ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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ゴーストライダーvs教師陣。

……のリメイク加筆版です。



加筆したのは前のバージョンでは出番がなかった教師達の姿の描写や、戦闘の流れです。
前はパワーローダーが前線向きでないことをよく知らず、前バージョンではあんな形になりましたが、今回は罠を仕掛ける側として活躍します。
教師陣も仕掛けた複数の罠の情報を共有してゴーストライダーと戦うのに利用したりします。
ブラドキングだけが巻き添えで倒された描写になってしまいました……。
一部教師もやっぱりあっさり倒されたという部分もあります……。


あとゴーストライダーの戦い方で、あるウルトラマンの戦い方を参考にして加筆しました。






それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?




SS29  夜に、復讐の精霊は燃えあがる(書き加え)

 

 訓練ために建設された市街地を忠実に再現した訓練場。

 満月の月の明かりと、市街地を再現するために設置されている街灯だけがその訓練場を照らす。

 その訓練場に、不気味に響き渡るのは、バイクの爆音。

 市街地エリアの中央に炎の車輪を持つヘルバイクが止まる。

 出久がヘルバイクから降りると、途端に、月明かりと頼りない街灯だけに照らされできた影の中に、無数の赤い光が転々と灯る。そしてガションガションっと、アスファルトを踏み込む機械の音が聞こえ、ゾロゾロと仮想ヴィランとして入試で使われていたロボットが現れる。

 フーッと息を吐いた出久の体があっという間に炎に包まれる。そうなった出久にロボット達が群がった。

 しかし数秒として群がっていたロボット達が四方八方に砕けて飛び散る。

 ブワッと炎が晴れると、そこにはゴーストライダーが鎖を握っていた。ジャラジャラと重い鎖の音が鳴り、振り回される鎖がまるで発泡スチロールでも破壊するようにロボット達を破壊されしていく。

 すると四方八方から波のようにコンクリートが蠢き、ゴーストライダーを壊れていないロボットとロボットだった残骸ごと包み込んだ。

 ビルの上から飛び降りてきたのは、マッスルフォームのオールマイト。包み込まれ繭のようになってしまったゴーストライダーの真上から個性のエネルギーを纏わせた拳を振り下ろした。

 その拳がセメントの繭と、セメントに巻き込まれていたロボットもろとも破壊し粉々にした。

 へっこんだ道路の上に着地したオールマイトは、土煙が上がる中、自分の拳を振り下ろした箇所を見た。

 そこには、穴が空いている。地面を掘り進んだような、とても不自然な穴が空いていた。

 そして直後に、オールマイトの左足首に黒いグローブに包まれたゴーストライダーの手がアスファルトを砕きながら生えてきて掴んだ。

「ぬお!?」

 ビルの壁に向かって道路の下から出てきたゴーストライダーが、オールマイトをぶん投げた。

 近くのビルの壁に突っ込み、ビルを破壊しながら姿を消すオールマイトだったが、すぐに体勢を整えて飛んで戻って来た。そのままゴーストライダーの前に着地し、殴打の嵐を繰り出す。ゴーストライダーも両拳を使って迎え撃つ。

 ワンフォーオールと、ゴーストライダーの炎がぶつかりあい、凄まじい衝撃波が起こる。

 だが……。

「むっ。む、むむむ!? 片手で!?」

 オールマイトの両拳による攻撃をいつの間にか片手だけで防ぐゴーストライダーにオールマイトが気づいた。

 やがて一瞬の隙を突いてゴーストライダーがしゃがみ込みオールマイトに足払いをかけ、オールマイトの右腕を掴んで遙か彼方へ投げ飛ばした。

 投げ飛ばした後、倒壊に巻き込まれないよう動いたセメントスの背後に、煙に紛れて移動したゴーストライダーが迫り、背中を蹴飛ばして気絶させた。

 もうもうとする砕けたコンクリートの煙がたちこめる中、周りから捕縛布が意志を持つかのように襲ってくる。

 ゴーストライダーは、体の火力を上げ捕縛布を焼いた。

 ゴーストライダーが斜め右前へ移動し、自身が作った炎の壁に手を突っ込んだ。

「ぐっ!」

 首元の捕縛布を掴まれ、掴まれた端から焼け焦げて凄まじい熱を感じた相澤が苦悶の表情を浮かべた。

「隙あり!」

 すると周りを囲っていた炎が後ろの方へとすごい勢いで流れて13号のブラックホールに吸い込まれていった。

 壁にしていた炎が吸い込まれて消え、13号の個性によってゴーストライダーの体に纏っていた炎すらも吸い込まれ始める。

「はあ!」

 ミッドナイトが使う長いムチが振り回されてきて、無限に炎を湧き出させるゴーストライダーの頭を中心に打たれ相澤を手放した。相澤は、煙がチリチリと出ている首を押さえて倒れて呻いた。

「ん? あ、ヂ…、アヂヂヂヂ!?」

「13号!」

 ブラックホールを発生させる13号の指先が、いや手が炎に包まれてしまい13号は必死に両腕を振り回して火を消火しようとした。しかし炎は消えるどころかまるで生きているように動き、宇宙服のような13号のヒーロースーツ全体に引火して13号は火だるまになった。

 火を消そうと転がり回る13号に気を取られたミッドナイトの懐に一瞬で入り込んだゴーストライダーは、ミッドナイトの鳩尾に拳を振るい気絶させた。

 ゴーストライダーは、倒れていくミッドナイトの体を片腕で支えると空いた手でパチンッと指を鳴らし13号を焼いていた炎を消した。プスプスと焦げて煙を出す13号は、微かにうめき声を漏らしていた。

 倒れている13号の傍に気絶したミッドナイトを寝かせた。13号のスーツには焦げたことで熱を持っているはずだが炎を自在に操れるゴーストライダーは13号を焼いた後の熱を消したので傍に薄着のミッドナイトを置いてもさして問題ない。

『ヘーーーイ! ゴーストライダー!!』

 訓練用のステージ全体を震わせるようなデカい声が聞こえてきたので、ゴーストライダーが首をその声がした方に動かす。

 5階建てのビルの3階あたりのベランダらしき場所に立ったプレゼントマイク。ゴーストライダーが気づいたのを確認するなりこっちだぞと言わんばかりに舌を出した変顔やら尻を向けて手で叩いてゴーストライダーをおびき寄せようとしている。

 そういえば姿を見せていない教員達がいた。

 エクトプラズムとパワーローダーとブラドキングとハウンドドッグ、そして校長の根津。

 ゴーストライダーを挑発しておびき寄せようとしているプレゼントマイクがいることから、罠に引っかけようとしていることがすぐに察せられるが、気絶させた教員が意識を戻して戦闘に復帰してくることも作戦の内としてハイスペックという高度な知能の個性を持つ根津が計算していることも考えられる。

 なのでゴーストライダーがやることはひとつ。

 熱源探し。

 体温を隠す特殊な防具や場所に身を隠しているなどしていたら普通なら難しいが、生憎とゴーストライダーに人間レベル程度のそういう小細工は通用しないのだ。

『お? おお? 来る? 来ちゃうぅう? ダハハハハハ! 罠と分かっててあえて足を踏み込むのも状況次第じゃベリーベリーナイスな戦略だぜーーー!!』

 ゴーストライダーが早い歩調でプレゼントマイクの方へ向かってきたため、挑発行動を止めたプレゼントマイクがそう大声で言った直後。

 罠が起動した。

『けどな、後先考えない勇気はただの無駄死に大迷惑ってことも覚えなくっちゃな!!』

『はい。』

 足下がアリジゴクのように陥没して周囲から流れてくる土砂とアスファルトの瓦礫と、なだれ込むように倒れてくる周囲の建造物。柔らかくなるよう準備され泥と砂と砂利が絶妙配合された底なし沼のような穴に吸い込まれるように沈みながら上からの大きな落下物で重石と蓋を同時にされたみたいになった。

「ヒュ~~! さすがにこれだけフタすりゃ出てこれな…。」

 パワーローダーが仕掛けた大掛かりで資材を投じた罠にゴーストライダーが飲み込まれたのを見て、これではさすがにオールマイトやエンデヴァーほどのヒーローでも脱出は困難と判断したプレゼントマイク。

 プレゼントマイクの耳につけている通信機の向こうのパワーローダーもホッとした息を漏らしていた。

 だったが……。

 

『何の意味も無く、罠だと分かっていて踏み込みません。例え騎士道のような礼節や誇りは、目の前の悪をぶちのめすことと助けられる命を捨ててでも守るべきとは考えていませんので。』

 

「へあっ!?」

 

 プレゼントマイクのすぐ後ろから耳の近くでゴーストライダーの声。思わず体が跳ね上がるプレゼントマイク。声が怖いから心臓に悪過ぎると定評があるゴーストライダーボイス。

 

『ちょっ、まっ!! ぁ……!!』

 パワーローダーの耳に付けていた通信機から聞こえたのは、すぐ途切れたプレゼントマイクの悲鳴。

 ぼう然としてしまったパワーローダーの後ろ首に、竿から吊り下げられた糸のように鎖が上から伸びてきてパワーローダーの首に巻き付くと、あっという間に釣り上げられてしまった。

 釣り上げられている間にパワーローダーは鎖から逃れようと抵抗していたが、あっという間に建物の上部にあったベランダに引っ張り込まれてしまい、数秒シンッとした静寂の後、ゴーストライダーだけがひとりで顔を出してベランダから飛び降りた。

 飛び降りて開けた道路の方へ出ると、横から無数のサポートアイテムによる爆竹のような攻撃が来た。

「手早く敵を無力化したからと言って、油断は禁物だぞ!」

 十数メートル離れた位置からハウンドドッグが無数のロボットを引き連れてサポートアイテムを手にして叫ぶ。ロボット達もサポートアイテムを手にしており、同時に投擲を行っていたことが分かる。

 ゴーストライダーの意識が向いたとみたハウンドドッグはロボット達と共にすぐ近くの建物の隙間へ移動して消えた。

 明らかに誘導しようとしているとゴーストライダーは見抜いていたが、その場から動こうとはしなかった。

 ハウンドドッグが消えた先から顔を逸らし、別の方向に顔を向けると、よくよく見ないと分からない仕掛けに手を伸ばした。

 それはパワーローダーが予め用意していた複数の大がかりな罠の一つだった。恐らく罠のことは教師達に共有されており、試験での戦闘でタイミングを見て活用するようにしていたのだろう。

 だが大がかりすぎてしまったなと、ゴーストライダーは仕掛けられた罠の装置のワイヤーを掴み、力任せに引っ張った。

 直後、離れた位置から轟音と土煙が上がり、その中にハウンドドッグと思われる悲鳴と、もうひとりの男の声が混ざっていた。たぶんブラドキングだ。罠の地点で挟撃を狙おうとしたのだろう。

 

「わ~~~た~~~し~~が! 戻って来た!!」

 

 ちょうどそこへ投げ飛ばされてしまっていて行方が分からなくなっていたオールマイトが戦線復帰してきた。

 豪快にアルファルトを砕くような着地をしてきたが、両膝に手を置いてゼーゼーハアハアとあからさまな疲労した様子を見せている。

「さあ、バトル再開だ! 行くぞ、…って? ワブッ!?」

 一瞬で息を整えて、殴り合い蹴り合いの接近戦の再開のためにファイティングポーズを取ったオールマイトの眼前に炭酸ペットボトルがクリーンヒット。

 ついで破裂。熱湯に近い熱々シュワシュワが襲いかかりオールマイトは、顔を手で抑えて転がった。

 ゴーストライダーがすぐ近くにあった自販機(様々な場面を想定した模擬訓練用だが中味は本物)から拝借して破裂寸前に熱してぶん投げたのだ。

『ハッキリ言って、隙が多すぎます。』

 そう言って踵を返すゴーストライダー。

 残り時間を考えて、残りの教員を片付けるために鎖を生成し、天へ向かって投げ放つように伸ばす。

 投げ放たれた鎖の先端が意思を持つように獲物へと伸びていき、ある建物の反対側へ。

 そしてゴーストライダーが手応えを感じて鎖を引っ張ると、建物の反対側からエクトプラズムが釣り上げられた。

「魚釣りじゃない…、ぞ!!」

 首根っこを鎖に釣られているが、個性を発動して無数のエクトプラズムの分身を作りだした。

 数体の分身が建物のあちこちに隠されていた小さな罠と、武器を手にしてゴーストライダーへ照準を合わせた。これもパワーローダーが予め用意していたものだろう。

 四方八方からの攻撃の隙をついて鎖から逃れたエクトプラズムは、タイムオーバーを狙って時間稼ぎをするべく本体の自分が逃げ回る戦法を取ることにしていた。

 ついで背後に目潰しから復活したオールマイトがゴーストライダーに迫り、接近戦が始まった。

「ラストスパーーーーートーーーー!! あと汚名返上!!」

『そのタフさは良いとは思います。』

「ありがとう!! 見直してもらえて良かった!! 単純に嬉しい!!」

『でも、飽きました。』

「はい?」

『夜の10割。本気のパンチ。耐えてください。』

「はっ!?」

 雰囲気が変わったと感じたオールマイトが咄嗟に防御態勢を取ると、クロスした腕にいまだかつて感じたことがない凄まじいで済まされない打撃が入った。

 両腕の骨が砕け散るのを感じながら吹っ飛ぶ時に見た景色が酷くスローに見えて、まだヒーローの卵だった頃をなぜか思い出しながら地面に激しくバウンドして倒れた。

 オールマイトを片付けたゴーストライダーは、空いた手で握っていたもう一本の鎖を引っ張った。

 直後、分身を作りながら逃げ回っていたエクトプラズムの進行方向に何かが降ってきた。

「う~わ~。」

「こ、校長!?」

 慌ててブレーキをかけたため衝突は免れたが、逆さまで上から吊るされる形で鎖でグルグル巻きにされているのは根津だった。

「ごめんよ…。まさかあの距離から投げ釣りで一本釣りされるなんて思わなくって……。僕らの負けだ。」

 根津が敗北を認めた瞬間、立ち止まっていたエクトプラズムの背後からゴーストライダーの手がエクトプラズムの肩を掴んだ。

 エクトプラズムが意識を奪われて倒れた数秒後に、試験終了を知らせるブザー音が鳴り響いた。

 

 

 

「ハハハ……、さすがゴーストライダーだったよ!! 最強最悪の私刑人、復讐の精霊のあだ名に恥じない強さだった! 夜間じゃないと出せないフルパワーの力と、命を奪わない程度の力加減の調整も見れたし、試験は無事合格さ!!」

 

 鎖から解放された根津が救急搬送されていくプロヒーロー教師面々の見送りと、模擬戦用の町の片付けを指示しつつ、ゴーストライダーこと緑谷出久に試験合格を伝えたのだった。

 両腕が砕けたオールマイトが一番重症であったため、後日やり過ぎだとリカバリーガールからのお叱りがあったが、根津が自分の責任だということでオールマイトがしばらく表に出られないことを記者発表するか秘匿とするかで会議したりとてんやわんやになっていたが、出久がザラゾスから怪我の治りを早める霊薬をもらいオールマイトに飲ませてすぐに現場復帰させたのは別の話である。

 これについてはさすがにやり過ぎてしまったという出久の反省があったらしい。

 

 

 

 




前のバージョンはかなり反省点が多かったので、どうしても加筆してリメイクしたかった。
やっと執筆できて少しだけ気持ちが軽くなった気がする。

ハウンドドッグとブラドキングは…本当に申し訳ありません!!
挟撃を行おうと待機してたら大がかりな罠を逆利用されてハウンドドッグと一緒に倒されたという形にしてしまいました。ゴーストライダーがやられたアリジゴクのようなタイプだったか不明だけど、広範囲に被害が出るタイプ。

オールマイトは、たぶん教師陣の中で一番本気パンチに耐えられそうだったので受けてもらい、結果両腕の骨が砕け散る流れにしてしまいました。
出久からの頼みでザラゾスが回復薬をくれたので後遺症無くすぐ復活できています。
副作用は無いということにしています。あるとしたら味が失神するほどゲロマズなぐらい?
この時には腕の怪我だけを治して、体全体の不調は治ってません。神野事件で呪いをかけられる形でゴーストライダーに完全治療されます。

根津は、前のバージョンでは自分から降参して試験の終わりを告げていますが、今回はタイムオーバー直後に一本釣りされてエクトプラズムの行動の阻害に利用されてしまう形にしました。
隠れて状況を通信とかレーダーとかの機器を使って把握して指示を出したり、罠を使うタイミングを謀ったり、逃げ回ってタイムオーバーを狙っていましたがエクトプラズムより先に捕まっています。

あと、アリジゴク罠からどうやってゴーストライダーが抜け出したのか?
……あえて言うと、ホラー映画特有の謎の瞬間移動? ……かな。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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