lineage もうひとつの物語   作:りねゆざ

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二十五話

ギラン内でも随一の武器店。

ナターシャ、ハスラン、キャスタの三人で訪れていた。

ナターシャは数々の武器に圧倒されキョロキョロ見渡している。

 

「主人、これを鍛え直してほしいのだが」

 

キャスタは愛用しているシルバーロングソードをカウンターに置き店主を呼ぶ。

店主はそれを手に取り

 

「あいよ!この鈴はどうする?」

 

剣の柄部分に鈴が2つぶら下げてありそれを指して尋ねる。

 

「それも磨いておいてくれ」

 

「ほんとうに磨くのかい?」

 

「あぁ頼む」

 

店主は了承し細かい打ち合わせを詰めていく。

時間がかかるから夕方に受け渡しだと言われるが

 

「終わるまで待たせてもらうよ」

 

キャスタの言葉に反応した店主は待合室があるからとそちらへ誘い全員入室したのを確認してから店主が告げる。

 

「あんたらが報告のあった人達か。すまないがここから先は武器を置いていってくれ。」

 

そう告げるとテーブルの上に置くよう指示を出す。

三人は素直に従い武器を置くのを確認すると店主は床の一部分を開く。

 

「ここから入ってもらうよ。着いてきてくれ」

 

地下への階段があり案内に従い降りていく。

降りた先は扉があり一人の男が槍を持って立っていた。

 

「昨日報告のあったお客さんだ。通らせてもらうよ」

 

「おお、ようこそギラン支部へ」

 

そう言って扉を開いてくれた男に礼を言い中へ入る。

そこは大人四人が並んで歩けるくらいの広めの廊下が奥まで続き左右に扉が並んでいるのが見える。

 

「どうだい。すごいだろう。ここは他と違って人数も多いからな」

 

店主が得意気に話すのも無理はないと思われるほどの設備だ。

奥へと進み立派な扉の前で立ち止まる。

 

「ここがリーダーの部屋だ。ちょっと待っててくれ」

 

ノッカをし入室していくのを見守り姿が見えなくなったところでハスランがキャスタに語りかける。

 

「ここから先は気を長くしていこう」

 

その一言で覚り

 

「わかっている」

 

キャスタは前を向いたまま答えた。

 

そして扉が開き中へ招かれる。

ハスランが先に入りナターシャ、キャスタと続く。

 

「よくぞまいられた。私がここのリーダー、ガルダミスだ。」

 

「お初にお目にかかりますガルダミス様」

 

恭しく挨拶をし自己紹介をするハスラン。

ガルダミスは元侯爵の地位にありラウヘルにその地位を剥奪された人物であり返り咲きを狙っている。

権力のためなら手段を選ばない人物だ。

ゲラドからそう聞かされているハスランはわざと紹介時にナターシャの身分を伝えるのを避けた。

 

「で、要件というのは我らの組織に入りたいがためかな?。そちらのお嬢さんは身の回りの世話でもしてくれるのかな?」

 

ナターシャに目線を移しいやらしい笑みを浮かべる。

ナターシャをそれを平然と受け止める。

 

「いえ、近からずも遠からずといったところです」

 

ハスランは内心怒りで爆発しそうなのを抑え至って普通に返答する。

ふむ、と頷くとソファーを勧めるガルダミス。

勧められるままソファーに座りハスランが口を開く。

 

「我々はこちらのナタリシア殿下の元、王国を取り戻すべく旅をしております。決起の折りはご協力をお願いしたくこちらに伺った次第でございます」

 

ナターシャは王家の紋章を取りだしガルダミスに見せる。

ガルダミスその他部屋にいる者たちは驚きで声もでない。

その様子を無視しハスランは続ける。

 

「殿下は各地をご自分の足で見て回り同士を募っておられます」

 

そこでナターシャが声をかける。

 

「ガルダミスさま、私達は亡きデューク・デフィル王の意思を継ぎより良い国をと尽力する次第です。どうかお力をお貸し願えませんか?」

 

呆気にとられていたガルダミスだが先程までの挑発的な笑みは消え失せ

 

「も、もちろんでごさいます殿下。おい!すぐにおもてなしの準備を!」

 

「いえ、結構です。そのお言葉が聞ければ十分です。他にも仲間が待っておりますのですぐにでも失礼いたします。後日またお伺いしますので」

 

ナターシャはそう告げ立ち上がる。

ガルダミスは慌て引き留めようとするが丁寧に断るナターシャに負け

 

「何もしないというわけにはまいりません。宿では何かと不便でしょう。北地区にあるこちらの空き家をお使いください。いつまででも使って頂いてもかまいません」

 

そう言って鍵を差し出す。

 

「お気遣い感謝します。ありがたく使わせて頂きます」

 

礼を言い鍵を受け取り出ていこうとする三人に声がかかる

 

「ハスラン殿、少しお話があるのだが」

 

「わかりました。キャスタ、殿下をお連れしてくれ」

 

目線で大丈夫だとキャスタに訴え部屋へ戻るハスラン。

ナターシャとキャスタは元の道を戻り武器店の待合室でハスランを待った。

 

 

 

 

「ハスラン殿確認したいことがあるのだが」

 

「なんなりと」

 

表情を変えることなく答える。

 

「決起の折りは協力を約束しよう。そして事が成就した暁なのだが・・・」

 

そこで一旦言葉を切りガルダミスは真剣な表情になる

 

「我々の処遇はどうなる?」

 

やはりその話か

ゲラドから話は聞いていたがしっかりとしている

しかしここで下手なことは言えない。

 

「殿下は現在各地を回り今後の政策を考えておられますので具体的には申し上げられませんが功績に見あった立場は保証されるものと思われます」

 

「ふむ、まぁ仕方あるまい」

 

残念そうにそう告げると

 

「ハスラン殿、殿下へお伝え願いたい。政策で困ったことがあればご相談に乗ると」

 

「わかりました。必ずお伝えしましょう」

 

そうして挨拶をし足早にハスランは出ていった。

 

「あの小娘が・・・」

 

ガルダミスは苦虫を噛み潰したような顔でそう呟いた。

 

 

 

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