ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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SS18を少し書き加えたり、書き換えたりしました。


展開は同じですが、描写を増やしてみました。




轟がゴーストライダーに復讐を依頼したことで狂気に堕ちた描写を増やしたくなったので書き始めたら、あちこち書き加えていました。






もとのSS18を削除して入れ替えるか検討中。






SS18(少し書き加え)  個人からの復讐依頼

 

 

 スタジアムと通路を繋ぐ出入り口のひとつが、爆炎で破壊された。

 そしてスタジアムに轟くのは、あの…悪魔のバイクの音。

 燃えていたスタジアムの出入り口のひとつから、炎を割って飛び出してきたのは、炎を纏ったバイク。

 そしてそれに跨がる、ゴーストライダーと、その後ろに乗った轟だった。

「み、緑谷少年!?」

「あれは、轟君だ!」

 あまりに突然のことに騒然となるスタジアム。

 それをあざ笑うように、ブオンッ!とエンジンを吹かせたゴーストライダーがバイクを走らせ、壁を無視して上へと登りプロヒーローの観客席にドンッと乗った。なお轟は壁沿いに走ってもぐらつくことなくゴーストライダーの背中にしがみついている。炎を纏ったゴーストライダーの身体に密着しているのにまったく熱くないらしい。

「う、うわあああああああああ!? 俺悪いことしてねーよーー!?」

「誰だ、出てこい! 今自首すりゃ助かるぞ!?」

「私じゃないわよね!? ちょ、逃がしてよ! 私、粛正されるほど悪いことしてない!」

 プロヒーロー席、大パニック。

 すると。

 

『エンデヴァーーーーー!!』

 

 スタジアムに響き渡る大音量でゴーストライダーが叫んだ。

 えっ!?と、視線が一気にエンデヴァーに集まる。

 エンデヴァーは、顔をしかめる。

「……どういうことだ?」

『お前だ。お前を呼んだ。』

 黒いグローブで覆われたゴーストライダーの右手の指先がエンデヴァーをまっすぐ指し示した。

「それは分かってる。だがなぜ俺なんだ?」

『……心当たりはまったくないか?』

「当たり前だ。」

『…だ、そうだけど? 轟君。』

「焦凍…?」

「……。」

 熱気とライダースーツの上から燃え上がる炎の向こうに轟の無表情な顔があり、エンデヴァーを見ている。

「逃げろエンデヴァーさん!!」

 すると数名のヒーローが前に出て個性を使いゴーストライダーの前を妨害した。

「お前達!」

「あんたが何をやったのかは分からない! けど…、あんたは憧れだ! 誰よりもヒーローなんだ! こんなとこ…、っ、ぎゃああああああああああああああああ!?」

 即席で作った壁が一瞬でヘルファイヤーで破られ、そのヒーローはすべて言い切る前に階段のように段々になったプロヒーロー席の上の方に吹っ飛んでいった。

「ひっ!」

 果敢にもエンデヴァーを守ろうと立ち向かってきたヒーロー達は、それを見て怯え竦んだ。

 勝てない! 死ぬ!っというワードが即座に脳を駆け巡る。

『邪魔だ。どけ。』

「は、はい!」

 ゴーストライダーの声に恐怖してたまらず背筋を正して道を開けるヒーローさえいた。

「おい! 裏切る気か!?」

「だ、だだ、だって! だって! お、おおおおおおお、俺は死にたくな…!」

『どけ。』

「ぎゃひぃ!」

 ヘルバイクから降りたゴーストライダーに横へ乱暴にどかされて吹っ飛んだヒーローが他のヒーローにぶつかる。轟もヘルバイクから降り、ヘルバイクは乗り手を失ってコンクリの床へ吸い込まれるように黒い影の中に消えた。

「エンデヴァーさん!! 逃げてください! お願いだから!」

「…それこそ奴の思うつぼだ。」

「えっ!?」

 迫る恐怖の権化であるゴーストライダーから逃げ出したいヒーロー達が必死に泣きそうになりながら、というか一部泣きながらエンデヴァーに逃げるよう促すがエンデヴァーは強い態度を変えず言葉を紡ぐ。

「そうだろう、ゴーストライダー!」

『……。』

『なんか勘違いしてねーか? この男…。』

 ザラゾスが呆れたように呟きつつも、内心では良いところに気づいたとも考えた。

「貴様がなぜうちの倅を連れてきたのかは知らん! だが貴様が俺に用があるというのなら、俺は貴様から逃げたりはせん!」

「エンデヴァーさん!!」

「ペナンスステア…といったか? 聞くところによると、その目は見つめた相手の罪を暴き、知らしめ、苦しめさせる力があるそうだな? ならば! 罪が無い者はどうだ!?」

『ほう?』

 ザラゾスがゴーストライダーの内側でほくそ笑む。

「ならば! 証明すれば貴様はどうなる!?」

『……。』

『ふは……ハーハハハハハ! この男……、言うことだけは言うじゃねーか。本当に自覚が無いだけにたちの悪い…。』

 ザラゾスが笑う。ゴーストライダーは、一歩一歩エンデヴァーへ歩を進める。するとエンデヴァーもヒーローを押しのけ前へ出た。轟は、それを無表情で見守っていた。

 

『俺の目を見ろ!!』

「来い!!」

 

 ゴーストライダーの顔がエンデヴァーの間近に迫り、そして………。

 

 

 

 どれくらい経っただろう?

 時間にすれば僅かだっただろう。

 

『あーあ……、下手な嫉妬さえしなきゃちったぁマシな道があったのになぁ?』

 エンデヴァーが犯した罪をペナンスステアを通じて覗き見たザラゾスがつまらなそうに言葉を漏らしたが、その声はゴーストライダーの中から外に漏れること無く、聞いていたのは出久だけだった。

 

 

 

 静まりかえった状況で、エンデヴァーが後ろに倒れた。

 

「ぁ……が、ぐ…!?」

 口から泡吹きながら、目を白黒させて体を痙攣させている。

 成り行きを固まって見ていることしか出来なかったヒーロー達がザーッと青ざめていく。

 彼らの青ざめた理由は、エンデヴァーの言葉にあった『ペナンスステアは罪を暴いてその苦痛を知らしめる』という部分に僅かな希望を持っていたからだ。残念ながら無意味に終わってしまったが。

「エンデヴァー!!」

 そこへオールマイトが駆けつけた。

「緑谷少年! なんてことを! 君はなぜ…。」

『依頼だ。』

「なに!?」

『個人の依頼を受けた。』

「き、君は…!」

「ぐ、おおおおお!」

「エンデヴァー?」

 すると唇を噛んだエンデヴァーが口から泡を漏らしながらギロリッとゴーストライダーを睨んだ。

「き、さま…!? こんな…これが、俺の罪だと? 俺は…ただ…、俺の最高傑作に…、オールマイトを越えさせるために…!」

『お前のどこがヒーローだ? 家族とは道具か?』

「!?」

『貴様の息子はそんなことをするために生まれたんじゃない。貴様の野望のための道具じゃない。魂を持つ人間!』

 さっきからずっと見ているだけだった轟がハッとゴーストライダーを見た。その表情は、まるで長い悪夢から覚めたような顔をしている。

「貴様…貴様が焦凍を拐かし…、っ!?」

 次の瞬間、轟の氷の右手が倒れているエンデヴァーを殴った。

「轟少年! ーーっ!」

 オールマイトは見た。焦凍が顔を歪め泣いていることに気づいた。

「しょう…。」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 轟は、動けないエンデヴァーを殴りまくった。殴り続けた。

 あまりの気迫に、あまりの悲しい姿に、誰も手が出せない。

「ああああああああああああ! あああああああああああああああああああああ!?」

『轟君。』

「うぅ……うっうう!」

 やがてエンデヴァーの傍に両膝をついて滝のように涙を零し顔から出る物全部流しながら轟がゴーストライダーの方へ振り向く。

 その涙に濡れた色の違う両の眼は、絶望のドン底から救いを求める者のそれだった。

『そんなに…イヤなら、封印してあげる。』

「……だ、のむ…。いらない…、こんな奴の力なんて…!」

「しょう、と……?」

 エンデヴァーは、殴られ血だらけの顔のままペナンスステアの影響で力の入らぬ体を必死に起こそうとする。

 するとゴーストライダーが右手に白い炎を出した。

 その炎は美しいが、なにかがヤバいと直感させる。

 そして、なにより先ほどの言葉……。

 まさか?っとエンデヴァーはある答えに行き着き目を大きく見開いた。

「や、やめろ…、やめろ、やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 ペナンスステアのダメージで動けぬエンデヴァーの血を吐くような叫び声空しく。

 白い炎を纏ったゴーストライダーの右手が轟の左腕を掴んだ。

「あぁ、うっう…うぅが、ぐぁああああああああああああああああああ!!」

 触れられた端から白い炎が焼き付き、炎から鎖が現れ轟の左側を浸食するように絡みつく。その壮絶な痛みにたまらず轟は絶叫する。しかし苦痛でゴーストライダーの手を払いのけることはなかった。

「やめるんだ! 緑谷少年!! ぐぉ!?」

 止めに入ろうとするオールマイトを、左手から出した鎖で雁字搦めにするゴーストライダー。

 やがてゴーストライダーが手を離し、白い炎が消え、へたり込んだ焦凍が体操服の袖をまくった。そこには、黒々とした鎖のアザがくっきりと焼き付いていた。まるで轟の左側に宿るエンデヴァーの力を雁字搦めに縛り付けて出られないようにしたかのように鎖の模様が皮膚にあった。

『これで…、君が望む限り、呪いは持続する。君自身が心から使いたいと願わない限り、炎の個性は使えない。』

「…あ…は…、はは、ハハハハハハハハハ!!」

 鎖のアザがついた左腕を見つめていた轟が、狂ったように笑い出した。

 そしてクルッと後ろの方にいるエンデヴァーを見る。

 エンデヴァーは、驚愕や混乱などでメチャクチャな感情で狂いそうになっている顔をしていた。

「…ざまぁ、みろ!!」

 轟はそんなエンデヴァーを見下ろしながら鎖のアザがついた左腕を見せつけ、狂気の笑いと共にずっとため込んできていた負の感情をその言葉に乗せて吐き出した。

 演技者によるフィクションの演技でもない、最前線の現場に遭遇し被害者や被災者を知るプロヒーローなら見たことがあるあまりのショックから狂って精神(こころ)が壊れた人間。轟の有様はまさにそれだった。

 ただ轟のそれは長年ため込みにため込み過ぎた鬱憤が晴らされた、晴らせたことによる開放感から来るあまりに強烈すぎるエクスタシーによるものだが。

「よくも…、よくも…! 俺の最高傑作を…!! 許さんぞ、ゴーストライダーーーーー!!」

『自分の罪も省みれない時点で、お前はただのグズだ。お前は息子さえ救うこともできない! お前は分かっているはずだ! 俺にお前への復讐を依頼したのが轟焦凍だということを! 信じられないか? お前は復讐されるだけのことをしていると! それすらも分からないか!』

 ゴーストライダーは、呪詛を吐き散らすエンデヴァーに怒声を浴びせながらクスクスと泣きながら笑い続ける轟を抱き上げて、ヘルバイクを召喚し跨がった。

『ならば、ココから先、お前を罰するのは、ただの人間だ!』

 バイク音を鳴らし、ゴーストライダーは、轟を連れてスタジアムの壁をヘルバイクで乗り越えていき、去って行った。

 

 

 雄英校の体育祭……。

 

 最悪の形での幕引きとなった。

 

 

 そしてその日から、エンデヴァーがなぜゴーストライダーに狙われたのか。

 そしてゴーストライダーが個人の依頼を受けることもあること。

 そしてエンデヴァーへの復讐依頼は、その息子である轟焦凍によるものだということ。

 エンデヴァーは、実の息子から復讐されるほどの怨みを買っている。

 

 今年の体育祭の最後に起こったこの事件のことは、規制が行き届かないネットだけにとどまらず、体育祭を生放送していたテレビやラジオなど、あらゆるメディアから配信されてしまった。

 ゴーストライダーの言うとおり、罪の度合いの違いからペナントステアのダメージが少なくて廃人になるのを免れたエンデヴァーを裁くこととなったのはエンデヴァーをヒーローへと昇華させた最大の媒体である、ただの人間達となる。

 

 

 

 




続きを書くために読み返していたら、加筆したくなったので展開はそのままで描写を増やしました。
今の段階での文章の書き方でやったので、これを最初勢いで書いては投稿していたやっつけ感との差が……。


ひょっとしたらこの調子でちょくちょく加筆・リメイクをしていくかもしれません。




もしご意見がありましたらメッセージや活動報告で頂けると大変嬉しく、そして助かります。

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