ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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執筆が遅れたことについては、活動報告の方で言い訳をしたいと思います……。



今回は前回からの続きで、事件後のこと。


返り血を浴びているとか、そういう流血表現があります。
苦手な方はご注意ください。


急いで執筆したので、もっと詰め込んで書く必要があった部分もあったかもしれませんが、オリジナルヴィラン勢の話はここで終わりにします。


あと、オールマイトの扱いが悪いです。
オールマイトファンの方、注意!







それでもOKって方だけどうぞ。




いいですね?




SS94  事件の終わりの後

 

 

 

 怒り狂った真のカグツチを鎮めたゴーストライダー。

 カグツチをバラバラに切り刻んだあと、変身を解いて他のヒーロー達や戦いに参加していた警察関係者や自衛隊などの各関係者達の合流したとき、彼らからギョッとされた。

 それはそうだ。全身が血塗れで帰ってきたら間違いなく驚かれるだろう。

 血はカグツチの血だった。

 本物が自称カグツチを触媒にして出現していたためカグツチを形作る物質が自称カグツチのソレだったためこうなったそうだ。本物のカグツチの血液は溶岩と例えられる形で神話に描かれているので溶岩であるはずだったが、逆に溶岩じゃなくて良かった。

 じゃないと富士の樹海の大半が燃え尽きて灰になっていた失われていただろう。

 

 

「お疲れ様。」

『ず…ズラぁ…。』

『に、ににに、兄ちゃん…震えすぎ…だ、だだだよ…。』

「だいじょうぶ、だいじょうぶだから。ほ~ら、怖くない怖くない。」

『生まれたての狛犬妖怪には刺激が強すぎたようだな。』

 溶岩の熱はないがカグツチの血に含まれる神の気配の強さに、田舎の小さな神社の狛犬だったコマさんとコマじろうはガクブルで堪えきれずに泣いてしまっていた。コマじろうが必死に兄のコマさんを支えようとしているが自分もそれどころじゃないので共倒れ状態だ。そんな二人をホークスが支えて宥めていた。

 富士山の噴火を防ぐ作業での貢献のことで感謝を伝えに出久が来たのだが、上記の理由でそれどころじゃなく、むしろコマさんとコマじろうの精神力をゴリゴリ削る状況になってしまったため日を改めてということになった。

『しばらく取れないだろうな~。』

 原始の神の一柱の血だからか、そう簡単に取れないとザラゾスが苦笑いしていた。

 頭から返り血を浴びている見た目で雄英の寮に帰るのは他の生徒や教員の精神によろしくないと判断され、せめてマシになるまで帰還できないということになった。

 自称カグツチの足止め役をしたミルコはあれからすぐに病院に運ばれ、少しだけ三途の川を見るほど衰弱してしまったが無事に回復していき、1週間ほど療養のために入院生活をすることになり暇を持て余し、体がなまると言って体を動かしているのを見つかっては怒られるということを繰り返す。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「…………なるほど。それで髪の色がそんなことに…。」

 緑色の顔や髪に乾いた血の色が被さった変な色になってしまっていることについてオールマイトに聞かれ、事情を話した出久にたいしてオールマイトが顔をヒクつかせてそう言った。

 ヒーロー歴が長いのでよく知っている、その色が流れないことが最善だということだと認識しているせいでつい顔がヒクついたのだ。

「これでもだいぶ洗い流せたんですけど。洗い流していて、新しい神が生まれないか少しヒヤヒヤはしました。」

「えっ!? そんなことが起こるの!?」

「全部じゃないですが、神話に描かれることありますよね。体液からとか、切り離された体の一部からとか、体を洗ったら生まれたとか……。」

「あ、新しい神様生まれちゃったらどうなるの?」

「たいした心配はないと思いますよ。八百万の神の国なんですから、毎年色んな理由で神様が生まれて増えるぐらいゆるくて寛容ですから。」

「そうなんだね…。逆に日本でよかったってことかな?」

「そうとも言えますね。別の国で余所の国の神が爆誕なんてしたら、神様業界の国際問題になるかもですし。」

「業界扱いなの!? 人と同じで、やっぱそこのところはデリケートなのね!?」

「それはそうと。ちゃんと戻してきたんですよね? 指示通りに。」

「そりゃもちろん! 神事の関係者立ち会いで、すっっっっっっっっごい厳重体制でカグツチを山に戻してきたさ!」

「反応を起こしている原子炉を素手で持ち歩いて、もし落としたら自分含めて広範囲にぺんぺん草も生えない大惨事になるぐらい危なかったんですから仕方ありません。」

「ジーザス! シャレにならない例えありがとう! おじさん頑張った甲斐あったってよーーーーく理解できた! っていうかそこまで危険物扱いなの!? カグツチって!」

「ブチギレ状態の火の神なんて熱と攻撃力と破壊力の塊だと思いません? それぐらい厳重に繊細な扱いをしないと国家滅亡レベルで祟られそうなぐらい怒ってるんですよ?」

「末代先まで、とは聞くことはあるけど……。神様を怒らせてはいけない理由がよーーーーーーーーーく理解できた気がする……。」

「オールマイトはうっかりで怒りを買いそうで信用できないところがありますから。」

「私、そこまで信用ない!? ねえ、なんで!?」

「人が足りなかったから仕方なかったんです。今後似たことがある場合にオールマイトが参加するなら、今回のように厳重体制で見守りながらになるかと。」

「………………信用してもらえるよう頑張ります。」

 出久は聞こえないフリしていたが、ワンフォーオールに宿る彼の師匠からのツッコミがあったためオールマイトは筋肉ダルマの体を縮こませてションボリしてそう言った。どうやら本人が忘れていたが過去に前科があったらしい。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 監獄タルタロスにて、幼い男児を抱っこした中年の男が面会の席に来ていた。

 防護ガラスの向こう側には、個性封じの拘束具を付けられたレッドラインこと、小紺麦子がいた。

 囚人服姿で拘束されている姿からは、彼女が表では小さなパン屋の切り盛りしていた主婦のイメージとかけ離れている。

 しかし面会に来た彼女の夫である男は、二人の間に生まれた愛の結晶である子供を連れてきた。

 その意図は……。

 

「麦子…。全部、聞いたよ。」

『……。』

「伝えたいことがあって、ここに来たんだ。聞いて欲しい。」

『……なに?』

 麦子が表情を僅かに変えたのに気づいたのは夫である男だけだった。

「……なんとなく…、気がついてたんだ。」

『……!』

「君がやってること……、君がパン屋さんを営む主婦以外に絶対隠しておかなきゃいけない仕事をしているってことを…。でも確固たる証拠を見たわけじゃないし、君が隠している仕事を僕らの生活に絶対に出さないよう細心の注意を払っていたんだから調べることも出来なかった。……そもそも調べるって気は起きなかったんだ。」

『……どうして?』

 普通なら身内がヴィランだと勘づいたら疑うのが当たり前だ。それをしなかった彼女の夫。

 夫はどこまでも穏やかで、彼女がよく知っている自分の夫の顔と態度で続ける。

「君のことが大切で、愛しているからさ。だから全部受け入れたかったんだ。殺し屋としての君のことを。」

 夫は、泣きそうな顔で笑い、ガラス越しであるが麦子に目線を合わせて更に続ける。

「息子と…一緒に話し合った。それで決めたんだ。」

 まだ幼い息子は夫の腕の中で身を捩り、片手を防護ガラスに伸ばして触れた。まるで手の届かない位置にいる母に触れようとするように。

 息子が夫の顔を見上げて、夫が頷いたのを確認すると、意を決したようにガラス越しに母である麦子を見た。

 幼いながらも強い決意を秘めた眼差しと表情で発せられた言葉。

「ママのこと、パパと待ってる。帰ってくるまで待ってる。」

 母親が大きな罪を犯しているヴィランであっても、子供にとっては大切な母親。

 向けられていた愛は本物だった。

「ママ、大好き。だから、帰ってくるまで、ずっと待つよ。」

 その言葉をすべて聞き終わる前に麦子の涙腺が決壊した。

 冷徹な殺し屋ではなく、人間の母親としての感情が溢れ出た涙。

 自称カグツチの事件に加担する前から犯してきた罪の数を考えれば家族のもとへ帰れる可能性は低すぎる。それだけの罪を犯したことを知っている。プロの殺し屋として育ち、研鑽を続けてきたのだから。

「僕も、この子と同じ気持ちだ。それを伝えたかった。」

 防護ガラスの向こうで泣きじゃくる麦子は、夫の言葉に何度も何度も頷いた。

 

「私も、……愛してる! 私の、大切な家族!」

 

 

 面会後、小紺麦子の罪と罰についての追求と裁判が多く待っていることを踏まえて、公安が麦子に減刑の案を提示したり、自称カグツチ事件を早期に解決させられた功労もあるのでそれらを踏まえたうえでの償いの方法に持って行く形が取られることとなる。

 小紺麦子が再び最愛の家族のもとへ帰る日がいつ来るのかは……、今は誰も知らない。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 自称カグツチによる大規模テロの後始末は、少しずつ確実に行われた。

 本物の神が絡んでしまう単純な事件ではなかったため、神事に関わる関係者が全国から集められたり、ゴーストライダーも先頭に立って細かいところまで指示を出したり率先して重労働だったり逆に繊細で失敗が許されない作業もやった。

 返り血が中々落ちなくて雄英に帰れないのでその間にやれることはやろうということだった。

 結果的にこれが功を奏し、自称カグツチに重要な役割をしていた神事の守護者達をごっそり命を奪われていたのでゴーストライダーが代わりを務めたり、経験の少ない後任の守護者の補助をして助けたりして専門家じゃないと片付けられない一番の山場は超えられた。

 本来なら悪魔とは敵対する関係だが、この時ばかりはそれどころじゃないし、なによりザラゾスが日本の神々との昔の色々な出来事で築いた関係を重視していたため後々の問題を残さずに済んでお互いにホッとし凄まじい開放感に襲われたらしい。

 そうして雄英に帰れると判断できるほどカグツチの返り血を洗い流せた出久は、やっと雄英に帰還できた。

 帰ってすぐに轟に飛びつかれて抱きつかれたり、爆豪に噛みつかれるのは想定の範囲内だったが、涙を浮かべたクラスメイト達に熱烈な出迎えを受けたのと、寂しさがマックスで情緒がおかしくなっていた壊理を落ち着かせるのに頑張ったり、壊理を心配して慰めていたが逆に寂しさが伝染して自分も情緒が不安定になった麗日が号泣して泣き疲れるまで一緒にいてあげたりするなど帰ってきて早々落ち着くことはできなかった。

 精神カウンセリングなどの行い、精神科医の指示に従ってしばらく壊理の傍にいてあげることと、麗日とのコミュニケーションをクラスメイト達の協力も得てすることが決まり、これはしばらく別の意味で忙しくなったというのを感じて人知れずため息が出てしまった出久に、中にいるザラゾスが笑いを堪えていたのだった。

 

 雄英に帰還の翌日に、クリスティーンが出久(ザラゾス)の所へ戻って来たのだが急にご機嫌斜めになって出久を轢いてきたため、憤慨した轟と爆豪がクリスティーンに喧嘩を売って雄英の敷地内で危うく轟&爆豪vs悪魔の車という勝敗が気になるバトルが始まりかけたが、ご機嫌斜めのクリスティーンをザラゾスがベタベタに猫可愛がりして気をよくさせて落ち着かせて事なきを得るという出来事も発生した。どうやら単にザラゾスにべた褒めして欲しくて癇癪を起こしただけのようだ。

 轢かれて跳ね飛ばされたが出久は無傷だった。

 ちなみにクリスティーンの車内には、いまだにクリスティーンから離して貰えないデステゴロが乗ったままだったため運転席でガグガクブルブル状態になってしまっていた。

 

 

 

 

 更に別の話になるが、やっとカグツチの血を洗い落とせたということでホークスのところへ行ってコマさんとコマじろうへカグツチ絡みの事件解決に協力してくれたことへの感謝を伝えに行ったのだが……。

 目に見えない残り香というか神の気の残滓が凄まじくて、出久を見た瞬間にコマさんとコマじろうが思わず絶叫のような悲鳴をあげてしまいホークスの後ろに隠れてしまった。

 するとザラゾスが。

『やっぱ、神の気ってのは、悪魔の穢れと大差ないよなぁ。』

 ダメだこりゃっと、ぼやいていたのを出久は聞いた。

 結局、コマさんとコマじろうと面と向かって話せるようになるために地獄の炎で1日体を直焼きするような形のことをやり、やっとのことでコマさんとコマじろうとのまともな顔合わせと会話が実現できたのだった。

 

 

 

 




今回でオリジナルヴィラン勢の話は終わり。
急ピッチで終わらせたので、加筆リメイクの可能性があります……。申し訳ない。


本物のカグツチの血をもろに浴びたので、その影響については捏造です。
神話ではイザナギが黄泉の国から逃げ帰ってきたときに身体についた穢れを洗ったら神様が生まれたとか、別の神話でも神様の体の一部やら体液から何か生まれてきたという話はよくあるので、カグツチの返り血を洗い流したら何か生まれてくるかもしれないと危惧していた出久でしたが、結果はなにも出てこなかったのでその点には安心した感じです。

切り刻んでバラバラにしたカグツチの体をもとあった場所、正確には神話の時代にカグツチから生まれた山々に戻す作業をオールマイトにやってもらっていますが、これは単純に他に人手がなかったからです。
一応リッチの力もあるので、普通の人間じゃできないことはできるので。
でもうっかり落としたら核弾頭ほどじゃなくても大事になっていた…という後出しの話にオールマイトは泣いていいと思う…。いや書いたの自分だから。
なんとなくオールマイトは大事な時にうっかりやらかしそうな勝手なイメージがありました。

コマさんとコマじろうは、元狛犬の妖怪として日が浅すぎるせいで激おこのカグツチの気配とかそういうのに過敏に反応しちゃって怯えたり、つい悲鳴をあげてしまったりと大変ということにしました。



次回は、ビルダーベア編か、コマさんとコマじろうで短編を書こうか迷っています。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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