ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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ビルダーベア編、2話目。


ビルダーベアが雄英に襲撃前の下準備として、ヤバいことを色々とやる。
詳細は省いてますが、この時点で元ネタより被害者を出しています。

前に頂いたオリ複製に繋がる要素も少し書いてます。
オリ複製自体はまだ未登場です。


序盤は財団から派遣された武装隊と調査隊がビルダーベアが起こしたことを警察やプロヒーロー達と連携して調査して、ビルダーベアの動向を探り、雄英に集結する流れ。

後半は、お疲れの出久を元気づけようと壊理が奮闘したり、麗日も頑張ります。






それでもOKって方だけどうぞ。





いいですね?


SS96  無邪気に邪悪に下準備

 

 

 

 ある存在は、遙か昔から存在し。

 ある存在は、未知なる次元からやってきたとも考えられ。

 ある存在は、それを摂取した者に異常をもたらし。

 ある存在は、人間へ悪意ある攻撃をしてきた。

 ある存在は、そこに存在するだけで世界を滅ぼす。

 

 

 個性という超常能力が当たり前になる前から、それらは存在した。

 

 ある時代にとある国によって設立された秘密結社では、それらを『特別収容プロトコル』、通称『SCP』と定義し、収容・実験・研究が行われた。

 三段階に分けられた収容難易度として、『SAFE(セーフ)』、『EUCLID(ユークリッド)』、『KETER(ケテル)』をSCPのオブジェクトクラスとして振り分ける。

 SAFEは、一番安全。すぐ収容できる。EUCLIDやKETERが何らかの理由で無力化してこのオブジェクトクラスに変更される場合もある。

 EUCLIDは、条件を守れば収容できるが、人の命を奪うものや取り返しのつかない異常を発生させたりするため、ちょっとのミスが大惨事になることもあるSCPもいるがKETERほどではない。SAFEだったSCPが後にEUCLIDに変更されることもある。

 KETERは、収容不可能。剥き出しの核ミサイル発射ボタンに例えられたり、KETERシナリオという非常事態を防ぐために多くの犠牲と破壊が周期的に組織の判断で行われたり、KETERシナリオの条件を知ってしまった職員の記憶処理といった手段を選ばない対策が取られている。無害だが捕まえられないとか、規模が大きすぎるなどの理由で箱の中に閉じ込められないという理由でこのオブジェクトクラスに分類されるSCPも存在する。

 

 大凡三つのオブジェクトクラスに区分したSCPの収容と研究を行うSCP財団というその秘密結社は、ある土地へと精鋭部隊と調査隊を派遣する。

 

 調査隊として派遣された研究者の中には、この土地へ来ることを密かに喜んだり、逆に緊張もしていた。

 

 ゴーストライダーというダークヒーローが活動する中心地で、ゴーストライダーに直接会える可能性にSCPの研究者として興味そそられているのだ。

 あわよくばSCPとして収容か、他のSCPの解明に繋がる調査ができたらと、グフフ…しているある意味変態がいるとかいないとか……。あるSCPの目撃情報の真偽の調査と共に、ゴーストライダーへの協力を仰ぐことも今回の派遣理由だった。

 

 調査対象は、自立して動くクマのぬいぐるみの噂だ。

 単に新たなSCPとして認定するためではない。このクマのぬいぐるみが、財団にとって超危険なSCPとして認定した存在だったからだ。

 財団では財団の建造物内に潜んでいると考えられていたが、どうやらいつの間にか場所を変えていたらしい。

 

 

 【SCP-1048  ビルダーベア】

 オブジェクトクラス:KETER

 

 

 当初は人間に友好的でSAFEのSCPとして財団内で自由にさせていたが、ある日牙を剥いたクマのぬいぐるみ。

 このSCPの脅威は、様々な素材を用いて自身の複製を製作することだ。

 複製に用いる材料は本当に様々だ。人間だったり、妊婦の腹の中の胎児であったり、鉄などの無機物だったり。

 最初に確認された複製は、人間の耳で構成されていて、複製が発生させる鳴き声を聞いた人間は体中に耳に似た腫瘍が発生して、主に呼吸器官に腫瘍が詰って死亡した。

 次の複製は、財団に所属していた女性職員が身籠もっていた胎児を素材にされていると見られた。理由は被害にあったこの女性の腹から胎児だけが抜き取られてしまっていたからだ。

 3体目の複製は、鉄などの素材から造られており、人間の体を易々と貫いて多くの犠牲を出した。

 共通しているのは、複製はどれも人間に対して敵対的であり、本体であるビルダーベアがどうやって複製の材料を集めて複製を造り上げたのかが不明なことだ。見た目はクマのぬいぐるみであるから、どこにそんな超常的な凶器になる力があるのだろうか……。

 

 しかも個性が普通になった超常能力の社会の到来もあり、財団側もビルダーベアが個性を材料として狙いを定めるか怖々することになり、行方をくらましていたビルダーベアを探すことに力を入れていたのだが……遅かった……。

 

 

・プロヒーローが行方不明。

・一般人の行方不明者多数。

・体の一部が欠損した死体が次から次に発見される。欠損部位は、皮膚、髪、右手、眼球、耳、心臓など様々。

・牢屋に収容されていたヴィランの個性となる体の部位だけを抜かれた死体だけが発見される。

・異形型個性の一家が個性の特徴部分を欠損した状態で全滅。

・家電量販店やスーパーや市販薬局の倉庫から商品が一部紛失。

 

 

 上記のことまで調査できたが、しまいには……。

 

「これって……。」

「ああ…、脳無だ。」

 

 路地裏のゴミ捨て場にうち捨てられるように放置されていた奇妙な死体が発見された。

 それは脳無だった。ヴィラン連合が利用していた人造人間。

 その中でもハイエンドという超強力な個体であった。同じ種類のものが先にホークスの管轄であった九州に現れたが、ゴーストライダーがボコボコにして小さい被害で抑えられて、ハイエンドという名が判明している。

 体中が欠けていた。脳無の特徴である剥き出しの脳みそはもちろん、皮膚に始まり体内の筋繊維や神経や骨(歯を含む)や内臓に至るまでくり抜かれたように無くなっていたり、切断されていたりして先の事件で確認されていたハイエンドの情報が無ければこれがハイエンドの死体だと確認できなかったであろうほど酷い有様だった。

 獣に襲われたというには食べる目的とは考えられないと断定できるほど残された部位が多く、むしろ必要な分だけ取り出した解剖後の動物か解剖用の人間の遺体の方が合っていると考えられた。

 ハイエンドのこの死体の状態から財団から派遣された調査隊は、一連の怪事件の犯人が自分達が派遣された理由であるビルダーベアの仕業であると断定した。

 すでに複数の未確認の複製が造られたと仮定してビルダーベアの目的と動向を調べ、KETERシナリオを防ぐために次の行動に移る。

 そうすると一連の事件と同時期に個人情報が詰った役所のデーダベースに不正アクセスした事件が起こっていたことが地元警察の情報で得られ、不正アクセスの犯人を財団の技術でもって調べられた。

 すると、犯人はビルダーベアだった。

 閲覧して調べられていた内容が年若い青少年の情報と、その所在についての個人情報であったことから、ビルダーベアが次に向かうと思われる場所を特定できた。

 

 ヒーロー科のある高等学校で、もっとも受験生と就職率を誇る雄英校。

 そこに在籍する生徒の一人がビルダーベアが不正アクセスで閲覧した個人情報内にいたのだ。

 なぜこの生徒だと特定できたのかは、不正アクセスの際に残っていた痕跡からだ。この生徒の情報を見つけた途端、現住所や生活などの細かい情報に関する部分に更に調べる動きがあったのだ。

 そうして痕跡から、その生徒が現在雄英校に新設された寮にいるということも完全に特定されていた。

 ついでに雄英校のことを調べているかもしれないと予想されたので、そちらの方も調べたところ……大当たりであった。

 雄英の公式サイトへのアクセスと、雄英の機密デーダベースに不正アクセスをしたことも。

 もうここまできたらビルダーベアが新たな複製を作る材料として、その生徒を狙っていることは確定した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 一方その頃。

 

「そうそう、上手上手!」

「よい、しょ!!」

 ホットプレートの熱された鉄板部分の上で焼かれていた生地がフライ返しでひっくり返された。

 共有スペースで、大きなホットプレートを使い、エプロンを身につけて頭にも三角巾を装備した壊理が、砂藤監修のもと奮闘していた。

 壊理が砂藤に疲れた出久の疲労回復になりそうな物の作り方を教えて欲しいと懇願したのだ。

 作って貰うのではなく、自分の手で作って食べさせたいということで、砂藤が手助けをしつつ横について教えていた。

 共有スペースで調理を行うため自然と他のクラスメイトが匂いとかにも気づいて集まってきて、見物と応援をしたりしたり、作る工程で出る汚れ物の後片付けをした。ついでにおこぼれで余った材料を貰おうとしている節はあるが。

 ホットプレートで焼いていたのは、ホットケーキだ。

 小さい子供でも手軽に作れる物ということで砂藤が案を出し、数枚重ねてクリームや甘いソースと果物で飾れば単なるホットケーキとは言えないほど豪華になるからだった。

 ホットプレートなら火加減の調整もフライパンよりしやすいので、ホットプレートを使用してホットケーキの生地を焼いた。

 初めてのお料理であった壊理にはホットケーキミックスを使って、砂藤の手ほどきがあっても難易度が高い。なんとか焦がさずにすんだが綺麗な形では焼けなかった。

「落ち込むのは早い。ここで百均グッズの出番だぜ!」

 綺麗に焼けなかったことに俯く壊理を見て、砂藤が百均で売っているハート型の調理器具を出した。

 小さめの型だが熱したフライパンで使える品で、目玉焼きにも使える。

 それを使ってハートのホットケーキを楽々焼くことに成功。

「よし! 山場は超えた! ここから仕上げの盛り付けだ!」

「はい!」

 歪な丸型ホットケーキ1枚を皿に乗せ、ホイップクリームを薄く塗り、市販のチョコソースを斜めがけして荒い編み目のような模様を作る。

 その真ん中にハートのホットケーキを乗せ、イチゴと絞り袋のクリームを絞って飾り、最後にホットケーキの周りに缶詰のミックスフルーツを散らす。

「完成!」

 完成したクリームとフルーツ盛りホットケーキ。

 パティシエやお店で注文できるようなデザートのプレートのような整った綺麗さは劣るが、初めてなりの一生懸命さが感じられる出来だ。

 この場にいたA組の面々が拍手して壊理を労った。

 そして。

 

「これを壊理ちゃんが?」

 

 出久の部屋に持って行くと、少し眠そうな目をした出久が出迎えた。

 壊理が頷いて緊張した様子で差し出した皿の上の甘味を見て、少し目を見開いたが、皿を受け取り、一緒に持ってこられたフォークで切り分けてクリームとイチゴと一緒に大きめのそれを口に入れて咀嚼する。

 壊理はガチガチに固まったように出久の反応を待った。

「…美味しいよ。」

「!」

「すごく美味しい。」

「ぅ……。」

「壊理ちゃん?」

 次の瞬間、壊理が泣いた。

 いや、これは感激のあまりに出た涙だがすごい勢いだった。

 なので影から様子を見ていた砂藤を含めたクラスメイト達が焦って飛び出してきてしまう事態になったりして、騒ぎに気づいた相澤の大目玉を食らうことになったりドタバタすることになったのだった。

 

「あかん……、出遅れた…。」

 

 食堂のキッチンをランチラッシュに頼んで使わせてもらった麗日がラップに包まれた皿を手にしたまま物陰から出られなくなっていた。

 皿に盛られていたのは、具を混ぜたおにぎりだった。

 赤色と緑が混ざっており、ラップ越しでも分かる微かな酸っぱい匂い。

 梅干しを刻んだ物と、刻んだ大葉を混ぜたおにぎり。疲れているときに何がいいかと実家の母に電話で聞いて、梅干しと大葉が食欲をそそるし疲労回復にちょうど良いと聞いて食べやすくおにぎりにしたのだ。

 壊理が砂藤に教えてもらいながらホットケーキを焼いてる間に麗日は食堂の方でおにぎり作りをしていたのだ。

「しゃーない…、冷凍して数日掛けて食べよ…。」

 壊理がせっかく頑張って出久を元気づける料理を作ったのだ、自分が水を差すのはいけないと考えた麗日が誰かに気づかれる前にその場から離れようとした時だった。

 麗日の背後から大きな人影が彼女を覆う。

 麗日がそれに気づいた瞬間には、彼女の体をヒョイッと軽々持ち上げてそのまま運んで行く、レオさん。

「ちょ、ちょい待って~~~!」

 おにぎりが乗った皿を手放せないままレオさんに運ばれていく麗日は、あっという間に出久達の方へ連れて行かれて床に下ろされた。

「あれ、レオさんが。」

 泣き止んだ壊理が驚いていた。レオさんは通常状態だとライオンのぬいぐるみの姿であるが、戦闘態勢に入るとムキムキマッチョかつオールマイト並の大きさになる。

 共有スペースのソファーに置いてあったはずだが、勝手に動いて麗日を運んできたのである。

「麗日さん。」

「えっ、あ…、これは…。」

 おにぎりに気づいた出久が聞くと、麗日は慌てた。

『モテる男は良いことだ。』

 お前か。ザラゾス。

 出久は声には出さなかった。疲れのせいかだんまりだったくせに急にどうした。

 確かにレオさんの力の源は、ゴーストライダーの力。もっと言ってしまえばザラゾスの力である。だからレオさんを遠隔操作することはザラゾスには簡単なことだった。

『なあ知っているか? 相手への想いってのは、それだけで呪いになる。好意ならなおさらな。食い物より、そっちの方が回復になる。』

 お前(出久)と俺、もはや人間での範疇で収るはずがないのだ。

 出久はザラゾスの声に答えないまま、麗日の持っている皿からおにぎりを取った。

 麗日があっ!という間に、おにぎりを頬張った出久。

「うん、美味しい。ありがとう。麗日さん。そして壊理ちゃんも。」

 二人の料理を胃に収めたことで湧き上がる奇妙な感覚は、腹を満たしたとか舌で美味を感じたことで感じた幸福感とは違う。

 もっと甘く、ドロリとした何かだ。

 ソレを悪魔の感覚で例えると、呪い、なのだろうか。

 それが不覚にも『美味い』と感じている自分の感覚に、恐怖に似た緊張感を覚え、内側にいるザラゾスがニヤニヤと笑う気配があった。

 そうして不吉を残しながら回復に向かう出久であったが、すぐそこに迫っている新たに持ち込まれる厄に対応するべくすぐ動いた。

「…出てきていいですよ。校長先生。」

「……さすがに悪いと思って機を伺ってたんだけど?」

 ひょこりと現れた根津に和気藹々の空気が変わった。

「それで? ヤバい連絡でしょう? どうせ雄英全体に知られるでしょうから、ここでもう言っていいと思います。」

「君ね。時と場合って考えないといけないよ? 下手な混乱は二次、三次と防げるはずの事故や死傷を招くんだ。」

「そんなこと言ってる場合ですか? 緊急事態なのに?」

「ゴーストライダーって地獄耳の究極系なの?」

 出久の言葉から出てくる緊急性を察した、ゴーストライダーと衣食住を共にする学友達一同に大きな緊張が走り、すぐ対応できるよう心身を切り替え出す。仮にもヒーローの卵としてここに在籍しているのだから。

 根津は、深くため息を吐き、それから言葉を続けた。

「雄英の危機………、どころか人類の危機にも繋がるかもしれない非常事態さ! 力を貸して欲しい、ゴーストライダー!」

 

 

 

 一難去ってまた一難。

 日本神話の原始の神を巻き込んだ騒動に続いて、全く異なる脅威が雄英に迫っていた。

 

 形を自分に寄せて造った、恐ろしくて奇妙な複製達を引き連れて。

 新たな複製の素材として目を付けた人間がいる雄英校を襲うべくやって来る。

 

 

 




ビルダーベアが特定の獲物(複製の材料として目を付けた相手)を狙って動くかどうかは、ちょっと分からないですが……このネタではそのために動き、今回の事件に繋がったという流れにしました。
モブが大量に犠牲になっておりますが、本当に申し訳ありません!

死んでたハイエンドは、前にゴーストライダーにボコられて無力化された個体とは別です。同じ種類ですが別個体。
おそらく何かする前にビルダーベアに見つかって複製造りの材料の分だけ奪われて死亡。

財団はゴーストライダーとうまいこと友好関係を築いて、色々としたいとついでに考えているので核弾頭で吹っ飛ばすのは最後の手段にしている感じです。



次回は、財団からの派遣隊も来て、vsビルダーベアと複製達との戦いが始まる予定。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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