ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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リクエストを受けてからどれだけ執筆が滞ってたのか……。


リクエストは、『女体化・轟焦凍で、ほのぼの、シリアス』。



ただ、ほのぼのというより、最初はドタバタ?


あとちょっと下品?




あとシリアスというより、ただひたすらグロいかも……。




救われない話です。
















それでもOKって方だけどうぞ。

















いいですね?





リクエストIF短編2  人を呪わば

 

 

「みどりやーーーー!」

 

 早朝の1年A組の寮の廊下に、轟焦凍の声が響いた。

 

「………………どうしたの?」

 

 叫び声を聞いた出久が寮の部屋から出てきた。

 その瞬間に出久に轟が飛びついた。

「みどりやぁ…。」

「どうしたの、轟くん? 怖い夢でも見た?」

 コアラみたいに抱きついた轟の頭をヨシヨシと撫でながら出久が聞くと、轟は出久の肩に顔を埋めたまま首を横に振った。

 

『……オイ。猫…、お前なに面倒くさいことになってんだ…。』

「ザラゾス?」

「みどりやぁ…、俺…、俺…。」

「轟くん?」

 

 この頃には轟の大騒ぎで部屋から出てきたクラスメイト達が集まってきていた。

 そんな中で轟が爆弾告白をした。

 

 

「………………チ○○無くなっちまった………。」

 

「………………………………は?」

 

 

 轟焦凍(♂)が………………、轟焦凍(♀)になった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 それから場所を共同スペースに移し、性転換した轟を落ち着かせつつ何があったのか詳しい事情聴取。

「つまり、朝トイレ行ったら、その時点でもう性別が変わっててパニックになったんだね?」

 轟の頭を撫でながら出久が丁寧に聞いていた。轟は俯いたまま首を動かして返事をした。

「しかしせっかくの女体化だってのに、轟ぃ……、お前って奴は…!」

「言うな峰田! 俺もそう思うけど!」

 心底残念がる峰田に同意しつつも言葉にするなと言う上鳴。

 

 轟は、確かに女になった。

 

 確かに女になった。

 

 だが女になったからと言って理想の姿になれるとは限らない!

 

「本当に、轟…女子になったの?」

「よく見て、体の線が細くなっているし身長が少し小さくなっているわ。」

「もとが良いからあんまり変わんないんだねー!」

 

 A組女子達の言葉が物語る。

 

 轟焦凍(♀)の体型は………………………………、スレンダー系。

 

 ぶっちゃけ無い乳だ。

 

 女体となったことによる筋肉の変化で、男の時より胸(胸筋)がない。それがよりエロ男子峰田のガッカリを強めた。

 

 素材が元々良いので性別が変わっても大きな外見の変化が無いのは、服装の問題のことで生活に支障が出るといったことがないのでいいかもしれないが、身体の発育の仕方の個性はどうにもならないという体型に悩む女子には辛い現実を突きつける。つまりイケメンが女体化しても巨乳になるとは限らない。

 そんな耳郎の背中に、かける言葉が見つからない。

 

 轟は、気持ちが落ち着いてきてから股をモジモジさせていた。そんな轟に出久が、『コラっ』と窘める。

「だって…、股がスースーする…。」

 昨晩まであった物が急に無くなり変な気分なのだろう。クラスメイト男子達が言うのもなんだが、轟は立派な物をぶら下げていた、そりゃ喪失感もひときわ強いだろう。(※風呂で見た)

「それで? 結局、原因はなんなんだ?」

 切島が聞くと出久はうーん…と悩んだ。

「個性…じゃないのは確か。」

「個性以外でこうなることってあんのか?」

「元々、男と女の性別を区別する遺伝子は少しの違いなんだよね。動物の中には、雌雄同体だったり、繁殖期だけ性別が分かれることが出来たり、同じ性別しかいなかったら一匹が別の性別になるってこともできたりするから。それに人間にも、たまに半陰陽って言って、どちらの性別でもない性別が産まれることもある。だからきっかけさえあれば性別の反転はものすごい難しいことじゃない。」

「個性以外となるとなんだ? 手術のような外的方法以外で。」

 騒ぎを聞いて駆けつけた相澤が聞いた。

 出久はうーん…と、悩んで。

「たぶん……………………、呪いの一種だと思います。」

「のろい!?」

「呪いって一口に言っても、色々とあるから。魔法を使うときに唱える呪文って、呪う文(ふみ)と書くし。プラスマイナス関係なく、何かしらの想いを込めて祈る、信じる、求める行動がもう呪いになるから……。でも、轟くんにかかってるのは俺のゴーストライダーの呪い以外に、強い悪意の呪いがある気がする。」

「誰が轟を呪っているのか分かるのか?」

「それは少し調べてみないと…。」

「頼むぞ。」

 個性が関係していない、人外的な案件はゴーストライダーじゃないと解決できない。それが分かっている相澤は悩む間もなく出久に委ねた。

「分かりました。さて…と。轟くん。早速だけど調べるから部屋行こうか。」

「!」

「何を調べる気だ緑谷!?」

「えっ? 身体を調べるけど?」

「どうやって!?」

 峰田がめちゃくちゃ食いつく。目を血走らせて。

「手で触って。触診するけど。」

「はいはーーーい! オイラ助手きぼ…、グゲッ!?」

「早く行け、緑谷!」

 A組常識男子と女子達に峰田が成敗されて縛られている間に、出久が轟を抱き上げて早々と自室へ行った。

 

 その後、2時間ほど部屋から出てこず、平然とした顔してる出久はともかく、轟は出てきても服の胸元を握りしめて頬を紅潮させ、目を潤ませ、ほんのり息を弾ませている姿が目撃され、何をやった!?っと女子達や男子達(特に爆豪)が出久に問い詰めてしまい、出久がこともなげに。

「全身くまなく隅々全部調べただけだよ?」

 っと答えてしまい、轟が何をされたのか、ざっくりと分かってしまい聞いた側(思春期)が阿鼻叫喚となった。周囲の反応について出久は首を傾げ。

「じゃあ、それだと心肺蘇生も人工呼吸も介護もできないよ?」

 っと真面目に言って騒いでいた周りを黙らせた。

 余談だが、これらのやりとりを聞いていた相澤が羞恥は命を圧倒的に左右する救助と救護において邪魔以外の何者でもないと青筋を立て、心肺蘇生などの人命救助訓練を急遽入れてリカバリーガール補佐の下、思春期ヒーローの卵達にメチャクチャ叩き込んだのは別の話。

 そして調べたのだが轟にかかっている呪いのルーツ…つまり轟を呪った側の正体と呪いの詳しい内容を解明するには時間がかかると分かり、少し様子見となった。

 女体になった轟の扱いについては、呪いの効果が他にもある可能性も考慮して出久の監視の下、授業に出ずに寮で大人しくしておくことになった。あと轟が女になったという話が広がって他のクラスの生徒が騒いだりするのを防ぐためだ。中身が残念でも、無い乳でも、ものすごい美人であるから。

 轟の世話については、普段から飼い猫扱いなので大して問題じゃない。身体の造りが女になったとはいえ、基本の体系が少し小さくなり、細身になっただけであまり変わらないので服装も困らない。下着もトランクスじゃなく、ぴっちりの動きやすいスポーツ用ブランドだったのもよかったかもしれない。ただ、足の間のモノが無くなったせいでしばらくの間はスースーして落ち着かないと困り顔で訴えてくるのが多少問題ではあった?

 峰田が隙を見て轟に本当に女体になったことを確かめさせろと鼻息荒く言い寄ったりもして、ギリギリのところで出久に背後からアイアンクローされて阻止され、それでも自室にてどうにか隙を狙おうと策を巡らせていると、音も無く部屋に侵入していた出久が口の端から炎を漏らしながら血走った目を見開いた顔で峰田の顔を間近で見つめ。

『ジャッジメントチェーンを心臓に仕込むよ?』

 大小関わらずエロいことに関わるだけで心臓に激痛が走るように呪いをかけて、最悪痛みでショック死して地獄直行便に乗りたいかと問われ、ガクブル失禁した峰田が顔から出る液体全部出して祈るように許しを請うたことで出久はやっと分かってくれたと納得し、汚れてしまった峰田の部屋を片づけてから自室に帰ったのだった。

 翌日から峰田が出久に舎弟みたいになったので、なにがあったとクラスメイト達が聞き出久が説明して、そりゃ自業自得だと思う者達と、峰田を気の毒に思う者達に別れたが、更に翌日頃に峰田が恐怖のあまりにストレスによる急性胃潰瘍を起こして倒れたため事情説明が教員側にもされ、出久が叱った時の記憶を消すと同時に、出久にはやり過ぎだと軽いお説教があったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと寝ているのね?」

「うん。」

 共同スペースのソファーの上に横になり、出久の太ももを枕にして静かな寝息をたててぐっすり眠っている轟。

 1日の半分以上は似ているのだ。夜も寝ている。本当の猫より寝ている(猫は昼間寝て夜活動している)。

『呪いが身体に負担かけてるかもなー。』

「性別を変えるほど強い呪いだし。」

『…それだけなら、まだいいが……。』

「?」

『いいか、出久。『都合の良い呪いは無い』。』

「……うん。」

 ザラゾスの言葉に出久は頷いた。

 

 

 

 ザラゾスの言葉がその通りになったのは、蛙吹と出久が轟がやたら寝ることについて会話した2日後だった。

 

「あれ? 轟? どうし……、うっ!?」

 共同スペースの床に倒れている轟を見つけたクラスメイトが青ざめた。

 すぐに出久が呼ばれ、リカバリーガールも呼ばれて簡単に状態を調べてから保健室に運ばれた。

 出久に抱き上げられた状態でポタポタと血が零れ落ちた。

 轟の足の間から溢れ出る血だった。

 保健室のベットに寝かされた轟は、苦痛に顔を歪め、脂汗を顔ににじませて荒い呼吸を繰り返していた。

 その腹部は少し膨らんでおり、呼吸でも動かない。足の間から漏れ出る血を吸水素材のシートの上にジワジワと吸収した赤い色が広がってきている。

「いたい…いたぃ…、赤ちゃん…あかちゃ…死ん…じゃ……。」

 寮から運ばれる途中も轟はうわごとでそう言っている。

 子作りなどもちろんしていない。もし妊娠したとしても女体化から1ヶ月も経たずに腹部が膨らむほど成長するのはおかしい。おそらく呪いの影響が精神に及んでいる。

『見えた見えた。呪いの芯が。』

「なにが見える?」

『ペナンス・ステアじゃ見えないな。……なにせコレに罪はないからな。』

 ザラゾスの悪魔としての目でなら確認できたソレ。

 

 それは、ようやく人らしい形を取り始めたばかりの、未熟な胎児の姿。

 大きさ的に少しずつ母親の腹を押し上げてくる頃だろう。

 しかしコレは、本物の、本当の胎児ではない。

 良くない力の塊が、轟の身体を苦しめるために轟の血肉を纏ってそれらしい形になっているだけにすぎない。

 

『こりゃまたぁ…、どっぷり病んだ女がやったなぁ。』

「そこまで分かるの?」

『まっさらな赤子に相手を呪うなんざできねーよ。なら、誰が呪う? 赤子を呪いに変えて、ネコに孕み腹の苦しみを味わせるなんて…な?』

「ーーーーーっ!!」

『呪いを与える方法は色々とあるが…、なあ? この雄英ってとこは、広いなぁ?』

「あっ! 緑谷!」

 保健室から飛び出した出久は、雄英の寮に飲料水を送っているタンクのひとつにつくと、重たくて分厚いフタに向かって地面から上へと伸びる赤黒い引きずったような汚れを見つけた。

「…まさか………。」

 追いついた相澤が何か嫌な予感を感じてわずかに青ざめる。

「……どうするんだい?」

「……開けてもらえますか?」

 根津の問いに出久は事務的にそう言った。

 水という大事な物を守るために、そう簡単に開かないようにできているタンクの鍵が外され、タンクに上った出久が怪力で重たいタンクのフタを持ち上げた。

「……………………執念は怖い…。」

 出久は中を覗き見て疲れたようにため息を吐いた。

 

 タンクの中の水には、水死体が1体と、水面に浮かぶふやけた手書きの呪符が大量にあった。

 

 その後根津が呼んでいた警察の現場検証班と、死体検視官などが来て、タンクの中の水死体の写真や現場を調べ、調べた後に死体がタンクから出されてシートの上に寝かされるなどした。

 ブヨブヨにふやけているが、水死体特有の腹部の膨らみは破れていて、出久の中にいるザラゾスが鼻で笑い、腹の子が呪いとなった時に腹を破って配水管を通ったと説明した。

 どうやって鍵がかかっていたタンクに妊婦が入ることができたんだって説明を求められると、呪うあまりに人間を捨てた、と説明。

 その後、司法解剖や鑑定、それとタンクを上った際に付いたと思われる血痕を調べた。

 そうして轟に呪いをかけた人物の特定ができ、どこで呪いを実行したのかも分かり、出久がザラゾスの力と知恵を借りて解呪が行われた。

 解呪は成功し、呪われていた轟は孕み腹の苦しみから救われた。ゴーストライダーがかけた封印の呪いはそのままだが。

 

 

 

 

 正直な話、出久は今回の件にかなり重いモノを感じていた。

『悲しいなぁ?』

 そんな出久に、ザラゾスがクスクスと笑う。

『こうなったら、もうどーしようもない。地獄の炎で残らず焼いてやるしかない。』

 出久の眼前には、うめき声を上げる女の水死体。それが上半身を起こして両腕を彷徨わせている。まるで救いを求めるように。

『早いとこしな。時間が経てば絶つほど苦しいだけだぞ?』

「分かってる…。」

 嘲笑するザラゾスに押されたわけじゃないが、出久は片手を女の水死体に向けた。

 次の瞬間、一気に燃え上がる地獄の炎。

 轟々と燃え上がる地獄で罪人を焼いて罰する恐ろしい灼熱の中に、死してなおふやけて腐った肉体から抜け出せず生き地獄を味わう呪いを願った哀れな女の断末魔が混じって、もしも常人が聞いたら軽くトラウマになりそうだ。

 出久の足下に女以外の断末魔のような叫び声が聞こえる。

 出久の足下には、強いて言うなら未成熟の赤子のような形状に見える肉塊が女と同じように轟々と燃えていた。燃やされている赤子は出久の足に縋り付くように暴れながら悲鳴を上げている。

 目を背け、耳を塞いで震え上がりそうな胸くそ悪い残酷な光景は、十分ぐらいして終わる。

 燃えていた水死体の女と、未熟な赤子が燃え尽きて消滅したからだ。

 灰になるまで燃えたなんてものじゃない、魂とかそういうものも残ってない。

 呪いそのものになるまで憎悪を持った女と、その女が身籠もっていたため呪いの犠牲になった赤子の始末が終わった後、出久は雄英に帰った。

 雄英に帰ってからすぐに保健室で寝ている轟の所へ来た。

 ザラゾスの悪魔としての知識と、リカバリーガールの診察で、命の危機を脱していたことも分かり、轟にかかっていた呪いがゴーストライダーの物を抜き、あの妊婦がかけた物が綺麗に消えていた。

 まだ呪いの影響が残ってて女体のままだが、いずれ元の性別に戻るだろうとザラゾスは言う。

 

 

 

 

 

 

 今回の怪奇事件の後始末については、呪い以外のことは相澤達に任せた。

 科学的に証明もできない事件であることや、警察の司法解剖の結果などもあり雄英の水タンクに入り込んでいたことは伏せて、呪いを行った場所を特定してそこに残っていた血の量からそこで自害して近くの水路に死体が転がり落ちたという話が新聞の一部に書かれるだけにとどまった。

 女は天涯孤独の身で、元職場で彼女の交友関係を知っている人間達には新聞とほぼ同じ内容で彼女の結末を知らされた。

 女が妊娠していたことについては、彼女の診断をした産婦人科と彼女が住んでいたアパート住人が知っていた。

 女は当時交際していた男がいたが、男の方は田舎の男尊女卑のデカい家の人間で、男の親族から猛反対を受けて男との仲は決裂したらしい。妊娠は別れる前に分かったことでこれをきっかけに挨拶に行ったが結果は最悪なものとなったのだ。

 しかし、それだと呪うなら交際を絶った男や仲を引き裂いた男の親族の方を呪うのでは?となるだろうが、ここからが狂った女の狂気だった。

 女はエンデヴァーのファンだった。交際していた男はエンデヴァーに少し似たところがあり、それがきっかけだったと言えるほどだ。異性的な意味でエンデヴァーのファンなぐらいエンデヴァーのファンだった。

 交際していた男と別れ、頼れる身内もおらず、エンデヴァーの活躍を色んな媒体で知ることを支えに、心のどこかで腹の子がエンデヴァーの子だったら…っと妄想する日々をおくっていた時にテレビでは、雄英の体育祭の放送。

 その時、エンデヴァーがゴーストライダーによって倒され、芋づる式で家庭内問題が漏れ、ヒーロー業界どころか社会情勢が揺るぐほどの大事件に発展。

 エンデヴァーがヒーローランキング最下位まで落とされ、事務所も閉鎖寸前までバッシングを受け、しばらくの間テレビはエンデヴァーとその余波を受けたヒーローの不祥事で賑わった。

 先にも述べたが女はエンデヴァーのファンだった。

 そのエンデヴァーの人気と地位が大暴落。

 ネット情報や人伝に、エンデヴァーにゴーストライダーをけしかけたのがエンデヴァーの実子である轟だったことを女は知った。

 エンデヴァーのファンである女は、轟がエンデヴァーの実の子であるという羨ましすぎる立場にありながら愛してやまないエンデヴァーをドン底に堕とした轟に憎悪した。自分をひとりで残して死んだ家族でもなく、自分を捨てた男でもなく、エンデヴァーを落ちぶれさせた轟を呪ったのだ。

 本物の、本来の形式の呪いの儀式ではなく、オカルト情報をごちゃ混ぜにしたデタラメだったが、女自身の憎悪から生まれた呪いはその強さ故に本物となり、呪う対象者である轟に降りかかった。

 呪うあまりに腹の子が呪いそのものに変換されるほどの強い呪いは、女自身も無事では済まず、儀式のために自殺してからも死体のまま魂が抜けず、自身が作った呪いに突き動かされ、呪いが轟に入り込むために飲料水の貯水タンクに侵入するという常軌を逸した怪奇となった。生きた死体とたとえられるだろうか。自殺した際の痛みと、身体が朽ちていく苦しみから逃れられず、ゴーストライダーの地獄の炎で残らず焼き払わなければ永遠にそのままだった。呪いになった胎児も轟を呪い殺すか、呪いを切り離される方法で放り出されたら適当な人間を呪って殺していただろう。しかもターゲットである人間じゃないからターゲットに当たるまでずっと動き続け殺し続けるたちの悪い呪いとして……。

 

「後味の悪い……。」

 

 今回の事件の時、雄英教員としての仕事以外の別仕事で雄英から離れていたオールマイトが事件の話を聞いて辛そうに息を吐き、やりきれなさそうに言葉を吐いた。

「それで…、轟少年は?」

「後遺症もなく、回復に向かっています。栄養とって、しっかり休めば来週には授業に戻れそうです。」

「そうか…。その……、女性と子供は……。」

「せめて地獄で罰を終えた後、安らぎがあることを願いましょう。……………………呪いになってしまった赤ん坊は分かりませんが。」

「死後の世界には詳しくないが、どれくらいかかるのかな?」

「さあ? それを決めるのは地獄で罪の判決を言い渡す存在ですから。まあ、地獄の罰によっては、懲罰を受ける場所に落ちるまで炎の中を数百年ぐらい落下し続けるものもあるとか?」

「うぅ…、想像はしていたが地獄というから厳しい…!」

「エジプト神話の死後の裁判だと、罪人と判定された時点でワニの女神に頭からバリバリ食べられると聞きますよ? つまり消滅です。罰に耐えて転生するか、完全消滅するか……、どちらが救いなのかは俺には判断できませんが。」

「温情は……。」

「それを決めるのもゴーストライダーじゃないので……。」

『呪いに都合の良いものなんて無い。』

 

 

 人を呪わば穴二つ

 

 誰かの不幸を呪った者が何かしらの代償を払わずに無事でいられるなんて、そんなハッピーエンドは存在しない

 

 逆に幸せを願った者は、幸せが還ってくるという

 

 

『……………………ままならないもんだなぁ?』

 

 人間の欲望を利用して糧にする悪魔という概念であるザラゾスは、筋違いな呪いで自滅した孤独な妊婦が、事件後引き取る身内もいないことから無縁仏に葬られたことを知り、救われない結末を笑う。更に事件そのものも真相が報じられることもなく、まさか呪いを実行して自爆したなんて事実が公にもなることもなく、不審死からの自殺という結果と表での処理、そして真相が隠された状態での単なる自殺という事件の記憶は他の大きな事件の報道などで人々の記憶からすぐに消えた。

 さらにザラゾスの笑いを誘ったのは、妊婦の腹の子の実の父親が別れた後に身内からの紹介で知り合った女性と結ばれ、程なく子供を授かり、そして別れた過去の女である妊婦には十分すぎる養育費と慰謝料を振り込んでいたこともあって過去を引きずらずに彼女のことを思い出すこともなくなったことだった。

 

 

 




『人を呪わば穴二つ』。

誰が言ったし?

不幸を望めば不幸が。
幸せを望めば幸せが。


呪いは内容によりますが、失敗&呪い返しをされると倍になって自分に還ってくるという。
普通に発する言葉や、名前さえ呪いの一種という考え(言霊)もあるし、形はどうあれ呪いはどこにでもあるのでしょうか……。



呪いを行った妊婦さんの補足をすると。


※性別反転理由
エンデヴァーファンからの呪い。失恋と妊娠鬱でエンデヴァーの子を身籠もったと妄想する妊婦(シングル)が、体育祭後の一件で腹の子を贄に実行した呪い。呪われた轟焦凍は女体化後、擬似妊娠が起こり気が触れそうなほどの苦痛を受ける。
亡骸は呪符と共に雄英内の貯水タンクに沈んでいる。
生半可なオカルト知識で実行された呪いだが、妊婦自身の憎悪の強さにより呪いが効果を発揮した。しかし呪いを実行した代償に死体から魂が抜けず生き地獄を味わい、胎児も魂もろとも呪いとなってしまっており救う方法は地獄の炎で灰も残さず焼き払うしかない。
なお、元婚約者(エンデヴァー似)からもらった養育費と慰謝料は、呪いに使う呪具や知識を手に入れるために浪費された。
元婚約者は、彼女の死の真相を知らないまま普通に生きて人生を終えることになる。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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