県立進撃学園高校の1年4組。
席は31だけど、1人出席していないので30名の生徒が集まった。しかしその大半が異世界から来た者達。
「注目!」
教室に入って来たのはスキンヘッドの顎髭で、鬼教官という言葉が合いそうな厳つい顔の中年。
「今日から運悪く貴様らの担任になったキース・シャーディスだ!初めに言っておくが、私は貴様らを歓迎しない!」
「なんか…鬼教官みたいな人だ」
「鬼教官そのものだな」
いきなりきつい言葉で話し続けるキース・シャーディス。カズマもスバルも同じ感想だった。
「今の貴様らは、せいぜい巨人のエサでしかならない家畜以下の存在だ!そんなクソの役に立たん貴様らに心臓に拳を当てて自己紹介をして貰おう!」
「あの男、なんて無礼な言い方を…アインズ様、奴を先に始末した方が」
「落ち着け、ここは奴の言う通りにしておこう。お前達もな」
正しく鬼軍曹らしい言葉使いにアルベドはおっかない事を言い出したので止めるアインズ。一応、シャルティア達にも言い聞かせた。
「貴様は何者だ。名を答えろ!」
最初にキースが目に着けたのはターニャ。そこで言われた通り心臓に拳を当てると自己紹介を始める。
「ターニャ・デグレチャフであります!」
「此処に来た理由を言ってみろ!」
「え…他に道がない。ただ、それだけです」
かつて帝国軍の士官学校に入った時と同じ理由で宣言する。
「そうか、着席してろ」
「はい!」
言われた通りに着席すると別の生徒に目を付けて近づく。
「次、貴様だ!」
「アウラ・ベロ・フィオーレです!」
「そうか、バカみたいな名前だな?親が着けてくれたのか?」
「えっと…は…はい、そんな感じです!」
「アウラも座っとけ!」
などとアウラの頭を掴んで無理やり座らせた。それから次はスバル。
「貴様は何者だ」
「俺の名前はナツキ・スバル!」
「聞こえん!」
「ナツキ・スバル!天下無敵の無一文!」
教室に響くぐらい大声で自己紹介をしたスバルだった。
「それでは、貴様は何者だ!」
「私はダグネスです!」
「違うぞ!貴様のような奴は豚小屋出身の家畜以下だ!」
「はい!私は…所詮家畜以下です!それで、他に汚い言葉は?」
罵られてかなり興奮してきたダグネスだけども、キースは気にせずに次に行った。
「貴様は何者だ!」
「我が名はめぐみん!史上最強の爆裂魔法を操る者!」
相変わらずの中二的自己紹介をするめぐみんで、呆れるカズマだがキースはまた別の質問をした。
「なるほどな…では、その眼帯は何だ?」
「この眼帯は我が力を封じ込めるマジックアイテム。これを外した時には」
「時にはなんだ?」
「え…だから…外した時は…」
「早く言ってみろ!」
「…あーーーん!ゴメンなさい!これ、カッコよく見せる為のただの眼帯です!」
キースの威圧に負けてしまいめぐみんは泣きながらファッションだと告白。だが、それをお構いなしに今度はコキュートスに近づく。
「貴様は何者だ?目標はあるか!」
「私ハコキュートス。アインズ様ノ為ニ体ヲ捧ゲル決意ガアル」
「ほぅ?それは結構な事だな。がんばるといい…だが」
「ン?」
「誰もお前の体や決意など欲しくない」
「ウッ!」
キースの容赦ない言葉に流石のコキュートスも冷や汗をかいてしまう。それでも容赦なく自己紹介を続ける。
「ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフであります!」
「自分はマテウス・ヨハン・ヴァイスであります!」
「ヴォーレン・グランツです!」
「ヴィリバルト・ケーニッヒです!」
「ライナー・ノイマンです!」
軍隊仕込みの紹介をするヴィーシャ達。今度はカズマとアクアになった。
「どうも、佐藤和真です」
「私はアクア、水と勝利を司る女神!」
「と言い張る頭が悪くて残念な奴」
「ちょっとなによその言い方!」
カズマの容赦ない付け足し設定に大声で怒鳴るアクア。するとキースはこんな質問をして見た。
「では、お前はどんな学園生活をして見たいのだ?」
「え?まぁ、とりあえず平凡でトラブルごとが起きないようにと、いっ!」
なんとキースは強めにカズマの額を頭突きしたので、座り込むぐらいに痛がってしまう。
「痛てててててて…」
「誰が座っていいと言った!こんな事では、お前の望む平凡な学園生活など送れんぞ!」
[ひえ~~~なんて容赦しない人だ…]
思わずアインズは改めてキースのやり方に少しビビってしまう。
「次、貴様だ!何者だ?」
「コニー・スプリンガー!南ナカコ中出身です!」
「逆だコニー・スプリンガー。貴様の心臓は右にあるのか?」
坊主頭の少年、コニー・スプリンガーは敬礼が逆という事でキースに頭をグリグリされながら怒られる。
それから今度はエレンの番になった。
「では、貴様の番だ!名前と目標を言ってみろ!」
「はい!シガンシナ中出身、エレン・イェーガーです!そして俺の目標は、学校中。いや、世界中の巨人を駆逐してやる為です!!」
などと大声で宣言するエレン。ミカサは呆れて周りは呆然となる。
「巨人って…え?」
「アイツ、何を言ってるんでありんすか?」
「バルスと同じくらいの人みたいですね?」
「嫌々、ラム。そこまで言うのか!」
周りから変な目で見られてラムからの毒舌にスバルは言い返す。
「ミカサ…この反応はなんだ?」
「当たり前だよ…エレン」
ミカサも呆れながら言ったりすると、スバル達を教室に案内してくれたジャンが笑い出す。
「おいおい、巨人を倒すだと?」
「あ?」
「俺ははっきり言って臆病な性格でね。そんな厄介な考えをするようなバカじゃないぜ」
まるで嫌味な感じでエレンに向けて言いだす。
「貴様、名は?」
「あっ!じゃ、ジャン・キルシュタインです!俺もさっきのカズマいう奴と同様に平凡な学園生活を望みます!」
キースに言われたので慌てて自己紹介をするジャンは、そのままエレンに近づく。
「ところでさぁ、お前って小学校や中学で浮いてた感じか?」
「あ?だからなんだ」
「ちなみに俺はサッカー部で活躍してたし!勉強も出来て人望もあって、年賀状なんか12枚だったし!…寒中見舞いを含めてだけど」
「んだと!俺だって結構充実した学校生活を過ごしてきたんだぜ!あ~~~楽しかった!」
自慢し始めるジャンに負けずに張り合うエレン。この光景に周りは変な目で見られているのに気づかず。
「うわ~~~2人共、思考そっくりみたいだな?」
「たしかにな」
呆れるカズマにアインズも同じ意見。
「止めなさい、エレン」
「なんだよミカサ!」
すぐにミカサがエレンを止めに入る。だけど、ジャンは止めに入ったミカサの容姿などを見て変な気分になって、はっきり言って惚れてしまった様子。
「では、次は…ん?」
するとキースはもぐもぐとおにぎりを頬張るポニーテールの少女を目にして、そのまま近づいてみる。
「おい…貴様」
「パクパク!もぐもぐ!」
「貴様だ!貴様に言ってる!何者なんだ、貴様は!?」
「んぐぐぐ…!?」
大声で呼び止まれたので、驚き少し喉につっかえたがすぐに飲み込んだ。そして少女はおにぎりを持ったまま敬礼して自己紹介をする。
「北ナカコ中出身、サシャ・ブラウスです」
「サシャ・ブラウス…手に持っているものは何だ?」
「おにぎりです。中身は鮭です」
「では…なぜ今ここでおにぎりを食べている」
「それは、急いできたので朝食を食べそこなったからです。今食べるべきだと」
質問をし続けるキースにサシャは答え続けた。当然、周りの全員はこの状況で早弁の理由を正直に言う彼女に、ドン引きしたり変な奴だと思われたりされる。
するとサシャはおにぎりを半分にしてキースに差し出す。
「あの…食べたいのなら、半分どうぞ」
「な……」
「……へえ」
これにはさらにキースは呆然として、サシャは思わずやり遂げた感じに軽く笑う。