そして最後に……?
色々と考えて、爆豪の中学時代のことは話さない方向にしました。
爆豪は、軽い火傷で済んだ。
しかし、目を覚ましてからガタガタと震え上がっており、頭を抱えて『ごめんなさい』っと震える声で絞り出しながら泣いているとか。
「…以上だ。」
「死んでないんですよね?」
「死んでいるはずがないだろう!? なんてことを言うんだい!?」
「だがね、精神面でのダメージがなぜか大きい。君…まさかペナント・ステアを?」
「使ってませんよ。」
「そうか…。」
「……。」
中学生の時に使ったことは言ってないし聞かれてない。
「それにしても、爆豪くんとの試合の際に何かおかしかったよ? なにかあったのかい?」
「いえ……、ちょっと『同居人(?)』が勝手なことを…。」
「どうきょにん?」
「すみません。試合は途中から覚えてないんです。」
「覚えてないって…。今同居人(?)がどうのって…。」
「そうなってた時のことがすっぽり抜けてるんです。彼に何をしたのか、まったく覚えてません。気がつけば彼が担架で運ばれていくのを見ました。」
「その間になにが?」
「覚えてないんです。」
話は平行線だ。
埒があかないし、このままでも次試合が迫っているので、出久は解放された。
「緑谷少年、緑谷少年。」
「……。」
「…ザラゾスだね? 爆豪少年に攻撃をしたのは。」
通路でオールマイトに止められ、ずばり言われた。
「たぶん…、そうだと思います。」
「たぶんって…。」
「さっきからだんまりだし、何考えているのか分かんなくって。」
「君とザラゾスは、どういう関係に?」
「俺に力をくれる…、そして俺の体を欲しがっている。」
「!」
「でも、あげる気なんてこれっぽっちもありませんから。」
「そうか…。」
オールマイトはそれを聞いてホッとしていた。ザラゾスが悪魔であることを知っているのは、おそらく雄栄校じゃ、オールマイトだけだろう。
「あの…、そろそろ、2回戦目に…。」
「ああ、そのことなんだけど、君と当たることになってた人間みんな棄権だってさ。」
「えっ?」
「ただし、決勝戦だけ唯一棄権しなかった轟君と当たることになってるよ。」
「……情けない。」
「状況を読んで行動するのは基本的なことだけど…。私も正直そう思うよ。」
「除籍処分にはなりませんよね?」
「そこら辺は考慮して判断されるよ。安心してくれ。」
「それなら、良かった…。」
「……ひとついいかい?」
「なんですか?」
「どうしてもゴーストライダーに拘るのかい?」
「はい。というか…それ以外に選択肢が無い。ゴーストライダーを捨てることは、死…ですから。」
「…すまない。」
オールマイトがそう謝罪し、出久は決勝戦のため呼ばれた。
『……よく言った。』
「なに? ザラゾス。なんで勝手なことしたのさ?」
『いや~、ちょっとばかり実験だ実験。』
「じっけん?」
『炎だの、爆発だの、喰っちまえば返せるかどうかってな。』
「それでかっちゃんの爆発を逆利用したわけ?」
『ついでに、個性ってのに呪いをかけられるかどうかもな。』
「のろい?」
『使いたくなきゃ、使えなくさせりゃいい。望む限り持続するぜ。』
「それって…。」
『まあ、本人が望めば…やってやりな。』
「……。」
やがて、時間になり、ステージに出久、そして轟が立った。
ステージに行く際に、教師から……。
最終決戦でのみ、ゴーストライダーに変身しても良し、という許可を出された。
さすがに観客席からゴーストライダーを見たい!っという声が殺到したらしい。
「緑谷も大変だな…。」
「うん。」
「だが、お前がゴーストライダーだからといって、引く気はない。」
「分かってる。」
「…殺す気で来い。じゃなければ、俺は引かない。」
「死んでどうするの? まだ…、晴らしてもいないのに。」
「っ…。」
「いつでも聞くって言っただろ? 体育祭が終わったあとでも…今でも…。」
「それは…。」
『レディイイイイイ、スターーーートーーーー!!』
そして試合の合図が出された。
「先手必勝!」
次の瞬間、轟が右側から凄まじい冷気を出した。
しかし、冷気は出久の前で割れるように二手に分かれた。氷が止まると、シューシューっと出久の周りに熱で溶けた氷の蒸気と熱で浮かび上がった冷気の湯気があがる。
すると、頭上から氷の塊が降ってきた。出久が頭上に向かって炎を纏った拳を振るうと右足に氷を纏わせた轟が飛び蹴りを振り下ろしてきた。
それを手首から伸ばした鎖でガードし、轟を弾く。
「強い…。さすがだよ、轟君。」
「そりゃどうも。」
「生半可な鍛え方じゃ…、ここまではなれない。君の努力はすごい。」
「……。」
「だから…、こっちも本気を出さなきゃ失礼だね。今、昼間だからパワー7割だけど…。」
「!」
次の瞬間、爆炎が出久を包み込んだ。
そして、炎が晴れると、ゴーストライダーがそこにいた。その瞬間、観客席が一気に湧き上がった。
『さあ…、本気で来いよ!』
「…ああ!!」
氷の飛礫が凄まじい数、飛来した。それをすべて鎖で弾き、破壊する。直後に腹に轟が突きのような氷の蹴りをお見舞いしてきた。
ゴーストライダーがその威力に場外ギリギリまで弾かれ、それにたたみ掛けるように轟が冷気を放つ。
迫る冷気の塊を、ゴーストライダーが拳に炎を纏わせて一撃で砕き、蒸発した湯気がスタジアムの中に散った。
轟があまりの湯気に視界を塞がれ、いつゴーストライダーが来てもいいように構える。直後、湯気を割って、ゴーストライダーが飛び出してきた。
「っ…!」
その迫力は、常人なら一瞬で正気を失うレベルだったが、轟は運悪く、耐えた。
炎を纏っている拳が迫る。轟は咄嗟の判断で喰らうであろう左顔を氷で包み込み、直後氷を割りながらゴーストライダーの拳がめり込んで、轟は場外の壁へと吹っ飛ばされて叩き付けられた。
やがて湯気が消え、あとには、ステージに立つ、ゴーストライダーと、壁に叩き付けられズルズルと倒れていく轟が残った。
『……強かった。今までで戦った中で…一番…。』
ゴーストライダーから出久へと戻りながら、出久は両膝を折って膝をステージの上についた。
『演技かよ。』
「いいじゃん、別に。」
担架で運ばれていく轟を見ながら、轟へ向けられる健闘を祝う観客席からの声援に、出久は目を閉じてステージの上に寝転がった。
次に目を開けると、スタジアムの医療室だった。
隣のベットに、轟が寝ている。ベッタリと顔の腫れを隠すためのガーゼが張られているが、リカバリー・ガールのおかげでたぶんすぐに治るだろう。
出久は、ふうっと息を吐き、ベットから降りて、医療室から出て行った。
出久が出て行った直後、カッと轟が目を開けた。
そして。
「緑谷!」
「……轟君。」
後ろの方から息を切らした轟に話しかけられ、出久は立ち止まった。
「………緑谷…、ゴーストライダー!」
「うん。」
「…復讐を……、アイツに…、クソ親父に!!」
憎しみと共に吐き出されたその言葉を聞いて、出久は振り返る。出久の澄んだ緑色の目が、轟を映す。
「君が望む…、制裁にはならないかもしれない。それでも?」
「その魔眼で思い知らせてくれ! それでいい!」
「…………………………分かった。」
出久が承諾したと同時に、通路と、その通路の先のスタジアムへの出入り口から爆炎が吐き出された。
そしてスタジアムに轟くのは、ゴーストライダーの…ヘルバイクの爆音。
それは、表彰式を控えていたスタジアム内でまったくもってあるまじき音だった。
次回、復讐の炎が荒れる!?
一応、エンデヴァーは死にませんから! 廃人にもなりません! ちょっと入院はするけど。
ああ…、ついに来ちゃった!(書いたのは私だ。そして書くのも私だ)
ザラゾスが言っていた、個性を封じる呪いについてはフラグ。
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ