申し訳ありません
10月27日 曇
今日も雪は降っていない。森は今日も静かだ。昨日作ったトゥレの乾物と、倉庫に残っていた堅果、水
筒、衣類、ランプやオイルなどを持って交易所に向けて出発した―――
「盆地に住んでいる以上、その外に出るのに時間がかかるのは仕方ないか。」
と、私は眼前の山脈を見て呟いた。
私の住んでいるこの森は、周囲の全てを山脈に囲まれている盆地にある。
だから何処に行こうとしても、必ず急斜面を登ることになる。
この森に住んでいるのは私だけなので
基本的にこの森から出ない生活を送っているのであまり困ることはないが、こうやって盆地の外に出るときは、鉄道で楽々移動できる平地に住んでいる者が羨ましくなる。
だが、得ることの出来ぬ物を望んでも仕方がない。今の私にできることは、交易所で会えるはずの友とどんな話をするか考えることぐらいだ。
獲物
→なし
消費
→堅果 一掴み
所持
→保存食(トゥレ)
二羽
→堅果 一袋(九掴み)
→水 三日分
→水筒 一つ
→オイル 三日分
→ランプ 一つ
森の泉の側にある小さな精霊の石像が、山の向こうへ消えていく男の後ろ姿を見つめていた。
その石像はあの男が作った物だった。
彼がその不器用な手先で時間をかけて作ったその像は、決して美しいといえるものではなかったが、彼女(とはいったものの一目では男か女かは判断できないのでもしかすると“彼”かもしれない)はこれまで信仰の対象としてこの泉の側にあり続け、この森を災いから守ってきた。
これまでこの森に猛吹雪が来なかったのも、地震がなかったのも、盗賊が一人もこの森に来ないのも、全ては彼女(とはいったものの一目では男か女かは判断できないのでもしかすると“彼”かもしれない)のお陰だったのだ。
だが、あの男が彼女(とはいったものの(以下略))の偉業に気付くことはなかった。
彼女はずっとそれが不満だった。彼に気付いてほしくて様々な奇跡を起こした。
それでも彼が気付くことは無かった。
彼女は、あの男が彼女の起こした奇跡に気づく日はきっとこないだろうと足元まで迫った黒い液体を見ながら悲しく思った。
10月28日 曇
今日も雪は降っていない。
少し前までずっと降り続いていた雪がこうもぱったり降らなくなると、少し不安になってくる。
まあ、そのうち降るだろう。天気なんてそんなものだ。
あの森を発ってから一日がたった。
結構な距離を歩いてきたが、まだ交易所は遠い。
もう少し歩けばいつも交易所へ行くとき泊まっている宿屋に着く筈だ。
あそこの酒は旨いから、今から飲むのが楽しみだ。
お粗末様でした
一部訂正しました
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