暗殺者のヒーローアカデミア   作:ジョジョラー

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感想、評価、お気に入り登録などなど・・・皆さん本当にありがとうございます!これを励みに、頑張って早めに続き書きました。最後に質問があるので、感想欄で答えていただければ幸いです。




第2話 特別措置

 

 

 

 

 

 

 

 キルア=ゾルディックは家出少年である。

 

 親に敷かれたレールの上を走るのが嫌で嫌でしょうがなく、今回の家出も計画的に行われていた。彼は海外に行くこと、そして海外の高校に入学するためにはパスポートはもちろんのこと、保護者のサインやなんやらの公的な書類が必要なことはもちろん知っていた。

 しかし、3男であるにも関わらず自分を跡取りに、と考えている両親は、絶対にそれを許さないだろう。

 ではどうしたのか──そんな時の為の祖父である。

 これは賭けであった。祖父もキルアに期待を寄せているし、もしかしたら両親にバラされて厳重に見張られる、もしくは兄に洗脳されるリスクもある。だが、キルアに対するあの祖父の甘さは、このハイリスクハイリターンの勝負に乗り出すだけの説得力を持っていた。

 キルアは祖父に、日本に行くために必要なことを全て秘密裏にやって貰えるように頼んだのだ。

 

 

 ──そして結果として成功したから、現在こうしてホテルのベッドの上で合格通知を開くに至っているのである。

 

 タンクトップに半ズボンというラフな格好だが、彼のしなやかな身体と整った顔のおかげでだいぶ様になっている。ベッドに散らばるチョコロボ君の空箱も、不思議と散らかっているとは感じない。

 

「さてと、受かってるかな〜」

 

 本人も自分が落ちることは100%ないと分かっているが、人間何となく口にしてしまうものだ。

 包装をビリッと破くと、中からは小型の機械のようなものが出てきた。

 普通の受験生ならここで雄英高校の先進性に驚くところなのだが、キルアは家を出る時に脇腹を刺してきた次男のハイテク技術を見慣れているため、特にこれといって思うところはなかった。

 

『やあ! 私が投影されたッッ!! 』

「うお! 誰だこの顔の濃いおっさん」

 

 機械はベットに落ちるとひとりでに映像を投影し、1人だけ画風が違うおじさんの顔がドアップで映し出される。

 キルアはオールマイトはじめ、日本のヒーローのことは全く知らなかった。故に、雄英からの通知にオールマイトが関係していることに感動する感性は持ち合わせていない。

 

『ゾルディック少年、単刀直入に言おう! 筆記試験は合格ラインを超えていたし、実技試験はダントツトップ! それどころか歴代最高得点の106点!じつは秘密裏に救助ポイントというのも審査性で採点していたんだが・・・きみは全部敵ポイントで稼いでいた。自分でも分かっていたとは思うが、もちろん合格だ!!』

「うしっ」

 

 キルアは、自分が歴代最高得点での合格を果たしたということに素直に喜んだ。あとは制服や筆記用具などの必要なものを買って──

 

『──と、言うわけなんだけども、1つ問題があってね 』

「……やっぱ見過ごしちゃくんねーか」

『君のご家庭の事さ! さすが伝説級のダークヒーロー一家だけあって、情報が早い。ご両親から直々に連絡があってね、いやー! 流石の私もびっくりだよ!! まさか家出しての受験だったとは! 』

 

 思わずため息が漏れる。

 自分の家が世界的に有名なのは分かっていたつもりだったが、ここまで影響力が強いとは思わなかった。きっと、キルアが世界中どこに逃げても、1週間あれば確実に居場所がバレてしまうだろう。

 

「ちぇっ、おふくろと豚くんにバレなきゃなぁ……もうちょっと時間稼げたのによ」

『だけどね、こっちとしても正式な書類はきちんと受け取ってるし、既に君の合格は決定済みだった! ヒーローとしての素質もかなりのものだし、何より君自身の意思でウチを受けてくれたことが大切なんだ! 』

 

 映像の中で、暑苦しい顔のおじさんがマッスルポーズを決める。……なぜかは分からなかった。

 

『色々言ってゴメンよ! 要するに、合格したはいいけどちょっと特殊な対応が必要ってことさ! これ以上はまた後日、直接会って話し合うことになった! それじゃっ』

「なるほどね……」

 

 どうやら、まだ家に帰ると決まった訳では無さそうだ。

 もっと必死に、実力行使で何がなんでもキルアを連れ戻しに来ると思ったが、案外そうでも無いようだ。

 

「ま、とりあえず直接出向いて色々聞いてみるしかないって感じだな」

 

 そう言って伸びをしてからふかふかのベッドに倒れ込み、次の日までそのまま眠り続けるのであった。

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

「ここだ」

「はーい」

 

 本当に教師か? と言いたくなるような小汚い男に案内されて、雄英高校の一室に通される。

 相手は少しキルアを警戒していたようだが、日常が死と隣り合わせだったあの頃と比べれば生ぬるいの一言でしかなかった。

 扉を開けると、コの字型に並べられた長机にズラっと並ぶ錚々たるメンバー達。もちろん、キルアの知る顔はただ一つとしてない。

 それぞれがそれぞれ思うところがあるようで、人によって浮かべる表情の違いが面白かった。

 

「ようこそ! わざわざ来てもらって悪いね!」

「そんなこと思ってもないクセに。で、オレに何して欲しいの?」

「HAHAHA!! いやー、参ったな……さすがゾルディック家のお子さんだね!」

 

 キルアの態度に、周りには怒りを向ける者の割合が増えたようだ。

 肌に突き刺さる鋭い視線を感じながらも、決してネズミからは目を逸らさない。そんなキルアに、感心すら感じるものまでいた。

 

「実は、君のご家庭から雄英に通うことの許可は降りたんだ! だから君がウチに通うことについては、何も問題は無い! だけど、問題があるのはそれ以外のことさ!」

「それ以外……?」

「そうさ! ぶっちゃけで言うと、君の身になにか起きた場合、雄英とゾルディック家どころか、日本とパドギアの問題になりかねないってことなのさ」

 

 なるほどね、と心の中で思った。

 両親はキルアの身に何か起こったらタダじゃ済まない、と遠回しに脅しをかけて、雄英が合格を取り消しキルアをパドギアに送り返すように仕向けたのだろう。それが失敗に終わったようで、思わずほくそ笑んだ。

 

「だから、君には雄英の敷地内に住んで貰いたいのさ! もちろん、何不自由なく──」

「いいよ。話ってそれだけ?」

「まだだよ、せっかちさんめ!」

 

 キルアは話が済んだのなら、もう帰りたかった。

 この後は日本でできたゲーム仲間と一緒にパーティーを組んでにキラーから逃げる予定なのだ。それに、これ以上面倒な話し合いを続ける気にもならなかった。引越しのことなら持ち物も少ないので簡単だし、場所さえ言ってくれれば生活費だって自分で払える。

 

「あと2つほど質問したいんだ。まず1つ目! なぜ君は、ウチを選んでくれたのかな?」

「……別に、深い意味なんてないよ。ただ日本で1番だって聞いて、面白そうって思っただけだから。家から出られればなんだって良かったし」

「……そっか! じゃあ2つ目! さすがに御家族の個性のことなんて聞けないから、せめてどんな教育を受けてきたのか知りたいのさ!」

「教育?」

「そう! 入試を見ても、やはり君の実力はずば抜けてたからね! こっちとしても教育者として知っておきたいのさ!」

 

 ネズミは人差し指をピンと立ててそう言った。

 これには、他の教員達の目も変わる。やはり、世界的に有名なヒーロー一家の跡取りがどんな教育を受けて来たのかは気になるようだ。

 

「別にそのくらいいいけど、あんたらには出来ないと思うよ」

「それはどういう意味かな?」

「別にあんたらが力不足だって言ってんじゃないけど、家は赤ん坊の頃からの英才教育だから、高校生になってから始めても遅いってもんばっかだし。それに、あんたら生徒の食事に毒飲ませたり、体に高圧電流流せたりすんの?」

 

 キルアの言葉に、場は重くなる。

 有名ダークヒーロー一家の闇に触れてしまった瞬間であった。

 

「いや、済まなかったね! 引越しのことはこちらで全部手配するから、安心してくれていいよ! また後日連絡するよ」

 

 その言葉を聞いてすぐ、キルアは踵を返して元きた道を帰っていった。

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

「彼、凄まじい生活を送っていたようですね……」

 

 長い沈黙の後、ようやく口を開いたのは全身が極薄タイツに覆われたスタイル抜群の美女、プロヒーローのミッドナイトだった。

 他のものも声は出さなかったが、彼女と同じことを考えていたのは表情からして明らかだ。

 

 

 

 ──ゾルディック家は、世界中に名が知れ渡る伝説級のダークヒーロー一家だ。メディアには一切露出しないがその実績は確かなもので、顔の写真だけでも1億円払うというマニアまでいる、レアヒーローである。

 彼らの住むパドギア共和国では名家として人々から慕われているが、世界的に見れば賛否両論だった。その仕事は主に()()であり、彼らに依頼が来るのは捕まれば直ぐに処刑になるような凶悪な犯罪者の始末、また確かではないが、要人暗殺も請け負うという噂もあった。

 だがしかし、その実力は確かだ。仕事に失敗したという話は一度もなく、彼らに依頼すればその対象は間違いなく死ぬ。

 世界からは恐怖の対象、だが完全なる正義の執行人として憧れの的でもあり、そして何より一家全員が正体不明というミステリアスさが大人気なのである。

 まさに「ダークヒーロー」と呼ぶに相応しい一家なのだ。

 

 

 

「……そう暗くならず、これから彼には日本でたくさん楽しんで貰えばいいのさ! さて、では早速引越しの準備とか、色々しよう」

 

 校長である根津がパンっと手を叩けば、暗くなっていた部屋の空気も一変、全員が仕事の顔に切り替わる。

 雄英高校が日本最高峰と言われる所以、教師も超一流なのであった。

 

(さて、これから忙しくなるね……)

 

 そう、本当に大変なのはここからなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






皆さんに質問です。
・・・ぶっちゃけ、ヒロインとかいりますか?嫌な人もいるともうので辞めようかとも思ったのですが、そこはやはり皆さんの意見を尊重したいです。なので、ヒロインがいるかいらないか、いるという方はコメント欄に誰がいいか書き込んで頂きたいです!
ご協力よろしくお願いします。


ヒロインいりますか?

  • いる
  • 好きにしな
  • いらないよ
  • 共依存(原作の自己解釈)
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