ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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ステイン編。


あと、ブラックハートも。



ステインとの戦いは、ほぼほぼお試し短編の方をコピーしています。





SS23  『染み』に憑依するのは、『黒い心臓』

 

 翌朝。

 

 ブーンっと、レンジが動く中、テーブルの椅子に座る三人。

「…なるほどなぁ。」

「昨晩はすみませんでした。」

『うちの猫がよぉ。』

「猫違う。」

 しかし、そう否定しても否定しにくい。

 出久が帰ってきてから、寝てる間も、朝起きてからも出久に抱きついて離れない轟の有様は。

「猫云々は、どーだっていいんだ。体育祭の一件だろぅ?」

「はい。」

「まあそっちの氷結小僧は、いいとして、お前さんは、自分の実力ってのはどー考えてる?」

「実力ですか?」

「ザラゾスの力に頼ってばかりじゃ、いずれその力ごとソイツをぶっこ抜かれでもしてみろ。たちまち終わっちまう。その辺のことは考えてんだろうな?」

 しかし出久は黙ってしまった。それを見たグラントリノは、長いため息を吐いた。

「お前さんが強いのは分かってるけどよぉ。強いからこそ、弱い。そのままでいいだなんて思わねーこったな。ヒーローってのは孤高だなんてのたまう野郎がいるだろうが、その実、多くに支えられて初めてヒーローになんだ。それを忘れるな。」

「…はい。」

『そういう時の使い魔だ。』

「へ?」

 急にザラゾスが言ってきた。

『お前に抱きついてるだろうが、使い魔がよぉ。』

「だから、轟君は、猫じゃないし、使い間違う。」

『使えばいいじゃねーかよー。もう従属の証になる力も埋め込んでるんだし。』

「まさか…それ目的で…。」

『違ーよ。あらぬ疑いをかけるな。まあ、人間型なり、それなりに知恵のある奴を使えるようにしときゃ、いざって時に助かるからなぁ。せいぜい可愛がれ。』

「……。」

 出久はもうザラゾスの言葉を無視した。

「ん…?」

『……くすぶる、復讐の気配だな。まだ小さいが、燃え上がろうとしてやがる。だが…。』

「…飯田君?」

「? 飯田がどうかしたのか?」

 顔を上げた轟が聞いた。

「まずい、非常にまずい…。飯田君が死ぬ。」

「!」

「そいつは…、復讐の精霊としての予知か?」

「たぶん、それなりに親しいからかも。」

『…ほう? 血が流れる前に止めたいか?』

「もちろん。」

『だがなぁ…、親しい人間だけを救えるってのもどうかな?』

「うるさいよ。」

「……行くのか?」

「行きます。」

「俺も行く。」

「轟君は……。いいよ。ついてきても。」

「こりゃ、俺も連れて行け。」

「なぜです?」

「今はなんだ? 職場体験だろう? 一応、お前達の監督・保護者的立場ってもんがあんだ。目を離して勝手に動かれるわけにゃいけねーんだよ。一応は。」

「分かりました。」

 そして事務所の外へ出ると、出久はヘルバイクを召喚し、二人を後ろに乗せた。

「ほー? 熱を感じるが、決して不快でもないし、火傷もしない、調整してるな?」

「掴まってないと…、振り落としますよ。」

「おー怖っ。」

 

 出久達は、保須市へ向けてヘルバイクを走らせた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 しかし、別の災いが同時に発生することとなる。

 

 USJでヴィラン連合が使っていた、脳無なる怪人の別個体達が保須市に現れたのだ。

 脳無の群れは、動く物を見境なく襲い、保須市はあっという間にパニックに陥る。

「小僧!」

「……。」

 四つん這いで這う手足の長い脳無が飛び上がり、ヘルバイクに乗る出久達に飛びかかってきた。

 出久は、右腕を振り、鎖を出すと、あっという間に脳無を縛り上げて転がした。次に、USJで襲ってきた脳無の目の無いバージョンみたいなのが来たが、これも鎖で縛って捕縛した。

「…いらん心配だったなぁ。とりあえず、こいつを他のヒーローに任せる必要がありそうだ。お前達は、行きなさい。」

「いいですか?」

「そのために来たんだろう? 血が流れちまってからじゃ、全部遅い。行きなさい!」

「はい。」

 出久は、グラントリノだけを降ろし、轟を乗せた状態でヘルバイクを走らせた。

 あちこちが爆発炎上する街中を、たまにいる脳無を捕縛しつつ、飯田を探す。

 やがて…、ゴーストライダーの感知能力が、今まさに命の灯火が消えて流れようとしている飯田の血を感知した。

 そしてバイクでビルを駆け上がり、屋上から壁を伝い…、今まさにヒーロー殺し・ステインに殺されようとしている飯田を見つけ、バイクの爆音を鳴らした。

 ステインがハッと顔を上げる。

 直後、炎がステインを襲う。

「…そのバイク音……、ゴーストライダーか!!」

 飯田の上から飛び退いたステインが忌々しそうに叫ぶ。

「緑谷くん…?」

「だいじょうぶ? 助けに来た。」

「どうして…?」

「君の血が流れる前に止められた……。」

「!」

「よかった…。本当によかった。」

 出久は、少し泣きそうな顔で言う。

 飯田は、出久が本気で心配して、そして自分が無事に生きていることを喜んでいることに気づいた。

 あの、いつも無表情で、まるで感情が無いような出久が……、自分のために。

「緑谷くん、僕は…。」

「立てない?」

「俺が避難させる。そっちのヒーローも。」

 轟は、飯田と、別のプロヒーローを運んでいた。

 

 それを見送ったあと、出久はゴーストライダーへと変身した。

 

 ヒーロー殺しの異名を持つ、ステインというヴィランが凶悪に笑う。

 

 ヒーローという物に独自の思想を持つ思想家であり、『ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない』という信念を持ち、それに合わないと判断したヒーローや、信念のないヴィランを粛正し、これまで17人殺害、23人を再起不能にしている。

 その思想は、ある種の英雄回帰として、賛同者がいるほどであり、ゴーストライダーが現れてからは、対比されるようにもなっている。

 

「高校生の子供が正体だとは噂には聞いていた…。」

『納得できない? こんな子供が…って。』

「驚きはした。実際にこの目で見るまでは。聞くところによると、貴様のその姿は、個性ではないらしいな?」

『そうだけど? それがなにか?』

「疑問を聞いてみただけだ。」

『あっ、そう。まあ、それはそうと……、お前に関しては、ようやく捕まえられたってところかな。今まで散々逃げやがって…。』

「貴様の噂での別名は…、『復讐の精霊』だったか。俺は、復讐される心当たりはあれど、復讐されるいわれはない。」

『それは、お前だけの考えだ。』

「…貴様は、自身の復讐の代行が総意であると?」

『まあ、たまに個人からの依頼はあるけど。』

「確か……、『罪無き者の血が流れたとき』。それがお前が現れ、粛正する理由だったな?」

『そうだけど?』

「偽のヒーロー共や、信念無きヴィランに罪がないだと? 貴様はそれらを擁護するということか?」

『罪の大小を決めるのは、お前じゃない。それだけは言える。』

「……一度は貴様と話をしてみるべきだと考えていたが…、どうやら間違いだったようだ。」

『自分の思想に合わなかったらすぐそれ? ただの狂人の言い分だな。』

「俺をただの狂人だと詰るか。だが、この世に跋扈する贋物も信念無きヴィランを放っておいてはいけないのだ!」

『だから、お前自身が粛正するの? それこそただの狂人のやることだよ。歴史上の…。』

「貴様と話すことはもうない! 死ね!」

 ゴーストライダーの言葉を待たず、刃こぼれした日本刀を手に斬りかかってきたステイン。

 それをゴーストライダーは、拳から出した鎖を振って防ぐ。

 ガキンッと火花が散るが、ステインは、攻撃を繰り出す。ゴーストライダーは、鎖を手に巻き付けるなどして、日本刀による攻撃を全て鎖で弾く。

 ゴーストライダーが鎖を巻き付けた拳をステインに振るうが、ステインはバックステップをして避ける。しかし、悪魔の炎による熱を纏っているゴーストライダーの拳が僅かに擦っただけで、ステインの首に巻いているマフラーの一部が焦げた。

 そのことにステインは、僅かに目を見開く。

 ゴーストライダーは、自分を殺す気だ! そう感じるには十分だった。

 

『自分が…、復讐され、死なないという保証がどこにある?』

 

 ステインのその心情を見透かしたゴーストライダーが声を低める。

 ゴーストライダーが口を開いて炎を吐いた。ステインは横へ飛ぶように転がり避けると、すかさずゴーストライダーの足が踏み込まれてきたため、踏まれないように再度転がった。

 触れたらまずい! ステインは、ゴーストライダーが纏っている悪魔の炎の温度を感じ、とにかく距離を縮めないよう注意を払った。

 

『自分の思想だけでしか考えられない罪深き狂人は、それだけでしか物事を測れない。お前の思想は、お前自身の魂を縛り、何も見えなくさせるだけだ。そしてお前自身はそのことにすら気づいていない。やはり、お前はただの狂人だ。』

 

「黙れ!」

 

『…お前の罪を思い知れ。』

 

 ゴーストライダーは、徐に近くの廃ビルに歩み寄った。

 そして、ガッと両手でその地面に接している部分を掴む。

 

「なっ…!?」

 

 さすがのステインも、ゴーストライダーのその行動に言葉を失う。

 ゴーストライダーは、軽々と廃ビルを引っこ抜き、ジロッとステインを見た。

 そして廃ビルを振り下ろした。文字通り。

 

「うおおおおおおおお!!」

 

 ステインは絶叫した。そして振り下ろされた廃ビルが地面に接触し大破壊が起こった

 

 

 もうもうと立ちこめる土煙とコンクリートの砕けた煙。

 ゴーストライダーは、ジッとその場に佇んでいた。

 だがやがて別方向に鎖を飛ばす。

 飛んできた鎖の先端を、ステインは日本刀で弾くが、鎖はステインの日本刀に巻き付いた。巻き付いた瞬間、ゴーストライダーは、ステインを引っ張り寄せた。

「!」

『分からない? 今は、夜じゃない。つまり、俺のパワーは全開じゃないんだ。それなのにそれ以上の力が出せる理由について教えるよ。』

「なに?」

『……相手の罪の度合いで、俺の力にはブーストがかかる。つまり、今、お前が戦っているのは、お前自身の罪だ!』

「貴様…!」

『それでも自分の思想が正しいと?』

 ステインの首を掴もうとしたゴーストライダーだったが、直後にステインが投げ放った爆弾の爆発を受けた。

「なるほど…、だからこそ貴様は『復讐の精霊』か! だからこそ、何人たる害悪がお前に粛正されているわけだ!」

 爆風を利用して飛び退いたステインが叫ぶ。

「俺は…、どうやら見誤っていたらしい! ゴーストライダー…、貴様という存在を! お前という存在は個性という概念で捉えられない、巨大な概念に近い!」

『……。』

 何か酔狂したように叫ぶステインに、無傷のゴーストライダーは、呆れたように見る。

 確かに概念と言われればある意味で合っているかもしれない。

 なにせ、力の源は、負の概念と言っていい悪魔の力なのだから。

「お前に対して話すことはないと切り捨てたことは、謝罪する! だが、だからこそ問いたい! なぜ社会のガンとして『英雄』たる概念を歪ませるモノを罪だと思わないのだ!?」

『それは、お前の魂を縛る思想という鎖と重りだよ。罪の大小、そしてその思想にそぐわないことを罪と言うのなら、それはそう計っているだけのお前の罪だ。』

「……誰が…、誰が罪の所在を問う?」

『さあ? 誰だろう? 少なくとも人間じゃない。』

「…お前は…、なんなんだ? 復讐の精霊とは?」

 

『例え…、出久がこの世から消えたとして…、復讐求める声ある限り…ゴーストライダーは消えやしないだろうぜ。』

 

「今の声…? っ!?」

『お前は、お前の罪と向き合え。『俺の目を見ろ!!』』

 いつの間にか距離を詰めていたゴーストライダーがステインの頭を掴み、無理矢理目を合わせた。

 

 

『力を貸してやろう!』

 

 

「!?」

『!』

 

 次の瞬間、黒い落雷がゴーストライダーを弾き飛ばし、黒い落雷をステインはもろに喰らった。

 

『……おー? 久しいな。』

 

 地面にゴーストライダーが着地すると、ザラゾスが言う。

 黒い電気をまとうステインは、ダラリッと両腕と首を垂らす。だがやがて顔を上げた。

 ステインの両の目は赤く染まり、さらに猫背になった背中から黒くて硬い毛が背骨にそって生え、尾てい骨から黒い毛に覆われた長い尻尾が生えた。

 

『…そんな子供にご執心とは、腑抜けたか? ザラゾス。』

 

『若造のボンボンにとやかく言われる筋合いはないぜ、ブラックハート。』

 

 

 

 魔界の王、メフィストの息子・ブラックハート。降臨。

 

 

 

 

 




ブラックハートの年齢が分からないけど、ザラゾスよりずっと若いですよね?
ザラゾスなんて、わざわざ古代悪魔ってついてるし。悪魔としてはかなり高齢なのかも?

このネタでは、歴史が浅い悪魔は、体質的に個性社会に馴染めるという風にしてるので、歴史が古すぎるザラゾスは、無個性じゃないといけなかったという風にしています。


なお、ブラックハートの降臨理由は、設定の方でも書いていますが、個性社会の到来に馴染めないザラゾスを馬鹿にしに来たんです。
悪魔って、あんがいしょーもない理由でとんでもないことやらかすと思う。


次回は、ステイン憑依ブラックハートとの戦いかな。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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