マスキュラーがすでに倒されているので、二人の会話をどうするか悩みに悩み、こうなった。
翌日。
2日目……、(強化)合宿本番!
生徒達に課せられた強化訓練は、限界突破!
つまり、それぞれに合った訓練で個性の限界値を伸ばすことである。
例えば、砂藤や八百万など、糖分や脂質(カロリー)消費で個性の力が左右される者は、食べながら力を出す訓練。
許容限界のある上鳴や青山は、発動できる上限の底上げのためにひたすら個性使用。
麗日などは、大きな透明のボールに入って斜面を転がりながら三半規管による酔いに中、個性を使うなど。
峰田などは、もぎもぎを大量にしても血が出ないよう頭皮を鍛えるためひたすらもぎもぎ。(すでに出血)
蛙吹や障子などの異形型は、その個性を伸ばすための鍛錬。
ちなみに、常闇は…ピクシーボブが作った洞穴の中にいるらしいが、悲鳴が聞こえる…。
轟は、ドラム缶風呂に入って冷気を放つ訓練。爆豪は、お湯の中で爆破を起こして汗腺を広げる訓練。
そして、出久は……。
「だいじょうぶですか?」
「ーーーーっ…。」
プッシーキャッツのひとり、虎(とら)が、我(われ)ーズブートキャンプなる謎の筋トレをさせていたのだが、不意に打ってこい!と自分を殴れと言ってきたので、まったく汗ひとつかいてないし、疲れてもいない出久が動きが速いはずの虎の腹にもろに拳を入れてしまった。そして腹を押さえた虎は、身体を丸めて悶えている。
「どうする、イレイザー! この子、なにやらせても訓練にならなさそう!」
「対人訓練を基礎に、基礎身体能力を鍛えろ。明るいうちは7割しか力が出せないのなら元々の力を鍛えるのが一番だ。」
「対人訓練!?」
一番の肉体派の虎が一撃で沈められているのに、他が束になっても勝てる気がしない。
しかし、ここで負けたことを認めていてはプロヒーローとしての名が廃る!
プッシーキャッツ達は、総力を挙げて出久の訓練のために頑張った。
そして、お昼。
その頃には、ぐったりしたプッシーキャッツと生徒達に反してケロッとしている出久だけがいた。
「ぅ…、昨日も言ったけど…、世話を焼くのは今日だけって言ったわよね」
「己で食う飯…ぐらい、作れ! カレー!! 全員…一人除いてバキバキだろうけど、下手なネコマンマ作っちゃだめよ?」
なんとか気力で奮い立つプッシーキャッツが、カレー作りのための材料と調理器具を示す。
そして、カレー作り。
「爆豪…、爆破で火ぃ付けられね?」
「付けられるわ!」
両手を包帯でグルグル巻き状態にした爆豪が、カマドに火を付けた。
「緑谷! 頼むわ!」
「うん。」
出久もゴーストライダーの炎の力を使い、火を付けた。なお、轟もやろうと思えば火は付けられるが、呪いが痛いので拒否。なので八百万がチャッカマンを創造して火を付けた。
飯ごうで炊いたり、火力調整がコンロほど自由が利かないカマドでの調理なので、焦げたり、若干生煮えだったり、ちょっと水っぽかったり、野菜が不揃いにも程があったりしてゲロ不味いとはいかなくても美味とは言えない出来に。訓練後の疲れが最大の調味料となり残さず頂けた。
「洸汰君。」
「っ…! な、なんだよ?」
施設からそう遠くはないが近くもない場所の坂の上。小さな洞穴があり、森を見渡せる場所があった。そこに洸汰がいて、出久が皿に盛られたカレーを持って来た。
「お腹すいてない? 置いておくよ。」
そう言って洸汰の傍にカレーの皿を置こうとすると、洸汰の腹が盛大に鳴った。
カーッとなる洸汰に、出久が微かに微笑んだ。
「笑うなよ!」
「食べたら?」
「……。」
そう言って出久はカレーを差し出した。
グッと息を詰らせた洸汰は、カレーを見つめ、やがて皿を奪い取りがっついた。
「味…薄…。」
「あっ、やっぱり?」
「カレーもまともに作れねーのかよ…。」
「授業として家庭科はあるけど、このカレーは、キャンプと同じような状況で作ったからかな?」
「キャンプって…、お前ら訓練に来たんだろ…?」
「そうだね。」
「くっだらねー…。」
「そうだね。」
「!」
「君にとっては…、そうなんだろうね。ヒーローだった両親をヒーローとしての仕事に奪われた君には…。」
「マンダレイか!」
「ちょっと話をしたんだ。……あと、俺が君の両親の仇を廃人にしたことも。」
「……。」
「これだけは言える。君の両親の死を含めて、アイツには…、罪を思い知らせたことを。」
「なんだよ…。それ…。」
「俺の目は…、相手の罪を思い知らせる力がある。例えば、誰かを傷つければ、その傷の痛み…、誰かを殺せばその痛み…、そして残された者達の悲しみの痛み。」
「!」
「すべてが苦痛となって体も心もメチャクチャにする。アイツは、あまりの痛さに廃人になった。生きているけど、もう死んでいるも同然。むしろ下手に生きているから、罪の痛みに今も苦しめられている。廃人の方が死ぬより辛いだろうね。」
「……!」
「例え、今死んでも、待っているのは地獄だし。生きても死んでも地獄だよ。それとも…、自分で仇を討ちたかった?」
「っ…れは……。」
「それは、決して悪いことじゃないんだ。どんなことがあっても、復讐は良くないっていう人間はいるだろうけど…。けれど、罪によって流れる涙と血を無駄にしたくない。だから、俺(ゴーストライダー)がいる。」
「……パパ…と、ママは…。」
「うん。」
「立派なヒーローだったんだ……!!」
洸汰の目から大粒の涙が大量に零れた。
「でも、でもぉ…、俺をおいて…死んじゃった…。でも、周りの奴らは、みんな立派なことをしたって言うし…俺……!」
「うん。」
「どーしたらいいか…分からんないんだよーーー!!」
洸汰は、出久に抱きつきわんわん泣いた。
「君は…すごいよ。」
「?」
「復讐をしたいって気持ちはね…。誰にでもあるんだよ。でも、君はそんなことをしても、お母さんとお父さんが帰ってこないってことを知ってて、迷うって事は…、向き合おうとしているってことだよ。悲しみや怒りは向き合う気持ちの妨げになることが多いんだけど、君は強いね…。だから、お母さんとお父さんが誇りにしているだけのことはある。」
「!?」
「俺は、ゴーストライダーだ…。だから…、死んでしまった人の声だって聞けるんだ。」
「パパ…ママ…。」
「二人は、君を見守っている。一人にしてしまって…、そして悲しい思いをさせてごめんなさいって…、でも、自分達の分まで…幸せに強く生きて欲しいって。」
出久が洸汰にそう言うと、洸汰は首を縦に振った。
それからしばらく後、戻ってこない出久と洸汰を探しに来たプッシーキャッツと、泣き疲れて眠った洸汰を抱えた出久が合流した。
その夜、いつの間にか男子の大部屋の出久の布団に洸汰が潜り込んでいて、翌朝、轟が大人げなく洸汰と喧嘩した。
ゴーストライダーは、たぶん死んだ人の声聞こえると思う。
原作の方の合宿2日目の光景は…、正直吹き出した。
阿鼻叫喚だわこれ…って。
洸汰は、たぶん賢い子だからこれくらいかな?って考えながら書きました。
最後の轟はね……、うん…。
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ