グロ注意!
蟲と、出血や、腕が切断されて飛んだりします。
モブ達が次から次に……。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
早朝。
事務所前に怪しいペストマスク集団が来たと、通報され、ちょっとした騒ぎに。
ペストマスクを身につけていることから、サー・ナイトアイが現在保護下に置いている治崎が呼んだ部下達だと警察に説明。
クラミスにかなりの人数がやられたらしく、大怪我などで動けない者が多く、いわゆる鉄砲玉のメンバーなど少数精鋭が残っているだけらしい。
『次にあのピエロに襲撃されていたら、全滅だっただろうな。』
ザラゾスがそう分析する。
「治崎、揃ったのなら、話を始めるとしよう。」
「……ふん。」
治崎とクロノだけが呼ばれ、他の組員は別室で待機。
サー・ナイトアイの事務所の会議室に通され、他のヒーロー達が集った中で情報交換と会議が行われる。
なぜか、イレイザーヘッドこと相澤や、ビッグ3の天喰(あまじき)や切島、彼のインターン先の指導役のヒーローであるファットガムなどもいた。
「なぜ相澤先生までいるんですか?」
インターン先であるヒーロー・リューキュウの元にいて、リューキュウと共に同じくインターンで来ていた蛙吹と麗日が聞いた。
「これから話しに出る。」
相澤はそう言った。
そして会議が始まる。
まず、サー・ナイトアイが追っていた死穢八斎會と、その組員である治崎達を紹介。
ハッキリ言って、この面々に共通点があるとは思えなかったが、次にファットガムが会議室に設置されている大型モニターを使い、とあるニュースの映像を映したことで合点が行った
ニュースの内容は大規模な玉突き交通事故発生を伝えている。
「コイツは単なる交通事故やないんや。この事故が起こった当日、事故を起こした運転手が口を揃えとってな、空にオーロラを見たって言っとるんや。だが、気象観測ではこの時間にオーロラなんちゅうもんは発生しとらん! どうやら ごく一部の人間にしか見えとらんかった幻覚やったんや! それも見たら気が狂ってまうような!」
「嘘発見器や記憶を写真に投射できる警察関係者の個性で、事故当時の記憶を投射したところオーロラを確かに見て認識していることは分かっています。」
「それらの調査の結果、オーロラの幻覚の流れ…すなわち発生源をだいたい特定することに成功しました。」
「それが……、この街だったのです。」
「あのピエロ女か…。」
黙っていた治崎が怒りでつい口を開いた。
「個人の個性というには、あまりにも大規模なため組織的な犯行という可能性が否定できないが……、ゴーストライダーからの情報で、死穢八斎會を襲ったその幻覚の個性持ちは、悪魔であるらしい。」
「皆の記憶にも新しいだろうが、リフィカル教団の事件において、悪魔の存在は決して単なる空想上の存在ではないと認識して貰いたい。そうだな、緑谷?」
「はい。けれど、事情が少し異なるかと思います。」
「どういうこと?」
「幻覚の根源である悪魔…、名前は、クラミス、彼女は後天性の悪魔であること。しかもリフィカル教団の事件で無理矢理生きた人間に取り憑いて暴れたり、死体に取り憑く悪魔とは違い、しっかりとした人間の時の記憶も人格も保有した状態での悪魔化なので…、本人が強く望んで悪魔になったとしか…。」
「つまり…、クラミスという女は、最近になって悪魔になったということか?」
「少なくとも件の教団の事件の時にはいなかったので、彼女が悪魔になったのは事件以降かと思います。これは、あくまで推測ですが、治崎さん達を襲った日時、そしてさっきのニュース映像の日付からして、治崎さん達を襲う前に自分の力を量るためにオーロラの幻覚を使った可能性があります。街の人間を全員狂わせられなかったのは、広範囲に力を広げてみて試したからじゃないですか?」
つまりもっと幻覚が強ければ最悪街ひとつ分が狂気に落とされていたということだ。
想像してゾッとしたのか、雄英校の面々は顔色を悪くした。一部人間にしか効果が無かったオーロラの幻覚だけでも大規模な交通事故を起こさせているのだから。
「このクラミスという女だが…、登録情報ではすでに死亡した人間だと。だが登録個性から見て、本人である可能性は非常に高い。」
「死んだ人間が生きていた?」
「…あの女は相当人殺しに慣れていた。日常的に殺傷をしていたんだろう。」
「リフィカル教団のピエロと名乗っていやしたしね。」
「リフィカル教団は、悪魔崇拝のために慈善事業の裏で血なまぐさいことをやっていた教団だ。汚れ仕事……、殺し屋ぐらいはいただろうさ。」
「その悪魔の女と、そちらの指定ヴィラン組織がどう結びつくんですか?」
「そのことについては……。」
サー・ナイトアイが事情説明。
「ヤクザもんの組長の孫娘が狙われてる?」
「ええ。その少女の個性は極めて強力です。もし悪魔の手に渡れば…、恐ろしい惨劇となるでしょう。」
「もしかしてなくもないけど…、ここに呼ばれた理由は…その女の子を悪魔から守るためかしら?」
「ヤクザもんと協力して?」
「敵の狙いは、その少女だが…。」
「あの子の力をモノにするには心を折るのが一番です。」
サー・ナイトアイを遮って出久がそう言い放った。
「だから…、身の回りにいる人間を率先して狙うんです。」
出久は治崎を見た。
「最初に…組長(オヤジ)がやられた。」
治崎は、ギリッと拳を握りしめた。
「その次に、若頭である治崎が狙われ、危うく殺されかけています。偶然現場近くにゴーストライダーこと、緑谷君達がいなければ、間違いなく死んでいたでしょうね。」
サー・ナイトアイが眼鏡を指で押した。
「あの子を守ることもそうですが。身内の死による絶望をあの子に与えて心を折らせないためには、彼らを守ること…、それをしなければ…、この戦いには勝てないと思います。」
「勝てないって…、お前な! ゴーストライダーだからって、プロヒーローをなめんな!」
ヒーローの一人が出久に怒る。
「相手は、悪魔です。人間ではありません。低級悪魔を、破魔のアイテムだけで倒した経験しかないあなた達では勝てません。』
「緑谷くん…。」
出久の体から一瞬炎が溢れ、顔の半分がゴーストライダーのそれに変化したように見えた。
ゴーストライダーの声と姿が一瞬出ただけで会議室の空気が冷える。ゴーストライダーは、炎であるにも関わらずである。
***
会議が終わった後、表向きは容疑者であるクラミスを探すこととなった。
目撃情報などの収集は、サー・ナイトアイや事務所所属のヒーロー、警察に任せることとなり、出久達はしばし待機。
「あ…! あの…、えっと…あの……。お兄ちゃん。」
会議室から出ると、ライオンのぬいぐるみを抱えた壊理がトトトっと走ってきた。
「緑谷君…、もしかして、この子…。」
「うん。件の孫娘。壊理ちゃん。」
「は、初めまして…。」
「初めまして、私、麗日お茶子。」
「蛙吹梅雨。梅雨ちゃんって呼んで。」
「切島鋭児郎だ。」
恥ずかしそうにモジモジしながらペコリッと小さく頭を下げる壊理に、麗日と蛙吹と切島が自己紹介した。
その時、ブ~ンと羽音が聞こえた。
見ると小さなハチが飛んでいた。
しかし、次の瞬間。
出久が壁に手形がめり込むほどの力でハチを叩き潰した。
「うお! どうした緑谷? いくらハチ相手でもそりゃやりす…。」
「……こんな分かるやすい手を使ってこられてもな。」
「?」
「あ、ああ!」
麗日が青ざめて指差した。
出久の壁に貼り付けている手の隙間から、ダラダラと赤黒い血のような液が垂れてくる。
「…! 羽音!」
蛙吹がハッとした。
「轟君。」
「!」
合図をされた轟が氷で通路を塞いだ。
その直後黒いモヤのようにハチの群れが現れ氷壁に殺到その強靱な顎で氷を噛み砕こうした。
「なんだこの虫!? 普通じゃねぇぜ!?」
「ちくしょうが! まとめて焼く!」
「その必要は無い。」
爆破を使おうとした爆豪を止め、出久が炎獣を放った。
氷の壁に穴が空き、ハチが侵入してきたが炎獣がその隙間に入って壁となり、さらに広がってハチはすべて焼き払われた。
「なにごとだ!?」
騒ぎを聞いて会議室から相澤達が飛び出した。
「敵が襲撃して来ました。」
出久は淡々と伝えた。
その時、サー・ナイトアイが持っている携帯が鳴り、すぐに出たサー・ナイトアイだったが、その携帯の向こうで事務所所属のヒーローの声が途絶えたのを聞いた。
「ナイトアイ?」
「……どうやら敵は我々が想像していたよりも強大でした。」
サー・ナイトアイは、そう言って眼鏡を抑えた。
敵と聞いて青ざめ震えた壊理が、ギュッと出久のズボンを握った。
ブンッと低い羽音が一瞬聞こえ、何かがサー・ナイトアイの横を遠すぎる。直後、眼鏡を触っていたサー・ナイトアイの手首に横傷ができ血が噴き出した。
「サー!」
「先輩、今、下手に動いたら…。」
ブンブンっと飛び回る甲殻虫がミリオの首筋を浅く切った。
「ぐっ!」
「そこ!」
蛙吹が舌を伸ばし、甲殻虫を捕えた。
コガネムシのような形をしていて、6本足のうち前足の2本はカマキリのような鋭利なものになっている見たこともない虫だった。
「だいじょうぶかいな!?」
「傷は浅い。」
サー・ナイトアイは、そう言って傷口をハンカチで巻いた。
「しかし…、何も見えなかった…。これは…。」
「悪魔に個性は通用しません。」
「なるほど。」
サー・ナイトアイの個性・予知が、どうやらクラミスには通用しないらしい。
「その女の子をくれたら、命だけは助けてあげる。」
「お前…!」
通路の先にクラミスがいつの間にか現れた。
クラミスは、虫の息のヒーローの首根っこを掴んで引きずっている。
「命だけ? つまり、それ以外は保証しないということだな?」
「……ふふふ。」
サー・ナイトアイがそう聞くと、クラミスは、イタズラがバレた子供のように笑った。
だが、次の瞬間、通路の壁や天井、床がメチャクチャに動き、鋭い針になってクラミスに殺到した。
「治崎!」
治崎が床に手を置いて個性を発動したのだ。
四方八方からの針が接触する直後、クラミスが掴んでいたヒーローを出久達の方へ投げた。
出久がハッとして炎を放った直後、そのヒーローの体から、大量のウジ虫が血と肉と共に飛び散ったが出久が放った炎壁で防がれる。
クラミスの姿は変形した事務所の床や壁、天井に挟まれ見えなくなった。
「逃げましょう。ここは狭すぎる!」
「えっ…でも…。」
「奴はまだ死んでない。」
戸惑う切島に、壊理を抱き上げた出久がそう言った。
その直後、クラミスがいるであろう部分から凄まじい勢いで虹色のオーラがあふれ出した。
「オーラに触れるな! 幻覚に飲まれる!」
クロノがそう叫んだ。
オーラがあふれると共に変形した事務所の一部がピシピシと崩壊を始めた。
そして出久達が反対方向へ走っていなくなった後、無傷のクラミスがそこから出てきた。
『…サー……、たす…け…。』
出久達の前にフラフラと事務所の人間達が顔から血を流してゾンビのように歩いてくる。
助けを求めてくる彼らに対し出久が鎖を出してその頭を潰した。
「緑谷、なにを!」
「……もう…、助かりません。」
頭を潰した人間の首から溢れ出るのは大量のウジ虫。
彼らは生きながらにクラミスによって虫の苗床にされたのだ。
「ひっ…!」
あまりに残酷な光景に麗日達は青ざめた。
轟が氷の飛礫を飛ばし、迫ってくる生き死体達を潰していく。
ヒーローであるがため、一瞬は躊躇を見せた相澤も捕縛布で絡みつかせ、投げ飛ばし潰す。彼らの体は虫に食われて脆くなっているらしい。いとも簡単に崩れた。
助けて助けて、殺さないで、と彼らは訴えてくる。それが操られてなのか、彼らの意思なのかは分からない。
「きついな…。」
相澤が酷い光景にさすがにそう呟いた。
やがて生き死体達は全滅した。
「吐くなら、後。」
「うぅ…。」
あまりの恐ろしく残虐な光景に、吐き気を堪えきれない麗日達に出久がそう言った。
そして一行は、事務所の裏口から飛び出した。
「あかん! オーロラや!」
ファットガムが空をチラッとみて叫んだ。
外は、まさにカオスだった。
強大化したクラミスの幻覚による、まさに異世界と言って差し支えない光景が広がっていた。
「うぅ…! 頭が…。」
「あかん! 見たらあかんねん!」
「無理です。この幻覚は、目だけ閉じればいいってものじゃない。」
『酷いわね~。その女の子を守るがために、何人見捨てたの?』
幻覚の世界にクラミスの声が響く。
「…助けられなかった。そんな風にしたのはお前だ。」
『ええ、そうね。けれど、どうして助けを求めるのに助けてあげないのかしら、ヒーロー?』
「かっちゃん。」
「ーーああ? なんだよ?」
幻覚によって頭の中を浸食される感覚に耐えていた爆豪に、出久が話しかけた。
「ブーストをかけるから、最大爆破して。」
「はっ?」
「いいから。躊躇してると死ぬ。」
「!」
そう言われた爆豪は驚きつつも、自分がいまできる範囲での最大の爆発を行うため汗を溜め始めた。
出久が炎を纏った鎖を周囲一帯に撒き散らすように広げた。
「かっちゃん!」
「おおおおおおおおおおおおおお!!」
爆豪がその鎖に向かって最大級の爆発を放った。
鎖が爆発を受け止め、連鎖爆破が周囲一帯を包み込むように発生する。
そして、爆風が幻覚をなぎ払うように荒れ狂い、やがて虹色のオーラが消え、幻覚も消えた。
『あらあら…、やっぱりこんな手じゃダメだったかしら?』
クラミスが幻覚の向こうから現れ、クスクスと笑っていた。
「よくも…、許さへんで!」
「ダメだ!」
出久以外の面々が幻覚の後遺症で膝を突く中、事務所の人間にやった残虐な行為に怒るファットガムがクラミスに迫った。
ファットガムの巨体がクラミスに接触する直後、ファットガムの上半身に大きな切り傷ができて出血した。
「な…!? なんやと…!?」
どんな衝撃も吸収する個性を持つファットガムでさえ、この攻撃に驚き後ろへ倒れ込んだ。
切島が叫び、天喰が個性を発動してクラミスを攻撃しようとしたが、その身を出久の鎖によって止められた。
「止めんな、緑谷ああああああ!」
「殺されたいの?」
「ああ、先輩!」
気がつけばミリオが飛び出していた。
クラミスにミリオが拳を振るう。
直後、ミリオのその腕が切り離されて飛び、そこをクラミスが頭にハイキックをして倒して踏みつけた。
それを見た壊理が悲鳴を上げる。
「壊理ちゃんを。」
「緑谷ちゃん!」
蛙吹に壊理を渡し、出久がゴーストライダーへと変化した。
体からオーラを出し、まだ息のあるファットガムとミリオを苦しめているクラミスに、ゴーストライダーが一瞬で距離を詰めた。
そして炎を纏った拳を振るわれるが、ブンッと羽音が鳴ったと思うと、クラミスが上空へと飛んでいた。
背中から羽虫の羽を出し、ゴーストライダーを見おろしている。
しかし、直後にピタッと硬直したようになったが、すぐに体勢を整え、一目散に背中を向けて飛んで逃げていった。
出久はヘルバイクに跨がって追おうとしたが……。
「待って、待って緑谷くん…!」
声を上げて泣きながら止める麗日の声で振り向き、ヘルバイクを消し、その代わりに青い炎獣を出してクラミスを追わせた。
そして幻覚に苦しんでいるファットガムとミリオを正気に戻させ、緑色の炎で応急処置した。
麗日の傍には、鞄から落ちたのか、鈴のキーホルダーがあった。
クラミスとの戦い、1回戦めは……、クラミス逃走でうやむや。
そしてかなりの人数のモブが犠牲に……。
本当は1、2話ぐらいでクラミス戦終わらせそうになってました。
それだと早急すぎるかなって思って分けてました。
クラミスは、強いが致命的な弱点があります。そのため、強さの代償に弱点のせいでかなり脆弱。
次回はどうするかな…、炎獣の荼毘とクラミスの戦いと、惨劇の責任を感じた壊理がいなくなって…とか?
次の短編のネタにするなら?
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妖怪ウォッチ
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すまっしゅ!!
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それ以外の怪異や、妖怪など
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SCP
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いや、連載の続き書けよ