メギド72オリスト「茨を駆ける十二宮」   作:水郷アコホ

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1-1前半「連名依頼」

 王城の応接室に座って待機しているソロモン達。

 ここまで彼らを案内した騎士が、ドアに手をかけながらソロモンに伝える。

 

 

騎士

「では、もう少々でガブリエル様がいらっしゃいますので、今しばらく」

「到着後、ガブリエル様から直々に、追って説明なされるとの事です」

 

ソロモン

「わかった。ありがとう」

 

 

 ドアが閉じられ、騎士の足音が去っていく。

 

 

ソロモン

「さて──」

 

 

 顔ぶれを再確認するソロモン。

 今、室内に居るのはソロモンと、ソロモンがアジトで同行を打診し、承諾した面々。

 バルバトス、ザガン、ハルファス、ハーゲンティ、エリゴスの5人。

 ハーゲンティが、騎士がもてなしに置いていった茶会セット一式に目を輝かせている。

 

 

ハーゲンティ

「おお~……王都御用達っ、高級っ、お茶菓子!!」

「さっきの騎士のアンチャンが置いてったって事は、食べて良いって事だよね!?」

 

ハルファス

「そうなのかな? 雰囲気出すためだけかも知れないし」

「でも、一緒に出してくれたお茶は、置いといたら冷めちゃうかな?」

 

ハーゲンティ

「ならもう『じゃんじゃん飲んじゃって』って事でしょコレ絶対!」

「ほらほら、ハルちゃんも飲んで! 食べて!」

 

ハルファス

「お茶菓子も? 良いのかな……」

 

ハーゲンティ

「大丈夫! お茶飲んでお茶菓子無いとか、お賃金の無いお仕事と一緒だもの!」

 

エリゴス

「まあ出しといて手ぇ付けるなって事は無いと思うし、良いんじゃねえの?」

「けどハーゲンティ、持ち帰って売るとかはナシにしとけよ」

 

ハーゲンティ

「やりません! お金よりごはん!!」

 

バルバトス

「いやはや、華やかかつバイタリティに溢れるメンバーだねえ。気合いが入るよ」

 

ソロモン

「気合い入れてもらっても、今日はひとまず話を聞くだけだけどな」

 

ザガン

「え、そうなの? 一ヶ月くらい出張れるかって聞かれたからてっきり……」

 

ソロモン

「ああ。王都側から、そう要請されたんだ」

「詳細を話す前に、依頼に連れて行くメギドを決めておくようにって」

「それも少なくとも半月……できれば一ヶ月。アジトから離れて逗留し続けられる人員で」

 

ザガン

「そうだったんだ。じゃあ、受けるか受けないかも決まってないのかぁ」

 

エリゴス

「つっても一ヶ月だろ? 今日一日で決めてその日の内にってアリなのか?」

「よく知らねえけど、そういうのって何日もかけて予定合わせるもんなんじゃねえの?」

 

バルバトス

「スケジュールの問題を人数でカバーできるのがウチの強みだからね」

「それに、依頼の内容が分かってないなら、これくらいで良いんだよ」

「そんな長期任務を任せようって言うなら、こっちばかり労力が嵩むのは不公平だ」

 

エリゴス

「メンツってやつか。まあ、ハルマ連中にナメられてもたまらないしな」

「贅沢に選り好みさえようってんなら、こっちもスパッと決めて焦らせてやろうってわけだ」

「へへっ、ソロモンも肝が座ってきたじゃねえか」

 

ソロモン

「いや、そこまでは考えてないけど……でも、一度に『全員』を確保するのは難しいしさ」

「長期任務となると、その間、幻獣と戦い通しって事もあり得るだろ?」

 

エリゴス

「あー、確かに。怪我に疲労にで交代要員も必要になるな」

 

バルバトス

「俺やザガンみたいな役回りは数も限られるからね」

「補充まで見越しての人選は不可能と言って良い。となると……」

 

ソロモン

「ああ。依頼側にガブリエルも絡んでるなら、そこを考えてなかったとは思えない」

「最初から、最低限の準備だけでこっちが来るって読んでると思う」

 

バルバトス

「つまり、依頼内容も最初から、このくらいの人員で回せる仕事って事か」

「人が悪いなあ、全く」

 

ザガン

「でもさあ、最初からそう言えば良いんじゃないの?」

「何人くらい欲しいって注文も無いんじゃ、多すぎたり少なすぎても困るのに」

 

エリゴス

「同感。ソロモンが少ししか人を集めないって分かってて依頼したって事だろ?」

「あたしだったら、『こっちの気にいるように見繕っとけ』としか思えねえな」

「それはそれでナメられてるも一緒じゃねえか?」

 

バルバトス

「可能な限り、絞りたかったとか……かな」

 

エリゴス

「え?」

 

ソロモン

「俺も同じことを考えた」

「多分……戦闘が絡む任務じゃないんだ。メギドが最低限居れば良いような」

「そして、俺にとって必要と思える人数ギリギリで来る事を『期待』されてる」

 

バルバトス

「ガブリエルは王都側だ。俺達の最新の情勢を把握できる立場じゃない」

「メンバーに変に注文付けて、俺達の実力を縛ってしまう事を避けたのかもしれない」

 

ザガン

「いつもみたいな戦闘じゃなくって、でもメギドの力が必要で、少ないほど良い仕事……?」

 

エリゴス

「まさか……暗殺、とか?」

 

ザガン

「えぇ~……私、そういう格好良さはちょっとなぁ……」

 

エリゴス

「あたしも、世間様に胸張れた身とは言えねえつっても、気は進まないな……」

 

ソロモン

「……」

 

 

 空気が落ち込む応接室。

 ハルファスは蚊帳の外で、お茶を啜りながら一行を見守っている。

 ハーゲンティは目を閉じ耳を塞ぎ、顎だけを動かしている。お茶菓子の味を一生の想い出に刻むため、全神経を味覚と嗅覚に集中させていた。

 

 

バルバトス

「有り得ないとは言い切れないけど、多分その手の仕事は求めてないよ」

「シバの意向、俺達との信頼関係……そういったものを考えると、『まだ早い』」

 

ソロモン

「『まだ』……か」

 

バルバトス

「脅威に立ち向かうなら、脅威に精通するしかないからね。いつかは、覚悟すべきだよ」

「でも今じゃない。仕事優先で平気で関係を壊せる程、ガブリエルも馬鹿じゃない」

「何より王都としての依頼なんだ。フラム王の承認無しに実行されなきゃ大問題さ」

「だったら、あの人が俺達の手を直に汚させるような依頼を認めるはずがない」

 

ソロモン

「そうだな……王さまが関わってるなら、信用できる」

「でもやっぱり、『知られる人間を少なくしたい仕事』には間違いなさそうだな……」

 

エリゴス

「人づてに知られるとマズい事情があるって事か」

「だから『連れを決めてから話す』なんて回りくどい真似してんのか」

「うっかり関係ないやつにまで知られないために」

 

ザガン

「でも……疑うつもりは無いんだけど……」

「その……ヴィータに危害を加えるだけじゃないよね? 『イヤな仕事』って」

 

バルバトス

「騙し誤魔化しの汚れ仕事なら、メギドは元より外部に委託するわけがないよ」

「それも他人に集めさせた、専門家でもない集まりだ。やらせた所で期待もできない」

「精々、反社会的な組織の武力鎮圧じゃないかな。フルカネリ商会みたいな」

 

エリゴス

「ああ、ハルマの兵器掘り出して売りさばいてるっていう?」

 

バルバトス

「そう。構成員の殆どはヴィータで、しかし手加減は難しい武力を持っている」

「つまり、戦わねばならないと同時に、ヴィータを手にかけるリスクがある」

「その必要に駆られた時に、俺達が決断できるか……」

「今後の試金石として、一度俺達に打診してくるくらいなら有り得るかもね」

「まあ、フルカネリはまだ足取りも掴めてないらしいから、線は薄いだろうけど」

 

ザガン

「うーん……」

 

バルバトス

「大丈夫さ。あくまで、本当に『イヤな仕事』だった時の話だよ」

「可能性も極めて低い。こんな騙し討ち的に要求される事はまず有り得ないからね」

 

ソロモン

「この話題は、ここまでにしよう。暗くなるばっかりだ……」

「それより、バルバトスとエリゴスに、良いかな。意見を聞きたいんだ」

「ザガンも良ければ聞いてくれ。気分転換にもなるし」

 

ザガン

「う、うん。ありがと」

 

エリゴス

「あたしが、バルバトスと一緒に? いやー、参考になるかなぁ……」

 

ソロモン

「戦うことになったらって時の話だよ」

「メギドの協力が必要って事は、少しは戦闘の可能性もあるって事だと思うんだ」

 

エリゴス

「ああ、それで喧嘩慣れしてるあたしもってわけか。なら良いぜ」

 

ソロモン

「ありがとう。それで──」

「率直に言って、5人ってのはちょっと少ない気もするんだ」

 

バルバトス

「ふむ……」

 

ザガン

「そう言えば、先に決めてから来いって言ってたんだよね?」

 

エリゴス

「となると、出来れば追加召喚は無しの方が良いのか」

「ぶっ通しで戦う心配無くなったとしても、確かになあ……」

 

ザガン

「連絡とか交代で、一人くらいは欲しくなっちゃうね」

「私、こないだバティンに『盾役なのに怪我しやすい』って注意されちゃったし……」

 

エリゴス

「あれ、防いでるっつーか避けてるもんな、全部。最初見た時は度肝抜かれたぜ」

「あたしも武器で捌きはするけど、注目惹きつけて片っ端からは流石に無理だなぁ」

 

ザガン

「まだまだ攻撃が重すぎると、体ごと持ってかれちゃうけどね」

「でも、ありがと。この『技』、私の自慢なんだ」

 

ソロモン

「(ザガン、ちょっと元気出てきたな。これなら大丈夫そうだ)」

「もう何人か誘えないか声かけてみたんだけど、この結果でさ」

 

エリゴス

「早く済んでも半月だもんなぁ。簡単には縦に首振れねえよな」

「あたしは機会があったから良かったけど、普通の生活じゃ半月も休めねえしな」

 

ソロモン

「そういえばあっさりと受け入れてもらったけど、何でそんなに時間が空いてたんだ?」

 

エリゴス

「ちょっとね。『たまには人に任せて羽根を伸ばして来てくれ』って言われててさ」

 

ソロモン

「じゃあ、休暇か何かって事にして、こっちの仕事を……?」

 

エリゴス

「気にすんなって。だらだらしてんのは性に合わないしさ」

「むしろずっと前から同じ小言でせっつかれてたんだ。助かるくらいだよ」

 

ソロモン

「まあ、エリゴスがそれで良いなら……」

 

ザガン

「いつも一緒のバルバトスに、元々ソロモンに会うために旅してた私に──」

「ハルファスも大体はアジトに居るし……あれ? ハーゲンティって、仕事してなかった?」

 

 

 ハーゲンティはお茶で口を膨らませている。

 どこで学んだのか、茶を口内で霧状にして香りを高めようとしているようだが、完全にブクブクと口を濯いでいるだけだった。

 

 

ソロモン

「最近、幾つかまとめてクビになって、生活がピンチらしくて……」

 

ザガン

「あー……」

 

エリゴス

「依頼を片付けると、あたしらにも王都から謝礼出るしなあ」

 

ソロモン

「前から、謝礼目当てで同行をせがんで来る事もあったし」

 

 

 ハーゲンティに視線が集中している事に気づいたハルファスが、とりあえず皆に合わせてハーゲンティを眺めている。

 

 

ソロモン

「ま、まあ、そんなわけで、エリゴスが言った通りに中々人が集まらなくてさ」

 

エリゴス

「ハルファスみたいに若い連中なら大した仕事もなくて何とかなりそうなのになぁ」

「後は、バルバトスみたいな旅が仕事の連中とかも」

「あ、いや、無理して出てこいとか言うつもりじゃねえけどよ。一応」

 

ソロモン

「個人個人の生活があるから、そう都合良くも行かないよ」

「ウァサゴとかも、丁度アジトに居たから声をかけてみたけど断られた」

 

エリゴス

「そういやウァサゴも確か、ザガンみたいに旅してた側だったっけか」

「まあ元が貴族なのに何でとか、詮索する気はねえけど」

 

ソロモン

「うん。どうしても外したくない用事があるからって」

「前から、実家の古い付き合いだとかでよく出かけてたから、それだと思う」

 

エリゴス

「へー。やっぱ貴族は貴族で大変なんだなあ」

 

バルバトス

「……ちょっと良いかな。考えがまとまった」

「多分、『この場では』この5人で大丈夫だと思う」

 

ソロモン

「あ、バルバトス。ずっと静かだったのはそれでか」

 

ザガン

「『この場では』って、どういう意味?」

 

バルバトス

「結論から言えば、ここに集まった者だけに、何か特別な仕事を任されるのかも」

「後からの増員は認めるけど、増員分は特別な仕事から外される」

「本質的な依頼の解決を担うのは、それを通達された俺達だけって所かな」

 

エリゴス

「幻獣退治に例えるなら増員分は、ザコ散らしや一般人の救助ってとこか」

 

ザガン

「それで、私達だけで黒幕を探してやっつけるって事?」

 

バルバトス

「あくまで戦闘のみで例えるならだけどね」

「曖昧な注文するリスクを許容してるって事は、そう考えるのが妥当だと思うよ」

 

ソロモン

「最悪の場合、一人連れてくるのがやっとだったりしたかも知れないしな」

 

バルバトス

「だろうね。ガブリエルも織り込み済みのはずだ」

「本当に少なすぎた時は説明だけして、後は俺らに託す予定じゃないかな」

「『本命をこなすのに適任なメギドにだけ後から説明しても良い』とか」

 

ザガン

「それで、仕事ってのは結局、どんななの?」

「メギドが必要で、少人数で、今いる私達だけに任せて……条件多すぎない?」

 

 

バルバトス

「それなんだよな……流石に情報が少なすぎる」

「一つだけ『候補』が有るけど、これはこれでメギドがやる必要がなぁ……」

 

ソロモン

「『候補』って、どんな?」

 

バルバトス

「増員と俺達の仕事が分かれるって事になるだろ? つまり──」

 

 

 応接室のドアがノックされた。

 返事を待たずに開かれ、見慣れた顔が2つ入室した。

 シバとガブリエルだ。

 

 

ガブリエル

「お待たせしました」

 

シバ

「……」

 

ソロモン

「いや、問題ないよ。こっちも少し話を──」

「ん? シバ、何かだいぶ疲れてないか?」

 

 

 シバの顔色が優れない。表情も、酷い眼精疲労に耐えているかのようだった。

 ガブリエルがいつも通りなだけに、なおさら際立って見える。

 

 

ザガン

「あ、ほんとだ。ちょっぴりクマできてるよ、本当に大丈夫……?」

 

シバ

「まあ、色々あってな……気遣いは無用じゃ」

「休息ならこの後すぐに取る。ガブリエルの話が済んだらな」

 

バルバトス

「ガブリエルが……じゃあ、シバは?」

 

シバ

「手伝い……だ、そうじゃ。本題はほぼほぼガブリエルが伝える」

「依頼のあらましについても、つい先日書簡で知ったばかりでの」

 

ソロモン

「そんなオマケみたいに……」

 

シバ

「ハァ……オマケみたいなものじゃ」

 

バルバトス

「(シバが人前で愚痴を溢すほどか……何があったんだ、本当に)」

 

ガブリエル

「シバの健康維持のためにも、早速説明を始めます」

「まずは……」

 

 

 ソロモン一行の顔ぶれを確認するガブリエル。

 シバはその間に、手近な席に着席し、不機嫌そうに頬杖を突きはじめた。

 ガブリエルの視線が、彼らの入室前から全く空気の変わっていない一角で止まる。

 

 

ガブリエル

「ふむ……」

 

ハルファス

「(さくさく……)」

 

ハーゲンティ

「(ごぶごぶごぶ……ごっきゅん)」

「ん~~、お金のかほり……♪」

 

ソロモン

「(あまりおいしくなさそうな表現だな……)」

 

ガブリエル

「なるほど、ハーゲンティ……」

 

ハーゲンティ

「ん? 誰か呼んだ?」

 

シバ

「おい、ガブリエル」

 

 

 シバが気まずそうな声を差し込んだ。

 

 

ガブリエル

「好都合なのは事実です」

 

バルバトス

「(シバが咎めたのなら、良い意味じゃなさそうだな……)」

「取り敢えず、ハーゲンティ。ハルファスも、ガブリエルの話を聞くように」

 

ハーゲンティ&ハルファス

「はーい」

 

ガブリエル

「メギドは計5人……バフォメットは、来ていないようですね」

 

ソロモン

「え? まあ、今朝は会わなかったし」

「それに会えても、バフォメットは仕事が忙しいだろうから連れてくるのは……」

 

ガブリエル

「いえ、聞いてみただけです。元より指名もしていないので」

 

バルバトス

「……それ、さっきから何かの『振り』かい?」

「君にしては『訝しんでください』と言わんばかりだけど」

 

 

 尋ねるバルバトスの目は笑っていない。

 ガブリエルの様子がどこかおかしいと感じ取り、頭脳の回転率を上げている顔だった。

 

 

ガブリエル

「言いがかりですね。勘ぐりたいなら、お好きにどうぞ」

「改めて……まずまずの人数ですね」

「事前の要望にも適っている。何よりです」

 

エリゴス

「事前の要望? 前もって仲間を準備してきた事……って言い方じゃねえよな」

 

ザガン

「長く任務に出れるって事なら、見ただけで分かるわけないし……」

 

ソロモン

「あ、いや……ごめん。実はもう一つだけ、人選の条件があったんだ」

「『メンバーの過半数は女性メギドになるように選べ』って」

 

バルバトス

「ほう、なるほど……!」

 

エリゴス

「何がなるほどなんだよ」

 

ザガン

「な、何それ……」

「……っていうか、何でソロモンも黙ってたのさ?」

 

ソロモン

「ごめん。そこを伝えて依頼に誘うのは、何か気が引けちゃって……」

 

ザガン

「何で?」

 

バルバトス

「やれやれ、パイモンに笑われてしまうぞ?」

 

エリゴス

「あんたが言うかよ」

 

シバ

「バルバトスやパイモンが決めた条件ではないから、余計な心配はいらんぞ」

 

ザガン

「なら良っか」

 

バルバトス

「(え……何の心配されてたんだ……?)」

 

ガブリエル

「条件の理由については後ほど説明します」

「まずは依頼の本題──『アブラクサス』について」

 

ハーゲンティ

「アブラ……クサス?」

 

エリゴス

「何かギトギトしてそうな名前だな……」

 

バルバトス

「いやいやいや、むしろ真逆の代物だよ……」

「アブラクサスと言えば、花の品種じゃあ無かったかい?」

 

ザガン

「あ、知ってる。すっごく高いバラだよね?」

 

ソロモン

「バラ……あの、赤とか白とかあって、トゲがあったりする?」

 

バルバトス

「そのバラだよ。一言でアブラクサスと言っても種類は細かく分かれててね」

「トゲの無い花、青い花、土無しで育つ花……色々あるけど、どれも途轍もなく値が張る」

「しかも理由が、美しすぎて貴族が金に糸目をつけないからときた」

 

ザガン

「最近、一輪100万ゴルドもするアブラクサスが作れたって聞いたよ」

 

ソロモン

「100ま……100万!? 花一輪で!?」

 

ハーゲンティ

「100まん……100まん?」

 

バルバトス

「(桁が高すぎてハーゲンティに言葉が通じてない……)」

 

エリゴス

「はえー。金持ちってな花ひとつでよくもまあ……」

「ハルファスはどうだ。そんな高い花があるなんて知ってたか?」

 

ハルファス

「ううん。花の方は知らなかった」

 

エリゴス

「だよなー……って、花の方?」

 

ハルファス

「うん。お花が名産だったって事なら聞いた事あったけど」

 

エリゴス

「は……? えっと、何の話だ?」

 

ガブリエル

「ほう……」

 

シバ

「意外な所から来たのう」

 

ソロモン

「な、何だ? 花の話じゃなかったのか?」

 

ガブリエル

「『アブラクサス』と私が口にしてから、あなた達が勝手に話を広げただけです」

「ハルファス。もしや、出生地はアブラクサスの周辺領ですか?」

 

ハルファス

「私? うん。えっと……『イーバーレーベン』……だったかな?」

 

ガブリエル

「イーバーレーベンですね」

「参考までに、そこに誰か、身寄りはありますか?」

 

ハルファス

「うーん……今は、多分居ない……かな?」

 

ソロモン

「ちょ、ちょっと待った、先に話を進めないでくれ!」

 

バルバトス

「アブラクサスにイーバーレーベン……あ~そうか、そっちかぁ」

「やれやれ、今じゃすっかり花としてしか認知されてないからな……」

 

ガブリエル

「では、一旦話を戻しましょう」

「我々が口にしたアブラクサスとは、地名です」

「つまり、あなた達に出向してもらう目的地の名でもあります」

 

ザガン

「花と土地が同じ名前……原産地とか?」

 

バルバトス

「あたり。今は多種多様なアブラクサスだけど、ルーツは一株のバラからだ」

「それが株分けされて、様々な改良を加えられて、今に至るって次第さ」

「ただ……現在、土地としての『アブラクサス』はもう存在しないけどね」

 

エリゴス

「え?」

 

バルバトス

「もう百年も前に廃れたんだよ。フォトンの枯渇でね」

「まあトドメを刺したのはフォトンと言っても、それ以前から『アブラクサス』が──」

 

ガブリエル

「とにかく、アブラクサスについての情報はひとまずそれで充分です」

「市場に出回るバラの『アブラクサス』の原産地であり、かつて栄えた都市」

「そしてアブラクサスは約100年前に住民が出払い、今は廃墟が残るのみ」

 

バルバトス

「(おや……?)」

「随分突き放すじゃないか。ハルマにも関わりがあるんじゃなかったかい?」

 

ガブリエル

「昔の事ですので」

 

バルバトス

「(今のは……間違いない。ガブリエルが俺の話を遮ってきた)」

 

エリゴス

「とにかく、その『今はもう無い街』へ行けって依頼は、つまり……?」

 

バルバトス

「廃墟となったアブラクサスに行って、何か調査しろって事だろうね」

「ただ、幾つか周辺の領地に行った事はあるけど……腑に落ちないな」

「あの辺りで王都が出張る程の騒ぎなんて聞いた事もない」

「『百数十年前』以降はね」

 

ガブリエル

「そこからについては、もう一人が到着してから──」

 

 

 応接室のドアがノックされた。

 

 

???

「私だ」

 

ガブリエル

「丁度、到着したようですね」

「どうぞ」

 

ソロモン

「(あれ……今の声……?)」

 

 

 ドアが開いた。ガブリエル達とは別の方向性……ソロモン達と同じ方向を向いた馴染みのある人物が現れた。

 

 

グレモリー

「遅れて済まない。少々手間取ってな」

 

ガブリエル

「問題ありません。承知済みです」

 

ソロモン

「グ、グレモリー!?」

 

バルバトス

「よ、呼んでたのか、ソロモン?」

 

ソロモン

「まさか……会ってすらいないよ」

 

 

 驚く仲間たちを置いて、まっすぐガブリエルに歩み寄るグレモリー。

 

 

グレモリー

「どこまで話してある?」

 

ガブリエル

「アブラクサスという、かつて栄えた街が目的地という事まで」

 

グレモリー

「予定通りだな。心得た」

 

 

 訳知り顔でガブリエルのすぐ近くの席に腰を下ろすグレモリー。

 

 

ソロモン

「あの……グレモリー?」

 

グレモリー

「フッ、そう捨て犬のような顔をするな」

「私も、この仕事に一枚噛んでいるというだけだ」

 

バルバトス

「(シバが驚いてる様子はない。極秘に通じていたわけでは無いという事は……)」

「もしかして今回の依頼、王都だけじゃなく……?」

 

グレモリー

「流石は、察しが良いな」

「ガブリエル。続きは私から話そう」

 

ガブリエル

「しかし……」

 

 

 手でかざしてガブリエルの言葉を遮るグレモリー。

 

 

グレモリー

「私なりに、領分は違えない……貴様も了承済みのはずだぞ?」

 

ガブリエル

「……致し方ありませんね」

 

シバ

「……」

 

バルバトス

「(ソロモン、分かるかい? シバが急に、より一層機嫌を損ねた)」

 

ソロモン

「(ああ。今の会話、シバの『頭越し』に交わされたって事だよな?)」

「(つまり、余り考えたくはないけど……)」

 

バルバトス

「(グレモリーとガブリエル。何か隠してるな。シバにも俺達にも)」

「(シバが参ってる一番の原因はこれだろうね。肉体的疲労もあるだろうけど)」

 

ソロモン

「(頼りになる仲間が、露骨に隠し事して、取り付く島も無いんじゃな……)」

 

グレモリー

「さて、内緒話はそろそろ切り上げてもらうぞ」

 

ソロモン&バルバトス

「うっ……」

 

エリゴス

「いや、普通に話進めようとしてんじゃねえって!」

「結局、何でグレモリーが依頼の説明始めようとしてんだ?」

 

ザガン

「いかにも『ハルマ側』って感じの空気出してるし……」

 

バルバトス

「『ハルマ側』じゃなく『王都側』って事だよ」

「依頼者は王都と、『領主グレモリー』だったのさ」

「後、他にも領主や貴族が何人か参加してるんだろうけど」

 

グレモリー

「そういう事だ」

「強いて改める所があるなら、何人どころか10を超え、今も数を増している」

 

ソロモン

「連名……!?」

 

ザガン

「しかも偉い人ばっかり……それって、かなり大変な仕事なんじゃあ……」

 

ガブリエル

「ご心配なく。あなた達が気負うような内容ではありません」

「そんな仕事、どう注文した所であなた達にこなせるなどと期待していませんので」

 

ザガン

「悪かったね!」

 

グレモリー

「手短に言うぞ。我々の任務は『潜入』だ」

「現在、アブラクサスには不法滞在者が共同体を作っている」

「我々の内から数人、アブラクサス内部に潜入し、共同体の長について調査する」

「大まかな流れは以上だ。順次、質問を受け付けよう」

 

バルバトス

「我々って事は……?」

 

グレモリー

「もちろん、私も頭数の一人だ」

「ソロモンがすぐにツテを用意できなければ、私がメギド代表となる手筈だった」

 

ソロモン

「やっぱり、想定の内だったのか……」

 

エリゴス

「不法滞在者ってのは、要するに流れのならず者とかって事か?」

 

グレモリー

「公的にはな。詳細に身元まで調べたわけではない」

「安住の地も無く、誰にも身元を探されていない者達。それは確かだ」

 

エリゴス

「つまり、場合によっちゃそいつらを『助ける』事も考えるべきって事か」

 

バルバトス

「ちょっと待て……? そういった人々の中に『潜入』するのが任務って……」

 

ソロモン

「ガブリエル、最初にハーゲンティに何か興味示してたのって……?」

 

ガブリエル

「これ以上の適役も居ないでしょう。純粋に、価値を認めただけの事です」

 

バルバトス

「(悪びれの欠片もない。本音で言ってる……)」

 

ハーゲンティ

「何かよくわかんないけど、あたい褒められてる!」

 

ソロモン

「いや、あの……」

 

ハーゲンティ

「まっかせてちょーだい!」

「『これ以上ない』なんて言われちゃあ頑張らないわけにはイカンでしょ!」

 

エリゴス

「文句言うに言えねえ……」

 

バルバトス

「ハーゲンティがハーゲンティだったから良かったものを……」

 

シバ

「全く……」

 

ザガン

「えっと……私も質問、良いかな?」

「そもそもなんだけど、それって私達がやる必要あるの?」

「その長って人を調べるだけなら、お城の諜報の人とかの方が良いんじゃない?」

「ヴィータが住んでるなら、幻獣に襲われて困ってるって事も無さそうだし」

 

グレモリー

「いや、必要ある。大きな理由は2つだ」

「1つは、アブラクサス周辺で幻獣が忽然と姿を消した事」

 

ザガン

「へ? 幻獣が居なくなったなら良い事なんじゃないの?」

 

バルバトス

「いや待て。それは確かに妙だ」

「アブラクサスには人が住んでいる。幻獣の足取りが追えなくなったとすれば……」

 

ソロモン

「ヴィータを嗅ぎつけて、アブラクサスに入り込んだ……!?」

 

ザガン

「あっ……!」

 

バルバトス

「だが、それなら『アブラクサスが幻獣に襲われた』と言えば良い」

「つまり、本当に『消えた』んだ」

「周囲では発見されず、しかしアブラクサスにも周辺領にも『被害がない』」

 

グレモリー

「そうだ。ではソロモン、思い当たる可能性は?」

 

ソロモン

「俺? うーん……まずはゲートだけど、微妙だな」

「言い方からして、消えた後、出てきてないって事だと思う」

「基本、ゲートはメギドラルが管理してる。『しまう』ばかりとは考えにくい」

 

バルバトス

「それにゲートがあれば、騎士団もそんな情報は持ち帰れない」

「幾らでも幻獣を送り込めるんだ。生きて帰れるような数じゃ済まない」

 

ソロモン

「『ただ消えた』のなら、戦闘の痕跡も無いって事だよな」

「誰かが退治した線も薄い。なら……『操った』くらいしか無いな」

 

グレモリー

「同感だ。王都側も同様の結論を出した」

 

エリゴス

「つまり、『親玉』が居て、どっかに潜伏させてるって事だよな?」

「もし『親玉』が『野良よりマシ』程度だったとしても……」

 

ザガン

「新しく『親玉』が現れたって事は『送り込まれた』って事だから……」

 

ソロモン

「メギドラルか……!」

 

グレモリー

「それだけじゃない。もう一歩考えてみろ」

「幾らヴィータが居ようと、アブラクサスそのもののフォトンは今も枯渇したままだ」

 

ガブリエル

「グレモリー」

 

グレモリー

「んん? どうした?」

 

ガブリエル

「……いいえ、忘れて下さい」

 

バルバトス

「(余り知られたくない事を、グレモリーから仄めかしてくれている……)」

「(当てられるか? 情報は足りないが……いや、違うなら後で考え直せばいい)」

「……共同体の長というのが……幻獣かメギドの可能性がある?」

 

ソロモン達

「!?」

 

バルバトス

「(ガブリエルの反応は……)」

 

ガブリエル

「……」

 

バルバトス

「(反応なし。まあ、ボロを出すタイプでもないか)」

「まず、幾ら統率した所で、低級な幻獣はフォトンの誘惑に抗えない」

 

エリゴス

「言われた通り隠れてても、何匹か我慢できなくなるはずって事か」

「それなら今頃は、アブラクサスが襲われて逃げてきた連中が幾つも見つかってる」

「生きてるか死んでるかは別にして……だけどな」

 

ソロモン

「それにフォトンが枯渇すると、そこを中心に周辺のフォトンも減る」

「フォトンが足りない方に流れていく。それで本来なら多少、自然も保たれるんだ」

「だから、通常の土地なら一時的にフォトンが失われても、すぐに影響が出る事は少ない」

 

ザガン

「じゃあ枯渇しちゃった土地ってのは、回復しないの?」

 

ソロモン

「ああ。多分、直接湧いてくる分が無いと、元が取れないんだと思う」

「だから、枯渇している所に近づくほど、環境も寂れていく」

「『境目』の土地はすぐ隣が枯渇地帯な分、補填される総量も減るからな」

 

バルバトス

「穴の空いたバケツを繋ぎ合わせたみたいに……ってね」

「つまり、幻獣がアブラクサス周辺に潜伏し続けるのは難しい」

「毎日がフォトン不足だ。尚更、幻獣にはアブラクサスの住民が魅力的に見える」

 

ハーゲンティ

「うんうん、ダメって分かってても、手を出さずには居られなくなっちゃうよね」

「あたいもよーく分かる! 一度は犬の餌を半分くらいはって考えた事だって……」

 

ソロモン

「そ、そんなに困ってたのか……?」

 

ハーゲンティ

「今は大丈夫! ボスのお陰で、たまに拾い食いすれば足りるから!」

 

ザガン

「それも充分ダメだって!」

 

バルバトス

「えー……とにかくだ。ここまではまだ『前置き』だ」

「本題は……そもそも、そんな土地まで幻獣が寄り付くはずがない」

「周辺にはフォトンも健康なヴィータも抱えた領地が幾つもあるんだから」

 

エリゴス

「つまり……?」

 

ソロモン

「『幻獣が消えた』って事件が起きる事自体がおかしいんだ」

「消えるも何も、幻獣はアブラクサスに『現れない』」

「周辺領まで住処を移して襲えば良いのに、アブラクサスに留まる理由なんて無いんだ」

 

エリゴス

「あ、そっか。じゃあ……」

「まさか、アブラクサスに幻獣が『居る』って時点で?」

 

バルバトス

「もう『操られてる』。恐らく、周辺領から逆に引き寄せられたんだ」

「そしてさっきの『前置き』だ。いつまでも幻獣を周囲に隠してはおけない」

 

ザガン

「でも、実際に幻獣が現れて、消えたんでしょ?」

「消えたんなら隠れてるはずで、他に……あっ!」

 

エリゴス

「潜伏先は……アブラクサスの中……!?」

 

 

バルバトス

「そういう事になる。そして恐らく、幻獣の餌はヴィータじゃない」

「人里の脇で、飢えた幻獣を何匹も隠すなんて並大抵じゃできない」

「密かに生贄にしてたって、王都並の人口でもなきゃ隠すのは無理だ」

 

エリゴス

「すぐに『急に居なくなった知り合い』が出てきて怪しまれちまうな」

 

ソロモン

「でも幻獣を大人しくさせるには、フォトンを生み、与える必要がある」

「それもヴィータを襲う気を無くさせるくらい、タップリと」

「そんな力を持って、しかもアブラクサスに居て、お互いが安泰で過ごせる立場……」

 

エリゴス

「トップを狙うしかねえな。それで、協力者を用意する」

「上から物言って、幻獣の棲家とヴィータの住処をザックリ切り分けさせるんだ」

 

バルバトス

「可能性の面で幻獣も候補に挙げたけど、殆ど答えは決まってる」

「秘密結社でも無しに、姿を見せずにトップが力を振るう事はできない」

「例えプーパだって、ヴィータに化けるのは限界があるだろうしね」

 

グレゴリー

「そう。それが2つ目の必要だ」

「王都は、『シュラー』と呼ばれている長がメギドであると睨んでいる」

 

ソロモン

「『シュラー』……」

 

グレゴリー

「アブラクサスに住む者達が、長をそう呼んで崇めているらしい」

「そろそろ次の話に移りたい。他に質問が無ければ打ち切るぞ」

 

ハーゲンティ

「はい! お仕事中のご飯は出ますか!?」

「あと……お金は!? お金は! どれくらい! もらえますか!!」

 

バルバトス

「(目が本気過ぎる……!)」

 

グレモリー

「ああ。『どちら』だろうと、少なくとも一日3食は保証される」

「謝礼も、かつてない数の依頼者が各々で準備済みだ。存分に期待するといい」

「もし出し渋られたなら言え。働きに応じて私が出そう。金ならあるぞ」

 

ハーゲンティ

「いぃやったぁぁぁぁぁぁーーーーーーーいっ!!!!」

「一生ついていきます! グレモリーの姐御! いえ、マム!!」

 

ソロモン

「(お、俺と同格……!?)」

 

バルバトス

「(『どちら』だろうと……か)」

「(これは、ガブリエル達が来る前に考えてた『候補』……当たりかもしれない)」

 

グレモリー

「質問はもう充分だな?」

 

バルバトス

「連名でまで依頼する理由は、粗方分かったつもりだよ」

 

エリゴス

「廃墟で幻獣匿ってヴィータも支配して……疑うなって方が無理だな」

 

ガブリエル

「では次の問題、私から説明します」

「アブラクサスの現状は、王都にもメギド72にも『都合が悪い』」

 

ザガン

「迷惑……って事?」

 

エリゴス

「そりゃあソロモンの召喚受けてないメギドが野放しじゃ都合悪いだろうよ」

 

バルバトス

「いや、それだけじゃないな。さっきまでの話で大体察しがついた」

「情報収集のみに留まってるって事は、王都はアブラクサスとパイプを持てていない」

「つまり、仮に『シュラー』がメギドで無くても、『穴』が出来てる事になる」

 

ソロモン

「『穴』……?」

 

グレモリー

「アブラクサスの中では、王都の取締の目をくぐって『何でも』出来てしまう」

「ヴィータの犯罪は元より、メギドラルの暗躍もだ」

 

ソロモン

「あっ……!」

 

ザガン

「でも、そんな所、他の廃墟とか洞窟でも同じじゃないか」

「だったらいつもみたいに攻め込んで私達が懲らしめれば……」

 

エリゴス

「いや待て。アブラクサスは行き場の無いヴィータの拠り所なんだろ?」

「場合によっちゃ、あたしらで『カチ込め』なんて言われても……」

 

ザガン

「あ……うん。メギド退治の間に『うっかり』なんて、そんなの絶対イヤだし……」

「それにその人達も、『シュラー』のお陰で生活できてるのかも知れないのか……」

 

バルバトス

「ハルマが攻め込もうにも、向こうにメギドがいる公算が高い」

「かと言って、アブラクサスが何か悪魔的な危険を及ぼすという確証も立ってない」

「確実視できないなら、エンカウンターを易易と使うわけにいかないだろうね」

 

ガブリエル

「心情としては、歯痒いものもありますがね」

 

バルバトス

「(最悪、ハルマが攻め込む事さえ敵の計画と言う事も有り得るから……か)」

 

グレモリー

「しかもアブラクサスが共同体として目立ち始めてから随分立つ」

「王都が調べた限り、現在のアブラクサスが立ち上がったのが2年前だ」

 

ソロモン

「2年!? もう、中でメギドラルの計画が動いててもおかしくない……!」

 

エリゴス

「何でそんなに放っといたんだよ!」

 

バルバトス

「二年前のある日突然、ポンと出てきたわけじゃないだろうからね」

「アブラクサス自体が何か『活動』を行ってるって事だね?」

「ジワジワと成長を続け、ここしばらくになって、無視できない規模にまで膨らんできた」

 

ガブリエル

「その通りです。二年前というのは、調査によって判明した過去でしかありません」

「我々が注視するほどに勢力をつけ出したのはもっと後になってからです」

「それに……あなた達が現れるまでは、打つ手にも非常に乏しかった」

 

ソロモン

「そうか……相手はメギドかも知れないんだもんな」

「ヴィータには危険過ぎるし、ハルマが行けばハルマゲドンが……」

 

エリゴス

「それで、バルバトスの言う『活動』ってのは何だ?」

 

ガブリエル

「一部周辺領との、商取引です」

 

ザガン

「商取引って……商売してんの!?」

 

ガブリエル

「驚いた事に」

「フォトン枯渇地帯ならではの植物、作物の輸出が主だそうです。表向きは」

 

エリゴス

「うへぇ、表向きと来たか」

 

ガブリエル

「遺憾ながら、証拠はまだ掴めていません」

「しかし、表向きの輸出入の目録のみでは考えられない結果が出ています」

 

ソロモン

「えっと……?」

 

グレモリー

「どう見ても、アブラクサスが富んでいる」

「無フォトン作物など精々が研究資料。だがそんな需要で成り立つには不可能なほどにだ」

 

ガブリエル

「具体的には、アブラクサスは取引実績のある領地から大量の輸入を行っています」

「食料、衣類、日用品、工具……更には化粧品、嗜好品、貴金属まで」

 

ザガン

「ア、アクセサリーまで買う余裕あるの!?」

 

バルバトス

「宝石類や純金なんか買っていたら、エルプシャフトの物価変動に備えて蓄財もできるな……」

 

エリゴス

「それもう殆ど国じゃねえかよ!」

 

ハーゲンティ

「う……羨ましいっ!!!」

 

ソロモン

「廃墟に集まっただけの人達が、一国同然の生活して、他の国相手に貿易してる……」

「確かに、なんとなくマズいのは分かる。それもフォトンの無い土地で……」

「あ……バフォメットが居ないかってガブリエルが聞いたのは、この事で意見を聞くためか」

 

バルバトス

「(それもわざわざ口に出す程の事じゃないのに、だ。『隠し事があります』と言わんばかりに)」

「まあ表向きの取引だけでも、充分に問題だけどね」

「エルプシャフト領内で、王都を無視して金をやり取りしてるんだから」

「関税なんて払ってるはずもない。幻獣退治といったエルプシャフト領内の福祉を受けていながらに」

 

エリゴス

「何となく分かるな。他人のシマで勝手に店開いて巻き上げてる族が居るみたいなもんか……」

「ってオイ、シャレになんねえじゃねえか!!?」

 

ザガン

「そ、そんなにマズイの……?」

 

エリゴス

「ウチの地元じゃあ、どっちかが潰れるまで戦争待ったなしだ」

 

ザガン

「地元って……ヴァイガルドの方の事だよね……えぇぇ……」

 

バルバトス

「しかもその輸入の財源が不透明か……ヴィータ的にも看過できないな」

「そうなると、周辺領も怪しくなってくるな」

「複数の領地が共謀しての不正の疑いもある……連名での依頼も納得か」

「こんな事を下手に放置してたら、王都の信頼にまで関わるぞ?」

 

シバ

「そう。まさにそれじゃ」

 

ソロモン

「シバ?」

 

シバ

「ここしばらく、東奔西走しておってな。王都の護りたるはずの、このわらわがじゃ」

「ともかく、お陰で見聞というものが広がっての」

「いつぞやの『ソロモン王黒幕』の噂……所によってはまだ生きておる」

 

ソロモン

「まさか、葬送騎士団の……!?」

 

エリゴス

「ソロモンが居ねえ隙にアジトに殴り込まれた頃、広められてたっていうアレか」

「『ソロモンが幻獣をけしかけてる本星だ』とかふざけやがって……」

「クソッ、片付いたんじゃねえのかよ胸糞ワリイ!」

 

バルバトス

「噂と物語の境界は曖昧だ。語り、受け継がれ、時に姿を変える」

「現地に証拠が届かなければ、異郷で起きた事実の一つとして価値を持ってしまう」

「人の口から出たものは必ず残る。だから……消えないと思った方が良いよ」

 

シバ

「同時期に流された、『王都・魔王ソロモン癒着』の噂もじゃ」

「そして近頃のフルカネリ商会……何が言いたいか分かるな?」

 

ソロモン

「アブラクサスを皮切りに、独立運動の気運が高まるかも知れない……って事だろ?」

 

シバ

「うむ……」

 

バルバトス

「アブラクサスひとつで、随分と畳み掛けられてしまうものだな……」

 

ガブリエル

「メギドラルの爪痕は、否応なく残り続ける。重々承知はしていましたが……」

「こんな形で突きつけられるとは、見通しが甘かったと言わざるを得ません」

 

ザガン

「あ、あの、何か申し訳ないんだけど……」

 

エリゴス

「安心しなザガン。あたしも何が何だかさっぱりだ」

 

ハーゲンティ

「もちろんあたいも! ね、ハルちゃん?」

 

ザガン

「(ハルファス、当然のように黙りっぱなしだったな……)」

 

ハルファス

「え?」

 

ハーゲンティ

「え?」

 

ハルファス

「えっと、色んな国で反乱が起きて、ヴァイガルドがダメになって……」

「って事じゃ、無いっぽい……のかな?」

 

ソロモン

「ハルファス、もうちょっと言葉を選んでもらえると……」

 

エリゴス&ザガン&ハーゲンティ

「分かったの!?」

 

ソロモン

「(答えが出せないだけで、意外と見聞きしてるんだよなあ)」

 

グレモリー

「ハルファスの言う通りだ。順番に『要素』を並べ直してやろう」

「その1、『ソロモンが全ての元凶、更に王都と手を組んでいる』という噂がある」

「その2、フルカネリの兵器で武装し、独力で幻獣に対抗したがる街が増えている」

「その3、アブラクサスという、王都抜きでやっていける共同体が実在する」

 

バルバトス

「ついでにその4──」

「未然に防がれたけど、王都から独立しようした国家には、もう前例がある」

 

エリゴス

「ちょ、あ、あたしらで考えろってのかよ! え~っと……」

「まず、そんな噂があったら、まあ聞いたやつは気が気じゃねえよな?」

 

ザガン

「多分、今出てきた『要素』が全部繋がってるって事だから……」

「フルカネリの兵器で武装する理由が、『ソロモンの噂で怖くなって』……って感じ?」

 

ハーゲンティ

「全然わかんないけど、取り敢えず、アブラクサス羨ましい!」

「貧乏生活から、他の国のモノお取り寄せできるくらいの金持ちに……!」

「そんなにうまく行くなら、あたいだって国を作りたい!」

 

エリゴス&ザガン

「あ……」

 

ハーゲンティ

「え?」

 

ザガン

「それ……それだよハーゲンティ!」

「アブラクサスに出来るなら、自分の国でも出来るかもって思っちゃうよきっと!」

 

ハーゲンティ

「できるって……他の街は最初からお金持ちじゃない?」

 

エリゴス

「そっちじゃねえ。王都が悪魔の手先とヨロシクやってるなんて噂があるんだ」

「王都が信用できなくなったら、王都と縁を切りたくもなるだろ」

「しかも王都に税金とか納めてる横で、王都無視して荒稼ぎしてる国があるんだぞ?」

 

ハーゲンティ

「……あ!」

「だったら、あたいもアブラクサスみたいに王都とエンをキル!」

 

ソロモン

「い、言い方……!」

 

バルバトス

「だが、悪の手先の王都が、金づるの自分たちを逃がすはずがない」

「でも、収めた税金は世界を滅ぼすために使われてるかもしれない」

「けれどもだけど、命もお金も安心も全部欲しい……ならどうする?」

 

ハーゲンティ

「欲しいモン全部、王都から『ちょうだい』する! フォトンみたいに!」

 

シバ

「ここにカマエルがおらんで本当に良かった……」

 

バルバトス

「いやあ、メギドとしては百点満点の答えだね」

「そうとも。そのための力を、今ならフルカネリ商会から買えてしまうんだよ」

「実行しようとさえ思えばいつでも出来てしまう状況は、王都にとって非常にやばい」

 

ハーゲンティ

「じゃあ、ボスの事勘違いして、フルカネリから武器買って──」

「王さま達が悪者だと思って喧嘩売る人が増えるってこと!?」

 

バルバトス

「そういうこと」

 

ハーゲンティ

「やった! あたいバカじゃなかった! 無いのはお金だけ!」

 

エリゴス

「つまり、最悪のパターン踏んじまうと……」

 

ガブリエル

「アブラクサス一帯が犯罪天国化。ヴァイガルド侵略の橋頭堡に」

「続いて王都並びに親王派諸侯の信用が失墜、かつての葬送騎士団の再来」

「フルカネリの横行、相次ぐクーデター、そしてハルマへの反攻……」

「その頃には、とっくにハルマゲドンが勃発しているでしょうがね」

 

一同

「……」

 

グレゴリー

「依頼の重要性は、十二分に周知されたな」

「最後になったが、任務の具体的内容に入る」

 

ソロモン

「手始めにシュラー……アブラクサスの長を調査するんだな」

「シュラーの正体と目論見によっては、最悪の事態は成立しなくなる」

 

ザガン

「そ、そうだよね、まだ『もしかしたら』の話をしただけだもんね」

「たまたま怪しかっただけで、メギドラルとは何の関係も無いかもしれないし」

 

グレゴリー

「そう上手く事が運べばの話だがな」

「数日の準備期間を設けた後、私達はアブラクサスへ向かう」

 

ガブリエル

「移動に関しては、まずポータルで周辺領へ転移、以降は陸路です」

「アブラクサスは海岸に面した地形ですが、わざわざ船を使う理由もありません」

 

ソロモン

「周辺の領地のポータルって、登録してたかな……」

 

バルバトス

「それもあるけど……大丈夫なのかい?」

「領地によってはアブラクサスの鼻薬を嗅いでるかもしれないんだろ?」

 

ガブリエル

「問題ありません。周辺領の取引の記録は全て調査済みです」

「その上で、取引無しかつ王都と繋がりの深い領地のポータルを用います」

「候補となる各領地のポータルも登録済みのはずです」

「以前の連絡網敷設の際、要登録先として指示を送っていますので」

 

ソロモン

「そうだったのか……!?」

 

バルバトス

「メギド総出で登録に走り回ったからねぇ」

「恥ずかしながら、俺も行き先全部は把握してない」

 

ガブリエル

「一度破壊されていますが、当該キーの復旧は済ませています」

「現在は、既にそちらのアジトに配備されているはずです」

 

バルバトス

「(連絡網の計画が出た頃から、この依頼は予定されてたって事か)」

「(となると、今まで地道に情報収集してたとしても、何故このタイミングを選んだ……?)」

 

ザガン

「ねえ、ずっと気になってたんだけどさ……」

「それで、何でメンバーの半分以上が女の子じゃないとダメなの?」

 

ガブリエル

「それをこれから説明する所です」

 

ザガン

「あ、そうだったんだ。ごめん……」

 

グレモリー

「理由は簡単だ。アブラクサスは今から一年と数ヶ月ほど前に──」

「構成員の男性を一人残らず追放し、以来『男子禁制』を敷いている」

 

バルバトス

「男子禁制……つまり、女性の園!?」

 

エリゴス

「なに食いついてんだよ」

 

グレモリー

「作戦のあらましは、こうだ」

「まず、アブラクサス周辺で監視を続けている騎士団と合流」

「ここで女性メギドは身分を偽装、逃げ延びてきた流民に扮する」

「そしてアブラクサスに潜入、各々でアブラクサスとシュラーの実態を調査だ」

 

ソロモン

「男の俺とバルバトスはどうすれば?」

 

グレモリー

「駐屯騎士団と共に監視組として、動きがあるまで待機だ」

「周辺一帯でも出所不明の幻獣が報告されている。こちらの調査も併せて頼む」

 

バルバトス

「その『動き』があった時に監視組は、どうやって確認するんだい?」

 

エリゴス

「(『男子禁制』に盛り上がってた時の顔は、どうやって引っ込めたんだよ)」

 

グレモリー

「既にアブラクサス内部に王都の騎士を1名送り込んでいる」

「潜入組はその者と連携し、各自で得た情報を監視組に伝達する」

「詳細は追って説明するが、アブラクサス内外での連絡手段も幾らか確保済みだ」

 

バルバトス

「了解。じゃあ……半月から一ヶ月の間、どうするつもりなんだい?」

「俺達じゃなく、君ら依頼者側としてだ。どういう運びを期待してる?」

 

ガブリエル

「……」

 

グレモリー

「まず、アブラクサスの門を叩いた者は原則、脱退を認められる事はない」

「必然、最後はアブラクサスという構造を破壊して出ていく事になる」

「その間、諸侯の間で協議を進める。主に救助者の受け入れ先について」

 

ソロモン

「救助者……アブラクサスの住民の事か」

「どう転んでもアブラクサスを、その……住めなくするって事だよな?」

「もし、シュラーやアブラクサスに大きな問題が無くても……」

 

バルバトス

「彼女達なりの生活があるとはいえ、政治的に立場が悪すぎるからね……」

「依頼者側は俺達の任務中に議論を詰める……引き伸ばしてくれた方が望ましいかな?」

 

ガブリエル

「お構いなく。調査の成り行きによっては、初日にシュラーを始末しても結構です」

「メギド72は、政治家の都合などに振り回されるべきでない。王の意向です」

 

バルバトス

「不都合が生じたなら、王さまが責任を持つって事か」

「まあ、王とは浅からぬ仲だ。可能な限り善処してみよう」

 

ザガン

「(政治家みたいな事言ってる……)」

「でも、私達はソロモンと別行動になるって事だよね?」

「シュラーが本当にメギドだった時とか、まともに戦えないと思うんだけど……」

 

ガブリエル

「すぐに戦闘を行う事は避けてください。任務はあくまで『潜入』です」

「シュラーがメギドであるという確証が得られたなら、まず連絡を」

「連絡を受けた後、監視組が突入、戦闘はそれからです」

 

ザガン

「うーん、地味だなあ……」

「でも……そっか。やっと分かってきた。だからメギドで潜入なんだね。ちょっと安心した」

「ヴィータには荷が重いし、ハルマは簡単に出てこれない」

「万一の時には戦ったりして、情報も持ち帰るならメギドしか居ないんだ」

 

ソロモン

「潜入した仲間が先手を打たれて襲われたなら、俺が召喚すれば良いんだな」

「前に、アムドゥスキアスから俺に召喚を呼びかけてくれた例もあるし」

 

バルバトス

「それに周辺の経済や難民問題が絡むなら、お忍びでの仕事もやむなしか」

「そして今回は『最初から』メギドが関わっていると、ほぼ決まっているわけだ」

「『後からメギドの関与が分かった』なんて事件に慣れてて、すっかり見落としてたな」

 

ガブリエル

「入室前にどんな話をしていたのか、目に浮かぶようですね」

 

シバ

「安心せい。おぬしらに妙な仕事をさせようなど、このわらわが許さん」

「例え誰であろうと、隠し立てしようとも、じゃ……良いな?」

 

ガブリエル

「……」

 

バルバトス

「(あからさまに疑われてる。やっぱり妙だな)」

「(隠し事があるなら、一番身近な人間を怪しませない事が不可欠だろうに)」

「(何より一番妙なのは……『むしろ怪しませようとしてる』って事だけどね)」

 

グレモリー

「出発予定日は明日中に通知する」

「予定日までの間に、こちらは偽装身分の筋書きや各所との連携を済ませる」

「ソロモン、貴様は念の為、監視組の増員でも考えておけ」

 

ソロモン

「わかった。けど、増員組には事情は伏せた方が良いか?」

 

ガブリエル

「できれば誤魔化して欲しい所ですが、そこまでの機転は期待していません」

「必要に応じて必要な程度……判断は任せます」

 

グレモリー

「何事もさじ加減はあるがな。我々にも我々の判断があるように」

 

ガブリエル

「……」

 

バルバトス

「(やっぱり露骨に匂わせてくる……)」

 

グレモリー

「他に質問が無ければ今日は解散だ。何かあるか?」

 

ハーゲンティ

「はい! アブラクサスの中でもごはんはもらえますか!」

 

ソロモン

「それさっきも聞いたやつ……」

 

 

 

<GO TO NEXT>




※ここからあとがき

 初っ端から長文で失礼します。
 原作イベントクエストのように、五部構成かつ、前半と後半の間で戦闘が発生している、という条件で今回は書いて見ようと思っているのですが、早速ご覧の有様です。
 原作がいかにプロの構成力に支えられているかを思い知らされたような気分です。
 ガブリエルが訪れるまでの会話を、何らかの理由で馬車で移動している間の出来事にして、道中で幻獣退治してから後半で残りの部分を……とも考えましたが、ハーゲンティとハルファスにお茶菓子を与えたかったので続行しました。
 ざっと検索してみると、一話文字数平均10000文字以上で検索してみて、結果は5600件超。これが多いか少ないのかは分かりません。
 とにかく、前作よりも一話あたりの字数が増えると思われますが、どうかお付き合い頂ければと思います。


 エリゴスがまだ弊アジトに来ていないのもあり、エリゴスのヴィータとしての生活がアジトで知られているか否かが分からなかったので、説明をボカしてみました。

 調べた限りでは、ハーゲンティは人を呼ぶ時、主に役職や人称代名詞を用いて、相手によっては頭にその人の名前が来るといった印象なのですが、同年代を何と読んでいるかがちょっと見つからなかったので、自分で考えてみました。
 口調が独特な子なので、普通に名前呼び捨てとかではちょっと違うかなと思い、ハルファスを「ハルちゃん」とあだ名呼びさせてみました。


 最後になりますが、ザガンに続いてオリ設定を追加したハルファスについて。
 7章で活躍するとは聞いていますが、まだ実際に確認できていません。
 なので、7章で判明する設定その他と些か異なる可能性があります。
 7章がメギドラルでの出来事と聞いているので、メギドラルでのやり取りが出自に影響するかは微妙ですが、精神性はズレて見えるかもしれません。平にご容赦願います。
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