原因がわからないのでとりあえず投稿してみる
。。。。。。もっとVOICEROIDニ次増えろ
緑髪が特徴的な少年、緑谷出久はいつもの放課後、いつも通りにクラスでいじめられ、いつも通りに帰途についていた。
その表情は暗く、誰が見ても彼が酷く意気消沈している様が見て取れるだろう。
無理もない。
彼には絶対叶えたい夢がある。しかし、それを成すために必要な絶対的な才能を、彼は持ち合わせていなかったのだ。
「……僕にも個性があれば」
無個性、それは平凡という意味ではない。
中国のとある赤子から始まり、人類が超常の力を持つようになってから幾星霜、人々はこの力を《個性》と呼び、日常生活や職業に活かせるように順応しきっていた。
今や人類の約8割が個性を持ち、逆に無個性の人間は迫害、もしくは嘲笑される傾向にあった。
それは彼も例外ではなく、無個性であることを理由に幼い頃からいじめられ、その夢を貶されてきた。
幼い頃からの憧れと残酷な現実との板挟みに、彼はずっと苦しめられていた。
もし彼に両親の個性のどちらかがきちんと受け継がれていたらここまで苦しむことはなかっただろう。
だが現実はそうではない。
変わらない日々、変わらない生活、そして変われない自身。
無個性であるが故に、彼は現実を受け入れられないまま、夢を捨てられないまま、彼は苦しみ続ける。
明日も明後日もその先も、もしかしたら死ぬまでずっとかもしれない。そう彼は思っていた。
「……Mサイズの隠れミノ」
「…………え?」
ただ一つ違っていたのは、その日その場にいてはならないものがいた事。
逃走中だった凶悪犯罪者、ヴィランが彼へと襲い掛かったのだ。
「45秒もすれば体も個性も乗っ取れる、苦しいのはその間だけだから落ち着いて」
自身の体に纏わり付き、口から体内へ侵入しようとするヴィランを彼は必死に取り除こうとするが、悲しいかな流体であるそのヴィランを掴むことはできず、どんどん体内への侵入を許してしまう。
(死ぬ!? 誰か、誰か助けて!!)
残念ながらその声は誰にも届かない。
ここが人気がない道路ということもあるが、本来そのヴィランを退治するはずだったヒーローは、今はたまたま同じ市内で起きた別の事件のせいでこのヴィランの追跡に失敗したからだ。
このヴィランが彼の体を乗っ取るのに1分もかからない。
彼はこのままヴィランの手先と成り果てる……かに思われた。
「あーあ、ほんと何やってるんですかねあのポンコツ髑髏、本来これは私の役割じゃないっていうのに」
少女の声が聞こえた。
ヴィランが彼の体を動かしてそちらを見ると、兎を模した黒色のパーカーを着た少女がそちらにいた。
「取り敢えず、時間もないんで邪魔者はさっさと消えてください」
パチン、と彼女が指を鳴らすとヴィランの体が何かに弾かれるように彼の体から引き離される。
「クッソ、ここでヒーローとは運がない」
そう一言だけ溢すと、ヴィランは現れた時と同じように下水道へと去っていく。
自身を倒しうる個性を持った相手、それもヒーローなど戦えないという判断だった。
その判断は正しかったが、一つだけ誤りが含まれていた。
「君、大丈夫? 立てる?」
少女はヴィランから解放されたものの未だに息苦しそうに四つん這いになっている彼に手を差し伸べる。
「あ、はい、大丈、不、です」
彼は差し伸べられた手を掴むと、ゆっくりと立ち上がった。
「全く、せっかくここまで足を運んだというのに肝心のあいつがいないなんて想定外もいいところです、第一話で原作崩壊とかもはや笑うしかありませんね」
そう彼女は明後日の方を向きながら愚痴るが、彼にはなんのことだかわからない。
「えっと? それはどういう?」
「ああごめんごめん、君にはわからないことですよね、こっちの話こっちの話、まあとりあえず君はもう帰ったほうがいいですね、あのヴィランに限らず今の時代って結構危ないですから、
個性があろうとなかろうと、その言葉が彼にはとても強く響いた。
そうだ。個性があっても被害に遭う人はいる。何せヴィランも個性を持っているのだから、それは旧時代の犯罪者と警察の力関係となんら変わりはないのだ。
だからこそ、それは彼がヒーローになれない理由の最大の原因でもある。
凶悪な個性を持ったヴィランに無個性の彼がまともに戦えるかといえば、勿論不可能だ。
旧時代風に例えるならば相手は最低でも拳銃などの銃火器を持った凶悪犯に素手で立ち向かうようなものであり、そんなものがどういう結果をもたらすのか、わからないわけではなかった。
「はは……やっぱり、僕にはヒーローなんて」
皮肉のも彼女にな助けられたことにより、自身の夢が決して叶わないものだと再認識させられてしまう。
あのヴィランにすら手も足も出なかった彼がこの先もっと凶悪なヴィランに立ち向かえるはずがない。そう思ってしまった。
「あ、えっと、そのえーっと……ねえ、君はヒーロになりたいのかな?」
急に落ち込み出した彼を見かねて、彼女は一つの問いを投げかける。
「はい……でも、僕には無理だったんです、無個性の人間にヒーローが、務まるほど、ヴィランは甘くないって、さっきのではっきり、わかりました、から」
悲しさ故か、口がうまく動かない。
彼の両目から大粒の涙がこぼれ落ち、アスファルトを濡らしていく。
「僕だってヒーロになりたかった! オールマイトのような、みんなを救うヒーローになりたかった!! でも、無理なんです、無個性の僕には、ヒーローなんて、とても……」
その先は言葉にならなかった。ただただ嗚咽だけが彼の口から溢れでるばかりだった。
それが数分間続き、ようやく彼が落ち着きを取り戻しかけた時、彼女が不意に口を開いた。
「個性があればいいの?」
え、と彼が顔を上げると今までフードに隠れてよく見えなかった彼女の素顔が見て取れた。
「正直なところあまり気乗りはしませんけど、このままほっとくのも色々とまずいですし、どこかしらで修正は必要だったし、まあベストではないですけどベターな選択かもしれませんね、うん」
そう独り言を呟いた後、彼女は懐から一つの円盤状の物体、古い時代に記録媒体としてよく用いられたそれを取り出した。
「まあそもそもこうなるから私が生まれたのかもしれないですし、いわゆる修正力ってやつかもしれませんね、何の証拠も確証もないただの妄想ですけど」
「あの、さっきから何を」
何を言っているのかと言おうとしたが、その先を話すことはできなかった。
何故なら彼女が持っていた
「一応筋書き通りに話が進むようにフォローはしますけど、この先どうなるかは君次第です、できれば原作を超える程度には成長してほしいですね、見ていて楽しいですし」
彼女がそう話す中、彼の体内に円盤がズブズブと入り込むが痛みはない。
「え、ちょっと一体……あれ……」
しかしそれが完全に収まった途端、強烈な眠気に襲われる。
視界が揺れて、まるで嵐の中の船に乗っているような感覚に、彼は立っていられなくる。
「では、私はここまでです、案外ヒーローの真似事も楽しいかもしれませんが、やっぱり向いてませんね、自己犠牲とか私には程遠いものですし」
薄れゆく意識の中、そんな言葉が響く。
もう彼女が何を言っているのかわからないが、ただ彼女がヒーロではないことだけは理解できた。
彼女は何者なのか、どうしてこんなことをするのか、助けてくれたのではないのか、疑問は出るが問いただす力はない。
完全に地面に倒れ伏し、段々と不鮮明になる視界の中、彼は少女の隣に緑の髪を持った美しい女性の姿を見たような気がした。
「あれ?」
気がつくと彼は通学路にいた。
キョロキョロと辺りを見回すがいつもと何も変わらない平凡な日常が彼を取り巻いている。
様々な個性を持った通行人、笑い合う少年少女、それらを見守る大人たち。
「さっきのは夢? でもさっき確かに刺されて」
服の上から胸を触ってみるが、肉体どころか服にすら傷一つない。
しばらくパタパタと何か変わったところはないかと身体中を探っていた彼だったが、自身になんの異変もないことを確認するとさっきの出来事は白昼夢だったのだと思い直すことにした。
「にしてもあんな夢を見るなんて、やっぱり疲れてるのかな……」
疲れていると言う自覚はあった。いや、あんな生活を続けていて疲労が溜まらないわけがない。
「ヒーローか……」
ヒーロー、みんなを救う英雄、彼の幼い頃からの憧れ。
「僕には、無理なのかな……」
あんな夢を見たと言うことは、もう限界が近いのかもしれない。
このような日々を続けていれば、今日彼の幼なじみに言われたように屋上から身投げする事態にすらなりかねない。
そうなってしまえば誰かを救うこともできなくなる。
無個性でもできることはある。ヒーローじゃなくても人は救える。ただ、ヒーローが救う人数と比べると圧倒的に少ないのは事実だが。
「ん?」
ふと顔を上げると、商店街の奥が騒がしいことに気づいた。
入り口には人混みがあり、その奥から何度も爆音が響いている。
「なんだろう?」
何故だかわからないが、その時はあそこに行くべきだと思った。同時に、行かないと強く後悔すると言う感覚があった。
人混みをかき分け、何が起きているのか確認できる所まで来ると、彼は心臓が飛び出るかと思うほどに驚愕した。
「なん、で……」
そこにあったのは爆発の被害で散々な状態になっている商店の数々、そしてその惨状を作り上げたと思われる少年とヴィラン。
何処の誰かがわからないが彼と近い歳の少年と先ほどの白昼夢に出てきたあのヘドロのヴィランがそこにいたからだ。
ヘドロのヴィランは夢と同じように少年に纏わり付き、体内への侵入を試みている。
夢であのヴィランが言っていた事が本当ならば、今あいつは少年の体と個性を乗っ取ろうとしているということになる。
夢、いやもはや夢かすらも怪しいが、あれを体験した彼ならばわかる。口を塞がれて呼吸ができず、不安と苦しさと迫りくる死の恐怖でおかしくなりそうな程の苦痛を今あの少年は味わっているはずだ。
(大丈夫、今にきっと対処できるヒーローが来てくれる、だからそれまで)
耐えて欲しい、そう思っていた。
確かに流体であるあのヴィランは並大抵のヒーローでは捕まえることどころか触ることすら難しい。
せめて液体をつかめる個性か、吸い込むような個性なら少年を無事に救助することができるだろう。
自分が余計なことをするよりも、その方が確実に安全だ。だからそれまで耐えて欲しい、そう思っていた。
少年の、彼の幼馴染の助けて欲しそうな眼を見るまでは。
その瞬間、体が勝手に動いていた。
無個性とか確実性とか、そんなものは頭から吹き飛び、ただ目の前の幼なじみを助けることだけを考えていた。
群衆の誰かが彼を止めるようと声を上げるが、そんなものは彼には届かない。
彼は一目散に少年の元へ駆ける。
ヘドロヴィランが気付き、彼に不定系の腕を伸ばして攻撃するが、彼はそれをなんとか避けて、ヴィランの元へたどり着く。
「このっ!」
そして、無駄だと分かっていながらも少年を救出しようとヘドロを掴もうとするが、夢と同じように流体であるそれらを捉えることはできない。
「無駄だ無駄、さっきも言っただろ」
呆れたように彼を罵るヴィランだったが、そんなものは彼には聞こえていない。
困ってる人がいる。助けを求める人がいる。それだけで彼が動くには十分だったからだ。
胸の奥が熱くなる。彼の感情に合わせ、まるで体が燃えているようだ。
鼓動が早さを増し、彼は無意識のままに体の中から溢れ出るエネルギーを言葉に乗せて叫んだ。
「かっちゃんから離れろ!!」
その時、不思議なことが起こった。
まるで何かに弾き飛ばされるように、彼の言葉に反応してそのヴィランは少年の体から弾き飛ばされたのだ。
「まさか、あの隠れミノにあんな個性があったとは、だが、力不足だ」
彼らから数メートル先へと落下するヴィラン。しかし、それほどダメージはなかったようですぐに体勢を整えると再び彼らに向けて突進する。
「どちらでもいい、攫ってしまえばこちらの」
「させると思うかね」
突如、ヴィランの眼前に巨大な何かが飛来する。
コンクリートでできた地面を割り、ヴィランの行手を遮るそれは身長を優に2メートルを超える筋骨隆々の大男だった。
「お前、オールマイト!?」
「DETROIT SMASH‼︎」
大男の拳はヴィランに直撃はしなかったものの、その風圧でヴィランは粉々に吹き飛んでゆく。
流石のヴィランも体を散り散りにされては身動きが取れないのか、微々たる動きしかできずにその場に止まっている。
「さあもう大丈夫、私が来た!!」
その台詞が轟や否や辺りが歓声に包まれる。
それもそのはず、その大男の名はオールマイト、この日本に存在する数多のヒーローの頂点に存在する英雄なのだから。
「少年、友人の危機だったのかもしれないが、君が傷ついては元も子もない、もう少し辛抱強くありたまえ」
「はい、すい」
すいませんでした、と言おうとしたができなかった。
急に鼓動が激しく脈打ち、まるで体内で炎が燃え盛っているかのような熱さが彼を襲う。
その奇怪な苦しさに耐えきれず、彼は意識を手放した。
「少年……何ぃ!?」
彼が地面へぶつかる前に抱き抱えたオールマイトは、彼に起きた変化を目撃していた。
短かった髪は彼の伸長に匹敵するほどに伸び、体は一回り小さく縮み、何よりも何処にでも居るような、記憶にも残らないような普通の少年と言った顔つきだった彼の顔は一度街を歩けば誰もが振り返るほどの美少女へと変化を遂げていた。
「これは一体……まさか先の少年はこの少女が化けていたと言うことなのか? いや、其よりもまずは病院だ! 救急車を待つよりも私が運んだ方が早い!」
そうしてオールマイトはその場にいるヒーローや警察官に後のことを任せると、数十メートルは跳躍するという人間離れした動きでここから去っていった。
・パーカーを着た少女
もちろんゲーム実況で有名なあの人、転生者
本来介入せずに見守る予定だったが仕方なく介入することに
なお、ヒーローではなくヴィラン、ヴィジランテよりだが殺人とか普通にやるのでヴィラン、そのくせ人助けとかもやるわけのわからないやつという印象をヒーローや警察にもたれている。
強力な能力を持ち、並みのヴィランやヒーロー相手だと苦戦はまずしない
具体的に言えば能力の質や強さはAFO並み、身体能力も鍛えてるので結構ある
とあるグループを率いているらしいが、そこまで書くかは謎
あと2、3話程度は続く予定