衝撃を受けたことで脳震盪を起こした熊の見た円堂は、すぐさま熊の後ろに居る神門の所まで走り抜け、軽くなっている神門を持ち上げ、すぐに熊の前に立つ。

 それを見た二人は、先ほどの木の幹の要領でもう一度熊の頭を蹴り、その時のジャンプ力で地面に着地する。

「す、すごい…」

 強大な熊と戦っているというのに、誰一人として怪我を負っていない。それよりも神門を助けたことによる実感を感じているようだった。

「明日人。仲間を助けるためとなれば、命より体が先に動いてしまう。それが、円堂と豪炎寺と鬼道だ」

 風丸が、微笑みながら明日人に円堂達のことを言った。その表情は、どこか呆れていて、どこか安心しているような横顔をしていたのを、明日人は見た。

「杏奈ちゃん!」

「大谷さん! それに、ごめんなさい! 勝手に森の中に入っていってしまって…それに、円堂さんたちも…」

 神門は、救出されてすぐに大谷に抱きついた。そして、大谷の胸のなかで泣きながら皆に謝り、自分を助けるためとはいえ、命まで危ないことをしてまでもやってのけた円堂たちにも謝ろうとしたが、円堂達は神門が無事でよかったよとの声を上げた。

「いや、神門が無事ならいいさ!」

「もう一人で森の中に入るなよ」

「無事ならいい」

 明日人たちが安心しきった顔で神門の無事に関する喜びに浸っている中、熊が起き上がったのである。

 そして、明日人たちに気づかれぬように、神門に向かって飛びかかってきたのである。

「_!? 伏せろ!!」

 豪炎寺が熊の存在に気づき、熊の爪が皆に当たらぬように全員に合図した。一同は驚きながらも頭を守りながら地面に伏せ、豪炎寺と鬼道も神門を守るようにして伏せた為、飛びかかってきた熊は自分達の上を通り、反対側の地面に着き、走っていく。

 だが、その反対側の道にも、人は居た。

 明日人たちと同年代の少女であり、その少女は熊に覆いかぶされてしまった!!

 今にも、ぐちゃ、ぐちょ、どろぉ、ぶちゅりといった、聞きたくもない音が聞こえてきそうだ。

 

「…どうしたの? ブチ」

 ブチと少女に呼ばれた熊は、悲しそうに鳴く。

「……あ、耳に虫が入ってたみたい。今取ってあげるね」

 少女が耳から虫を出してあげると、虫はどこかに飛んで行ってしまった。

「それじゃあ元の所に…って、なんで目と耳を…?」

 立ち上がった少女は、目の前の光景に困惑するばかりであった。

 

 ***

 

「あー、あの熊ブチっていうんだ。この森に住んでいる熊の中でも一番体格が大きくて、たまにブチとじゃれあったりするよ。今回は、耳の中に虫が入っていたから、大暴れしたんだと思うよ」

 ブチという名を熊につけた少女は、明日人たちの前に歩きながら、ブチのことを話した。

 スキップ気味で、長い黒髪を揺らしながら。

「じゃあ、あの熊とは友達ってことなのかい?」

「そうなるね。それより驚かせちゃってごめんね…お詫びに村まで案内するから…」

 吹雪は、少女にあの熊とは友達なのかと尋ねた。

 吹雪も、北海道では熊とライバル同士だということもあってだろうか。

「それより、さっき皆が通っていたあの分かれ道、あれ全部村への来訪者と村民を迷わす為に、昔の人が作ったんだって。昔、この国である疫病が流行ったから、そこで感染者と外の世界との繋がりを絶つ為だって…」

 少女が、昔の人が当時はやった疫病での感染者を隔離するための道で、花伽羅村はその感染者の村だったということを話したと思えば、ある低木の所で立ち止まった。

「それで、今はどうなの?」

 今はもうその感染者は居ないんでしょ? と、明日人が訪ねる。

 すると、少女は微笑みながら言った。

「今はもう当時の疫病で感染した人は居ないよ。今はそこに残された人たちとで村の生活を楽しんでるんだ」

 こっちだよ。と、二本ある低木の間を広げながら。

 少女に連れて行かれるがままに森の奥深くを進んでいくと、突然暗い森に一縷の光が差し込んできた。

 太陽の光だ。

「さぁ! ここをくぐれば村だよ!」

 少女に背中を押されるがままに、光の方に飛び込んでみると__。

 そこには、先ほど自分達が居た暗がりの森とはうって変わって、陽気な太陽が照らされる自然あふれる村があった。

 とんぼや蝶が飛び交う無数の田んぼ、藁と木と障子の簡素な家と蔵、木造の店や駄菓子屋などの市場、村の北側にポツンとおかれた古い神社、花畑、森の湧き水から出来る川、井戸に薪木…

 自分がいた都会とは全くと言っていいほどに違っていて、見る人によっては一つの幻想郷の様にも見えるだろう。

「す、すげぇ…」

「花伽羅村って、こんなところだったんだな…」

「伊那国島よりもずっと自然いっぱいだ…」

 東京などの都会で住んできた明日人たちにとって、この光景はまるで漫画か絵画か。

「の、野坂さん、ここはまるで…」

「わかってる、幻想郷か理想郷だと言いたいんだね」

 藁を固めて出来た木造の家、少しさびれた神社などと、自分達は夢の世界にでも迷い込んだのではないかと錯乱してしまう。

「あそうだ、フロイに連絡しないと…」

 一星が鞄からスマホを取りだそうとしたその時。

「おにーちゃん、それなに?」

「すごーい! 僕達が持っているのよりうすーい!」

「しかも折りたたんでないよ!」

 どこからか六歳から八歳くらいの子供たちが現れ、一星のスマホを見ようと群がってくる。

「ちょ…ちょっと!」

「そこ! 人の物を取ろうとしない!」

 すると少女が一星に群がっている子供達を叱咤した。子供たちの姉なのだろうかと、タツヤが声をかけた。

「君、この子たちは兄弟なのかい?」

「ううん、近所のおばさんたちの子供達なんだ」

 ただちょっと悪戯好きなのがたまに傷なんだけどね…と少女はタツヤに子供たちのことを話していると、今度は少女に子供達が飛びかかってきた。

「ねぇねぇ! ぼくおにごっこつよくなったんだよ! やろうよ!」

「わたしも! やりたい!」

「わかったわかった」

 と、少女が飛びかかってきた子供たちをなだめていると、突然少女は明日人たちに振り向いた。

「そうだ、貴方たちも鬼ごっこする?」

「……へ?」

 突然遊びに誘われるのはいい。子供が遊びたいというなら、付き合ってあげるのが年上の役目だ。しかし、その遊びの内容が、明日人たちにとっては幼稚過ぎていた。

『か、鬼ごっこ~!?』

「鬼ごっこって…わざわざ俺達を誘ってまでやるものか?」

「ガキがやるもんじゃなぁ…」

「んっふふふふ~ん! それが、全然違うんだな~。まぁまぁ、とりあえずやってみてよ! 面白いから!」

 年に合わない遊びに嫌気がさしてそうなヒロトをなだめながら、少女はヒロトの背中を押して森へと運んでいく。

 そんな一方的な少女を見て、明日人たちはいやいやその鬼ごっこに参加することにした。かくれんぼ場所は、村の壁として村への入り口としての役割を果たしている森の中。先に待っていた子供たちはもう準備万端のようだ。

「ルールは、私が六十秒数えている間に、森の中を逃げ回る。そして、私が五分以内に全員見つけられなかったら、皆の勝ち。逆に見つけたら、私の勝ち。でいいかな?」

 大分大真面目なルールに、明日人たちはあっけにとられた。村が村なだけに、てっきり地元ルールとかがありそうな感じはしたが、そうでもないらしい。

 ちなみに森の中にはこれ以上深入り出来ぬようにロープが巻かれているから、遊びのつもりが森の中で迷うことはないそうだ。

 

「じゃあ始めるよ!」

 

 少女が言った瞬間、子供達が一瞬消えた。

 いや、消えたのではない。足が速すぎて、明日人たちには消えたようにも見えたのだ。

「いーち、にー、さーん、よーん」

 しかし、子供達の速さに驚いている間にも、少女は数を数え続けている。こうしちゃいられないと、子供達に続いて森の中に入っていく。

 それぞれで散り散りになって行動する者や、子供の遊びだろと真面目にやらない者などと。

 

 

 

 

「ごじゅうはちーごじゅうきゅー六十!! さて、探しにいきますか!」

 数を数え終え、顔を伏せていた為に自分の前に流れ込んだ後ろ髪をかきあげた少女は、先ほどの子供達よりも『速く』森の中に入った。

 昨年の落ち葉の絨毯を走り抜け、少女は森の中を走る。

 土を走る音、話し声、走る音…と、少女は森の中で発せられる音を聞き取り、真っすぐにその方向へと向かった。

「タッチ!」

 森の中を走りつかれ、その場に休憩していた明日人の肩に触る。

「え、ええ!?」

 明日人が声を駆ける前に、少女は次の人を探しに走っていった。

 今度は大勢。相手は三人…と、木々の通気性を利用して、話し声から遠くからの状況を読み取った。

 少女はその大勢の所まで走り抜け、後ろから襲撃する。

「はいはいはい!」

 まずは野坂、一星、そして西蔭と、背中をタッチした瞬間に前進に走り抜ける。

 とその時、自分の目の前で風を感じた。

 先ほどの子供たちの一人、いや二人だ。

「これは僕達が一週間もかけてつくった必殺技だ!」

「捕まえられないよ!」

 少女を囲むようにして、二人は森の木々を足場にしながら、また次の木へと、空中を走る。

「そうなんだ! じゃあやってみて!」

 少女が飛び上がると、右手を大きく振って子供のうち一人を捕まえ、左手も同じように子供を捕まえ、地面に足を付ける。

「捕まえた♪」

「また負けた~」

「おねーちゃん強すぎ…」

 

 ***

 

 その頃。灰崎は森の中を歩いていた。

 かくれんぼをする気にもなれず、開始直後にすぐ少女に捕まってしまったのである。

 ジャージのポケットに手を突っ込みながら、宛も無く暗い森の中を歩いていると、灰崎は突然立ち止まる。

「……隠れてねぇで、出て来いよ」

 それは、自分を付けている誰かに、もうすでに見破っていると言い放つ為の言葉か。

 すると、木の陰から灰崎に近づいてきたのは、あの神父たちだった。

「なんだそれは、私達に対して余裕の笑みか?」

「余裕とかじゃねぇ。捕まえてんなら最初から出て来いよ」

 後戻りもせず、逃げもしない灰崎。

「捕まる気全開のようにも見えるが…。どういうつもりだ?」

「単刀直入に言おう。俺がお前らに捕まってやる代わりに、茜を返せ」

 なんと、灰崎は己を犠牲に自分の大切な人である茜を引き渡せと要望してきた。

 己を犠牲にしたところで、大切な人が本当に変えてくるかはわからない。

 おまけに、捕まった先に何があるのかもわからないというのに、灰崎は身を決した。

 大切な人を守る為に、人生で一度の大勝負に出た。

「本当にいいんだな?」

「別に構わねぇよ、約束を守ってくれんならな」

 自分から両手を後ろに回し、相手に背中を向けながら自分の後方に顔をのぞかせながら、灰崎はそう神父たちに言い放った。

 灰崎の決死の要望に応じた神父たちは、灰崎を中心に三角形に取り囲む。

「おーい!」

 だが、向こうの森の方で灰崎を呼ぶ少女の声がした。

「邪魔が入ったな」

「だが覚えておけ、口に出してしまったら、もう言い直せないことをな」

 邪魔されたことに苛立ちながら、神父たちはその場から消えていった。

 だが、これで灰崎との契約が無くなった訳でない。もう取り消すことは出来ない。口に出してしまったら、OKと行ってしまったも同然なのだから。

 先ほどまでそこに居た神父たちの存在に気づいていないのか、少女は元気そうに灰崎に近づいていった。

「もうかくれんぼは終わってるよ? どうしたの?」

 おそらく、終了の時に戻ってこなかったのを心配しているのだろうが、灰崎は少女の話しの返事をしなかった。

「…道に迷ってな…案内してくれないか?」

「そうだったんだ! じゃあ森の入り口はあっちだから、一緒に行こ!」

 灰崎の行動を怪しんでいない少女は、灰崎の手首を掴んだかと思えば、森の入り口まで灰崎を連れて気さくに進んでいった。

 だが、本来なら灰崎が道に迷うはずがないのだ。

 なぜなら、森の入り口までの道は、ここからでもすぐわかるくらいに近い距離にあるのだから。

 

 ***

 

「おまたせ、みんな!」

 少女が灰崎の手を握りながら、皆が待っている森の入り口まで戻ると、各地で子供たちの「おそーい」という声が上がるも、少女はこれを軽く収める。

 鬼道が灰崎を叱咤し、ヒロトが道に迷ったことを茶化すも、灰崎はそれになんの反応も示さず、少女にありがとなの一言だけ言って、明日人たちの方に戻っていった。

「灰崎…」

 やっぱり森の中で何かあったんじゃないか…? と、明日人は灰崎の姿を見てそう感じた。

 とその時。

 

「やっぱり『夜舞』お姉ちゃんは凄いや!!」

 

 そう言った六歳くらいの男の子の言葉に、明日人たちは反応した。

 まさか、今まで自分達を村まで案内したり、かくれんぼをしていのは、自分達が探していたあの夜舞だとでもいうのかというように。

「夜舞って、あのお姉ちゃんのことか?」

 夜舞という選手の名前を言った男の子の前に、円堂が目線を合わせるようにしてしゃがみ、夜舞のことを聞いた。

「うん! 夜舞…月夜お姉ちゃんっていうんだ!」

「そ、そうなんだ…」

『ええっーーー!?」

 今自分達の目の前に居る夜舞と、花伽羅村に来る前に考えていた夜舞月夜という人間と比べながら、明日人たちはその差に驚いていた。

 確かに容姿も経歴も分からず、わかっているのはリベロであり、花伽羅中サッカー部のキャプテンであることだけ。確かに誰が夜舞月夜でもおかしくはないのだが…

 まさか、こんなにも活発な子が夜舞月夜だとは、ここに居る全員が考えもしていなかった。

「イ、イメージと全然違う…」

 夜舞月夜のことを、まるで漫画やアニメに出てくるような人間だとイメージしていた坂野上が、その差に地面にへたり込んでいた。

 それは大谷も同じで、月光の魔女という異名から夜舞の事を、高貴で高飛車なイメージを持って見ていた。

「魔女っていうものだから、てっきり高飛車なイメージを…」

「あはは…実はあまりそうでもなくて…。というわけで、私が夜舞月夜だよ」

 改めて明日人たちに自己紹介をした夜舞月夜。

 川の様にさらさらな、黒く膝まで届きそうな髪。魔女のような燃えゆく深紅の瞳。金色のピンでとめた前髪。美白とはいかないが綺麗な肌。まさに魔女にふさわしい容姿だった。

「それより、おにーちゃんたちは夜舞おねーちゃんに用があるのか?」

 本来の目的を思い出した明日人たちは、夜舞と子供達にもわかりやすいように、説明した。

「じゃあ、そのユースティティアというのとたたかうためにここまできたんだ」

「すごーい!」

「道にまよわなかったの?」

「夜舞おねーちゃんを連れてっちゃうの?」

 それぞれ感じた子供たちが、次々に言葉を交わした。

「そういうことが、この村の外で起きてたんだ…サッカーを禁止にするなんて許せない! そういうことなら喜んで…」

 加入するよと言おうとしたその瞬間、家が密集している方角の方から、聞き覚えのある声が聞こえた。

「話は聞かせてもらいましたよ~この子が、夜舞月夜さんですね」

「監督!」

「いや~森に入っていく白い服を着た黒髪の女の子が森に入っていくのを見ましてねぇ~ついつい誘われるがままに入ってしまいましたよ~」

 監督がついていったという女性の特徴を聞き、明日人と野坂は瞬時にその女の子が誰なのかを感じ取った。

 あの『天使』だ。

 野坂は、会えるものならあの忠告について聞きたいと、あの天使に会いたいと思っていた。明日人は、あの時伊那国島で見たあの天使の容姿が忘れられず、いつの間にか「会いたい」とまで思っていた。そのため、監督のその女の子の特徴で、人違いかもしれないというのに、あの天使にその特徴を当てはめてしまうのだ。

「残念ながら、その女の子はもう居ませんでしたけどね~」

「親分、また次の出会いが待っていますよ」

 という趙金雲の言葉を聞いて、明日人はまだ会えないのかと思った。

「はいそれでは。夜舞さん、私達の第三者にふさわしいか、確かめてもらいますよ~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 月の様に優しい魔女は、この幻想に満ち溢れた村に存在していた。

 

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