後半は、出久とザラゾスの会話。
メギョっ
変な音が…、聞こえた気がする。っと、それを見た者達は語る。
脳無という黒い巨漢の横っ面に、ヘルバイクの炎のタイヤがクリーンヒット。
脳無は、目や口から変な液体を撒き散らしながら倒れ、その上をヘルバイクが走り抜けタイヤ跡がついた。
そして少し離れた位置で、ブレーキをかけ、バイクごと方向転換し、出久は片足を地に置いた。
「その爆音…。……お前が…、ゴーストライダーか…。はっ…、マジでガキじゃねーか。」
「だから?」
あざ笑う死柄木に、出久は無表情でそう言った。その声と表情に、死柄木が顔をしかめる。その間に、タイヤ跡がくっきりと体の前の方に残った脳無が起き上がる。
「お前…、イラつくな…、予定変更。脳無、あいつを狙え。」
「させんぞ!」
「黒霧!」
『まったく、人使いが荒いですね。』
「ぐおっ!?」
火傷あとを手で押さえながら現れた黒霧という黒いモヤをまとったヴィランは、脳無を止めようと飛びかかろうとしたオールマイトの拳を黒いモヤの中に消し、オールマイトの顔にその拳を当てた。
「どうした? その火傷?」
『さっきあの少年…ゴーストライダーに焼かれましたよ。おかげで彼だけ飛ばせませんでした。』
「おいおい。」
『どうやら、本当に狙うべき相手がお前だって気づいたな。出久?』
「ふーん。」
「殺せ! 脳無!」
命じられた脳無が襲いかかってくる。
出久は、ヘルバイクを吹かせ、急発進させてバイクの前輪を上げて頭を狙った。
脳無は腕をクロスさせて防ぐ。ガリゴリっと嫌な音と煙が上がるが、脳無は踏ん張って耐えた。
「…へえ。」
意外だねっとばかりに声を漏らした出久は、ヘルバイクの上で新体操の選手のように手を軸に体を捻り、横からハイキックを脳無の頭部に当てた。
ショック吸収があるとはいえ、あと夜じゃないからパワー7割の出久とはいえ凶悪な威力の蹴りに脳無がグラリッと揺れ、出久はヘルバイクを消しながらゴーストライダーへと変身した。
「マジでゴーストライダーか! こんなガキが!」
信じられんとばかりに声を荒げる死柄木。
「だが変身したからと言って…。」
『うるさいよ、君。』
「っ…。」
バッサリと単純にうるさいと言われ、死柄木は固まる。
すると脳無が突撃してくる。
ゴーストライダーは、拳を振り、脳無の鳩尾に強烈な打撃を与えた。
ゴボッ…と、何か分からない体液を吐いた脳無は、腹を押さえる。そしてゴーストライダーに縋るように倒れていった。
「なっ…! 脳無、なにやってやがる! さっさと立て!」
『…次。』
「!」
『ゲームオーバーです。死柄木。』
「なっ、黒霧ぃぃぃいいい!!」
黒いモヤで顔が分からないが、胸の火傷を押さえてゼエゼエと苦しそうにしている黒霧がモヤで死柄木を包んだ。そこに炎を纏ったゴーストライダーの容赦の無い拳が振るわれる。
『ぐっ!』
「ちぐしょおおおおお!! オーーーーールマイトォォォ!! あとゴーストライダーーーーーーー!! 次は殺…。」
『俺の目を見ろ。』
「!?」
ゴーストライダーのその目が死柄木の目に合わせられる直後、黒霧と死柄木は、その場から消え失せた。
『惜しかったな。あと2秒足りなかった。』
『……。』
残念そうに言うザラゾス。ゴーストライダーの姿を解き、元に戻りながら出久は死柄木達が消えた場所を見つめていた。
「緑谷少年?」
「オールマイト。限界ですよね? 無理しないでください。」
「うむむ…、格好悪いところを見せてしまったな。」
実は活動時間が限界だったオールマイトである。ここに来る前にマッスルフォームで事件を何件か解決させていたのだ。
その後、他の教師達も救援に来て、警察も来た。
しかし、ヴィランによる被害より、ヘルバイクで破壊しまくったUSJの惨状とヴィラン達への過激な返り討ちが目に付き、出久はお説教と共に反省文をしっかり書かされたのだった。なお、出久だけそんなことになったため、助けられたクラスメイト(爆豪除く)が教師達に抗議してくれたらしい。
相澤の怪我は深刻だったが、リカバリー・ガールのおかげで臨時休校後、包帯だらけ状態だが復帰した。
そして、雄英校の内部でのヴィランの襲撃という大事件のあとにも関わらず、あるイベントの開催が決定された。
体育祭。
学校らしいイベントであり、ヒーロー科においては、プロヒーローや、ヒーローの事務所が見に来る一大イベントだ。つまり、自分を売り込むチャンスでもあるのだ。
特に雄栄校の体育祭は日本のビッグイベントとして有名。
個性社会の到来により、オリンピックというスポーツの祭典がなくなった今、雄栄の体育祭がその失われたオリンピックなのだ。
先にも言ったが、雄栄校の体育祭は、プロヒーロー達や事務所がスカウトをしに来る時でもある。見込まれればそれだけでヒーローとしての道は開かれる。
年に三回だけのこのイベントは、絶対に逃せないイベントなのだ。
ここにいる1-Aクラス…、それぞれの夢を持って雄栄校を選び、入学したのだ。
『お前は…、どんな夢を持つ?』
「俺は……、ヒーローになって、罪の無い者の血が流れないようにしたい。」
『そいつは難しい話だな! 血が流れてからが、お前の出番だってのによぉ!』
「…抑止力になるためだよ。」
『ほーん。なるほど。オールマイトが平和の象徴なら……、お前が本当にヒーローになった時…、人間はお前をなんと呼ぶんだろうな?』
「俺は…、ゴーストライダーだよ。」
『そうだとも! お前はゴーストライダー!! 復讐の精霊!! 罪なき者が流した血と無念のために復讐を果たす存在だ!! それなのに、お前は血が流れる前に救いたいか!? 抑止力としてあのオールマイトのようになろうってのか!? しかし、すべてを救えるはずがない!』
「分かってる…。けれど、血を流さず…、そして流れてしまった血を無駄になんかしない。」
『象徴として在りつつ、復讐に手を汚すか! ハハハハハ! そりゃそりゃ…。じゃあ…、お前の救いはどこにあるんだろうな?』
「……自分が救われようだなんて思ってなんかいないよ。この道(ゴーストライダー)を選んだのは、俺だから。」
『それがいつまで持ち堪えられだろうなぁ? お前の魂が絶望に堕ちたなら……、食べ時だぜ?』
「体はあげないよ?」
『チッ。』
それはつまり、耐えてやるっという宣言だ。舌打ちするザラゾスに、出久はクスッと笑った。
社会は、彼をなんと呼ぶ?
ゴーストライダー?
死柄木、ギリギリで逃れる。あと数秒で終わってた…。
出久とザラゾスの関係は、まだ日が浅いですからね。互いに必要だけど、殺伐としてます。
体育祭…、どうしようかな? ゴーストライダー見たさに観客がいつもより多いとか?
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ