ヒロアカ×ゴーストライダーネタ  連載版   作:蜜柑ブタ

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期末試験後。



爆豪が、オリジナル設定の教団に唆されて……?



出久の出番はほとんどありません。




(※2020/11/17 17:40 クリスタルの大きさを変更)


SS30  踊らされる少年

 

 

 試験が終わった……。

 

 だが演習試験で、結局条件をクリアできなかった組がいる。

 その者達の絶望の様子といったらもう……。

『この世の終わりみてーな顔。』

 切島、砂藤、芦戸、上鳴……、試験をクリアできなかった組み合わせ達だ。

「個性把握テストみたいに、どんでん返しがあったりして?」

「緑谷…、それは口にしたらいけないパターンだぜ!」

「試験で赤点取ったら林間合宿に行けず補習地獄! そして俺らは実技クリアならず! これでまだ分からんのなら、貴様らの偏差値は猿以下だ!!」

 上鳴が長ったらしく言いながら怒る。

『あり得るな。』

「どんでん返しが?」

『ああ。あの相澤という男は、相手の力を最大限に引き出すためなら手段を選ばないだろう。そーいう匂いがする。』

 ザラゾスがそう言うのなら信憑性は高まりそうだ。

 やがてチャイムが鳴り、相澤が教室に入って来た。

 そして、試験結果について発表される。

 やはりというか、赤点は出たらしい。それを聞いて、暗くなる実技未クリア組み。

「したがって……、全員林間合宿に行きます。」

「どんでん返しきたーーーー!!」

「やっぱり…。」

 これ以上無いほど喜ぶ未クリア組み達。一方出久はやっぱりか…っと呟いた。

『クク…、楽しくなりそうだな。』

「だね。」

 補習地獄の件が、結局個性把握テスト同じで、全員の力を引き出させるための口実だったこと、そして合宿は単なるキャンプとかそういうのではなく、強化合宿であることからむしろ連れて行って強化させないといけないということだった。

 ただし…っと付け加えられて、赤点の奴は、補習授業も別途に設けられるので学校に残って補習より厳しいと言い渡されて、喜ぶ彼らのテンションを落とさせた。なお、峰田によってなんとかクリアできた瀬呂も、ただ寝ていただけということで赤点だった(峰田と瀬呂の組の相手は、個性『眠り香』を使うミッドナイトだった)。

 

 

 しおりが配られ、その内容を確認すると1週間の強化合宿ということが分かった。

 さすがにまるっと夏休み全部を費やすはしないだろう。

 葉隠の提案で、1-Aクラスみんなで買い物に行こうということになった。

 ところが、出久と轟は行けないと言った。

 出久は有名人だし、轟もある意味であの時(体育祭)で目立ってしまったのだ。だから人混みはしばらくは避けるとのことだ。

 結果、出久と轟を抜く、1-Aクラスが買い物へ。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 大型ショッピングモールに来て、各々が必要な物を買いに行くために、集合場所と時間を決めて散開。

 爆豪が、うるさい切島達を振り切るようにひとりでモール内を歩いていると。

 ふと、周りの音が聞こえなくなって顔を上げた。

 まるで路地裏のような場所で、モールではない。

「雄英校の爆豪勝己君だね?」

「誰だ、てめぇ!」

 スキンヘッドの神父のような男がその先に立っていた。

「初めまして。私は、こういう者だ。」

 そう言って穏やかにお辞儀をして、名刺を出した。

 爆豪は警戒して受け取らず、けれどそんな爆豪を安心させるように微笑む神父。

「我々は、『リフィカル教団』だ。」

「…聞いたことがあるな。」

「それは嬉しい言葉だ。我々は、表向きは社会貢献するための組織だが…、決して表沙汰にしてはいけないこともしてるんだ。」

「…で? そんなうさんくせぇ奴が何の用だ?」

 爆豪は、手からバチバチと小さな爆発を起こしながら神父を睨んだ。

「緑谷出久。」

「!」

「君は、その少年の幼馴染みらしいね?」

「……。」

「中学生3年生のある時を境に、彼は変わってしまった。それを一番知っているのは君のはずだ。」

「!?」

「その理由について知っているかい?」

「……ゴーストライダー…。」

「そうだね。だが、それはあくまでも変化のひとつでしかない。君は真実を知らないようだね。」

「どういうことだ?」

「君は悪魔を信じるかい?」

「あくま? コウモリみたいな羽の生えたモンだろ? 物語とかに出てくる。」

「それは一例に過ぎない。だが悪魔は存在するとしたら? ゴーストライダーの力が…、悪魔の力だとしたら?」

「なっ…。」

「おかしいと思わないかい? あれだけの変化を起こせるにも関わらず、なぜ無個性なのかを。むしろ、わざと無個性でなければいけなかったのではないかと。」

「……個性じゃなけりゃ、なんだってんだよ!」

「だから、悪魔なんだよ。ゴーストライダー…、緑谷出久は、悪魔に取り憑かれた人間だ。」

「んなこと…。」

「あるんだよ。信じたくないかもしれないが。悪魔は実在し…、そして人間に影響を与えるんだ。ゴーストライダーは、悪魔の力を得た人間の姿なんだ。」

「っ……。」

 爆豪だって考えてなかったわけではない。なぜ出久に突然あんな力が宿ったのか…。そしてあの日から人が変わってしまったのかを…。

 神父の言うことは普通なら現実味がないが、出久の変化と照らし合わせると途端に現実味を帯びる。

「実は、君に頼みがあるんだ。私はそのために君をここへ誘わせてもらった。」

「…んだよ?」

「これを。」

 神父は、懐からウズラの卵サイズのクリスタルを出した。

「これは…、悪魔を封印する力を宿せしクリスタル。」

「…どういうことだ?」

「君に…緑谷出久を救う方法を与えたい。」

「!?」

「悪魔に取り憑かれた人間が、このままでいていいと思うかい? 我々は、これまでに決して表社会には出ない悪魔の関わった事件に携わり、そして悪魔と戦ってきた。悪魔に取り憑かれた人間が辿る末路はいずれも悲惨なものだよ。現に、彼(緑谷出久)は、実の親からも見放されているらしいね?」

 確かに出久は、ゴーストライダーになってから親元から放されている。

「そして、君自身……、ゴーストライダーが宿す悪魔の力に怯えているだろう?」

「っ……。うるせぇ!」

「いつまでも怯えているだけでいいのかい?」

「!」

「もし……、君に、まだ幼馴染みを救いたいという気持ちが少しであるのなら……受け取って欲しい。」

「……。」

 爆豪は唇を噛み、拳を握った。

 頭の中に、記憶の中の変化する前の出久の姿が思い浮かぶ。

 出久は、くるくると表情がよく変わる、弱いくせに正義感だけは無駄に強い少年だった。

 だが、今の出久は? 正義感こそあるかもしれないが、それは、ゴーストライダーとしての容赦のない恐ろしい物へと変わった。

 無表情で…、一人称まで変わってしまい…、なにより、あの目が……。

「君は、きっとそういう運命にある。緑谷出久を救えるのは、きっと君だけだ。」

 爆豪は、悔しそうに顔を歪め、ギリギリと歯を食いしばる。

 そして…、神父の手からクリスタルを奪い取った。

 神父は、嬉しそうに微笑んだ。

「使い方は簡単だ。緑谷出久の心臓の位置に、そのクリスタルを当てればいい。そして、その悪魔を封印することを強く願うんだ。今から、その悪魔の名を言う。決して口に出さないように。相手に知られれば、相手の悪魔が君に何をするか分からないからね。」

 そして神父が間を置いた。

「覚悟はいいかい?」

「……ああ。」

「悪魔の名は…、『ザラゾス』。胸の内に隠しておくんだ。」

「ざらぞ…。」

「いけない! 下手に口に出せば、どこで奴が聞いているか分からない! 私と君がこのやりとりをしていることがバレれば…、私も君も…ただでは済まないだろう! あの悪魔は、人類の文明が始まった時代ぐらいからいる強力な悪魔なのだ。ハッキリ言って、魔界でも1、2を争う!」

「!」

「分かったなら、決してその名を口にしないでくれ。」

 うっかりザラゾスの名を口にしかけた爆豪は、その名前を出そうとした声を飲み込んだ。

「いいかい? いつ封印するかは、君に任せる。だが、決して…、ここでの私とのやりとりと、クリスタルの存在を公にしないように…。どこでザラゾスの目が光っているか分からない。悪魔を普通の人間や生き物と一緒にしてはいけない。分かったね?」

「……。」

「では…、これで話は終わった。君を元の場所へ戻す。」

「あっ…。」

 爆豪がハッとした時には、元の場所へ戻っていた。

 爆豪の手の中には、確かにクリスタルがあった。それだけであれが夢でも何でもなく現実なのだと分からせる。

「おーい、爆豪!」

「!」

 後ろから切島の声が聞こえ、爆豪は慌てて鞄の中にクリスタルを隠した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 一方。

 薄暗い路地裏で先ほどまで爆豪と会話していた神父が携帯端末を取り出していた。

「はい。」

『……首尾は?』

「はい。爆豪君は、クリスタルを受け取りました。あとは、彼次第です。」

『うまく行けば…、あのザラゾスの器となった肉体が手に入る…。でかしたぞ。』

「はい!」

『使い魔に監視をさせ、いつでも肉体を回収できるよう手配しておけ。』

「承知しました。」

 

 

 

 

 

 『リフィカル教団』

 

 表向きはボランティア、奉仕活動、教育活動、慈善活動などを行っている宗教団体。

 個性、無個性、異形型問わず、どんな相手にも優しく平等に接する姿から信者達が集まり、祈りを捧げる者や教団に入る者もいる。

 だがその裏では悪魔狩りを行なっていおり、古来から悪魔を知り、聖水、呪文、封印のクリスタルなどの悪魔祓いの道具で退治してきた組織でもある。

 警察やヒーローにもそのことを知る者が何人もいて民間人を下手に怖がらせないために協力している。

 特に悪魔によって悩まされ心を病んだ者、精神的恐怖を与えられた者などを救うことを第一の目的としている。

 

 ……だが本当の姿は悪魔を追い払われた後の者の肉や心臓を食して悪魔の力を手に入れようとする悪魔宗教団体。警察やヒーローの中にはその信者もいる。

 記憶を改竄したり幻覚を見せるなどの個性を持つ神父やシスターがいるため調査の手が届かない。

 

 

 

 

 

 

 教団名を英語にすると『reficul』。これを逆さに読むと『lucifer』。つまりあの有名な元天使で現堕天使ルシフェルである。

 

 

 

 

 

 爆豪は、何も知らず、踊らされる。

 

 

 

 




案をくださった方、ありがとうございます!


封印のタイミングは、AFOとの戦いの後を予定しています。(変更もするかも)



もしかしたら、爆豪がゴーストライダーの力の源であるザラゾスのことを知ったのは、これが初めてかも?
爆豪が、こんなすんなり信じて、クリスタルを受け取るかな?
分かんないから、もし違うという意見がありましたら書き直します。

次の短編のネタにするなら?

  • 妖怪ウォッチ
  • すまっしゅ!!
  • それ以外の怪異や、妖怪など
  • SCP
  • いや、連載の続き書けよ
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